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あるキング
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あるキングの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.02pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全73件 1~20 1/4ページ
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導入は仙醍という都市にある弱小プロ野球チームとそれを応援するとある家族(山田家)の話から始まります。熱烈な仙醍キングスファンの家族のもとに育つ劇的な天才野球児の話です。 仙醍なんて書いたらほぼ仙台だろって感じますが、これを読んで球団設立当初の楽天イーグルスを思い出さすには居られませんでした。仙醍キングスは弱小・常敗チーム。一方現実の仙台のチームといえば楽天ですが、新規参入の際は体制づくりがビハインドのなか、当初リーグダントツの最下位、当時の田尾監督は常にへの字口であったことを思い出します。 ・・・ さて、山田家の天才野球児の王求(おおく)、名前からして(横書きで球(たま)とも読める)野球の神様から祝福されているかのような彼は、小学生時には引退したプロ野球選手の球を軽々とホームランするほど。中学時代もその名はとどろくも県大会どまり、そして高校では訳あって中退。しかし、幸運もあり仙醍キングスに入団。 そしてぼろくそに打ちまくる。ないしは敬遠か死球。結果として6割・7割打者という驚異的な成績に至る。 ・・・ 自分にストイック、野球にしか興味がない。 それはそれで素晴らしいことであるも、はるかに他を凌駕した才能を持つ彼。その姿勢や存在が気に食わない連中も多い。明示はされていないものの、彼はチームの監督にこっそり刺され、この世での生を20年と少しで去ることになります。 ここに私は、凡人の衆愚、嫉妬を見た気がしました。主人公山田王求への日本的出る杭は打たれる的バッシング。 ・・・ 実は、主人公山田王求へのバッシングは、彼の父山田亮が犯してしまった殺人にも理由がありました。 そのため彼は高校を退学せざるを得ず、またどうにかプロ野球でプレーできることになるも、常に殺人者の子として後ろ指をさされることになったわけです。 ここで気になるのは、加害者家族に人権はあるのか、という話です。被害者家族は金銭的に補償され、また精神的にもケアされるべきだと思います。加害者本人も法の下に罰せられるべきでしょう。その中にあり、加害者家族、なべてもその子どもはどれくらいの責任を負うべきなのでしょか。 作品ではこうした価値判断については一切明言はありませんでした。しかし、温厚な仙醍キングス監督が狂人じみたクレーマーの差し金を受け入れた末に山田王求を刺したことに及んだシーンから、「大衆は加害者家族を抹殺する」「大衆は加害者家族を許さない」、と感じました。もちろん、被害者家族の気持ちを離れて、大衆はうねりを作ります。 加えて、シェークスピアのマクベスから”Fair is foul, foul is fair”という文句を度々引用し、善悪の相対性、善悪は大衆による都合によって決定される、というメッセージを勝手に受け取りました。このあたりのストーリー展開、歯止めが効かない流れ、にゾクっときました。 ・・・ ということで一風変わった伊坂作品でした。 天才打者の短い一生はバッドエンドで終わり、明言されない寓意が霧のように立ちこめる作品でした。その点でも、伊坂氏の純文学的エッセンスが感じられる面白い作品だったと思います。 伊坂作品のファンはもとより、野球好きの方、純文学好きの方、倫理学やジャーナリズムに興味がある方にはお勧めできる作品でした。 | ||||
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エンターテインメントとしては面白いので、世にも奇妙な〇〇などでドラマ化すると良いなとは感じた。ただ伊坂作品としてはひねりが無くて少し物足りないか。マクベスを絡めたのは良かったが、広がらなかった印象。 | ||||
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やはり最高! | ||||
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いつも伊坂作品のタイトルがお話の内容を絶妙に上手く表現しているなと感心します。「あるキング」は、野球好きな両親の下に生まれた野球の天才少年、王求と、彼を取り巻く人々のあれやこれやのお話ですが、繰り返し出てくる「Fair is foul、Foul is fair」の言葉があれこれのエピソードに投影されて、立場をかえれば正邪が逆転する視点もありなのだと洗脳?されます。 これはありだよね⁈ いや それはないでしょう⁈ 逆説を愉しみたい人にお奨めの一冊です | ||||
