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梁山泊 さんのレビュー一覧

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レビュー数681

全681件 621~640 32/35ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.61: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

ナイチンゲールの沈黙の感想

一応殺人事件は起こる、しかもバラバラ殺人である。
しかし幻想的、というより最早ファンタジーな要素が作品を支配してしまい、ミステリーとは言えなくなっている。
現役医師である作者が、2作目に描きたかったテーマがこれなのか。
医療界にメスを入れるという社会派的な要素もまるでない。
島田荘司氏、綾辻行人氏辺りを意識して冒険してみたのか?
思いっ切り空振りしてる気がするが・・・

白鳥とタメをはれるキャラが登場したものの、それを生かせていない。
登場人物に子供が多い事、そしてファンタジーを眼前にして、その強烈な個性、存在感が霞んでいる。

新装版 ナイチンゲールの沈黙 (宝島社文庫 「このミス」大賞シリーズ)
海堂尊ナイチンゲールの沈黙 についてのレビュー
No.60: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

告白の感想

問題作ですね。
主人公である女教師が復讐のために、法に委ねる事なく、娘を殺した少年達を追い詰めていきます。
その女教師の生徒への抑揚のない語り口調が印象的で、作品全体に独特の雰囲気、重さを醸し出しています。


▼以下、ネタバレ感想
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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊かなえ告白 についてのレビュー
No.59:
(6pt)

チーム・バチスタの栄光の感想

落ちこぼれが以外な才能を発揮して、エリート達と対等にやり合うという面白さ故の人気か、とか考えたりもしたが、実際田口に肩入れする読者って多いんだろうか?
やはり何と言ってもこのシリーズの屋台骨を支えているのは、ロジカル・モンスター白鳥のキャラだろう。 友達にはなりたくないですが・・・
田口と白鳥という全く正反対のキャラの対比が面白いんでしょうね。

ドラマ、映画共に見ています。
作者の海堂氏は現役医師だけあって、病院内の描写は見事だと思います。
医療現場の実情も伝わってきます。
医療モノですので、専門用語が多数登場するのはやむを得ません。
この作品の場合、専門用語の解説の記述が無駄に無い事が、作品のテンポを高める効果をあげている気がします。
しかし、


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 チーム・バチスタの栄光 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
海堂尊チーム・バチスタの栄光 についてのレビュー
No.58: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーデュボンの祈りの感想

シュールです。
案山子が何故喋るんだと怒る人には向かないです。

舞台は外界と隔絶された孤島。
現実世界とそれ程乖離している訳ではないが、そこには不思議な人々、不思議な習慣がある。
そこに連れてこられた主人公と島で出逢った友人が、兎に角ひたすら島の中を歩き、数多くの不思議な島民と出会うお話です。



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オーデュボンの祈り (新潮文庫)
伊坂幸太郎オーデュボンの祈り についてのレビュー
No.57: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

霧越邸殺人事件の感想

「館シリーズ」に属さない「館もの」です。
「館シリーズ」にお約束の叙述トリックや、大掛かりな物理トリックも登場せず、一貫して論理的な推理を展開します。
綾辻氏らしい幻想的な一面も持ち合わせており、その辺りは好き嫌いがありそうですが、兎に角プロットが秀逸で、読了後非常に満足できた作品です。
本家「館シリーズ」が霞むくらいの名作。 お薦めします。


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霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)
綾辻行人霧越邸殺人事件 についてのレビュー
No.56: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

0の殺人の感想

冒頭に読者への挑戦状があるという変わった趣向の作品です。
そこで容疑者がたった4人に限定されます。
それでも、フーダニットとして成立するという作者の自信が窺えます。
「やられた」というより「なるほどね」という感じの、余り類を見ない意外な結末で、面白い作品です。


▼以下、ネタバレ感想
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0の殺人 (講談社文庫)
我孫子武丸0の殺人 についてのレビュー
No.55: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
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クリムゾンの迷宮の感想

