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獣の樹
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獣の樹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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この作品の注目すべきところは、完全に人間としての記憶を持たないティーンの主人公(作中でいうところのちん毛が生えた赤ん坊)の思考回路を一人称で描いているところだと思います。思考能力はとてつもないのに、知識が全くない。知識がないので常識もわからないし、倫理観もない。ただそれを知ればすぐに理解する。そんな主人公の思考プロセスや感情を丁寧に描いて、こんな理解し難い存在の頭の中を解剖して読者に提示してくれる舞城という存在の得難さを強く感じる作品でした 舞城の特筆すべきは、やはり一人称で主人公の思考プロセスを精緻に記しているところで、ある意味でとてつもなく人間を描いている作家だと言えます。 『獅見朋成雄』でも感じましたが、本作は超常的な存在を人間にする、そんな舞城の面白さを存分に楽しめる作品でした | ||||
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結局、文章のテンポしかり、舞台しかり、外連味しかり、好きな人は好き、嫌いな人は嫌い。そういう作家だと思う。 舞城王太郎に多作のアンチ推理モノ的な読み方ができない作品というとこで、個人的にマイナス1。読み直さないけど楽しかったですよ。 | ||||
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前半だけなら小説として読めるが、 後半は駄作。 蛇という生物の説明だけに何ページも何ページも費やしているし(だれたのでとばした) 結局物語が完結しないまま終わるし、 がっかり。 | ||||
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舞城さんの作品はデビュー作の『煙か土か食いもの』、続編の『暗闇の中で子供』、短編の『熊の場所』と『スクールアタックシンドローム』、中編の『好き好き……』と『世界は密室で……』などを読んでいて、他にもけっこう読んでいます。 僕は最初に読んだのが『煙』で、そこでガツンとやられてからファンになりました。そんな僕ですから、舞城王太郎の作品は、『煙』や『密室』のようにクレバーな主人公がいて暴力的で愛に溢れていてリアルさと非日常感が超絶なバランスを保っている作品であるべきだ、と思っています。 しかし今作ではそのバランスが崩れています。リアルさが無いのです。具体的に言ってしまうとネタバレになってしまうので、説明が難しいのですが、短編『SPEEDBOY!』で登場するナルオ君のようなリアルさの欠如です。ですので『SPEEDBOY!』を読んでみたがどこが面白いのかわからんという人にはこの作品はお勧めできません。 そんな今作ですが、いいところもあります。『密室』で登場した大胆なトリック、逆卍のあれです。あんな感じの仕組みが登場します。僕は舞城さんのそういう発想力、空想力が大好きなので、それだけでリアルさの欠如は許容できました。 『煙』、『密室』には及びませんがそれでも舞城感は楽しめる作品でした。 | ||||
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ピ○チ姫を助けに行ったら、ク○パと肉体関係を結んだあとを目撃―― などという、いわゆる寝取られというものが存在しているので、 そういったものを極力回避したい方々にはオススメできません。 | ||||
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処女作から読んでます。正直最近のものはつおっとついていけなくって、 私としては初期の頃の作品が好きでした。 でも!これはその時を彷彿とさせる面白さ、スピード感、 ぶっ飛び感?が心地よくあっという間に読めました。 あー、エンターテイメント!! | ||||
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処女作から読んでます。正直最近のものはつおっとついていけなくって、 私としては初期の頃の作品が好きでした。 でも!これはその時を彷彿とさせる面白さ、スピード感、 ぶっ飛び感?が心地よくあっという間に読めました。 あー、エンターテイメント!! | ||||
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主人公の成雄が十四歳で生まれることから物語は始まって、(おそらく)十八歳の頃に物語は終わる。 だから、題材とされた期間という意味で捉えれば、この本は丸々そのまま、青春小説だ。 でも。しかしながら。この小説は青春らしさを伴っていない。 楡という明確なヒロインまで投入されていながら、成雄の思考は青春らしい欲望に対して余りにも距離を置いている。 私たちが実感する概念としての青春と、成雄が経験する青春の間の位相のずれを利用して、不思議な空気感を生み出している。 主人公の成長が進むにつれて天地の理まで曲げてしまう舞城節は相変わらずだけれども、ディスコ探偵水曜日で世界をまるごとぎゅっとまとめてしまったような迸りは抑制されている。 そう出来なかったのは、「獣の樹」という書物が舞城ワールドという奇妙なバランスで立つモビールの中でも、とりわけウェイトを置かれたパーツだからだと思えてならない。 無理矢理引き抜いてしまうと、周りごと崩れてしまうジェンガのブロックみたいな。 なにせ、鬣の生えた韋駄天少年成雄については既に二篇の既発表作があり(山ん中の獅見朋成雄とSPEEDBOY! (講談社BOX))、 作中フレーズ『喜びは鳥になる』はそのままタイトルの短編があり(2005年12月22日号週刊新潮掲載)、 なにより、青春、ひいては青春小説の取り扱いは、舞城王太郎がずううっっとやらかしてる領域なのだから。 寝取り男に対して相変わらずどうでもいいくらいに無慈悲なのにはちょっと笑ってしまう。 | ||||
