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あるキング
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あるキングの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.02pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全187件 41~60 3/10ページ
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毀誉褒貶あるみたいですが、ぼくにはわかりました。これは「キング」の話。そしてぼくは「◯◯◯◯◯」。もちろんぜんぜんべつものかもしれませんが。 伊坂幸太郎さんの「あとがき」によると、「「いつも以上に、自分の好きなように書く」ということが第一の目的でしたので」とあり、そして、「果たして、読者がどう受け止めてくれるのかと心配していたのですが、発表後は、予想通りと言いますか、「何だこりゃ」と感じた読者が多かったような、そういう印象があります」と述べています。ぼくは、伊坂幸太郎さんの作品は、さいきん出たもの以外は全部読んでいますが、たしかにこの作品はほかのものと毛色が違います。エンターテイメント性が少ない、といいますか、「文学的」といいますか。でも、繰り返しになりますが、ぼくは好きです。 この作品は、作中言及されているように、ウィリアム・シェークスピアの『マクベス』を下敷きにしているのですが、それ以外にもアーヴィングやミルハウザーといった小説を念頭に置いてあることを伊坂さんは言明されているようです(アメリカ文学者・柴田元幸さんの「解説」による)。 そういった感じで、つまり、いわゆる「文学」しています。アーヴィングやミルハウザーはおそらく日本でいうところの純文学作家です(アメリカ文学にはあまり明るくないですが)。『マクベス』はシェークスピアの四大悲劇のなかのひとつなのですが、『あるキング』が悲劇に終わるかどうかは「ネタバレ」になるので言及しないことにします。 以下、この作品を読んで考えたことを箇条書きにします。 ・「おまえ」という二人称で書かれる章がありますが、これはミシェル・ビュートル『心変わり』や倉橋由美子『暗い旅』の影響でしょうか。いまではもしかして普通なのかもしれません。 ・いろいろな登場人物の「語り」があるのですが、これは「王」=「王求」が周囲をよい方向へ変えていることを示すためにそうなっている気がします。 ・そういばこの作品、時代設定が謎なのですが、この物語はいつごろの話なのでしょう。王求の両親は携帯電話を使っているのですが、それが23年前。携帯電話が普及したのが、2000年ごろですからこれは未来の話なのでしょうか。 ・「おまえ」と呼びかけるのは「あの人」だったんですね。 ・親の期待はよくない、と思いました。 ・この小説はリアリティがあまりない、比較文学者・小谷野敦さんがいうところの「作りごと小説」だなぁ、と思いました。それが悪い、ということではもちろんありません。 ・村上春樹さんのような文章をときどき文中で書かれていますね。やはり、「春樹チルドレン」ということなのでしょうか。 以上です。 | ||||
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たしかに異質な作品です 伊坂氏がエッセイで見せるような淡々とした流れで描かれるのですが 設定というかプロットだけを見ると非常に現実離れし過ぎています 氏の持ち味でもある伏線もあるにせよとても薄味です とはいえ平静な中にもスピード感が増すあの独特のワクワク感もあります ファンなら許せる小説なのか それともファンだからガッカリするのか 個人的には とりあえず伊坂氏でなければ本にはなっていないと思える小説ではあります | ||||
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シンプルに核心だけをついてた。 個人的には今まで読んだ伊坂作品の中で一番好き。 自分のファン層を理解した上で、あえてチャレンジした著者の姿勢も含めてこの作品なのかも。 フェアはファウルでファウルはフェア。 今の自分にとっては、フェアだ!我を張って走れ!と言ってくれる本。 自分も著者に同じ言葉を返したい。 | ||||
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ハッピーエンドやスカッとする結末を期待すると裏切られます。 いろいろな経験をして、いろいろな本を読んだオトナなら味わえるおもしろさがあります。 確かにいつもの伊坂作品とは異なる趣きですが、これはこれでアリです。 | ||||
