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(短編集)
ガラスの麒麟
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【この小説が収録されている参考書籍】
ガラスの麒麟の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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『カーテンコール』『いつかの岸辺に跳ねていく』に続けて3冊目の加納朋子さんを読みましたが本文の中のある時、神野菜生子先生が横断歩道で車イスのお年寄りを助けようとしつつもどうしようもなくなっている横を楽しそうに通りすぎて行く若い女の子の集団の描写の部分で集団の冷たさ、怖さを感じました。 本の帯にも本文にも繰り返し書かれた言葉である「美しく聡明」とはなんぞや!?と感じたし作者はそれを考えさせたかったのかなと想いました。 私は麻衣子さんよりも『いつかの岸辺に…』の徹子さんのほうが断然好きで『いつかの岸辺に…』は取ってありますがこの『ガラスの麒麟』はもういいかな…f(^ー^; | ||||
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ドキドキする話しの展開 綺麗な絵で楽しめる 1人の少女の殺人事件からこの子の周りの子たちの話になる。 2巻が楽しみ | ||||
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一応は短編小説なのでしょうか? それぞれに題名が付いているし、主人公も違うのでそうなのかもしれませんが、限られた登場人物の世界の中で、それぞれの主人公のお話にある共通する殺人事件の謎を絡めてあるので、長編と言ってもいいような作品でした。 基本的に殺された女子高生とその周りの人たちのお話です。女子高生たちの心情も分かりやすく、普通に恵まれているのにどうしようもない孤独を感じるという遠い昔を思いだし、ちょっと切なくなりました。 | ||||
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加納朋子さんのファンとして、万を辞して日本推理作家協会賞受賞作である本作を読み始めました。 いつもの作品と違うやや暗い雰囲気でしたが、まあこれは許容範囲内。一話目のトリックは、そうきたかといった感じで、素直に面白いと感じました。その後の展開も暗いなりに悪くはなく、どんなオチが待っているのかと期待させました。 ところが、最後まで読み進めてみると、これがモヤモヤするのです。何と推理がどう見ても後付けで、完全に破綻しているのです。しかも謎の答えすら提示されていない部分もあり、ミステリとして成り立っていません。 どうしてこんな作品が日本推理作家協会賞?と思ったのですが、よく見れば「短編部門」。最初の第一話が受賞しただけで、全体が評価された訳ではなかったのです。これにはがっかりでした。 加納朋子さんの作品は大好きなのですが、残念ながらこれは失敗作でしょう。 | ||||
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ある高校の周辺を舞台に沸き起こる様々な事件を保健室の養護教師が解決していくという 連作短編集で、ミステリとしてのできはいまいちだが、個々の短編のできは面白い物もあり それなりに評価も出来るのだが連作としてみると評価しにくい とにかく全てを神野周辺にまとめてしまっていて話のスケールが小さすぎ、 犯人もただ身勝手なだけで共感できない人間というのがいただけない せめてもう少し同情できる人物にして欲しかった 最終話に感動した人には名作、そうでない人には佳作な作品 | ||||
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女子高生たちの不安定で繊細な心が丁寧に描かれています。 核となる殺人事件とはまったく関係のなさそうな出来事が少しずつ絡まり、 後半になるにつれて1本の線になっていくのだけど、ラストはなんだか粗かった。 犯人の描き方も唐突過ぎて、こんな結末なの?って思ってしまいます。 謎を次々と解き明かしていく神野先生は聡明な女性。 透明感と寂しさ・・謎のベールに包まれているんだけど、 そんな彼女に最後に少しだけ幸せの予感が訪れたのは救いでした。 野間さんと小宮さんのコンビはいいですね。特に小宮さんは存在自体が最高です! 加納さんの他の作品と比べるといまいち入り込めなかった印象。 全体的に暗すぎるのかな・・・?? | ||||
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短編集かと思いきや、つながっているので間をあけず、一気に読んだ方がよかったです。ホラー系のミステリーという感じの作品でした。表紙の色や麒麟が可愛いです。 | ||||
