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八日目の蝉
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八日目の蝉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全325件 81~100 5/17ページ
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小説を読む際に何を気にするか? 僕は『なんで?』と違和感を持った文を大事にする。 普通ではないコト、そういう部分にこそ作者の書きたい事が現れると思うので。 この小説で一番違和感を持ったのは、岸田さんに対して『困らせてもいけない、気の毒な目にあわせてもいけない。』というシーン。 『何にも役に立ってくれない男に対して、なんでそこまで思わないといけないのか??』と。 この小説は『母と子の物語』だと思われているようだ。 でも僕はそうは読まなかった。なぜ誘拐犯と子の物語を選択したか?それは『血のつながりを持たない隣人から子供への愛』を表している、と思うのだ。だからこそ、僕のような”男”でも涙が止まらない普遍的な物語になっている。 そして、上記の恵理菜から岸田さんへの一方的な見返りを求めない愛が出てくる。 これは、希和子から薫への愛と同じだ。つまり見返りを求めない『無償の愛』。 そして『無償の愛』はそれを差し出す側にこそ、しっかりと『なにか言葉にできない大事なモノ』を残してくれる、という事をこの小説は示しているのだ。 ただ、最後に1つ指摘しておきたいのは、『恵理菜を救ったのは岸田さんである』っていう事だ。 岸田さんは『ただ愛を受ける』というそれだけで恵理菜を救ったのだ。『頼りにならない男』にもちゃんと使い道がある、って事ですね。 | ||||
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犯罪と言えば明らかに犯罪ですが、主人公の気持ちになってみると、悪い事をしているのはわかっているのですが、一生懸命に子供を育てているのは間違いなく、最後は少し悲しくなってしまいました。主人公の中に入っていけるという所は面白かったです。 | ||||
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日本人作家の中では一番好きな作家が 角田さんです。作品はほぼ読んでおりますが、これが一番好きな作品です。読んでいるうちに主人公に逃げ切って欲しいと切実に願っている自分に気づきました。薫が警察に保護されるシーンは何度読んでも泣きます。だって薫にとっては主人公がお母さんなんですから。幼い子供をもつ母親としては、母親から引き離された子供と母親としての主人公に同情してしまいます。母親だと思わせるに至ったことこそが主人公の罪と思います。普通に法に触れる罪かどうかは別の問題として。主人公に共感し過ぎる余り、秋山夫妻が世間から誹謗されるくだりで爽快感さえ抱いてしまいました。下世話な心理を見事に操られました。計算づくだとしたら角田さんウマ過ぎます。実際にあった事件が題材だったことを後で知りましたが、レビューの中に、当事者の身になったら書けないはず、不謹慎、みたいなものがあり、ある意味びっくりしました。それだけ描き方がリアルだったということでしょうか。三面小説記事という作品も実際にあった事件をモチーフとして描かれておりますが、角田さんの小説を読むと、ニュースで報じられる事件の裏にも報じられることのない様々な事情があるのだろうなと想像してしまいます。 | ||||
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実母でもない人がここまで想えるのか子供がいない私にはわかりませんがとにかく感動しました。 犯罪者である主人公に終始感情移入してい、そちらを応援してしまう。 最後はどうなるのかとても気になる形で進んで行き 気持ちの良い終わり方だと思います。 新興宗教、男と女のリアルな関係、家庭環境など とても面白かったです | ||||
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この作品には、様々な親子関係が出てくる。その現実によって、母子という関係に対する一般的な概念が崩れていくのを感じてしまう。母が我が子を愛するのは当然であるとか、本能であるとか、母性の神格化であったりすることが、実は有名無実なものなのではないかと感じる。極論を言えば、理想的な母とは、血縁でもなく、母性でもなく、愛ですらないのかも知れない。ただ子供の保護者たる責任感と努力のみであるように思える。努力なのだから、つらいのは当たり前、上手くいかなくて当たり前、七転八倒は当たり前。紆余曲折でようやくたどり着く。 ちょっと遠回りだが、子育てに苦労しているお母さん達へのエール、と言う小説かも知れない。 | ||||
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普通に暮らしを営んでいたはずの女性が何かをきっかけに道を踏み外す、という角田さんらしいテーマ。 登場人粒の心情はリアルで、私は原作もドラマもどちらも好きです。 それにしても角田さんの作品は『空中庭園』とか『紙の月』とか、いつもタイトルにエッジがきいているなあと思います。 | ||||
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面白かったです。 小豆島に行きました。 宗教のくだりとかもなかなか。 | ||||
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情景や色々な人の感情がすんなりと理解でき、あっという間に読み切れます どうして。どうして。どうして。どうして私だったの。ねぇ、どうして私だったの。 こういうことを思ってしまうほど、恵まれない状況というのはあるでしょう 望んでいないのに、自分で選べないのに、どうして。と その思いが最上級につまった本だとおもいます 人は誰でも優しい家族に囲まれて、楽しく、穏やかに、肯定されて幸せに過ごしたいと思います そんなささやかな幸せを、手に入れたくても手に入れない人は結構多いと思います 読みながら辛いと思う人もいるのではと思うのですが そんなささやかな幸せのもと、過ごしてきた人はこの本を読み、どう思うのだろうと 切実に聞いてみたくなりました | ||||
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角田光代のテーマの1つ。 「家族」。 その代表作。 もう1つが「旅」。 姿を変えた開高健だと私は思っている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 巻末の池澤夏樹の解説が見事。 池澤の貫禄を感じた。 さすがは元芥川賞選考委員。 | ||||
