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(短編集)
月曜日の水玉模様
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月曜日の水玉模様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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最初に村上春樹さんを読むなら「ノルウェイの森」は避けるべし、というのはよく言われることだが、加納朋子さんの場合も「月曜日の水玉模様」は避けたほうがいいと思う。 本作はいわゆる日常の謎系である。文章も読みやすい。展開もスムーズで、色鮮やかに働く女性を描く。しかし、初期作品ゆえか、少しご都合主義な推理展開だと感じた。決して論理が破たんしているわけではないのだが、「それ、陶子さんにしかわからないよね?」と言いたくなる話があった。主人公しか知らず、それを事前に読者に示さないのは卑怯だ。 偶然が重なった結果の推理は、ミステリーとしてフェアと言えるのだろうか。主人公の生い立ちは推理の材料ではないのか。日常の謎は決して「ゆるいミステリー」ではない。 初めて読む加納作品にすべきではない。 | ||||
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加納朋子さんの本は好きで何冊か読みましたが今まで読んだものと比べて、こちらは少しインパクトに欠ける気がしました。 読み終わってからわかったのですが、ごくごく初期の作品のようですね、納得。 主人公、陶子の人物像が少しつかみ難かったです。動作や発言が設定よりもだいぶ年上の女性に感じられたり、わりと後のほうになってショートカットである事実を知ったり等。(私の読み落し、集中力の欠乏かも知れませんが。) 上司の益子もずいぶん年配だと思っていたのに、子供が生まれるぐらいの年である事に途中で気がついたし、最後まで全体的な登場人物の年齢設定などがボンヤリしたまま読み終えてしまいました。 それから、偶然ばったり出くわす事、リンクする事が多すぎ。世の中狭いようで、そんなに狭くないよー、と思ってしまった。まぁ、小説なので仕方ない事ですが。 それでも読みやすくて暖かい雰囲気は好きなので今後もチェックしていきたいと思います。 | ||||
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読みやすいです。 そして、女性の視点からのミステリーでとても楽しめました。 萩くんとの関係の今後が描かれたらいいなと思うので 続編があれば、読みたいです。 | ||||
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加納さんの作品は、これが初めてです。「日常の謎」を解くことをテーマにされているそうで、この小説も極めて普通のOLさんが、 日々起こる小さな謎を解き明かしていきます。 表題は「月曜日」゛か入っていますが、曜日ごとの短編州となっています。 ちなみにどんなタイトルかと言いますと「火曜日の頭痛発熱」「木曜日の迷子案内」など、いった具合で一週間の曜日がタイトルに入っています。 そんな作りも面白いと思いましたが、何より主人公のOL片桐陶子のキャラが魅力です。 また、陶子の勤める会社の社長や、先輩社員、後輩の女子社員など魅力的な人物が登場します。陶子に一目惚れする萩君も面白いキャラ。 クスッと笑いながらの謎解きも面白いですよ。 | ||||
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章が分かれていて、たいへん読みやすい構成でした。 ストーリーも普段着の内容であっという間に読破してしまいました。 | ||||
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本書は『ななつのこ』、『掌の中の小鳥』とともに加納ミステリーのベスト3の作品である。 OLの片桐陶子が探偵役、主にそのボーイフレンド(?)でリサーチ会社調査員の萩がワトソン役として身近な事件の謎を解き明かすという内容で、テキパキ優秀でスマートな陶子と、のん気というかノホホンとした萩とのやり取りが楽しい。 ただ、本書は概ね平均以上の作品が揃ってはいるものの、『ななつのこ』の「白いタンポポ」や『掌の中の小鳥』の「できない相談」のような、これぞ傑作、イチ押しという作品が本書にはなく、ミステリー作品としては少し落ちる。 