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本書は、作者の第5作目にして第48回日本推理作家協会賞・短編および連作短編集部門の受賞作だが、期待との落差の大きさに大いに幻滅したものである。 まず、『ななつのこ』などと異なる陰鬱な作風が好きになれない。また、連作作品として全体を通して見たときにはアラの方が目についた。その最大のアラは、犯人像と被害者像がいい加減なことである。 まず犯人だが、麻衣子を殺した方法がナイフによる刺殺という直接的な方法である。こういう犯人は、その後も(ナイフを使うかどうかは別としても)直接的な犯行を行うのが普通だろう。にも関わらず、その後に犯人が行ったとされるものは、砂場に「わな」を仕掛けたり由利枝に陰湿な嫌がらせの手紙を送ったりなどで、犯人像に一貫性がない。 それと麻衣子は最大の謎と言っていい。いったい誰か他の人の呪縛を解き放つために身を犠牲にする者などいるのだろうか? どんなに言葉を尽くされても、まったく理解も納得もできない。 また、卒業アルバムの由利枝のページに栞をはさんでいたことも納得できない。それが本書に記されているとおり直子に対するサインならば、なぜ麻衣子はその時点で自分の次に由利枝が狙われると知っていたのか。それとも、次に由利枝を狙わせるために、わざと手紙を犯人にすり返させたとでもいうのだろうか。矛盾もいいところである。 しかし、個々の作品を見たときには気に入ったものもある。 一番好きな作品は「ダックスフントの憂鬱」で、中2の主人公の青春の苦悩と淡い恋のエピソードを交えたストーリーは微笑ましく(犯人の行為はちっとも微笑ましくないが)、暗い物語が多い中のオアシスのような作品である。 それと、推理作品としては「三月の兎」が秀逸で、謎の答えが説明されるまで気がつかないが、説明されると「あぁ、なるほど」と即座に納得できるシンプルさがいい。 | ||||
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美しく聡明で“小さな貴婦人”と称せられた 女子高生・安藤麻衣子が通り魔に殺された。 そんな麻衣子を不在の中心として、彼女のわずか17年間の生の軌跡と死の 真実を複数の語り手の視点から光を当て、浮き彫りにしていく連作短編集。 麻衣子には、彼女に対する実体のないイメージが重ねられたり、 逆に彼女を「見る」者の姿を照らす鏡の役割が担わされています。 そのため人々は、彼女のイメージに自分の見たいもの、あるいは 見たくないものを見てしまい、それに囚われてしまいます。 幻影の囚人となってしまった人々にそっと寄り添い、救済への道へと 導くのが、全編を通して探偵役を務める養護教諭の神野菜生子です。 麻衣子に最も近しい魂を持つ彼女は、事件の謎を解くことを通じて、関係者がその内に 宿す麻衣子的心性――不安定で繊細な〈少女性〉を掬い上げ、代弁していきます。 しかし、最終的には彼女自身も決して傍観者の立場にはとどまれず、麻衣子を 殺した犯人と対峙し、己自身の痛ましい過去との決着を迫られていくことなります。 現代を覆う、理不尽や息苦しさに窒息寸前になっても、 それでもこの世界で生きていかなけらればならない我々。 麻衣子のように、彼岸に行き〈永遠〉とはならず、不自由な足を引き受け、 一歩一歩踏みしめるように生を肯定した神野の姿に、救いがあります。 | ||||
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冒頭で、女子高生が刺し殺される、というショッキングな事件から始まります。加納朋子さんの作品は、どちらかというと「日常の謎」をテーマにしたあったかいミステリが多いので、殺人事件から始まるとなると、この先どういう展開のなのかと先が気になって気になって、仕方ありませんでした。 殺されたのは、安藤麻衣子・17歳。彼女を取り巻く人々によって綴られる短編集。一つ一つが独立しているようで、少しずつつながっている。最終章の『お終いのネメゲトサウルス』は書き下ろしのようですが、ここまで読んでようやく物語が終わるので、連作短編集といってもいいかもしれません。 少年犯罪が起きるとよく「心の闇」なんて言葉が使われますが、心に闇のない人間なんているんでしょうか。10代の頃っていうのは、例えばスポーツが得意でオリンピックに出たいとか特別に何かに打ち込んでいない限り、自分がなにをやりたいのか、どこを目指して生きているのか、または自分は何のために生きているのか、なんて、漠然とした不安や悩みを誰もが抱えてるんじゃないでしょうか。一度は10代だった私も、ここに出て来る安藤麻衣子や野間直子たちのように、どこか不安定な部分というのは持っていたんだと思います。死にたいとは思っていなかったけど長生きしたいとも思っていなかったから。「生きる」っていうことがどういうことなのか、高校生にはよくわかりませんよね。それが当たり前だと思います。親の庇護を受けて生活をしているが、「子ども」かというとそうでもない、一番中途半端な時期なんでしょう。表には出てないかもしれないし、自分でもそれほど自覚はしていなくても、一歩間違えると転がり落ちてしまうような不安定さを持った年頃なんだと思います。 作品の中で、麻衣子の通っていた高校の養護教諭・神野先生が安楽椅子探偵役になっています。恋人と一緒に事故に遭い、怪我は完治したはずなのにまだ不自由なままの右足。恋人がなくなったというショックによってそうなったんだと自分でもわかっていながらどうしようもない、と寂しく笑う神野先生が、何とも痛々しい。保健室に入れ替わり立ち替わりくる女の子たちに自分を重ねあわせてしまう、芯が強いんだけれど傷つきやすくもある女性です。各章の謎の解き方はちょっと突飛すぎる?と思う部分もなきにしもあらずですが、ミステリとしても十分楽しめるないようになっています。 ラストは大学に合格したとか、結婚が決まったとか、登場人物たちの未来への希望が垣間見える。この波に乗って、神野先生の足も治り、直子のお父さんといい雰囲気に・・・となるといいんだけどなあ、と期待を持たせてくれる終わり方でした。推理だけではなく青春小説の要素もあり、何度も読みたくなるすばらしい作品です。 | ||||