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主人公の成雄が十四歳で生まれることから物語は始まって、(おそらく)十八歳の頃に物語は終わる。 だから、題材とされた期間という意味で捉えれば、この本は丸々そのまま、青春小説だ。 でも。しかしながら。この小説は青春らしさを伴っていない。 楡という明確なヒロインまで投入されていながら、成雄の思考は青春らしい欲望に対して余りにも距離を置いている。 私たちが実感する概念としての青春と、成雄が経験する青春の間の位相のずれを利用して、不思議な空気感を生み出している。 主人公の成長が進むにつれて天地の理まで曲げてしまう舞城節は相変わらずだけれども、ディスコ探偵水曜日で世界をまるごとぎゅっとまとめてしまったような迸りは抑制されている。 そう出来なかったのは、「獣の樹」という書物が舞城ワールドという奇妙なバランスで立つモビールの中でも、とりわけウェイトを置かれたパーツだからだと思えてならない。 無理矢理引き抜いてしまうと、周りごと崩れてしまうジェンガのブロックみたいな。 なにせ、鬣の生えた韋駄天少年成雄については既に二篇の既発表作があり(山ん中の獅見朋成雄とSPEEDBOY! (講談社BOX))、 作中フレーズ『喜びは鳥になる』はそのままタイトルの短編があり(2005年12月22日号週刊新潮掲載)、 なにより、青春、ひいては青春小説の取り扱いは、舞城王太郎がずううっっとやらかしてる領域なのだから。 寝取り男に対して相変わらずどうでもいいくらいに無慈悲なのにはちょっと笑ってしまう。 | ||||
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相変わらずの舞城節で引き込まれて、一気に最後まで読める。 ただ、後半の展開にあまり必要性を感じなかった。 突然ぐるっと世界が変わる感じが必要だったのかもしれないけれど。 speed boyと同じく、なんだか消化不良気味の印象。 舞城作品が好きな人には、それを差し引いても読む価値があるとは思う。 それだけにやはり残念…。 | ||||
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相変わらずの舞城節で引き込まれて、一気に最後まで読める。 ただ、後半の展開にあまり必要性を感じなかった。 突然ぐるっと世界が変わる感じが必要だったのかもしれないけれど。 speed boyと同じく、なんだか消化不良気味の印象。 舞城作品が好きな人には、それを差し引いても読む価値があるとは思う。 それだけにやはり残念…。 | ||||
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舞城先生の作品を読むのは4冊目くらいになるかな。 「煙か土か食い物」を読んだときはスゴイなと思ったけど他を読んでてもあれ以上の驚きはなかなかない。 この作品もその例に漏れず読み終わってからは特に興奮を覚えなかった。 ただ、500P以上ある小説を1日で読ませてしまう文章力は相変わらずで、単に私自身の中で気にくわなかっただけだろう。 軽く触れると、 馬から生まれた主人公が蛇の口の中に乗る少女『楡』に恋をする。 この、現代に神話テイストが含まれているように感じる独特の世界観は流石だなぁと圧巻させられる。 しかし、途中からそのテイストが薄れ、辻褄合わせというか、ラノベチックになってしまったのは残念。 もっと無茶苦茶やってもいいんじゃないかなぁというのが感想です。 また、最終的に事件は終息せずにモヤモヤした感じが強く残る。 よもや続編という案はないだろうがなんだか肩透かしをくらってしまった気分だ。 以上、 強く薦める作品ではないが、舞城王太郎という作家を知りたいのなら一読してみるのも悪くはない。 | ||||
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舞城先生の作品を読むのは4冊目くらいになるかな。 「煙か土か食い物」を読んだときはスゴイなと思ったけど他を読んでてもあれ以上の驚きはなかなかない。 この作品もその例に漏れず読み終わってからは特に興奮を覚えなかった。 ただ、500P以上ある小説を1日で読ませてしまう文章力は相変わらずで、単に私自身の中で気にくわなかっただけだろう。 軽く触れると、 馬から生まれた主人公が蛇の口の中に乗る少女『楡』に恋をする。 この、現代に神話テイストが含まれているように感じる独特の世界観は流石だなぁと圧巻させられる。 しかし、途中からそのテイストが薄れ、辻褄合わせというか、ラノベチックになってしまったのは残念。 もっと無茶苦茶やってもいいんじゃないかなぁというのが感想です。 また、最終的に事件は終息せずにモヤモヤした感じが強く残る。 よもや続編という案はないだろうがなんだか肩透かしをくらってしまった気分だ。 以上、 強く薦める作品ではないが、舞城王太郎という作家を知りたいのなら一読してみるのも悪くはない。 | ||||
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今までこの作家の作品には批判的だったが、この作品にいたって考えを改めた。作品全体に堅苦しい建前だらけの大人たちの既成の世界を超越した自由奔放さが駆け巡っている。主人公は社会的に未熟であるという立場を維持しつつ、じゃああなたたち大人は何か大切なものをなくしてきたのに、誤魔化してきただけではないかという強烈な問いかけがある。そこまで難しいテーマを読み込まなくても、成長小説としても楽しめるし、怪奇小説としても、ミステリーとしても、ほのかな恋愛小説としても、多面的な読み方が可能である。そして、ストーリーテラーとしての天賦の才能。これからの日本の文学には気取った村上春樹よりもむき出しの舞城が必要だという実感がじんわり沸いてきた。お勧めの一冊。読んでよかった。 | ||||
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