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八日目の蝉
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八日目の蝉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全325件 221~240 12/17ページ
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小豆島の情景と子育ての温かさが何だかぴったりでとても感動した | ||||
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絆や愛情について、いろいろと考えさせられる作品でした。 特に前半の逃亡劇はリアルで、エンゼルさんなどの団体の中での生活などの描写も面白く、とても引き込まれました。 個人的に、不倫やダメ男にはまる女性の気持ちがどうしても理解できないのと、最後がちょっとご都合主義っぽくまとめちゃった感があったので、☆4つにしていますが、面白い作品だったと思います。読んでよかったです。 | ||||
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一気に読み上げ、涙が止まらなかった。そして、隣で寝ていた我が子を、今までより更に愛しく感じた。 不倫相手の子どもを拐い、犯罪だと分かっていながら薫との生活を望んだ主人公。 薫の成長と共に、主人公が薫に注ぐ深い愛情。わずかな時間でも、彼女は「母」だった。 いつバレるのか、明日にはこの生活が無くなるかもしれない、1日1日がとても重いものだった。 ハッピーエンドになるとは到底思えないながらも、この2人に幸せになって欲しいと願わずにいられなかった。 後半、薫視点の話は、とても胸が苦しかった。両親への苛立ちや、薫のその後の生活が辛かった。 そして薫が「母」になった瞬間、どこから湧いてくるのかその心強さは、同じ未婚の母としてとても共感した。(私は不倫ではないけれど) 「この子と二人なら、きっと大丈夫。私がいるから、こわくないよ。」妊娠が分かった頃、私も同じ気持ちでいたことを思い出し、また涙が出た。 ラストは静かで、ほんの微かな、目を凝らさないと気づかないくらいの希望があった。失った物もあるけど、それでも生きていくんだという、力強さを感じた。 今隣にいる我が子。 この子と一緒に、生きて、この子に世の中の綺麗なもの、全て与えたいと心から思った。 | ||||
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頁を捲る手が止まることは一度もなかった。それだけではない。カルタシスを感じない瞬間は皆無に等しい。もはやミステリーなど雑魚だと思わずにはいられなくなる程のカルタシスだ。本を開いたときから感情移入し、最後まで解放してくれなかった小説は他にない。1章の終わりで「ママ」から「あの人」へと呼称が変わったとき、ああ、この子は真実を知ってしまったんだ、そう悟った。現実の残酷さを知ってしまったんだ、と。そのシーンが一番痛烈だった。 ストーリーはもちろん、角田さんの筆力に恰幅した。流麗な文脈が物語を色濃くしている。こんなに簡単に、頭の中に物語をイメージさせることができるとは――。いったい何に文句をつければいいのだろう。「八日目の蝉」を、私は手離しで賞賛する。 | ||||
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映画を公開初日に観て、映画館にてパンフと一緒に購入。 映画を先に観ていても、とても読み応えのある作品です。 母の愛、母への愛を考えさせられる作品だが、 実際に子を持つ母の方は、どういう風に感じるんだろうと思った。 そして、私にとっては個人的な思いがとても強い作品でもある。 両親が小豆島で生まれ育ち、 里帰り出産で小豆島で生まれ、 子供の頃は盆・正月に小豆島に帰省する事が 何よりも楽しみであった私。 社会人になってから、 東京で出会った仲の良い友人達を、 いつか連れて行きたいと、 そんな事を思っていた私。 小豆島のシーンでの景色、人々の営み、方言、 それらの描写を読むたび、 「そう、そうやねん。本当にそういうのが沢山あるねん」 と何度も思わせてくれました。 自分の拙い語彙力では表せられなく、 もどかしい想いを何度もさせられた小豆島の魅力。 それを、希和子と薫の幸せだった日々の中で、 恵理奈(薫)の想いで、 こんなにも素晴らしく、そして忠実に表現してくれた事を、 作者の角田光代さんに感謝します。 | ||||
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本当の親子とは何なのか,本当の幸せとは何なのかを考えさせられる一冊です. ある女が不倫相手の赤ちゃんを誘拐するというところから始まるショッキングな展開です.前半部分は赤ちゃんを誘拐した女が逃走しながらその子を育てていく様子が時系列で綴られているのですが,子どもとしては幸せなのかもしれないという場面が多々あります. そして,後半は本当の両親のもとに戻った子どもが大人になってからの話を回想を交えながら書かれているのですが,「本当の親子なのに...」というストーリです. 本当の幸せって何なんでしょうね?ちょっと重いテーマです. | ||||