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一種のバイブルともいえるくらい愛読しています。 主人公の死から始まる物語は、悲しいほどの透明感と、危ういバランスの上で生きる少女たちのリアルな表情までも鮮明に映し出します。 悲しいはずの死が繋いでいくのは、綺麗な感情なのかも知れない。 純粋に「良い」と思える作品です。 好き嫌いはあると思いますが、面白い趣向だし、読んでみて下さい。 | ||||
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少女たちはつねに不安定な心を抱えて生きている。どんなに自分が恵まれた環境の中にあっても、心はいつも揺れ動いている。危うい心のバランス、それがほんの少し崩れただけでも、少女たちは深く傷ついてしまうのだ。作者は独特の感性で、さまざまな人物の心の動きを見事に描いている。そして、その描き出された悩み、苦しみ、悲しみは、読者の心と共鳴する。人はなぜ死を願う?人はなぜ生を願う?この二つにいったいどれほどの差があるのだろうか。 | ||||
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加納朋子の推理小説を碧也ぴんくにより漫画化。「ささらさや」に続き、再びコンビで登場。小説と漫画の違いを乗り越えた「ガラスの麒麟」は見る価値あり。 | ||||
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本の面白さをページをめくらせる力、とするとしたら、なかなか面白い本だと思います。各章がだんだんと1つの道になっていく様子は、やはり面白いですね。ただ、殺人やそれをとりまく謎、謎解きがメインというよりは、その周りの女性達の物語、と言った方がいいように思います。タイトルから想像できる、綺麗で、もろい、そして危うい。そんな印象を持ちました。女性向けというレビューもありますが、私もそう思いました。一応女ですが、ミステリー性を求めていた私には少し物足りなく感じました。各章の最後が、悲しく、暗い雰囲気から急に(と、私には感じられる)明るく転調していて、ちょっと無理を感じました。確かに希望を持たせてくれるけれど、とってつけたようで、逆に後味が悪く感じます。 | ||||
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物語は、1人の女子高生の死から始まります。彼女を取り巻く人々が複雑に交差しながら話は進みます。1つ1つ独立しているようで繋がっている話の1つ1つに優しさがあります。全ての話に出てくる神野先生の洞察力の深さには感心しました。初めて加納朋子さんの本を読みましたが、読み始めたら止まらなくなり一気に読んでしまいました。誰もが不安やジレンマを抱えて生きていた中学や高校の頃を思い出すのではないでしょうか。彼女達の繊細で脆い心を優しく表現し、その悩みは決して自分だけのものではないということを教えてくれます。そして人の心や人生は複雑で、だからこそ愛おしいものなんだと思いました。とても悲しいお話だけど、読み終えたあとは何故か優しい気持ちになれます。確信に触れてしまうので、詳しくは書けませんが、女子高生が殺された理由とその周りで起きる事件に関して、少し消化不良な部分がありました。 | ||||
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冒頭で女子高生が殺されてしまいます。その女子高生の死がきっかけ、いいえ事件はもっと前から・・・。最後まで読んだときにすべての謎が解き明かされます。一つ一つの話は独立しているようで、どこか、つながっています。そこが楽しくて読んでしまいます。謎解き役の養護教諭の神野先生が、安楽椅子探偵のように不可解な謎を見事解き明かしてしていきます。大きなものから小さな謎まで、なんとなく話を聞いているようで、的確にガラスの心を読み取って、思いがけない結論(答え)にたどり着きます。そして、最後にはどの話にも、ほんのりだけど幸せ(希望)が含まれています。その幸せは本当にガラスのような幸せかも知れませんが、その人しだいで大きくもなり、小さくもなるかもしれない・・・ | ||||
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加納朋子さんの作品は大好きでほとんど読んでいますが中でもこれはかなりハラハラドキドキしながら読んだ作品でした。そしてちょっと切なくて素敵な言葉に溢れています。でもやはり女の人(女の子)向けかなと思います。 | ||||
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