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たこやき さんのレビュー一覧

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レビュー数93

全93件 61~80 4/5ページ

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No.33: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
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ナイトホークスの感想

正統派のハードボイルドで、いかにもアメリカ的な小説です。
一匹狼で美しいFBIのエレノアとの関わりも含めて、影のあるかっこいい中年の刑事。
ベトナム戦争の傷跡は半端なものではないでしょうし、人をおかしくさせるには十分ですが、それにしても暴力で何かを解決させようとするような考え方は、やはりアメリカ的としか言いようがないような気がします。
ミステリーとしてはとても面白く構成はすごく上手いと思いますが、何故かどの登場人物にも全く共感できません。

ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)
マイクル・コナリーナイトホークス についてのレビュー
No.32:
(7pt)

背後の足音の感想

ヴァランダーシリーズで邦訳されているものの中では最新の話ですが、彼の中年クライシスは止まるところを知りません。スウェーデンと言う国の背景を知るにはとても面白い作品ですが、あまりの悲哀っぷりにはちょっとどうなの?と思ってしまいます。
そこがこの作品の良さなのかもしれませんが。
信頼していた仲間が殺されて彼の秘密を追いかけていくのですが、なかなかその秘密にたどり着けない。
少しずつ真相がわかってくる過程はなかなか緊迫感があるのですが、いつも肝心な時に携帯わすてたりメモがなくなったりと、優秀なのにあまりにもポカが多すぎます。
もう少しミドルエイジの人達が元気になるように元気にしてあげても・・・と思ってしまいました。
背後の足音 上 (創元推理文庫)
ヘニング・マンケル背後の足音 についてのレビュー
No.31: 6人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

特捜部Q 檻の中の女の感想

北欧デンマークの物語ですが、めちゃくちゃ面白かったです。
しばらくスウェーデンのヴァランダーさんにはまっていたのですが、あちらはミステリーとしてはとても面白いのですが、主人公がひたすらネガディブで中年の悲哀まるだしなのですが、こちらは個性的なメンバーで、特にアサドのキャラが光ってます。
カールはまだいまいちどんな人なのか捉えにくいところがありますが(妻との関係や義理の息子との関係を考えても)トラウマがあるにもかかわらず、同じ中年でももう少し前向きな気がします。
犯人の素性はなんとなく最初の方でわかってしまったのですが、それを追いかけていく過程は非常に面白いものがありました。
シリーズ化されているようなので、是非続きを読んでみたいです。

特捜部Q ―檻の中の女― 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕
No.30: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

笑う男の感想

前回までは国際色豊かでしたが、今回は国内でのお話で、警察小説らしい面白さが満載でした。
それにしてもネガティブな人で中年の哀愁がただよいまくりで、人としての葛藤がすごく上手く書かれていると思います。とにかく気分の浮き沈みがめちゃくちゃ激しい。
ものすごく不況な現在ですが、お金を持っている人はみんななんか悪いことをしてる・・・と言うところについ共感してしまいます。


▼以下、ネタバレ感想
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笑う男 (創元推理文庫)
ヘニング・マンケル笑う男 についてのレビュー
No.29: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

パズル・パレスの感想

それなりに面白かったです。
多くの方が感じているように日本人の名前については違和感だらけですし、被爆者の子どもが障害を持って生まれたってのもなんだかある種の偏見にみつていますが、ミステリーとしてはなかなかよくできた物語だったと思います。
スーザンのような考え方がアメリカ人の大半なのかな(支配者側の常として)と思いますが、正義のためなら何をやってもいいと言う(殺人も含みます)アメリカ人の発想には全く共感できないし、タンカドの当初の目的とは違う結果になったのかもしれませんが、結末はちょっと胸のすく思いがしました。
今『オスプレイ』が問題になってますが、きっとこれも都合の悪いことは全て隠しての押し付けなんでしょうけど、アメリカ国民はそもそもなんでこんなに自分の国にテロをしかけられるようになってしまったのかって事を考えるべきなんじゃないの?と思ってしまいました。
パズル・パレス 上 (角川文庫)
ダン・ブラウンパズル・パレス についてのレビュー
No.28:
(8pt)

邪魔の感想

『最悪』と同じくちょっとしたことからどんどん追い詰められていく人達の物語で、同じように読み終ってもあまり救いもないのですが、読み始めるとやめることができませんでした。
作者の筆力がすごいと言うか、人物描写は抜群に上手いと思います。
特に及川恭子の気持ちに引き込まれていきました。
些細なトラブルからどんどん深みにはまっていく人間の脆さは不安の裏返しなんでしょうけど、ちょっとしたことでもきちんと受け止めて次へ進まなければ・・・と自分のことを考えてしまいました。
先が読めず小説としては面白いのですが、すごく疲れました・・・。
邪魔〈上〉 (講談社文庫)
奥田英朗邪魔 についてのレビュー
No.27: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

