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たこやき さんのレビュー一覧
たこやきさんのページへレビュー数63件
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ものすごい長編ですが、サクサクと読めました。
設定が現在からだと約2000年後くらい?でしょうか。とても斬新な物語でSFともファンタジーとも微妙に違う気もしましたが。 サイコキネシス(私の年だと超能力者と言う方が自然ですが・・・)を持つことになった人間の未来。 ありえない話ではあるのですが、もしそんな力を持つ事があるとすればきっと人間の業と言うのはとどまるところを知らないだろうと言うのもわかる気がします。 子どもを完全に管理すると言うことの恐ろしさも、妙にリアリティーがありました。 洗脳ではないにしろ、今の学校や社会も少なからず同じような事をしている気がしてなりません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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雄大な自然に対する謙虚な気持ちが伝わってくる作品です。
失踪したシンガーを探す依頼を受けたコークですが、そこに過去の事件が絡んできてFBIまで出てきて複雑な物語になっていきます。 一方で前作で崩壊寸前だった夫婦の関係が少しずつ変化してきたり、大きくみれば親子の物語であったりと、人物描写もすばらしいです。 ミネソタの雄大な自然は日本とは違うスケールを感じます。 ネイティブアメリカンの自然に対する謙虚さはアイヌにも通じるものだと感じます。 これからさらに夫婦の関係がどうなっていくのか、家族の物語でもあり先が楽しみです。 |
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解説にもあった通り、軽く読み流せますが、ユーモアがってなかなか面白い作品です。
ニューヨークが舞台でありながら、あまり殺伐としたところがないのがいいですね。 バーニーは暴力は嫌いなのでもちろん銃を持つこともなく、裕福な家の鍵を開けていくらか拝借していくと言う泥棒なのですが、依頼されて侵入した家に警官が踏み込んできて、そこでいるはずのなかった家人が殺されていたことがわかって慌てて逃げるはめになり、途方にくれていると、謎の女性が色々助けてくれて真相を解明していくお話です。 脇役のレイという警察官がいいですね。 主人公は泥棒ですから、決していいことをしているわけではありませんが、なんとなく憎めないと言う雰囲気が良く出ていて楽しめます。 |
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『掛けこみ交番』に出てくる高木巡査が警察官になりたての実務研修の頃のお話です。
警察官になったのも付き合っていた彼女に振られたのがそもそもの動機というかなり不純な理由なんですが、熱血でもなく短気で怒られてばかりの、今時の若者を実に上手く表現されています。 ミステリーではなく青春群像劇のようなお話で、なおかつ地域のお巡りさんと言うのも色々大変なんだなあと考えさせられます。 まあ現実の警察は今ちょっと不祥事が多いみたいですが・・・・ 警察手帳にプリクラ貼ったり、ピアスの穴を残していたりとユニークな彼ですが、向いていないと落ち込んだりやめようと思ったりしながら成長していく爽やかな物語です。 乃南さんの作品で、こういうコメディタッチの話はそうないのではないかと思いますが、高木巡査がその後どんな風に成長していくのか、ちゃんと刑事になれるのか是非とも続きを読みたい作品です。 |
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あまりなじみのないノルウェーの作品です。
前置きがなく、いきなりTV局がハイジャックされるところから始まるのがなかなか斬新です。 名前にあまりなじみがないので覚えるのが一苦労ですが、物語は分単位で進んでいきスピード感があって面白いです。もちろんフィクションですが、チェチェン紛争についての勉強にもなります。 |
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北欧デンマークの物語ですが、めちゃくちゃ面白かったです。
しばらくスウェーデンのヴァランダーさんにはまっていたのですが、あちらはミステリーとしてはとても面白いのですが、主人公がひたすらネガディブで中年の悲哀まるだしなのですが、こちらは個性的なメンバーで、特にアサドのキャラが光ってます。 カールはまだいまいちどんな人なのか捉えにくいところがありますが(妻との関係や義理の息子との関係を考えても)トラウマがあるにもかかわらず、同じ中年でももう少し前向きな気がします。 犯人の素性はなんとなく最初の方でわかってしまったのですが、それを追いかけていく過程は非常に面白いものがありました。 シリーズ化されているようなので、是非続きを読んでみたいです。 |
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『最悪』と同じくちょっとしたことからどんどん追い詰められていく人達の物語で、同じように読み終ってもあまり救いもないのですが、読み始めるとやめることができませんでした。
作者の筆力がすごいと言うか、人物描写は抜群に上手いと思います。 特に及川恭子の気持ちに引き込まれていきました。 些細なトラブルからどんどん深みにはまっていく人間の脆さは不安の裏返しなんでしょうけど、ちょっとしたことでもきちんと受け止めて次へ進まなければ・・・と自分のことを考えてしまいました。 先が読めず小説としては面白いのですが、すごく疲れました・・・。 |
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【ネタバレかも!?】
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なんと言うか・・・本当に最悪・・・なお話でした。
殺人事件が起こるわけでもないのに、どんどんと物語に引き込まれていくのは、3人の登場人物があまりにリアルだからでしょうか? 誰にでもありうるようなちょっと身につまされるような話で、一歩間違えば誰でもこんな風に悪循環に陥っていくのではないかと言う緊迫感で一杯でした。 最悪な話なのに、先が気になって止まりませんでした。 最後がどうなるのかと思いましたが、まるで登場人物になったかのように、台風一過のようにホッと胸をなでおろしてしまいました。 スッキリ爽快な解決で終るミステリーではありませんが、奥田さんの筆力ってすごいなと改めて思いました。 あんまり楽しい話ではないですが、お勧めです。 |