また、「木曜日の迷子案内」での子供を置き去りにした母親の心情は理解はできるものの、近くでブラブラしたり昔なじみと食事やお茶を楽しんだりするなど、その行動はどうにも納得できない。置き去りにした母親の心理としては、子供の行く末が気になって陰でそっと見守るか、逆にすぐにその場から遠去かろうとするかのいずれかのはずだと思う。 しかし、全体的に「読み物」としては作者の全作品中のNo.1ではないかと思う。 『ななつのこ』の駒子は女子大生で、まだまだ世間知らずであった。だからこそ純粋に優しくいられたわけで、それが作品全体の優しさにつながっていたが、本書の陶子は社会に出てそれなりに世間にもまれ、苦い経験や辛い思いも飲み込みながらも、そうして人間として成長した分、作品全体に優しさだけでなくやるせなさせつなさを加え、深みを増している。 そんな本書の中で最も好きな作品は「火曜日の頭痛発熱」で、ただのOLと思っていた陶子が推理を披露し聞き手が唖然とする姿は、風采の上がらない金田一耕助が名探偵であると知らされた人々の驚きにも似て痛快である。また、ラストの「日曜日の雨天決行」で、登場人物たちがソフトボールの試合で一同に会するのも楽しい。 | ||||
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小田急線町田から千代田線二重橋前まで通うOL陶子。誰の周りでも起こりそうな些細な事件に巻き込まれていく陶子。途中で明らかになる悲しい生い立ち。でも土曜日と日曜日で少し救われた気持ちになります。全体的に暖かいほのぼのした内容です。 | ||||
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いつもの時間、いつもの電車、いつもの座席に座る「彼」の月曜日のネクタイは、 水玉模様だった。だがある日突然、水玉模様のネクタイが月曜日以外の日にも! 陶子と「彼」こと広海のまわりで起こる小さなミステリーを、曜日ごとに7編収録。 大きな事件は起こらない。日常生活の中で、ほんのちょっといつもと違うことが 起こるだけ。どれもそんな感じのするできごとばかりだ。謎解きの楽しさと、そこに 見え隠れする人たちの悲喜交々がうまくとけあって、作品全体がやわらかで温かい ものに包まれているようだった。曜日ごとのミステリー。月曜日、火曜日、水曜日・・・。 話が進むにしたがって、陶子と広海の関係も微妙に変化していく。この二人どうなるの? そんなことを考えながら、ほのぼのとした気持ちで本を閉じた。 | ||||
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現実に町田〜代々木上原の殺人的な通勤を体験し、その回避のために転職までした私にとって、陶子と萩の出会いの場でもある小田急線の描写から「そうそう!わかるわかる」と読みいってしまいました。陶子が小さな会社の一般事務職という設定も、次第に明らかにされる生い立ちも、派手なエピソードではありませんが全体の柱となって、最終話までほのぼのとした予感を残してくれます。特に陶子が新幹線の中で祖母の作ったお弁当を食べながら、居合わせた女性に話しだす場面、緊迫感とまでいかないけれど、ドキドキさせられ、最も印象的です。 | ||||
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ものすごく読みやすい文章です。 メリハリもテンポもあるんだけれど、さらさらっと流れていくようにお話は進んでいきます。 それと「えっ?」っていうくらい唐突に謎解きが出てきます。 本作はOLの日常生活を舞台にしたミステリ (満員の通勤電車で席取したり、取引先の会社のOLの対応に憤慨したり) なので、殺人事件は起こりません。 だから、本格物しか読んでいない私にはとても新鮮でした。 よく読み返すと、ほぼ冒頭から伏線が張られているのに気づきます。 凄い!派手さがない分、じわりときます。 いぶし銀。こういう人を天才っていうんでしょうね。 ミステリですが、心が平らかになるような一冊でした。 他の作品も読んでみようっと。 目次の頭文字を読むと・・・みたいな遊び心も隠されてます。 子憎たらしいまでの小さな演出ですね。 | ||||
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加納朋子、 魔法飛行から、てるてるあした、まで、気がついたらずいぶん読んでいる。 本の中身は、難しくはない。 陶子さんというキャラクターも優しい。 でも、易しいハートウォーミング本ではない。 読んでいる最中に、力強く、響いてくる声がある。 加納朋子の書いた物語の声が、僕の心を、まだらにする。 表紙カバーの水玉。 地が水色、玉が白色、何ともキレイだ。 蓑くんを思い出す。 | ||||