ミステリーというより「娯楽小説」という印象です。

最初の分岐点で「情報」を求めた者が主人公で視点となるので、チェックポイントを通過する毎に、新しい情報を得られ、新展開を迎えるという性質上、どうしても次の展開が気になり、読み出したら止まりません。
ただ、閉鎖空間に仕掛けられた理不尽なゼロサムゲームというと「インシテミル」を思いつくのですが、好みの問題なのでしょうか、それともゲームブックというものを手にした事のないおっさんの戯言なのでしょうか・・・
「インシテミル」の方が好みですね。


▼以下、ネタバレ感想
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クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
貴志祐介クリムゾンの迷宮 についてのレビュー
No.54: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

そして扉が閉ざされたの感想

限定された容疑者と舞台における、フーダニット特化の推理小説。
無駄は一切排除されており、その単純さが、テンポや緊迫感を演出しているように感じました。
容疑者は4人しかいないにも関わらず、種明かしされるまで犯人に気づきませんでしたから「まいった」って感じですね。


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そして扉が閉ざされた 新装版 (講談社文庫)
岡嶋二人そして扉が閉ざされた についてのレビュー
No.53: 19人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

大誘拐の感想

被害者であるお婆ちゃんが誘拐犯に全面協力する。
・身代金100億円。
・被害者と家族との対面をTV生中継。
・身代金受け取りを世界生中継。
兎に角、奇想天外でスケールがでかい。

誘拐犯3人組の間抜けっぷりも憎めないのですが、何と言ってもお婆ちゃんのキャラクターが最高。
日本ミステリー史上に燦然と光り輝くキャラクターではないでしょうか。
器が大きく、80歳を超える年齢でありながら、西之園萌絵並みに計算が早い(笑

誘拐という題材を、ここまでユーモアたっぷりに描いているのも凄いが、ただユーモラスなだけではない。
作者は、そのスーパー婆ちゃんを通じて、家族愛であったり、社会問題に対する意見提起を行なっている。
読み手も、お婆ちゃんがそう言うなら間違いない という気にさせられるのではないだろうか。
絶大なるお婆ちゃん効果である。
そして、この作品の一番素晴らしいところは、主要登場人物の誰も悪人にならず、皆が成長するという点である。
これを傑作と呼ばずして何が傑作か!! 絶対にお薦めです。

大誘拐―天藤真推理小説全集〈9〉 (創元推理文庫)
天藤真大誘拐 についてのレビュー
No.52: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

七回死んだ男の感想

SFミステリーのリピートもの。
「反復落とし穴」という体質を持つ主人公・大庭久太郎。
SFチックという事で、掟破りのハチャメチャトリックを懸念したが、そのルールを予め読み手にしっかりと説明している点はフェアで、「同じ日を9回反復する」というシンプルな設定なのでイメージしやすいと思います。
ただ、最後そのルールの盲点を突かれる訳だが、アンフェアとは言えないでしょう。
ただ「やられたっ」っていうより「やりやがったな(苦笑い)」ですが・・・

主人公の一人称で話は進みますが、この主人公、名前が「オバQ」って言うくらいなので、そこにシリアスな要素は皆無で、当然知的な印象を全く受けない。
また、他の登場人物も、一癖も二癖もある面白キャラに描かれており、全編を通してノリが軽く、コメディタッチで描かれている。
何せ、同じ一日の繰り返しが9回も続けて描写される訳なので、冗長になったり、いい加減鬱陶しくなったりもしそうだが、その辺を考慮して工夫されていると言える。


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)
西澤保彦七回死んだ男 についてのレビュー
No.51: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

武家屋敷の殺人の感想

冒頭いきなり廃人が書いたとも思えるような幻想的な日記から始まった時には、非現実的な世界観に引きずり込まれてしまうのかと心配でした。
そんな日記の記述だけを頼りにした、依頼者の生家発見までの謎解きが、現実的で納得のできる形に回収されのが個人的にツボてあったと共に安堵。
そして、この時点で物語は、まだ序盤も序盤。
スピーディーな展開に胸躍ったが、ここからは一転テンポダウン、大技といえるトリックも登場しない。
ただラストへの伏線となる小ネタが満載だったり、過去の事件との絶妙なリンクが描かれていたりと退屈させない。
非常に練られたプロットに感心。 そして終盤一転二転の展開へと突入します。
「ジェットコースター新感覚ミステリー」ってのは言い得て妙だなと納得しました。