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異能の人物が周囲の環境に阻害されて生きていく、といった内容なのか? 筆者はマクベスを下地にして現代風にアレンジしようとしたのだろうが、 本家マクベスのほうが緊迫感、絶望感ともに勝っている ほかの方も書いているが、出てくる人物がいずれも薄っぺらく、読後に印象を残さない。 魔女3人の位置づけも微妙。マクベスではかなり重要なのに。 | ||||
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先が気になり、どんどん読み進めたくなるような本ではありました。 しかし、登場する人物に特に魅力を感じることもなく、 しかも人間の嫌な部分を物語に起伏をつけようと無理に誇張してさらけ出したような部分が鼻につき、 それなのにマネキンのようで一向に人物像が見えません。 その辺の小説から似た人物を探して差し替えても問題ないような感じです。 他の作家の小説でも読んでいてそう感じるものがあるのですが、 最近はそういうのが流行りなんでしょうか。 しかし、その割に物語の展開については読んでいくうちにぐんぐん引き込まれ、 あっという間に読めてしまいました。 暇つぶしとして読むには、 または最近通学中、通勤中に読む本がない、という方には もってこいの本だとは思いますが、 文学作品として面白いものを求めてるという人には、 私個人的にはあまり「これはいいぞ」とは言えない作品です。 | ||||
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私は伊坂ファンではない。 ギャングがどうしたこうしたという小説は、最初の30ページくらいで、もうそれ以上読み進めることができなくなった。 そういう者から言うと、これはそんなに悪くない小説だ。 少なくとも最後まで読むことができないようなたぐいの小説ではなくて、 それなりに光がある小説だと思う。 伊坂の作家としての可能性を感じさせるが、だが同時に本書は手を抜き過ぎのようにも思える。 最初から、ホームランを狙ったのではなくて、セカンドの頭上を超えるくらいのヒット考えていたのだろうが、読者としては馬鹿にされているような気になる。 もし彼が本気で書けば、もともと影響を受けているらしい村上春樹を超えられるような気もするが……どこまでやる気があるのだろうか? | ||||
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評者は、伊坂幸太郎の作品は本書が初見です。従って、本書を野球小説として読みました。そして、野球小説として十分面白かったです。 ファウル イズ フェア、フェア イズ ファウル という「マクベス」の魔女の有名な台詞に初めて接したとき、評者は「うーん、ファウルかフェアかはっきりしてくれんと試合が進まんけどなぁ」というくだらない感想を持ってしまった野球ファンです。今の若い人は「ファウル」というとひょっとしてサッカーやバスケを連想するかもしれないけど、評者の世代では圧倒的に野球です。ファウルと言えば野球。 だから、評者にとってこの小説は、この言語的オーバーラップをベースに、野球をネタに無理は承知でマクベスをやってみました、というふうに読めました。その「無理筋」を押し通す筆者の豪腕が、たいへん面白かったです。 もちろん、野球小説としては、相当に「クセ球」でありますが、けっこう胸元の鋭いところを突いてくれているのであります。 面白かった! | ||||
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っていうかさ、仙醍あるいは地元チームにこだわらず、メジャーリーグでも言っちゃえば良かったのでは? 人殺しの息子などと呼ばれず、実力発揮出来て監督の屈折したジェラシーを受けなくて良かったのでは。。 ドラ息子社長のオーナーが、後押ししてくれたかもよ。 伊坂作品として異色と言われているそうだけと、これまでの作品同様楽しめたし、ストレートに面白い作品でした! | ||||
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はっきりいってつまらない。最後までなんとか読み切ったものの、読後感は何も残りませんでした。 タイトルにもなっているキングの意味がまったくわかりません。ホームランを打ちまくることがキングなのでしょうか?ほんとのキングとはもっと違うものを持っているはずです。 主人公の気持ちの変化もほとんど描かれておらず人間味も感じられないので、これではホームランを打つサイボーグですね。 打席に入ればホームランか敬遠というのもあまりにも現実離れしすぎでついていけません。 | ||||
