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鉄の骨
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鉄の骨の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全288件 261~280 14/15ページ
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引き込まれます。 久々に一気に読める面白さがありました。 | ||||
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私自身も、建設業界で働く人間ですが、ドロドロしたいや〜な業界ですね・・・ しかし、現実はもっと厳しいですよ!作者も全てを書く事は出来なかったでしょうし、ちょっとしたジレンマを感じるところもありました。 五百数十ページもある作品ですが、内容はとてもおもしろく、どんどん引き込まれてしまいました。 | ||||
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この夏、小池徹平主演でNHKで放映されたドラマの原作。 主人公・平太と業務課の先輩・西田のコンビが絶妙。言動はグータラだけど、仕事の実力と熱意は負けない。荻原浩「神様からひと言」の涼平と篠崎に通じるところがあります。物語に描きやすい先輩・後輩像なんでしょう。 業界のフィクサーとされる三橋が言う、許される談合と許されない談合の話は一理あると思いますが、そんな主張で平太を感心させた三橋自身が、しがらみによって本意ではないはずの調整に手を染める過程が、なんとも切ない。 硬いテーマを扱った500ページ超の長編でありながら、主人公を若手社員にすることで切り口を柔らかくし、仕事での成長や恋愛の要素を散りばめたおかげで、漫画のようにスイスイ読める作品になってます。 | ||||
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あ〜、すっごく面白かった! というのが、読直後の感想です。 主人公は、大学で建築を学び、中堅ゼネコンの現場に勤める若手社員。 その彼が、ある日業務課・別名談合課に配属になる。 談合は、もちろん犯罪。でもそこには、談合抜きでは生きていけない 公正入札の限界という状況があった。 そんな中、社運をかけた地下鉄工事の話が舞い込み、 主人公も抜けられない迷路にはまっていく… という感じのストーリーです。もっともっと複雑で巧妙ですが。 建築とは本来、芸術であり、人間の創造物の最たるものです。 そこで働く人は、まさに命がけ。 でも、その仕事をとる人たちもまた、命がけ。 ゼネコンの世界、談合の仕組み、未知の世界だったのですがよく理解できました。 官製談合というものも、わかりました。 役所の古い体制、理解の欠如がどんなにゼネコンマンを苦しめているのかも… この業界が、将来どんな方向に進んでいくのが、希望をもって 見守っていきたいと思います。 | ||||
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この夏、小池徹平主演でNHKで放映されたドラマの原作。 主人公・平太と業務課の先輩・西田のコンビが絶妙。言動はグータラだけど、仕事の実力と熱意は負けない。荻原浩「神様からひと言」の涼平と篠崎に通じるところがあります。物語に描きやすい先輩・後輩像なんでしょう。 業界のフィクサーとされる三橋が言う、許される談合と許されない談合の話は一理あると思いますが、そんな主張で平太を感心させた三橋自身が、しがらみによって本意ではないはずの調整に手を染める過程が、なんとも切ない。 硬いテーマを扱った500ページ超の長編でありながら、主人公を若手社員にすることで切り口を柔らかくし、仕事での成長や恋愛の要素を散りばめたおかげで、漫画のようにスイスイ読める作品になってます。 | ||||
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建設業界の談合について書かれた本。 談合については、悪いことだけど無くならない、 実際のところ談合は日常茶飯事だ、程度に思っていたが、 この本を読んで、談合は良くない、無くすべきだと思った。 必死になって、新しい技術を開発してまでコストを下げようと頑張っても、 談合で落札企業があらかじめ決まっていたら、せっかくの営業努力が何にもならない。 これでは従業員の士気は上がらず、技術は進歩しない。日本の建設業界にとっては良くないことだ。 一社が倒産すれば、その下請け業者も経営が傾く、 そうなれば大勢の失業者が出る、 だから談合は必要だ、と言う意見はもっともである。 しかし、それは問題を先送りしているだけであり、 こんなことを続けていたら、例えば外資系の企業に技術で負け、そのうち規制緩和があったりしたて外国の企業も参入できるようになったら太刀打ちできない。 他の業界では競争は当たり前にあって、時代の変化について行けない企業は淘汰されているけど、 建設業界だけ談合をして政治家にお金を送って生き延びようとするのは良くないと思った。 面白い本だった。 こういう本を企業小説というそうだ。 他にも企業小説を読んでいこう。 | ||||
