■スポンサードリンク
(中編集)
小暮写眞館
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
小暮写眞館の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全111件 81~100 5/6ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々に全うな本を読んだ気がしてすごく満足です。 何かすごく文章の上手い人がちょっと下手に崩して書いた感じというか、高校生が主人公なので、その辺は技巧の限りを尽くしたたというか、でも読んでいる分には技巧的な感じがしないところは流石だなと思います。 読後感としては、いろいろな要素が入っていますが、ちょっとピント外れかもしれないけど、アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」を思い出しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
楽しみました。英一君の独り言がとても楽しくて飽きませんでした。ピカちゃんの可愛い事。テンコ、や他の友達のキャラもたってて、花菱父母、テンコ父、花菱家を取り巻く重いお話。とても良かったです。個人的には、不動産屋のお姉ちゃんは嫌いで、興味もなかったので、そのエピソードはうるさかったです。正直、もう少し短くても良かったんじゃないの〜と思わないでも無い長さではありました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
謎が謎を呼びよせてぐいぐいと読者を引き込むストーリーテラーとしての宮部みゆきはここにはいません 主人公が心霊写真事件をきっかけに少年探偵として次々と難事件を解決もしません また、引き継いだ写真館の建物に隠された謎がきっかけの殺人事件もおきません 宮部節ともいえる疾走感を期待した読者は肩すかしを食らったような作品です でも間違いなくこの作品は傑作です この作品を一言で表すなら出会いと別れの小説です 登場人物達の別れの小さなゆがみが起こす事件が出会いを生みそれが新しい別れへとつながる、そんな連作です 春の今だから読んで欲しい、そんな小説です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一応4話ですが、10話以上がぎっしり詰まった作品だと感じました。それぞれが、恋、別れ、家族、生、死など、色々な事を考えさせてくれて、楽しくも充実した時を過ごさせて頂きました。 宮部みゆきさんの作品の中には現実離れしたものもありますが、これは、現実の世界を逸脱しないぎりぎりでファンタジックな部分も見せて下さった点にも好印象持ちました。 ハリーポッターを思い出させられた厚さに驚きましたが、その分十二分に楽しませて頂きました。 僭越ながら、良い意味で丸くなったと感じました。 今後も他の作品を詠むのが楽しみです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書き出しは古い写真館に引っ越してきたことによる心霊写真騒動にはじまり、 どこかミステリーで、後半は人間物語。最後に親戚に啖呵をきったのにはすっきりしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『眞が昔の字』、英一が言います。【星の数とレビューの内容が、皆様で異なるように、とても広くて深い物語です】だんだんと、そしてどんどんとその世界に行きたくなります。小麦色に輝く自由の女神コゲパンちゃん、諸悪の権化?垣本順子、、、だけじゃない。みんなに会いたくなってしまう。俺が英一だったらなぁ。 (つらいか)運命でしょうか、この小説で年を越しました。読み返しが止まらない、厚い一冊です。「鉄道、たったひとつ乗せられないものがある」ヒロシに言われてみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
