■スポンサードリンク
RANK
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
RANKの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国民のすべてが常時監視され、ランクされ、下位者は処分されるという近未来小説である。 近未来といっても、2019年のことであるから、書かれた際には近未来であっても、今年が舞台ということになる。 ランク社会の逼塞感と破壊衝動というのがテーマだろうか。 ぼくにはビッグブラザーの登場しない、ジョージ・オーウェルの『1984年』のような感じがした。 ビッグブラザーの代わりに、このランク社会を司っているものがRANK中位層であるというところに、現代的な救いのなさが描き出されているような気がしたのである。 それはともかくとして、本書の中に、鳩山カントリークラブでのシーンが描かれている。 キャディを始めて2か月の男で、時給が良いから続けている、というような設定で、客から「ドライバーを取ってくれ」と言われて頭にきて、それを振り下ろして撲殺する、というシーンなのである。 鳩山カントリークラブはうちからも比較的近い、実在のゴルフ場だが、キャディがゴルフバッグを担いで徒歩移動は今どきあり得ない。 カートである。 しかも、キャディはパットのラインを読むことが重要な仕事なのに、ただバッグを担いで、言われたままにクラブを手渡す仕事のように描かれている。 これもあり得ない。 まして、ティーショットなら、客が「ドライバーを取ってくれ」と言う前にドライバーを準備しているのが、ごく当たり前だ。 さらに、一番おかしいのは、ドライバーはクラブの中でも最も軽い部類である。 チタン合金のヘッドが重そうに見えるかもしれないが、中は中空なのである。 いくら力を込めて殴っても、撲殺するのは難しい。 シャフトはしなるカーボンだし。 それに続いて、バフィー(4番ウッド)やクリーク(5番ウッド)で撲殺するシーンが出てくるが、これも同様だ。 本当にそうするのであれば、パターやサンドウェッジなどのヘッドが重くて固いものを使うはずである。 全くゴルフのことを知らないで書いているのが、わずか30行ほどの間にこれほど露見してしまう。 知らないなら調べるか、ゴルフの話にしなければいいのに、と思ってしまった。 今年、ぼく的には最も注目する作家の一人であるだけに、残念だ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!