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NHKのドラマを1回みておもしろかったので、小説を買いました。組織の中にいて、自分の思うように動けない葛藤が描かれていておもしろかったです。私も土木業界にいますが、談合の時代はもう終わったかなと思います。勝利者のいない泥沼の競争になりつつあります。時代の変化を感じた1冊でした。 | ||||
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池井戸作品の中で最高の小説だと思いました 最近、NHKで放映をされてますが やっぱり、読まないとこの作品の面白さは伝わらないと思いました 初めから終わりまで、わくわくさせられて一気に読んでしまった あの、銀行員の厭らしさは今も頭の隅に残ってますね。(笑) 女性の気持ちってそういうモノなんですよね、分かる様なでも、むっと来るような・・ 最後はほっとした自分がいて、笑いました。 業界の闇に手を突っ込んだ割には、イマイチ突っ込みが甘かった面もあるかもね 最後の落ちにいたっては唸りました。 | ||||
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自営の土建屋です。 ゼネコンには足元にも及ばない小さな会社です。 談合というものを、それとは関係ないところに住む方々に少しは理解してもらえ良かったのかもしれません。 ただ、食うか食われるかの建設業界で生きている者にとっては、談合の本質をもうちょっと掘り下げてほしかった。でもこれが限界だったのかな・・? 共存するための談合と、悪人が潤うための官製談合、字は同じでも全く違うんだ。。 それに、ゼネコンがまるで構造物を実際作っているかのような表現(飼い殺しの下請業者の存在にもっと日の目を当ててほしかった。上の都合で予算を削られながらも実際に汚れ仕事をしている者の存在。。)には抵抗を感じました。 小説なんだからしょうがないか・・・。 おもしろかったです。他人事だったらもっとおもしろかったんだろうな。。 | ||||
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今回も池井戸さんの手腕にうならされました。 談合の理屈は新聞でも読んで知っていましたが、まるで企業活動の真ん中に立って、 事態の展開を眺められるような筆力には、またもや感動。 中堅ゼネコン一松組の一兵卒、平太とその恋人、銀行員の萌の視点から、素人の私にも わかりやすく談合の詳しい仕組みやその深い闇の部分が明らかにされていきます。 大物フィクサーや巨悪と言われる政治家も登場して、一松組は翻弄され、危機に直面します。 今回は主人公があくまで正義を貫こうという姿勢ではなく、談合という犯罪と、 会社の論理のなかで悩んだり、妥協したりする、ある意味等身大の青年でした。その 恋人の萌もまた、銀行という特殊な会社のなかで、変化していく自分にとまどう 揺れ動く女性として描かれます。 社会のなかで戦う企業戦士のさまざまな形態を、リアルにきっちりと描き出す作者。 この作品も、談合というシステムの裏表を克明に見せてくれました。正義と悪だけでは 割り切れない慣習、利権、既得権益。その中で歯車の一つであるサラリーマンの平太が、 仲間とともに必死に仕事に取り組む姿は、何万ものサラリーマンへのエールに思えます。 三橋、尾形、など大物の人物造形もよかったけれど、先輩社員の西田くんが、なんか かっこよかったなあ。むち体型で、おちゃらけているんだけど、やる時はヤル、出来る男 ってところが魅力的でした。 ノンストップの徹夜本です。お薦め^^v | ||||
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直木賞は受賞作よりも候補作のほうが面白い場合がある(宮部みゆきの「火車」など)ので、下馬評の高かった本作を手に取りました。 「ゼネコン入社4年目の主人公が突然業務部への異動し談合に関わることになる」という予備知識から「きっと主人公は、社会に反する談合を強要され、自身の良心の呵責で苦悩し〜〜」というニュアンスなんだろうな、と思って読み始めたところ痛い目にあいました。「プリズン・トリック」と同じように帯に騙されました。「談合に切り込み、現代を切り取る超弩級ドラマ」って……。 主人公は談合に切り込むどころか傍観役といった方がよく、談合に苦悩するよりも彼女との仲で苦悩をはじめ、途中ご都合主義的にある人物が病気で倒れ、主人公は仕事どころではない心理状態になり、とてもじゃないが談合をテーマとする社会派小説の主人公として感情移入できたものではなかったです。 本筋の談合については、 ・まず著者はきちんと技術的な考察をしたのか?と疑問を持ってしまった。ある方法で地下鉄工事のコスト削減を行うのだが、コスト削減ならばまず技術的に容易な開削を検討するのが妥当なんでないかい?と大学で土木を学んだ私は思ってしまった。 ・3/4くらい読んだ所で落ちが容易に読めるので(恐らく著者が頭をひねったであろう)検察官の裏金の流れ解明に緊迫感がなくなってしまった。 悪いところを述べたが、業務部と営業部のやりとりは面白く、大風呂敷を広げた割りにまとまりはよかったので星3おまけして4くらい、重いテーマに騙されて過大評価で、とてもじゃないが傑作ではないと思いました。 | ||||