▼以下、ネタバレ感想
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武家屋敷の殺人 (講談社文庫)
小島正樹武家屋敷の殺人 についてのレビュー
No.50: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ゲームの名は誘拐の感想

狂言誘拐、そして物語の視点が誘拐犯側にあり、誘拐犯が仕掛けるトリックが、読み手に提供されているという嗜好が面白い。
つまり被害者家族の心理状態が隠蔽された形になっており、また警察の動きすら読み手からは窺えず、警察が動いている事を前提に犯人も動く。
誘拐モノの作品を沢山読んだ訳ではないが、この視点の逆転は凄く新鮮に感じた。


▼以下、ネタバレ感想
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ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)
東野圭吾ゲームの名は誘拐 についてのレビュー
No.49: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

レイクサイドの感想

主人公である俊介視線で物語は進行していくが、この男不倫中かつ言動にもどこか冷めたところがあり好人物ではない。
東野氏お得意の、感情移入できない面々の物語であるが、この作品に限って言えば、その方が効果的と言える。
寧ろ、物語の性質上、主人公をもっといけ好かないキャラ設定にしても良かったと思う。


▼以下、ネタバレ感想
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レイクサイド (文春文庫)
東野圭吾レイクサイド についてのレビュー
No.48: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

夏のレプリカの感想

S&Mシリーズ7作目。
このシリーズにおいて「7は孤独な数字」な訳だが、確かに異質で孤独かも知れない。
まだ7作しか読んでいないがそう思う。
何故なら、今作は、前作の「幻惑の死と使途」と時系列で並行して発生した事件を扱っているのだが、犀川と萌絵がもう一方の事件に巻き込まれており、表立っては殆ど出番が無いからだ。
2つの事件の間には全く関連性はないのだが、今作で登場する「名前が逆だったのには、気付いていた?」という犀川のセリフなどは、今作だけを読んだのであれば「はぁ?」なので、やはり両作ほぼ同時期にそして順番に読んだ方がいいでしょう。


▼以下、ネタバレ感想
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夏のレプリカ―REPLACEABLE SUMMER (講談社文庫)
森博嗣夏のレプリカ についてのレビュー
No.47: 12人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

そして誰もいなくなったの感想

この作品における、ほぼ全ての犯行のトリックは緻密なものとは到底言えず、唯一のトリックらしいトリックといえる、例の肝の部分の叙述トリックも、当時の読者をさぞかし驚かせたであろうと想像できますが、今読むとありきたりです。
所詮古典?
古さを感じてしまうのは、この作品に登場した様々な手法が、後の推理小説や漫画でよく使い回されており、一度ならず目にした事があるからそう思うのだろう。
それだけ、後世の作品に与えた影響が大きかったと言う事だ。
古典は、現在の作品の土台となっている訳だから、現在の作品を超えるはずがない・・・はず・・・なのだが・・・
実際この作品をモチーフにしたなと思われる作品は、石を投げれば当たるというくらい多いが、この作品を超えていると言える作品は殆ど無いように思える。
この作品の既読者に、下手な先入観を持たせてミスリードを誘うという作品の多いこと。
あと、更に趣向を凝らしたつもりが冗長になっただけだったり・・・
この作品には無駄な部分がなく、贅肉を削ぎ落した感じで隙がない。
70年以上前に発表された作品とは思えぬ完成度の高さで、衆目一致で超えたと認められる作品は今後も登場しないのではないか。


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そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
No.46: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

白銀ジャックの感想

非常にテンポのよい作品で、まさに直滑降の如きスピード感にあふれています。 読みやすい作品です。
また読後の不快感や、回収されない謎が残ってもやもやしたりという事もありません。
でもそれだけなんです。
東野氏の作品にしては、展開にひねりもないし、オチも想定の範囲内というか想定範囲のど真ん中でしたし、登場人物も極めて普通の人ばかりで・・・
経営難に直面するスキー場への問題提起って事で、スキー好きの東野氏としては悪人は登場させづらかったのかなぁ・・・とか思ってみたり。
東野作品に精通していない人向けだと思います。
「白夜行」や「容疑者X」を既読の方には、相当物足りないのではないかと。
東野氏の作品は「ハズレ」は殆ど無いんだけど、「当たり」も多くないんだよなぁ。