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これの前に『血の冠』を読んで、ちょっとこれはないだろう・・・と言う思いだったので、ちょっと警戒しながら読みましたが、この物語は非常に良かったです。
色々警察小説を読んできましたが、こんな最低な警察官が主人公なんて・・・と言うあたりがけっこう新鮮でした。トラウマとかの心理描写を書くのがすごく上手い方だなと感じます。 この主人公がどんな風に変っていき、真相が少しずつわかっていく緊迫感はすごく良かったです。スーパーヒーローでないところが共感できます。 でも山下県って・・・。架空の県にする意味があったんでしょうか? 村の名前とかならともかく、背景のイメージがつかみにくかったです。 |
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『贄の夜会』を読むまでこの作家さんを知らなかったのですが、すごい筆力のある方ですね。
最初はなんとなく辛気臭い感じで、あまりスピード感のある展開ではなかったのですが、真相が少しずつわかっていくにつれて、ぐいぐいと引き込まれていきました。 開発にからむ汚職なんてのは現実にも一杯あるだろうし、産廃がからむあたりは非常にリアリティーがあったような気がします。 終章は男性好みの終わり方だなと思いましたが、救いのある終わり方だったのでよかったです。 ページ数は多いですが、読み応えがありました。 |
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夏から順番に読みました。
なんと言うか、大人のメルヘンですね。登場人物はどの人もめちゃくちゃ個性豊かで、特に主人公の木戸孝之介ははっきり言って、ろくでなしでお子様で歪み具合が半端ないんですが、それでもほのぼのさせるお話です。 任侠と言えば清水の次郎長しか浮かんできませんが、一昔前にはひょっとしたら仲蔵さんのような人もいたのかもしれませんね。ユーモアの中にも現代の色々な問題定義があって、思わずうんうんと頷いてしまいます。 現実のヤクザさんは、決して弱気を助け強きをくじいたりはしませんが、こんな御伽噺のような世界があれば、楽しいだろうなあと思います。 プリズンホテルが本当にあったら、行ってみたいですね。 |
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マタギの話かと思っていたら、ちょっと違いました。
どちらかと言えばハードボイルドなのでは?と思います。 先住民族としてはアイヌだけかと思っていたのですが、いわゆる北方領土にはそれぞれの先住民族が生活していたのだと始めて知りました。 主人公の矢一郎があまりにも完全無欠のヒーローのごとく、ストイック過ぎるのはどうかとも思うのですが、歴史的背景や戦争の現実はかなりリアリティーがあって、歴史を知ると言う意味でも読み応えがありました。 それにしてもロシアと日本でいつまでも解決しない北方領土の問題ですが、これを読んでいるとそのどちらにもそんな厚かましいこと言えないんじゃないかと思ってしまいます。 |
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他の方も書かれているように、すごく爽やかな読後感です。
テツさんのキャラクターがいいですね(イルカみたいな顔ってのがどんなのか微妙に想像しにくいですが) 最後のどんでん返しには驚きました。 |
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【ネタバレかも!?】
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以前読んだ『サウスバウンド』がとても面白くユーモアがあったので、そう言うところもあるのかな?と思って読んだのですが、めちゃくちゃシリアスで切ない話でした。
映画の『三丁目の夕日』なんかを見ると、夢と希望があるれるまさにオリンピックの年の東京、一方で復興からは縁遠く忘れ去られたかのような地方の過疎の村。 東北の田舎では小作農家は長男も含めて出稼ぎに行かなければ食べていけない現実があって、その出稼ぎ労働者達の過酷な現場での労働の上に、なりたってきた富と繁栄。 主人公がそんな現実を理不尽に感じていった過程がよくわかります。 それにしても日本人の気質をすごく旨く表現してるなあと感じました。学生運動なんて叫んでいるだけだと感じる村田の言葉が一番ずっしりと響きました。 主人公の島崎より、村田の方に共感できる気がしました。 ただミステリーとしては偶然が重なりすぎているきらいがありますが、あの時代の雰囲気が手に取るようにわかりました。 ただ時代が変った今でも支配する側と搾取される側の構図は、何も変っていない気がします・・・。 |
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リンカーン・ライムのシリーズを読んだあとにこれを読みましたが、すごくよかったです。
人質をとって立て籠もった凶悪犯に交渉人としてのFBIの専門家。 交渉の過程が非常に緊迫感があり、それぞれ所属している警察官同士の反目や対立、マスコミの人間のやりそうなことについてもリアリティーがあるように思いました。 人質の命が何が何でも最優先でないことに、日本人の感覚からすると多少抵抗のあるところですが、ポター捜査官の言葉を読んでいる限りではなるほどと思えてしまいます。 日本ではこれほど大きな事件と言えば30年くらい前の三菱銀行強盗の事件くらいしか思い浮かびませんが、内容が荒唐無稽でないところに作者の取材力のすごさを感じました。 最後のどんでん返しもみょうに納得。メアリーの心境が少しずつ変化していくところは絶妙でした。 |
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衝撃的な最後でした。
賞をとったのもうなずける、秀作です。 ミステリーと言うより、社会問題を多くの人に問いかけるような話です。 それぞれの登場人物の心の葛藤が痛々しい。 ただ娯楽小説としてのミステリーと思って読むと、すっきりしない・・・と言うか、結局問題は何も解決していないのではないかと・・・そこがまた読ませるところなんですけど。 世の中はここまで病んでいるんだろうか・・・と思ってしまいました。 |
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