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RANK
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RANKの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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国民のすべてが常時監視され、ランクされ、下位者は処分されるという近未来小説である。 近未来といっても、2019年のことであるから、書かれた際には近未来であっても、今年が舞台ということになる。 ランク社会の逼塞感と破壊衝動というのがテーマだろうか。 ぼくにはビッグブラザーの登場しない、ジョージ・オーウェルの『1984年』のような感じがした。 ビッグブラザーの代わりに、このランク社会を司っているものがRANK中位層であるというところに、現代的な救いのなさが描き出されているような気がしたのである。 それはともかくとして、本書の中に、鳩山カントリークラブでのシーンが描かれている。 キャディを始めて2か月の男で、時給が良いから続けている、というような設定で、客から「ドライバーを取ってくれ」と言われて頭にきて、それを振り下ろして撲殺する、というシーンなのである。 鳩山カントリークラブはうちからも比較的近い、実在のゴルフ場だが、キャディがゴルフバッグを担いで徒歩移動は今どきあり得ない。 カートである。 しかも、キャディはパットのラインを読むことが重要な仕事なのに、ただバッグを担いで、言われたままにクラブを手渡す仕事のように描かれている。 これもあり得ない。 まして、ティーショットなら、客が「ドライバーを取ってくれ」と言う前にドライバーを準備しているのが、ごく当たり前だ。 さらに、一番おかしいのは、ドライバーはクラブの中でも最も軽い部類である。 チタン合金のヘッドが重そうに見えるかもしれないが、中は中空なのである。 いくら力を込めて殴っても、撲殺するのは難しい。 シャフトはしなるカーボンだし。 それに続いて、バフィー(4番ウッド)やクリーク(5番ウッド)で撲殺するシーンが出てくるが、これも同様だ。 本当にそうするのであれば、パターやサンドウェッジなどのヘッドが重くて固いものを使うはずである。 全くゴルフのことを知らないで書いているのが、わずか30行ほどの間にこれほど露見してしまう。 知らないなら調べるか、ゴルフの話にしなければいいのに、と思ってしまった。 今年、ぼく的には最も注目する作家の一人であるだけに、残念だ。 | ||||
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2014年から施行された中国の信用スコア制度を予言していたかのような内容。しかし、中国版ランクよりも、とあるアニメとの類似点を指摘する声の方が多い。世の中に出たのは本書の方が先のようです。読んでみて分かったことは、アニメとの類似点も多いけど相違点も多いこと。相違点を挙げるなら、ランクは主に行動しか監視することは出来ず、精神面も〈眼〉で見ることのできる表面的な部分しか測ることができないことです。執行官の一人の「人間を一つの尺度で測るのは無理。高順位層も中間層も低順位層も同じ人間。同じ人間ならどの層にどんな人間が潜んでいるか分からない。だから、ロードローラーかけるのが一番」みたいなセリフを読んで、なるほどなーと思った。確かに警備の究極系を謳っておきながら邪悪な欲求を胸に秘めて生きている人間を見つけることができないシステムには疑問を感じるかも。だからといってロードローラーは豪快過ぎ(笑)でも、一番確実な方法だよね。作中のシステムは〈眼〉と表現されている通り、ただ人々を見ているだけで世話は焼いてくれないし、助けてもくれない。ある意味、究極の傍観者。真藤先生は下積み時代、即席麺のどんぶり返しだけが上達する日々だったそうですが、そのような環境下で書かれたせいか、作品全体からイラついてるというかオラついてるというかギラついてる感じが出てる(笑)厳しい状況で書かれた作品にはどれも当時の魂がこもっていて良い。ランクの方が熱くて泥臭くて好き。キャラクターも魅力的。極悪執行官二人は悪たれ兄弟で、善良執行官二人は父息子のような関係で、この対比がまた良かった。善人よりも悪人の方が印象に残ってます。〈眼〉による監視があろうと無かろうと、極悪執行官が己の価値基準を信じて行動する様は美しい。スピード感のある純度100%のエンタメ作品で大満足です。買って良かった。 | ||||
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現代作家の長編なんて、しかも表紙も題名もラノベかジュブナイルのイメージ、それでも直木賞受賞した? と、読んでみて目が離せなくなった。500頁もある文庫を出張旅行にまで携帯するなんてことはひさしぶり。たしかにここに登場する変態、残虐は他のバイオレンス物に比べたら話題にするほどのものではない。バイオレンスが主題ではないのですね。怒涛のような有無を言わせぬ展開。誰に感情移入しようかなど迷う余地も与えない。監視の是非を考えるなどという分別くささもない。佐伯、どうなるんじゃあ!、篠田、懲りないのう!春日、まだやるかあ!と唸るうちに罠にはまっている。これがエンタ小説本来の姿ではないでしょうか。 | ||||