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昼ドラのようだという感想もあるけれども どうしようもない屑男にだまされていても、 血の繋がっていない子供だとしても、 純粋に子供を思う気持ちはは、子供をもつ母親としてとても共感できる。 子供との時間を大切にしようと思わせられた。 子供を守るために、万策を講じ、強く生きる母親の姿はたとえ誘拐犯だとしても 応援せざるを得ない。 その部分の引き込み力はとても強く、一気に読了した。 逮捕されたときの一言はやはり泣けるし、 終わり部分の母親の祈りも泣ける。 不妊や不倫や堕胎などの要素を入れすぎだとは思うが、 そこを考慮してもただの「昼ドラ」の一言で終わらせるには余りある。 | ||||
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今、進行形で半ばあたりまで読んだ。 読者をひきつけ、次はどうなるのだろうとページを めくってしまう。 最後はどうなるのか楽しみ。 テレビで出たのか知らないが、やっぱり本が最高である。 | ||||
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女が赤ん坊を誘拐する。そして、逃亡して育てる。結果は、捉えられ有罪となるのか。女は、自ら悪いことをしていると自覚している。逮捕される可能性に対しても、危惧を抱いている。いつ逮捕されるかわからない状況に置かれており、女は子供との時間を非常に大切にする。いつこの幸せな時が崩れてしまうかもしれないから。 現実世界において、一生のうち子育ての時期はほんのひと時である。そのほんのひとときを十分に楽しもう、と感じさせる小説である。そして、小豆島の自然と文化が描かれており、小豆島を訪問したくなる一冊である。 第二回中央公論文芸賞受賞作品。小説は素晴らしい。しかし、池澤夏樹の解説文は読む価値がない。(2014/10/27) | ||||
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一気に読んでしまった。 犯罪を犯した主人公を応援したくなり、被害者を責めたくなる。 | ||||
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ほかに何もいらないと思えるほど愛せる対象を持つことは、それだけで生きる意味になるのかもしれない。たった数年でも、お金を全部なくしても、その時の幸せは永遠に消えなくて…。最後のほうで明かされる逮捕されるときのひと言に号泣しました。映画にもなりましたが、原作に変更を加えても大事なものが損なわれていないのがよかったです。ラストのほうの写真館の記憶のあたりで、やはり号泣。出来事を緻密に積み上げて純度の高い「何か」を形にしてみせる角田光代さんて、ほんとにすごいです。 | ||||
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野々宮希和子は秋山丈博と不倫の末に妊娠し、説得されて堕胎した結果、新たな妊娠が難しい体になってしまいます。直後に丈博の妻が妊娠して恵理菜が生まれますが、留守に上がり込んだ希和子は赤ん坊をさらい、自分の娘、薫と偽称して長い逃亡生活を始めます。 逃亡先がバラエティに富んでいて、それぞれの話に引き込まれます。特に逃亡最後の小豆島で、周囲の親切の中、親子として暮らす平穏な日々のささやかな幸福感がしみじみと伝わってきて、誘拐犯である希和子に本当に気の毒な人だと強く同情してしまいました。 また、物語に登場する主な男性は2人しかいないのですが、どちらも大脳が下半身にある不誠実なろくでなしで、同性として困惑してしまいます。 作品は、一気に読んでしまう面白さがあって、とても満足したのですが、解説には疑問を感じました。母親一人で出産、育児は可能な時代だとだけ言うノーテンキさや、上の2人の男性を”まことに情けない”と表現する軽さが、いかにも男性の文章であり、ため息が出てしまいました | ||||
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愛人だった人の赤ん坊を連れての5年に渡る逃亡。 誘拐を肯定は出来ないという人は多くいると思いますが 子供のいる私は、希和子の薫を思う気持ちに何度も涙しました。 傍らに眠る薫の寝息が掛かる事に幸福を感じ 薫の歯茎に生えた歯を見て宝石の様だと表現し 希和子の生活が薫によって光り輝いてゆくのが分かります。 親からの4000万円近い遺産を全て手放し 犯罪者として逃亡し ただ、薫という他人の子供を育てる それに幸せを見いだせるのは 希和子がこれまで、どれ程暗い場所にいたかを感じさせます。 親になればだれもが おくれる日々は 希和子にとってきらきらと輝くものであったことが 小説を読んでいて感じられました。 あと1日あと1日と祈るように生活する、希和子に どうか、逃げ果せてくれと、願いました。 後半は 薫として育てられた恵理菜の視点で 描かれています。 希和子との生活は彼女にとってなんであったのか・・・? それを読むとき、希和子のしでかしたことの 罪深さを感じるとともに それでも、あの逃亡生活に親子としての愛情が確実にあったことを感じさせます。 恵理菜の最後に向けて 緩やかに変化し、明確になる過去に対する視点の変化や感情は 希和子との日々の意味を 読み手に考えさせ、どこか納得させるところがあります、 素晴らしい作品でした。 私は2歳の子供がいる母親なので 娘の顔をみると、この小説の事を思い出して 涙が止まらなくなるほど 感情移入してしまいましたが。 それほど、感情移入できないという方は 意外と淡々と読んでしまえるのかもしれません。 | ||||
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とても感動し一気に読んでしまいました。 絶対に読んでもらいたいです。 | ||||
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ある人の書評を読んで、読みたくなりました。奪った子を慈しむ女を憎みきれなかったです。 | ||||
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小説はほとんど読まないのですが これはドキュメントかと錯覚するようで、夢中で読み終えました。 場面ごとに鮮やかに情景が浮かんで来て、とてもリアル。 書き方が上手いんだと思いました。 このような作品にまた出会いたいものです。 | ||||
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最初から引き込まれてしまって、最後までとても面白かった! 気持ちがぐいぐい入ってきた。他の作品も読みたい。 | ||||
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