4才の娘を持つ身としては、1章でさらっとはいった「インフルエンザ脳症で4才であっという間になくなった娘」ふうこちゃんの描写に身構えました。小さい子どもを持つ親にとって冬は本当にいやな季節です。それまで寒い、という程度にしかネガティブな感情がなかった冬ですが、子供を持ってからは何とか無事でやり過ごしたい、と願う緊張感との戦いとの季節になりました。その描写を引きずったことで、最初は傍線のエピソード扱いに見える風子が結局この話の骨子なのだ、ということがわりにすらっとはいってきました。この話は風子の死をひきずる家族の再生を語っていると思いますし、だから最短距離で結論まで進んでいくわけにも行かないのです。もちろん心霊写真のエピソードは物足りない印象を受けたのは事実ですが、幽霊が住む、という「木暮写真館」にひっこしたことで家族の中の「幽霊」の存在がふたたび大きくなってくる、という話はとても変わっていて、それなのにとても自然で、ひきこまれました。英一が高校生っぽくないという指摘もあるようですが、どっちが正しいと言うにはわたしはもう高校生自体から離れているのでなんともいえません。でも英一が、家で一人でいるときに木暮老人の「気配」を感じて家の中で老人に語りかけ始める、途中から、老人だし耳が遠いかも、と考えて大声に変えて話したり、「ふうこもそこにいるんですか」と聞く、ところはとても好きでした。大人びていてもやはり何かを信じたい年頃というか、それがうまく出ているなあと思いました。風子がなくなったときの詳しい状況は終章近くで 明らかになるのですが、ほんとうに誰を責めるでもない、でもみんな自分が悪かったと思ってしまいそうなつらい状況です。人生にはそういう状況が確かに存在するし、そういうとき最善の対処はどうなのか、すぐにわかることはなかなかないでしょう。主人公の家族はとりあえず封印して生きる道を選んでいたわけですが、この長い物語の中で英一の表現を借りればそれは「解凍」され、「雪崩を起こし」「雪解け」となるのです。ちょうど大きく変わっていく年代の英一と見事に家族の時間がシンクロして、終章はほんとうに素晴らしいフィニッシュでした。読後感の良さで是非お薦めしたい本です。ただ、終わりまで読まないといけませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は高校生ですし、各キャラ設定など中学生の頃(ン十年前)に読んだコバルト文庫の少年少女のお話を思い起こさせますが、宮部みゆきの文章力と構成力で一気に読ませます。ストーリーは心霊現象を扱っているとはいえ、それはサブ的なものであくまで1少年とその弟の成長物語ということでしょうか。そんなゆるい本に興味なし、という方も多いでしょうが、ゆるくて特に特筆するようなこともなく、何もないと言えば言えなくもない物語なのにどこか心が揺さぶられます。読み出したら結局止まりませんでした。読後感が爽快で、登場人物みーんないい人で、長さもちょうど良く、イヤな事が起こらなくて、不幸もなくて、なのに退屈はしない、宮部みゆきだからこの題材で書いても面白いんだろうな、と思います。冬休みの暇つぶしには最適だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私にとってはおもしろかったです。結構宮部さんの作品は読んでいるつもりだったので、読んでいる途中どうせ最後はなんか殺人事件とか起きちゃうんじゃないの?とか何かしら哀しい事件が起きるのではないかな?と思いながら読んでみると、、、最終章は変化球、初恋小説となっていました。表紙そのままのきれいな作品に仕上がってるではありませんか。まあもちろんそれなりの伏線となる描写もあったし、それにハッピーエンドで終わるような話も多く書いてはいるが、こうもストレートに書いてくるとは、、、という感じでした。この本のもうひとつの特徴は、人物の「セリフ」ではないかと思います。はっとさせられるセリフが登場人物から突然出てきたりする場面が多く、まるでそのシーンだけ詩を読んでいるような感覚になりました。話の展開もあまり強引さはなく、ストレスを感じることなく読み終えることが出来ました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始めてまもなく向田邦子の『家族熱』を連想しました。そして『家族熱』の読後に抱いたやりきれなさが、『小暮写眞館』でみごとに解消されました。私にとっては、とても面白い本でした。 この本の装丁も面白いです。少しひねった考えかもしれませんが、ミステリー小説の装丁として受け取ると、あ〜、もしかしたらこの作品そのものをミステリーとして書きたかったのかな〜、物体Xを小説そのものとして、と思ったりしました。 読む人のイマジネーションでいろんな風にこの小説の謎を解いてみてください、というようなメッセージを感じました。だから読んでいて楽しかったですよ。 家族愛(親子愛、夫婦愛、同胞愛、孫への愛など)があり、友情、恋愛があり、近隣愛、職業への愛、住んでいる町への愛、子弟愛があり、人間への愛、時代への愛が、芸術への愛、鉄道への愛、映画への愛、建物への愛等々、愛憎絡めて葛藤が描かれ、宮部流テンコ盛りであります。 今、再読していますが、いろんな読み方ができるので二度目もおいしいですよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリーと思いきや、良い意味で裏切られました。後味が良い純愛の物語で、さすが宮部ワールド。心が温まりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