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完全版よかった!それぞれのちょっとした違いがすごく面白い!! | ||||
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ウィリアム・シェイクスピアの著作「マクベス」。 その作品の一節にある「Fair is foul, and foul is fair」の真意に迫ろうとするストーリー。 山田王求(おうく)は、まさに生まれる前からプロ野球選手になることが宿命づけられていた。 小学生になると、リトルリーグではすでに頭角を現してはいるものの、あまりの出来の良さに相手チームからは毎回敬遠される存在であった。 中学、高校に入ってもその力は衰えず、絶えずスカウトに注目されて存在ではあったが、プロへの道は順風満帆ではなく、むしろ多くの障害が王求を襲い掛かる。 正直に真面目に野球に打ち込んできた王求。 その力も充分過ぎるほどあるにもかかわらず、なぜ順調に事が進まないのか。 「フェア イズ ファウル、ファウル イズ フェア」(良いは悪い、悪いは良い)。 一般的ではないものに対する大衆の群衆心理の怖さを垣間見ることのできる作品でした。 | ||||
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2009年に出た単行本の文庫化。もともと『本とも』に2008-09年に連載されたもの。単行本化、文庫化に際して、それぞれ大幅な改稿がなされているという。 ある偉大な野球選手(バッター)の誕生から死までを、『マクベス』とからめながら語った小説で、一人称、二人称、三人称が混在して使われているあたりに独特の味わいがある。 また、魔女がことあるたびに出てきたり、登場人物たちが突然芝居のキャラクターのようにしゃべりはじめたりと、リアルと非現実が混じり合って進んでいくのが楽しい。 ただし、ストーリーとしては肩すかしに終わる。この頃の伊坂作品の特徴らしいが、好みの分かれるところだろう。 | ||||
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あっと言う間に読めてしまいました。息子に進められてはまった”伊坂ワールド”まだまだはまります。 | ||||
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今までの伊坂作品と違うと聞いて、少し不安な気持ちを持ちながら読みましたが、残念だった ということはありませんでした。 確かに今までの作品とは一味違いますが、読みやすい、伊坂さんらしい作品でした。 内容は、良くも悪くもないような・・・つまらなくは無かったけれども、面白かった!素晴らしい!という感じでもありませんでした。 悪くは無かったのですが、何か物足りなかったので、☆4とさせていただきます。 伊坂さんファンなら必読ですが、初めて伊坂さんの作品を読む!という方にはオススメできないかもです。 | ||||
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巨人の星チックなストーリーが読んでいる私に 違和感なくしみ込んできました。 . できれば、もっと長く読みたかったかな。 伏線であろうものを、回収せず、想像に任せて いるあたりが、作者の意図なのかもしれないが、 上下巻あたりにして、細かく拾ってくれたらって 思います。 続編って出ないかなぁ・・・。 | ||||
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伊坂作品でも、「魔王」「モダンタイムス」「マリアビートル」あたりが好きな僕は、楽しく読めました。 「死神の精度」「チルドレン」「陽気なギャング…」あたりが好きな方は、そんなに楽しめないかもしれません。 僕はそんな風に思いました。 | ||||
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レビュー多い!僕自身の考えですが、話自体はそんなにつまらなくないです。 で、伊坂幸太郎氏自体いままでと違うと意識している以上、ああ、こういう話なんだな、って思わざるを得ない作品とみてみました。僕は野球好きなんで、この話自体はだと思いますが、野球に興味なければ、ファンタジーにもならないかもしれません。 それを前提にみると楽しめるかも。 評価低いようなので……敢えて書きますが、またこう言った「野球ミステリー」みたいなのを書いてほしいと単純に思いました。 | ||||