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もっともっとRANKの世界に浸かっていたかった!この厚さで10冊あっても足りないくらいです!非常に映像的な本ですので、ハリウッド映画で見てみたいです!何よりも佐伯敏鷹特別執行官が大好きです!執行該当者絶対○すマンで人間ターミネーターで生命力がゾンビでパンテラ系チートな佐伯は最高にクール!老若男女関係なく手加減をしない自然災害みたいなところも物凄く好き!冷酷なんだけれど仲間は見捨てないし、己の身を危険にさらしてでも助けに行こうとする優しい(?)一面も。特に相棒である篠田卓哉をサンドバックのように扱うこともあるけれど、篠田が泣くとさりげなく慰めちゃうところが可愛い。佐伯と篠田コンビは極悪人なのにコミカルで惹かれます。この二人と執行該当者や春日嘉明との掛け合いは面白いので永遠に読んでいられる(佐伯は口汚いですが話している内容は物凄くまともなんだよね)。RANKのスピンオフ的な作品がほしいです。佐伯のSAT時代の話や彼と篠田の日常執行業務の話が読みたくて読みたくてウズウズ。それにしても文庫版の表紙にいるのは佐伯でしょうか? | ||||
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娘に頼まれて購入しました。書店ではなかなかみつからなくて購入できてよかったです。 | ||||
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現代を思う。町中に氾濫する監視カメラ。 個人情報のデータベース。 これらが融合したらと考えるのは飛躍ではない。 そこを懇切丁寧に世界を作るところからはじめて 男たちの闘いまで書ききっている。 スペースなSFとは違うけど近未来ものとしてよくできている。 読み応えあって満足。 | ||||
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現代を思う。町中に氾濫する監視カメラ。 個人情報のデータベース。 これらが融合したらと考えるのは飛躍ではない。 そこを懇切丁寧に世界を作るところからはじめて 男たちの闘いまで書ききっている。 スペースなSFとは違うけど近未来ものとしてよくできている。 読み応えあって満足。 | ||||
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二人一組の執行官。 師弟のようなコンビと悪ガキ仲間のような二人。 悪ガキと言っても人を処分する権限を持った彼らの度は そんじょそこいらの中高生とはわけがちがう。 その描写は少々ド派手。 それを補って余りあるのが近未来のランク世界の世界観。 日常の延長線上にあるフィクションやファンタジーが好きだということもあり とてもよかった。 読み応えも充分。 | ||||
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二人一組の執行官。 師弟のようなコンビと悪ガキ仲間のような二人。 悪ガキと言っても人を処分する権限を持った彼らの度は そんじょそこいらの中高生とはわけがちがう。 その描写は少々ド派手。 それを補って余りあるのが近未来のランク世界の世界観。 日常の延長線上にあるフィクションやファンタジーが好きだということもあり とてもよかった。 読み応えも充分。 | ||||
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注目作家の初長編小説という宣伝文句で手を出したことが、期待外れの失望感となり読み進める毎に大きくなった。 監査調整局によって月毎に「一般州民圏外」に順位付けされた下位州民は、執行該当者として処分される社会を舞台に、執行される州民と執行する者を描いている。 この本が中途半端で安直なのが、凄惨な暴行をする執行官として佐伯と篠田というキャラクターを置いているが、女に欲情している篠田を付けているだけで凄惨に至っていない。 そのあたり新堂冬樹著『溝鼠』が完全に変態の極致を描いていたし、理不尽な世界として梁石日著『闇の子供たち』 を思い出し、比較してしまうくらいこの本はアニメの原作本みたいで戦慄する世界となっていない。 社会の構造を解説として挿入し過ぎて小説としては、作品自体を分断してしまっている。 正義VS悪役の構造が単純なのと、作者自ら「戦慄」の語彙を乱用しているため、読者が状況を読むことで戦慄を感じる読書の醍醐味が生まれない。 この程度の作品で特別賞を受賞させていると、ポプラ社小説大賞の存続は危うい文学賞になるとも思った。 | ||||