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500頁超の大作でしたが、あっという間に読み終わりました。社会性・時代性・業界の裏話・汚職・恋愛・ライバルとの競争など、エンタメ小説に必要なすべての要素が詰まった傑作です。まあ、それだけにありがちな展開と言ってしまえば、そのように言うこともできますが、それでも気持ち良いものは気持ち良い。おいしい幕の内弁当はいつ食べてもおいしいのとおんなじですね。しかも、その箱が新しくて美しいって感じです。主人公の平太のキャラが弱かったかな。周囲を取り巻くキャラが個性的で良かっただけに、そこが惜しいかも。 | ||||
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いわゆる薄口の味であればそれなりにはんなりとした味わいがある。しかし、ビールに水を混ぜてはいけない。 登場人物のそれぞれが個性的であるところ、表現が拙劣なためその誰にも存在感がない。汗の臭いどころかこもった熱さえ感じることができない。理由は、本作家には本当に表現しなければならない切羽詰まった事情がないところにある。 例えばこの題材を高村薫が書いたとすればおよそ圧倒的な迫力をもって読者に迫る作品になることと思う。それぞれの人物と関係にどこまで深く心で沈潜できているかの違いだ。 ただ評価できる点がひとつある。談合とは受注過程における問題であって、生産過程における価値に対してはきちんと光を当てているところです。 | ||||
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公共工事を巡る官製談合をテーマにした作品。500頁を超えるボリュームに少しひるんだが、読み出すと平易でわかりやすい展開に助けられて、さくさく読み進めることができた。 テーマ自体は非常に重い。この国から消えない談合が必要悪なのかどうかというテーマについて、中堅ゼネコンに勤務する主人公の目を通して、真正面から取り組んでいる。業界が生き残るためには談合は必要なのか、それとも談合により企業淘汰が遅れて業界全体が沈没しているのか、読者は主人公と同じ目線で悩むことになる。 通称談合課に配属された主人公と一緒に、大型案件受注に凌ぎを削るゼネコン各社の様子が生き生きと描かれ、最後のクライマックスまで一気に読むことができた。主人公と銀行員の恋人との関係も平行して描かれるが、こちらの展開はメインストーリーに比べてやや平凡だが、それも含めて全体として楽しめる作品だ。 | ||||
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ゼネコンと建設談合を扱った小説。中堅ゼネコンの「業務課」に配属された4年目社員の目線から、業界の姿が描かれる。いくら逮捕者を出してもなくならない談合だが、池井戸氏はそれを、業界が生き残るための必要悪であるという見方を示す一方で、やはり将来的には改革されねばならないという方向で(きれいに)まとめている。大型工事を巡って、経営的に危機に瀕するゼネコン救済のための談合と政治家への資金供給・・・。これが必要悪というのならば業界には自浄作用はない。 談合のありなしに関わらず、業界は大小入り乱れた、それこそ生き残るための最後の戦いをしている。まさに会社の総合力を駆使した消耗戦である。そういう前線にあって、小説の主人公の目線が若すぎるし、小説でしか「ありえない」設定には甘さを感じる。そのため読んでいて嘘っぽく作り物めいた印象を受ける。1000億円規模のプロジェクトの実務を、業務課の人間が中心になって動かすということも(普通では)ないのではなかろうか。 マスコミで定期的に(権力闘争がらみからか)談合問題が溯上に上るので興味を持って読んだが、談合問題の本質に迫るという点からの切り込みも弱く感じた。 もっとも、「鉄の骨」というタイトルは、絶滅した恐竜を彷彿とさせ、その意味からは深い含意と皮肉があるのかと。 | ||||
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面白い。談合とはこういうことだったのか! 硬派の小説なのに読後感が爽やか。 官公庁の大口工事を入札する課に突然異動になった、 若きゼネコンマン冨島平太の 真摯な姿勢と奮闘ぶりが実にいい。 なぜ平太は異動になったのか?その種明かしに驚く。 たった一つの工事の受注がどれだけの汗と努力と残業に 支えられているか痛切に読み取れる。 2000億円の地下鉄工事の入札を巡る中堅建設‘一松組’と 競合他社の大手ゼネコン数社。 その社運と存亡を賭けたすさまじい戦い。 堅い話であるのに面白く読ませるのは、 平太の投げかける疑問や意見が読者目線であること。 談合・マネーロンダリング・フィクサーの登場・ 大物政治家の裏金・追う検察‥ 談合に手を染めていく平太‥恋人との確執‥ そしてどんでん返しの結末! 八ッ場ダム建設を中止したM原国土交通省大臣、 長年の不透明な資金管理で話題のO沢一郎幹事長、 そんな人にこの本を読んでもらいたい。 H22年度直木賞候補作。 | ||||