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感想はおもしろいですよ。 ただ、伊坂作品の、おもしろい言い回し。伏線の回収。ニヤッするような要素はないです。 全体的に重い雰囲気で、それを皮肉で軽くするようなこともなし。 この点が他の伊坂さんの作品とは違うと思います。 文庫版は、かなりわかりやすくなっています。 単行本も何度も読んでいるので、その影響もあるかもしれませんので。 それでも、「読みやすい」とは言えない作品ではあります。 登場する弱い野球のチームに孤独なキング(王)が登場。 それも決して幸せな、みんなに望まれたスターではなく、文字通りキング。 キングとは、どのようなものか。善だけでなく、悪でもない。 「フェアであり、ファール」 ホントこのことを考えさせられる、おもしろい作品です。 なにかの価値観を述べるのではなく、現実を事実をただ提示して、そこから何かを感じるか。 人にオススメはしませんが、興味もたれたなら、一読するべきですよ。 無難な作品だけでは、出会えない作品もあります。 | ||||
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絶対無比の能力を持った野球選手を「孤独な王様」になぞらえて、マクベスの世界観を仮借しつつ描かれる話。 分量も多くなくサラリと読める。人の運命のはかなさ・無常観といった世界が好きな人には、好きな話かもしれない。 この小説の評価は、主人公がサイボーグのようなキャラクターとして描かれていること、とりわけ(プロ野球で打率5割超、といったフィジカルな面もさることながら)、主人公がさしたる感情の揺らぎをもたないことへの賛否、に尽きると感じる。 私は率直に、「生煮えで熟成し切らなかった、もったいない小説」だと思う。 この話の中にはそれ単体でスピンオフさせても十分に小説になりそうな素材がザクザク転がっていて、もうほんの少しだけ、主人公(あるいはその周辺人物)の内面を丁寧に掘り込んでみたら、わざわざマクベスを引き合いに出さずとも、ものすごく面白い小説(短編集にせよ、長編にせよ)ができたのではないか。 伊坂さんといえばかつて、各賞選考のさいに「熱量が低い」「苦悩がない」「想定した世界を言葉が超えていかない」などと、色々言われた時期があった。それこそが伊坂作品のよき特徴ともいえるのだが、そろそろ年齢からいってもキャリアからいっても、それらの声を見返すべき時期にきているのかもしれない。 本作は、取り組みようによっては、そのきっかけとなるようなキャリアハイの作品となる可能性を秘めていたのでは、との思いを禁じ得ない。 (以下ネタバレ気味で恐縮ですが) 読みたいなぁ、と思ったのは・・・ ・自分を応援・指導してきた両親は、何のことは無い野球に関しては「ただの素人」で、そこに主人公が葛藤を覚えるエピソード。その主題だけでも、じゅうぶん一本の小説になりそう。 (逆に、子どもが離れていくのを見送る親の気持ちも、伊坂さんならどう書くのか読んでみたい。) ・父親がよかれと思ってやったことが結果的に主人公の足を生涯にわたってひきずり続ける結果になってしまったことに対しての、主人公の想いや父親の内面も、伊坂さんならどう書くのか、もっと読みたい。 ・主人公にもう少し年を取らせて、肉体的な衰えや引退との葛藤なようなものを描いてみても、面白かったのでは。 (王様なのだから、王ならではの苦悩、思い通りにいかないもがき・苛立ちなどがもっとあってもよいのでは、と。) などなど。 読者の想像に委ねるだけではなく、「伊坂さんならどう描くのか」を読んでみたい。 | ||||
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死神の精度以来の久しぶりに読む伊坂さんの作品でしたが、僕は好きです。 野球も透きなので文章が鮮明に頭の中で映像化されました。 結末が明確に書かれているわけではないため、しっかりとした結末を欲する方は物足りないかもしれません。 僕としては続編があれば是非読みたいです。 | ||||
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不思議な不思議な物語です。 てっきり散歩の本かと思いました。 マクベスを下敷きにした野球界を舞台にした現代の寓話。 嫌いじゃないです。 物語の中身を深読みしたくなりますが、 んーでも単純に、「球」って感じは「王」と「求」か。王っていえばホームラン王に、打点王とかあるな。 そういや王を殺して王権を簒奪したマクベスに「Fair is foul,and foul is fair.」ってセリフがあるな、 フェアとファウルね。野球を題材にしよっかな♪ …っていうノリでかかれたような気がしないでもないです。 途中のヨギ・ベラの「試合は終わるまで終わらない。」という意味不明ながら、深読みされそうな、おかしな名言ってのが気に入りました。 こうも言いかえられそうです。「伊坂作品は読めるまで読めない。」 | ||||