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物語の結末はマクベスの引用によって大筋を「予告」されています。 主人公の成功も失敗もあらかじめ定まっていたといえばそうであり、周りの人々の主人公に寄せる期待や献身の気持ちは保留され、作中の人物は人間の悪意や運命に抗うことは出来ないまま、作品のラストに向かいます。 そして読み終えて、私はとても清々しい気分になりました。 運命とか不幸とか全て吹っ飛ばされた気分です。 | ||||
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すごく示唆に富む内容でした。いろいろな背景を考えさせられました。 | ||||
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ふしぎなお話、キングに上り詰めるものの行程を逆回転で追ったりしている。 ところどころ、ダークファンタジー要素たっぷりのキャラクターが出てきたりして、ふしぎさ倍増。 語り手もちょくちょく代わるが、主人公に語りかけるいわゆる神の視点的な部分が、とっても新鮮でよかった。 結構実験的な作品のようではあるが、意外にまとまっていて楽しく読めた。 自分の中では、途中で投げ出せない、次の展開が気になる小説であった。 ただ、あれはなんだったんだろうの説明をあえて排しているためか、あとから考えると必要なかったんじゃないの? と思う部分もちょぼちょぼあった。あまり数は読んでないが、伊坂作品の中では一番面白かったかもしれない。 | ||||
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きれいは汚い、汚いはきれい。 マクベスの引用句、深い。 正統派が取締まる世の中は、大多数の不純には息苦しく、正統派を取締まる。 野球に魅せられたら夫婦が、変質な野球教育を行う中、息子は清純に成長していくが、変質な世の中に翻弄される。 常逸した才能は、世間から魅了されるが、時に、畏怖の念から反感を買う。 フェアはファウル、ファウルはフェア。何が正しいのか、わからなくなる錯覚。 紙一重。信じるのは自分の正しい心。 我を張れ、頑張れ。間違っていないぞ。 迷ったときは、フェアだと信じて走るんだ。伊坂幸太郎の新境地に魅了された。 | ||||
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もし自分が天才だったら・・・。そんなことばかり考えていた時期があります。 10割バッターの妄想もしてたなあ。それを伊坂氏が本にしてくれたようです。万歳。 | ||||
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伊坂さんが野球を書けばこうなるのか、とある意味納得するとともに、その予想のはるか上を行っているという、非常に得がたい一冊です。 リアルとファンタジーが渾然一体となった名作です。 リアルという点ではなにより、主人公の両親の捻じ曲がった野球愛。 私も某弱小球団のファンなので、やけに共感してしまいます。 そしてそれが「狂気」の一歩手前なのだなぁと、自分で自分が怖くなったりもします。 特に主人公の母親が「ライバル球団の帽子を買わせる」エピソードには正直、震えがきました。自分はやらないようにしなくちゃなぁ(笑)。 その一方でストーリー自体は、伊坂さんならではの現実と虚構が混ぜこぜになったような不思議な雰囲気で進んでいきます。 特に、なによりファンタジーなのが、主人公の野球の成績。 でも、もしこんな選手がいたらこうなってもおかしくないな、というある意味非常にリアルな結末を迎えます。 やはり現実と虚構の境目がよくわからなくなるような、不思議な余韻を残すラストでした。 野球についてまったく知識がない人にはあまりお勧めできませんが、そうでないならばぜひ、読むべき一冊だと思います。 | ||||
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伊坂さんは、改稿するので(笑) 文庫になるまで待っていました。 思った通りの 孤高のキングの偉人伝。 ラストでは、「ポテチ」のラストのような爽快感があります めちゃくちゃなフォームでのホームラン それを見守る人々 祈りはあるよね 「我を張って、走れ」「フェアはファールでファールはフェアで」 今回もたくさんの言葉をもらいました。 | ||||
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レビューで散々書かれているので覚悟して読んだのですが・・・ 私は楽しめました。 確かに色々???な部分はあるのですが(^^;) 三人の魔女を活かし切れていない気もしますし、終わり方も ややすっきりしない感じです。 しかし伊坂さんお得意の軽快な文章や個性的なキャラクターたちは 健在ですし、物語に引き込まれていく感じもなくはないです。 はっきりしない雰囲気が「魔王」と似ているかもしれませんね。 「魔王」が好きなら楽しめると思います。 | ||||
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