震源の感想

終盤に至るまでは本当にテンションがあがりました。
真保さんの作品はどれも取材力?と言うか専門知識がすごく地学の勉強をわかりやすく教えてもらっているみたいで、去年の地震のことやなんかもそのまま現実のこととして色々考えさせられることがあったし、おまけに今日の新聞には『尖閣諸島国有化』なんて見出しもあって、官僚と呼ばれる人達も色々と大変なんだなあと思ったりもしてたんですが・・・。

▼以下、ネタバレ感想
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震源 (講談社文庫)
真保裕一震源 についてのレビュー
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(7pt)

流星の絆の感想

さすがにヒットメーカーですね。テンポもよくサクサク読めました。
かなり前にも色々東野圭吾さんの作品は読んでいたのですが、作品の好き嫌いがけっこうあって、後味の悪い陰惨なものもけっこうあるのであまり頻繁には読んでなかったのですが、この物語はすっきりと終りましたね。
最後のどんでん返しについては、そんなのあり?と思ったりもしたのですが、そこは非常に上手くまとめられてたと思います。

▼以下、ネタバレ感想
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流星の絆 (講談社文庫)
東野圭吾流星の絆 についてのレビュー
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(8pt)
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最悪の感想

なんと言うか・・・本当に最悪・・・なお話でした。
殺人事件が起こるわけでもないのに、どんどんと物語に引き込まれていくのは、3人の登場人物があまりにリアルだからでしょうか?
誰にでもありうるようなちょっと身につまされるような話で、一歩間違えば誰でもこんな風に悪循環に陥っていくのではないかと言う緊迫感で一杯でした。
最悪な話なのに、先が気になって止まりませんでした。
最後がどうなるのかと思いましたが、まるで登場人物になったかのように、台風一過のようにホッと胸をなでおろしてしまいました。
スッキリ爽快な解決で終るミステリーではありませんが、奥田さんの筆力ってすごいなと改めて思いました。
あんまり楽しい話ではないですが、お勧めです。
最悪 (講談社文庫)
奥田英朗最悪 についてのレビュー
No.24:
(8pt)

心に雹の降りしきるの感想

これの前に『血の冠』を読んで、ちょっとこれはないだろう・・・と言う思いだったので、ちょっと警戒しながら読みましたが、この物語は非常に良かったです。
色々警察小説を読んできましたが、こんな最低な警察官が主人公なんて・・・と言うあたりがけっこう新鮮でした。トラウマとかの心理描写を書くのがすごく上手い方だなと感じます。
この主人公がどんな風に変っていき、真相が少しずつわかっていく緊迫感はすごく良かったです。スーパーヒーローでないところが共感できます。
でも山下県って・・・。架空の県にする意味があったんでしょうか?
村の名前とかならともかく、背景のイメージがつかみにくかったです。
心に雹の降りしきる
香納諒一心に雹の降りしきる についてのレビュー
No.23:
(8pt)

幻の女の感想

『贄の夜会』を読むまでこの作家さんを知らなかったのですが、すごい筆力のある方ですね。
最初はなんとなく辛気臭い感じで、あまりスピード感のある展開ではなかったのですが、真相が少しずつわかっていくにつれて、ぐいぐいと引き込まれていきました。
開発にからむ汚職なんてのは現実にも一杯あるだろうし、産廃がからむあたりは非常にリアリティーがあったような気がします。
終章は男性好みの終わり方だなと思いましたが、救いのある終わり方だったのでよかったです。
ページ数は多いですが、読み応えがありました。
幻の女 (角川文庫)
香納諒一幻の女 についてのレビュー
No.22:
(8pt)

プリズンホテル・春の感想

夏から順番に読みました。
なんと言うか、大人のメルヘンですね。登場人物はどの人もめちゃくちゃ個性豊かで、特に主人公の木戸孝之介ははっきり言って、ろくでなしでお子様で歪み具合が半端ないんですが、それでもほのぼのさせるお話です。
任侠と言えば清水の次郎長しか浮かんできませんが、一昔前にはひょっとしたら仲蔵さんのような人もいたのかもしれませんね。ユーモアの中にも現代の色々な問題定義があって、思わずうんうんと頷いてしまいます。
現実のヤクザさんは、決して弱気を助け強きをくじいたりはしませんが、こんな御伽噺のような世界があれば、楽しいだろうなあと思います。
プリズンホテルが本当にあったら、行ってみたいですね。
春 プリズンホテル(4) (プリズンホテル) (集英社文庫)
浅田次郎プリズンホテル・春 についてのレビュー
No.21: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