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ミステリーって怖かったり、血の要素が含まれている、って思い込んでいた私に、この作品はミステリーは面白いものだ。と教えてくれました。 何度読んでも面白いのです。 どこかコミカルで。 優しい感じのする女性的ミステリーです。 | ||||
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加納朋子さんの作品は、一般に「ミステリ」と評されつつも、派手な殺人事件や誘拐事件は一切登場しません。本作は主人公であるOL陶子とひょんなことから彼女の助手に納まった青年が、ありふれた日常の中の、ともすれば見逃してしまうようなささやかな謎の数々を解明して行く連作ミステリです。加納さんの優れた点は、1つ1つの謎をキチンと解明しながら、最後にはその一連の物語があるべきところに綺麗に納まり、1枚の美しいパズルを描き出すように、作品全体が大きな流れの中で首尾一貫性を失わないことです。最後はちょっと「ホロリ」とさせながらも爽やかな後読感を残してくれるあたり、さすがです。 | ||||
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加納朋子さんの作品はたくさん読みましたが、これが一番読み返した率が多いものです。通勤に電車を利用しているからでしょうか。毎日電車の中で会う人を密かに観察する癖がつきました。退屈な日常に隠されている未解決の小さななぞ。通常は回答が得られるはずもないそれが、相互に関連してきてほどけていき、思いがけず回答が得られる楽しみと驚き。加納作品に共通したこのテーマが、「通勤電車・立ち並ぶオフィスビル・行動範囲内に存在しながら全く接点のない人たち」という身近なミステリーゾーンを掘り起こしていきます。連作を読み進むうちに徐々に浮き彫りにされていく主人公の身の上話も秀逸です。共通する登場人物のレインレインボーもあわせてお勧めです。 | ||||
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加納朋子さんの作風が好きです。登場人物のキャラクターが好きです。読んだあとに、ほっとする作品です。 「強い女」というと、どういうわけかあまりいいイメージを抱かれないと思うのですが、ほんとうに強い人というのはほんとに優しい人なんですよね。自分の弱さも知っていて、人にも優しくできる人。片桐陶子はそんな人。陶子自身が自分の生い立ちを悲観していないところがステキ。 ボーイフレンド(?)の萩くんのキャラクターもかわいいです。ボケてるようで結構よく人やものを観察してる。にくめない笑顔が想像できます。 話の中身は、日常起こる不思議な出来事の連作ミステリー。たまにはこういう人が死なないミステリーもいいんじゃないでしょうか。この作品がお気に召した方は、『掌の中の小鳥』もお勧めです。こちらも主人公の女性がと~っても素敵なキャラクターで、読んでいてこころがあったまるミステリーです。 | ||||
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イヤなこともあるけれど、楽しいこともないわけじゃない。さあて、私もいっちょうガンバってみるか、というキモチになる本(ただし、ホノボノではない)。 ホームズとワトソン役が固定してないところがミソ。怜悧でことの裏側が見えすぎるために、時には傲慢に映るかもしれないヒロインのアクを、おひとよしのボーイフレンドがナイスカヴァーしている。実に似合いのカップルだと思うのだが、ふたりの今後の運命やいかに。 | ||||
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「うんうん、わかるなぁ」という気持ちで読み初めました。例えば、主人公の陶子さんがワトソン役(?)の萩くんと出会った満員電車の中での陶子さんの気持ち。萩くんが途中の駅で降りて行くことによってできる空席を当てにしていた陶子さんが、ある日を境に自分と同じ駅まで乗っていく萩くんを憎たらしく思う気持ち。毎朝同じ満員電車で少なからずも不愉快な思いをしていれば、1回は誰しもがうなづけることではないでしょうか。そんな出だしで始まったこの二人の物語。それは私の毎朝の不愉快な電車通勤も、少し快適にしてくれるだけの力のある物語でした。 | ||||
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