もともと宮部作品が大好きなので、期待のハードルを上げて読んでしまう。 ということを前提に評価すれば... 期待以上でも期待以下でもなかった。 これだけの長い物語を一気に読ませるのは、やはりすごい作家だと思うし、 もちろん面白いんだけど、目新しい感じはしない。 つまり不満はないけど、大きな感激もない、という感じ。 あと、あえていうなら、高校生たちの描写が古い感じが否めない。 でも新作が出たら、きっとまた買う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平凡な町で起こる少しだけ不思議な出来事。 平凡そうな家族にもそれぞれの想いと物語があり 淡々と、でも暖かくストーリーが語られていきます。 「魔術がささやく」、「クロス・ファイアー」、「龍は眠る」みたいな 爆発力があるわけではありませんが、ベテランの味とでも言うべき 味わいに満ちた作品です。 心に少し潤いを・・・そんな方におススメの作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部さんの初期作品からのファンです。久しぶりの現代小説。楽しみに読み進めていましたが…。練られた構成、文体なんだと思いますが、主人公の心情表現や比喩などあまりにバラバラ過ぎて、物語にのめり込むきっかけをはぐらかされてるような、居心地の悪さを感じました。ただ、やっぱり泣かされました(笑)嫁という立場がどんなに危ういものか、経験しているせいでしょうか。主人公よりお母さんやお父さんに、脇役達に、感情移入していました。次回作をまた期待してます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきらしい文体、表現、描写で宮部みゆきらしい世界が次々と描かれている。 彼女の過去の秀作に優る飛び抜けたものとは言えないが、そうした秀作の飛び抜けた故になかった部分〜過不足感が本作にはない。 宮部マニアや彼女の特定ジャンル好きには物足りない面もあろうが、老若男女が遍く満ち足りた気になれる700頁というのは、宮部みゆきならではの出来映えだろう。秀作でなく、習作。誤用だろうが、私はそう評したい。 いつしか美しい表紙を意識もせず頁をめくっていたが、最後まで読んで改めて表紙に気付き、そのイメージと作品世界がピタリと重なり、自分の心に溶け広がった瞬間の至福。夏の一作として迷わず一押ししたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近は、「人間の本質をえぐる」ことを目的とした本が多いように思います。 それもなぜか悪の部分。 善の部分を書いている本もありますが、なぜか恩着せがましい感じがして腹が立つ。 この本に出てくる人はみな善人です。 みんなまじめでやさしい人たちです。 やさしい人たちのやさしいお話です。 暗い側面に気付いていないフリをするやさしい人たちです。 暗い側面に真正面から向き合って、前に進もうとする強い人たちでもあります。 人間のいいところだけを描く、ノー天気ポジティブ小説でもなく、 人間のどろどろした汚いところだけを書くのはなく、 暗い面を知った上で、それでもやさしく生きる人たちを書いてます。 ネガティブな感情で共感を得ることは簡単。 ポジティブな感情で共感を得る方が難しい。 何か新しい分野の本を読んだような気がします。 日曜日の午後に読みました。 子供のころ、図書館で本を借り、扇風機の前でアイスを食べながら、 本を読んだことを思い出しました。 新しい分野の本というより、昔読んだ本に戻ったのかもしれませんね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一言、これは読むべき作品。 厚くて長い。でも読み終わって即効最初から読みなおしたくなる。