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以前、単行本は過去に読んだことはあるのですが、そのときは暗く重く、もやもやとしてあまり面白くないなあという印象だったのですが、 だいぶ書き直されているときいたので文庫版を手に取ってみることにしました。 読んだ感想ですが、単行本のときよりだいぶすっきりして読みやすくなり、単純に面白いと思いました。 まるで、重苦しい雰囲気すらホームランで吹き飛ばしたんじゃないかと思うような作品に仕上がっているのではないでしょうか。 | ||||
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正直言って、井坂ファンですが、 でも、この著作は皆様仰っていますが、駄作ですね。 本当に天才だとして、、、7割バッターがいますか、しかも殆どがホームランとか? 荒唐無稽すぎて笑えもしません。読後にゴミ箱直行でした。 | ||||
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んー 確かに一般的に名作 傑作なんて呼ばれる作品ではないだろうし キャッチーさ…わかりやすさが無いから 売れ線ではないと思うけど “お話”として 私は かなり面白いと思った♪ 野球がスポーツとして大好きだし、私自身経験者でもあるから 確かにこの話を野球小説として読んだら滅茶バカバカしい (^w^) でもねー…題材がたまたま野球なだけだからねー 野球選手として王求は ありえないだのなんだの そこを語る意味は無いと思うんですよねー これは王の話なんですよ! 文庫化で あちこち分かりやすい改稿がされていて 私は単行本よりかなり面白くなったと思います♪ PS.しかし レビューで “伊坂”を“井坂”って書いといて 声高に 「私はファンだー!もの申すー!!」 みたいに吠えてる人って どうなんでしょうね(失笑) | ||||
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「今までの井坂幸太郎作品とは違う」とか、「この作品には驚くような展開はない」 とか、フォローはいい。この名作を文庫化した自分たちに誇りを持つべきだ。 | ||||
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09年08月の単行本から大幅な加筆修正を加えて文庫化です.(巻末,『文庫版あとがき』より) 戯曲『マクベス』が下地にあるとされる物語は,とあるセリフを強調,繰り返して進みますが, その戯曲になぞらえたと思しき演出の数々は,現実の世界ながらも非現実的なものが多めの印象. このあたりは,文庫化に際して整理されたそうで,語られることはおおむね理解はできるのですが, 何かの暗喩,もしくは寓話的な雰囲気を漂わせながらも,掴みどころを図りかねて戸惑いを覚えます. また,置かれたままのエピソードが目立ち,語る必要は薄いとは解りながらも,モヤモヤが抜けません. 主人公を取り巻く環境,文字通りその成長過程,そして彼自身の雰囲気にも惹かれるところがあり, 第三者の視点を中心にした語りも,ちょっと緩いユーモアと先をにおわせる口調が不思議と心地よく, 純粋に少年の生涯を描いた作品として読むなら,数奇な運命に…と,余韻も引く切ない物語なのですが, 現代版の『マクベス』ということなのか,元を知らない自分には,最後まで入り込んでいけませんでした. 読みやすく,つまらないわけでもないのですが,『消化』するのに時間と回数が必要なように感じます. | ||||
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伊坂さんの作品はとても好きです。 僕にとっては、それは一貫して、 ・なんだか前向きな力で物語がぐいぐい進む ・登場人物が魅力的(主人公ではなくても可) ・テンポの良さ ・どんな終わりを見せてくれるのか気にさせて読み進めさせる魅力(魔力?) ・気持ちがいい読後感 というものがあったからです。 この本もそんな部分を期待して買ったのですが、今回ばかりは上記にことごとく反していると思ったため、このような評価にしました。 読者としては、常に '伊坂はおもしろい、おもしろいは伊坂' であってほしいのですが…。 | ||||
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