白銀ジャック (実業之日本社文庫)
東野圭吾白銀ジャック についてのレビュー
No.45: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

幻惑の死と使途の感想

S&Mシリーズ第6弾のこの作品にはマジシャンが多く登場します。
マジックというものは、そもそもトリックの存在を前提としています。
トリックを仕掛ける側がトリックのプロな訳です。 超人です。
言ってみれば「何でもあり」
読者側は、凝りに凝った「物理トリック」が展開される事を容易に想像できるはずで、もはや反則技とも取れるトリックすら覚悟していました。
読書を進めながらも、恐らく後読感の悪い作品になるのではないかなと思っていたのですが、盲点をつかれたという感じです、やられました。
マジシャンをこういう風に使うのかと・・・作家の力量というか余裕すら感じました。

今作は、S&Mシリーズでは、(難しくないという意味で)読み易い作品ではないかと思います。
次作「夏のレプリカ」とは、時系列でパラレルに展開するお話になるので、同時期に読む事をお薦めします。


▼以下、ネタバレ感想
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幻惑の死と使途―ILLUSION ACTS LIKE MAGIC (講談社文庫)
森博嗣幻惑の死と使途 についてのレビュー
No.44: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(1pt)

ダイイング・アイの感想

最後「山村貞子」が登場したような気がしましたが気のせいでしょうか。
ジャンルとしては、SF&SMホラーという感じですかね。

あの名作「リング」も「リング」だと思って読むから「リング」なのであって、もし何の前知識もなく東野作品だと思って読んでいたなら、この作品と同じ後読感を味わったのかなと思ってみたり・・・
東野氏がこういう方向性の作品を書くというのは正直驚きです。
「ホラー作品」に論理的な解説を要求など野暮なことはしませんが、東野作品ならそれがたとえ「ホラー的?作品」であっても要求してしまいます。
東野氏の作品の中では、相当な異端児、ハズレの少ない東野作品において、数少ないというか唯一のハズレ作品だと思っています。


▼以下、ネタバレ感想
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ダイイング・アイ
東野圭吾ダイイング・アイ についてのレビュー
No.43: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

11文字の殺人の感想


▼以下、ネタバレ感想
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11文字の殺人 新装版 (光文社文庫)
東野圭吾11文字の殺人 についてのレビュー
No.42: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

ブルータスの心臓-完全犯罪殺人リレーの感想

エリートの転落劇を描いた物語。
会社の偉い人の末娘の婿養子候補、玉の輿狙いのエリート主人公、同じく婿養子候補でこれも玉の輿を狙う同僚、そしてその末娘の腹違いの兄。
更にこの男3人と関係を持ち子供が出来たと3人に迫る計算高い女。
3人の男が共謀して女を殺そうとする物語ですが、人間の内面にある醜く、黒い部分にスポットを当てる東野氏お得意のパターン。
それにしても、主要登場人物にろくな奴がいないというのは・・・
主人公が加害者な訳で、しかも動機が不純、共感できるか否かという次元では無いです。

アリバイ工作のため、殺す係、運ぶ係、遺棄する係と役割分担を行い大阪-名古屋ー東京を結ぶ完全犯罪リレーをスタートするが、運搬役が車の中に殺害役の遺体を発見してしまう。
プロット自体は、非常に面白く、一気に魅了されてしまうだけのものではありました。
正直私も前半戦はかなり引き込まれました。
ただ、完全犯罪、しかもそれがエリート達の仕組んだものであるなら、いとも簡単に加害者側が窮地に追い込まれる展開となるのは如何なものか。
個人的な意見になるが、エリートを「悪」とするなら、それは手強い「悪」でいて欲しい。
その方が後読感がいいので・・・
感情移入できない悪人が窮地に追い込まれ苦悩する姿を序盤から延々と描かれても・・・
残念ながら、ページが進むにつれて興味が薄れていってしまった。


▼以下、ネタバレ感想
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ブルータスの心臓 新装版 (光文社文庫)