本の世界にどっぷりはまって、自分もそこで一緒に生きているような感覚に襲われる。 何が言いたいのか、一言で要点を、作者の伝えたかったメッセージを述べて下さい。そう言われると、困る。 何がいいたいのかしら。いや、言いたいことはこんなことなんだろうな。曖昧でもやもやした雲のようなものが頭の中でうずうずする。 そこには多分家族愛だとか、幽霊っているんだよとか、人の幸せって何だとか、そういう類がつまっているのだろうけど、上手く的確に表現はしずらい。(他の読者さんは出来るのかもしれないが、わたしには無理だ) でも、だからこそこの小説なんじゃないか、という気がする。 素晴らしいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに、小説というものを読みました。比喩でなく、文字通りですが… 1年ぶりどころじゃない、久方ぶりでした。 そんな日頃小説を読んでいなかった僕が、衝動的に小説を読みたくなり、 リハビリに選んだ相手が、この「小暮写真館」。 ぶ厚い。その量、700ページ也。辞書並に重いです。 それなのに、表紙の写真が綺麗だったのと、宮部みゆきという名前と、 「小暮写真館」というタイトルが好みだったのと、「王様のブランチ」で紹介してた、 という好条件(?)が重なって、買ってしまった。 読了してみて… どうやら、選んで正解でした。 とても軽快な文章で、あっと言う間に読んでしまった。 楽しく読みやすい本でした。 宮部みゆきって初めて読んだんですが、今までずっと「気になる作家さん」だったんです。 売れっ子作家。器用なイメージ。でも読まず嫌い、みたいな。 読んだら、納得しました。 なんだろうなぁ。バランス感覚なのかな。 上手い、と思いました。 主人公は、パッとしない高校生の男の子で。 キャラクターの濃い家族と一緒に、古い「写真館」に引っ越してくるところから物語が始まります。 ある日、1枚の不思議な写真が彼のもとに届き… 「なんとかしてよ!」 カテゴリーで言ったら「青春小説」なのかな。 読後、さわやかな気分になります。そういう本です。 ただ、世界観といい、キャラクターといい、ちょっとファンタジー寄り? 少し理想的すぎるかな、と感じました。 筆者のある意味での理想が描かれていたような気がします。 それはそれで嫌いではなかったですが、気になる人には気になるかも。 特に子ども達のカッコよさと言ったら!僕もこんな高校生でありたかった。 それと印象に残ったのは、圧倒されるような比喩表現の数々。 宮部さんって人はきっと、毎日ネタ帳に「気の利いた冗談」をメモってるに違いない。 読む人によっては胸やけするかも。 以上が、ひとに薦める際の注意点。 僕は日本語をセンスよく使う人って好きなのですが(←偉そう)、その点で宮部みゆき、いいですね。 「きれい」と言うより、「上手い」って感じです。 そうだな…「この夏、久々に小説でも読んでやるか」って方に、オススメ。かな? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長編ながら一気に読んでしまいました 久々に最後は大泣きをしてしまいました。 初めての家にこの物件を買うかなぁ??っていう感想は有りますが 物語の展開だからとして読むなら、これはこれでぴったりくるかも 緊密な親子関係を軸に主人公を取り巻く、個性的な友人の存在 幽霊と言う存在も、ホラーじゃなくて温かい心に迫る展開がなんとも言えず素敵 下の弟がちょいと大人びてるのが、気になるところでは有りますが それでも、最後の展開に繋がる描き方 探偵物語も混ぜ同級生との関わりも有り、大人の中で成長する主人公 最後の所では、涙なくしては見られない展開と・・・・ さすが、宮部作品は凄いね、エンタメの極致です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆき氏の作品なので、今回はどんな趣向かと期待して読んだところ、本当に真っ当な小説らしい小説で、文句のつけようがなかった。 非常に上手な小説の作り方にもかかわらず、技巧を技巧と感じさせずに読者を物語の世界に引き込み、長い物語を最後まで引っ張っていくのはさすがであった。血沸き肉踊り、強引に読者を引き込む小説の多い中、そういう押し付けがましさはなく、時に「次はどうなるだろうか」と考えさせ、次に「ああ良かった」と安心させる。人の心に深くしみこみ、続編を期待し、再読したいと思わせる小説であった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!