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直木賞受賞作に準ずる出来だと評された第三席の作品。この作者は社会派エンターテイメント小説の第一人者です。前回の「空飛ぶタイヤ」に続いて受賞を逃しましたが、文春から出版すれば次の受賞は間違いないところです。 建設業界の談合をざっくり描き出して、しかも若者の成長物語に仕上がっています。キャラクターがちょっと浅い気もしますが、重い題材を妙に深刻にならずに明るく描き出していて読後感がさっぱりしています。ラストにはツイストもあるし、面倒くさい題材を極上エンターテイメントに仕上げてしまう筆力に感服しました。 | ||||
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作者は、「談合」と言う日本の古い体質に対してメスを入れた社会派小説として書かれたと思うのですが、私には、むしろ主人公平太の成長ドラマとしての要素を強く感じました。 大学を出て4年と言う年齢では、まだまだ会社の全体像は解らず、業界の仕組みも理解できていないでしょう。 そんな主人公が、「談合課」に配転されて、大きな地下鉄談合事件に巻き込まれる中で、仕事をするプロとしての意識や考え方を身につけてゆき、人間的にも一回り大きくなって行く。 そんな物語です。 その間には、母親の幼馴染らしき男性を「談合」の仕切り役として登場させたり、恋人萌との関係の微妙な変化を見せています。 更には、まさに「談合課」のプロとも言える西田の存在があります。 これらすべてが、若い主人公の血となり肉となって、一人前の社会人に育て上げているように思えます。 その意味では、大いにこの本を楽しむことが出来ました。 ただ、「談合」に切り込んだと言うことには、やや不満が残りました。 ここで書かれている「談合」の内容は、ちょっと「談合」について調べれば解る事で、もっと切り込んで欲しかった気がします。 特に、「官」への切り込みがなかったのが非常に残念です。 | ||||
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■【元バンカーからの談合小説 】 著者は、銀行出身だが、10年を待たずに金融業界を去り、 小説家に転身している。若きゼネコンマンを主人公として、 建設業界の『談合』を描いている。(業界に身を置いた者とし て、ストーリーの結末は予想通りで、失望!) ■【業者からの謝礼金が政治家に渡るフロー 】 2010年1月16日の今日、新聞の一面他で与党代議士逮捕で 賑わしている政治資金虚偽記載問題も、底には、工事受注 の謝礼金を以下に表に出さないように、所謂、「ウラ金」とし て誤魔化そうとした性質の悪い工作として立件しようとする 検察庁のメンツがあるようだ。業者からの受注謝礼金を如 何に「ウラ金」として処理し、その「ウラ金」を如何に巧妙にオ モテのお金にするか、が本著書では描いている。 ■【90%以上が闇の中 】 事実は小説より奇なり、で建設業界の政官業の『談合の 三角形』の構図は、本書で描いた内容では氷山の一角で、 残りの90%以上はまだまだ闇の中だろう。 ■【官製談合の実態は? 】 本著書で描かれた、地下鉄工事と某ゼネコンマンの談合仕 切役などは、10年前位の大坂市営地下鉄工事事件をヒント に、元バンカーの眼で描かれている。政官業の微妙なバラ ンスの上で成り立つ¥『談合』は、実際には、官の比重が大 きいと思うのだが実態は不透明で、その為か?、著者の記 述は少ない。ダマシ・ダマサレとしてのエンターテイメントとし ては良いかもしれないが、今後は、著者に社会派としての 著作を期待したい。 | ||||
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残念ながら直木賞を逃した作品だが、 その理由はもしかすると、選考委員たちが 著者の筆力・構成力・取材力に圧倒され、 作家としての怖れや嫉妬心を抱いたからかもしれない。 (宮部みゆきが「火車」で直木賞を逃したときの 状況に似ている) 今の出版界で、著者ほど冷静に 日本の経済あるいは企業の置かれている状況を分析し、 小説に昇華している作家はいないだろう。 他の経済小説家の作品が分析レポートにしか 過ぎないのに比べれば、それは明らかだ。 この「鉄の骨」も、建築関係に勤めている者なら 誰もが「モデルはどこなんだ…」と舌を巻く内容と なっている。 願わくば、著者が城山三郎を越える存在として、 小説を読む醍醐味を味わいつつ、経済も学べるという、 未踏のジャンルを開拓し続けていってほしい。 | ||||
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