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注目作家の初長編小説という宣伝文句で手を出したことが、期待外れの失望感となり読み進める毎に大きくなった。 監査調整局によって月毎に「一般州民圏外」に順位付けされた下位州民は、執行該当者として処分される社会を舞台に、執行される州民と執行する者を描いている。 この本が中途半端で安直なのが、凄惨な暴行をする執行官として佐伯と篠田というキャラクターを置いているが、女に欲情している篠田を付けているだけで凄惨に至っていない。 そのあたり新堂冬樹著『溝鼠』が完全に変態の極致を描いていたし、理不尽な世界として梁石日著『闇の子供たち』 を思い出し、比較してしまうくらいこの本はアニメの原作本みたいで戦慄する世界となっていない。 社会の構造を解説として挿入し過ぎて小説としては、作品自体を分断してしまっている。 正義VS悪役の構造が単純なのと、作者自ら「戦慄」の語彙を乱用しているため、読者が状況を読むことで戦慄を感じる読書の醍醐味が生まれない。 この程度の作品で特別賞を受賞させていると、ポプラ社小説大賞の存続は危うい文学賞になるとも思った。 | ||||
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いわゆるディストピアものを書いている。徹底した管理社会という設定には 過去に傑作が多く、(ジョージ・オーウェルの『1984』とか、伊坂幸太郎の 『ゴールデン・スランバー』もそうだ) その点では新味は感じられない。SF的なディテールも上滑りな感が否めない。 生硬だが感情を掻き立てられる部分と、勢いだけで書いているような粗削りすぎる部分 が入れ替わり立ち替わりあらわれて、結構疲れる。本を閉じたときに、完成された エンターテイメントに触れているというあの感覚をおぼえる作品ではない。 しかし、印象的な人物や各エピソードにいちいち光るものを感じさせる、この著者の傾向 はこの作でも表出している。中盤からの怒濤の展開は、火傷しそうに刺激的である。 著者のページターナーであろうとする気概を感じるし、文体の硬質さ、圧力には細部の粗を 気にさせない迫力があって、読書ならではの面白さは十二分に味わえた。 この著者はこのまま独自のエンタメを突き進めば、そのうちポンと化ける気がする。 次はあらかじめヒットした作品を読むつもりだ。 レビューは作品単体の評価とすべきだろうが、著者のとんでもないデビュー経歴を 踏まえて☆はひとつオマケした。 | ||||
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いわゆるディストピアものを書いている。徹底した管理社会という設定には 過去に傑作が多く、(ジョージ・オーウェルの『1984』とか、伊坂幸太郎の 『ゴールデン・スランバー』もそうだ) その点では新味は感じられない。SF的なディテールも上滑りな感が否めない。 生硬だが感情を掻き立てられる部分と、勢いだけで書いているような粗削りすぎる部分 が入れ替わり立ち替わりあらわれて、結構疲れる。本を閉じたときに、完成された エンターテイメントに触れているというあの感覚をおぼえる作品ではない。 しかし、印象的な人物や各エピソードにいちいち光るものを感じさせる、この著者の傾向 はこの作でも表出している。中盤からの怒濤の展開は、火傷しそうに刺激的である。 著者のページターナーであろうとする気概を感じるし、文体の硬質さ、圧力には細部の粗を 気にさせない迫力があって、読書ならではの面白さは十二分に味わえた。 この著者はこのまま独自のエンタメを突き進めば、そのうちポンと化ける気がする。 次はあらかじめヒットした作品を読むつもりだ。 レビューは作品単体の評価とすべきだろうが、著者のとんでもないデビュー経歴を 踏まえて☆はひとつオマケした。 | ||||
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特別執行官の佐伯が巨椋と相対する、中盤の流れるようなクライマックス。 それはもちろん、さらっと流れてしまうと言うことではない。 それどころか、1行進むごとにぐいぐいと感情を引き摺り込まれ、明らかに読む速度が上がっていく。 登場人物のリアルな感情に同期するように高揚を覚える。 対照的にじっくりと書き込まれた世界観のディテールは、読み解くほどに実に綿密に構成されていることに気づく。 初めて書いた長編とあることに驚かされる。 | ||||
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特別執行官の佐伯が巨椋と相対する、中盤の流れるようなクライマックス。 それはもちろん、さらっと流れてしまうと言うことではない。 それどころか、1行進むごとにぐいぐいと感情を引き摺り込まれ、明らかに読む速度が上がっていく。 登場人物のリアルな感情に同期するように高揚を覚える。 対照的にじっくりと書き込まれた世界観のディテールは、読み解くほどに実に綿密に構成されていることに気づく。 初めて書いた長編とあることに驚かされる。 | ||||
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