転迷 隠蔽捜査4の感想

順番に読んできましたが、痛快と言うか、ロマンと言うか・・・・。
実際には竜崎さんのような人はいないだろうし、こんな人が本当にいたら世の中もう少しましになっているのではと思うのですが、実際にはこの話にも書かれていたように『役人は責任という言葉は嫌いだが、過去の事例と言う言葉は大好きだ・・・』とあったように、現実はそんなお役人ばかりなのでちょっと御伽噺のようになっていますが、他ではあまりみられないキャリアで警察署長が主人公と言う珍しい設定を、とても巧みに表現されてると思います。
とにかくサクサク読めます。
現実離れしてますが、読んでいてとても楽しいのでまた続きが出れば読みたいですね。
転迷: 隠蔽捜査4 (新潮文庫)
今野敏転迷 隠蔽捜査4 についてのレビュー
No.20: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

カディスの赤い星の感想

ヨーロッパの歴史はあまり詳しくないので、歴史的な背景も含めて非常に良かったです。
ぐんぐんと引き込まれていきましたが、サントスが関係してきた登場人物についてはなんとなく予想がついてしまいました。かなり劇的すぎるきらいはありますが、それでもさすがに賞をとるだけのことはあるなあと思いました。政治的なことに対する日本人の感覚とヨーロッパ人の感覚の違いは秀逸で読み応えがありました。

▼以下、ネタバレ感想
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新装版  カディスの赤い星(上) (講談社文庫)
逢坂剛カディスの赤い星 についてのレビュー
No.19:
(7pt)

テスタメントの感想

ブラジルのパンタナル湿原の描写はすごくよかったです。
写真で見ましたが、実際物語のよう方法でしか行けないんだろうなあと思いました。
しかしフェランの6人の相続人達と、レイチェルの対比はあまりにも極端すぎると言うか、話の中にもありましたが、そもそも父親であるトロイ・フェランと言う人が一番最低な気がします。
ネイトの再生についてはなかなか好感がもてましたが、宣教師として未開の部族にキリスト教を広めると言うのも、なんだか西洋的な押し付けに思えてしまいます。
彼らからすれば、何もしないでほっといて欲しいのでは?
非常にアメリカ的な小説でしたね。
テスタメント〈下〉 (新潮文庫)
ジョン・グリシャムテスタメント についてのレビュー
No.18: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ハサミ男の感想

最初タイトルがこれなんで、どんな話??と思っていたのですが、殺人犯の一人称と言う非常に斬新な語り口で、あっという間に読んでしまいました。
事件の内容のわりには凄惨な描写もなかったし、犯人の意外性に、途中で疑問に感じたところもすんなり納得できました。






▼以下、ネタバレ感想
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ハサミ男 (講談社文庫)
殊能将之ハサミ男 についてのレビュー
No.17:
(8pt)

氷結の森の感想

マタギの話かと思っていたら、ちょっと違いました。
どちらかと言えばハードボイルドなのでは?と思います。
先住民族としてはアイヌだけかと思っていたのですが、いわゆる北方領土にはそれぞれの先住民族が生活していたのだと始めて知りました。
主人公の矢一郎があまりにも完全無欠のヒーローのごとく、ストイック過ぎるのはどうかとも思うのですが、歴史的背景や戦争の現実はかなりリアリティーがあって、歴史を知ると言う意味でも読み応えがありました。
それにしてもロシアと日本でいつまでも解決しない北方領土の問題ですが、これを読んでいるとそのどちらにもそんな厚かましいこと言えないんじゃないかと思ってしまいます。
氷結の森 (集英社文庫)
熊谷達也氷結の森 についてのレビュー
No.16:
(7pt)

パートナーの感想

アメリカの訴訟制度?って日本とはかなり違いますね。
実際にはこんなに上手くいくわけではないでしょうが、アメリカでは有りうるのかも・・・と思わせるものがありました。
けど、最後がやっぱりなんとなく納得できないと言うか、解説にも賛否両論とありましたから同じことを思っている読者の方はたくさんいるんでしょうけど、全編を通して描かれたエヴァの人物描写と結末が、どこかずれている気がしてなりません。まああれはあれで有りなのかもしれませんが。
パートナー〈上〉 (新潮文庫)
ジョン・グリシャムパートナー についてのレビュー
No.15:
(7pt)

相剋の森の感想

『邂逅の森』の3,4世代後の物語として書かれています。
圧倒的な自然に対峙する迫力は『邂逅の森』には及びませんが、今の状況がよくわかります。
また、生きること=食べることとはどう言うことなのかを深く考えさせられます。
小説ですからもちろんフィクションですが、マタギがマタギとして生きていけなくなっている状況は、寂しいものを感じてしまいます。

相剋の森 (集英社文庫)
熊谷達也相剋の森 についてのレビュー
No.14: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

カラスの親指―by rule of CROW's thumbの感想

他の方も書かれているように、すごく爽やかな読後感です。
テツさんのキャラクターがいいですね(イルカみたいな顔ってのがどんなのか微妙に想像しにくいですが)
最後のどんでん返しには驚きました。


カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
道尾秀介カラスの親指 by rule of CROW's thumb についてのレビュー