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幸薄い女性が不倫相手の赤ちゃんを誘拐しての逃亡記となれば、読む前から何ともやるせない 話なのだろうと想像していた。 実際、希和子の目を通した1章はあまりにもやるせなく読むのが辛くなる。 普通、小説や映画での主人公視点の逃亡記というものは、それが例え犯罪者であっても通常は 主人公に肩入れしてしまうものだが、この作品はそうではない。 希和子にはいくらかの同情はするものの、子を持つ親の一人としては誘拐そのものが容認出来 ることではないから決して感情移入は出来ない。また、この先到底幸せが待っているとは思え ない展開が続き空しさを感じつつ読み進めた。 このまま最後まで逃亡記が続くのかと思っていたら、子供が4歳の時に唐突に逃亡は終焉を 迎える。 その先の2章は既に大学生に成長した誘拐された娘の目を通した話となる。 正直やるせない気持ちのまま終わってしまっても仕方がない話でありながら、最終的には 自然な流れで心穏やかに読み終えることが出来た。無理にハッピーエンドに持っていくわけ でもなく、見事な落としどころだなと角田光代さんの筆力には感服しました。 後味が悪くなくホッとしました。 | ||||
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映画化が決まり、この作品を知り、『映画公開前にどうしても原作を読みたい!』と強く思って手に取りました。 幼子を誘拐し、逃亡しながら育てていく女性。 前半はその女性の視点から、後半は成長した幼かった女の子の視点から、物語がすすんでいきます。 久しぶりに、読みはじめからグイグイ引き込まれる小説に出逢いました。 一気に読み上げてしまいました。 それでも☆4つにしたのは、まだ消化しきれないモヤモヤが残っているから…。 こうやってお話を通じて考えをめぐらす事が、読書の楽しみなのでしょう。 ー秀作です。 | ||||
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女性の情感で書かれた作品で、男性の私には思い及ばない部分もあるんだろうなという感想を持った。 二人の主人公がお互いを思いまた否定しながら、さまざまな人・風景・社会的背景の中で、「悲しい」事なのか「幸せ」なことなのか、8日目の蝉を体験していく。 | ||||
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NHKのテレビドラマを観た直後に読んだせいか、前半は「テレビドラマ通りだな」(子どもの産まれた家が裕福でない点が違うが)という印象だったが、後半は作家の力量がいかんなく発揮されて、物語にぐいぐい引き込まれていく。 そのほかの角田さんの作品では直木賞を受賞した『対岸の彼女』がおすすめ。素晴らしい小説。短編小説集『ロック母』もよかった。 これらを読んでいて思うのは、角田さんの小説には一行もムダな文がないということ。 | ||||
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物語のあらすじは、不倫の末堕胎した女性が不倫相手の家から乳児を連れ去り、育て、見つかり、逮捕され、乳児だったその女の子の成長していく様が書かれている。その女性も妻も男性も、そしてその女児、薫も、それぞれ、ただ幸せを求めていて、感じたくて、そしてつかんだように思えて、またその幸せがスルリと抜けていく。いけない、と思っていても、間違ったことをしていてると頭で分かっていても、感情と本能がただ、そこにある幸せを求めて、また違う道に迷ってしまっていくのだ。自分を誘拐して育ててくれた犯人が実の親よりも親らしかったり、実の子供の誘拐から夫の不倫を知り、誘拐と不倫のショックで夫を許せなくても、一緒に生きていき、子供が発見されても、親らしさをなくしていく女性。誰もが行き場のない感情をもっていて、不器用ながらも必死に生きているその光景に深く心が揺さぶられる。人間の愚かさと悲しさの中にその人が本来持っているであろう、やさしさを感じるのだ。深く心に残る作品。 | ||||
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とても面白かったです。角田さんの作品は初めて読みましたが、どんどん引き込まれていきました。正直、映画の宣伝を見てから読んだので、永作博美と井上真央の顔が浮かびながら読んでいましたが…。早く先がしりたくて、電車に乗るのが楽しみになりました。早く映画が見たいです。 | ||||
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悪人と同じように、悪とは誰なのかを問い続けました。 私は中絶経験があるため、主人公の気持ちが痛いほど良くわかります。 女性は不思議。妊娠すると自然に母性が芽生えて、子が母にしてくれます。 産めなかった辛さ、行き場のない母性、 子供が欲しくて堪らなくなります。 愛した人の子供を自分が失った子供とたぶらせ、ただ、ただ母になりたかったのだと思います。 結果として、元の家族の元へ戻った子は、混乱してしまい、憎むようになってしまった。 私にとっての悪は、主人公を追い詰めた、子の両親のように思います。 あまりにも主人公がかわいそうで、せつなくて、涙が溢れてしまいました。 映画もみたいです。 | ||||
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角田光代の作品は個人的には当たり外れが大きい. 途中で斜め読みしてしまうような駄作も多い中で対岸の彼女のような良作もある. 本作は後者の良作なのだけれど,作品のあらすじだけを考えてみると,正直陳腐な物語である. 感情移入なんてできようはずもない. それでいながらこの作品には私に強いインパクトを与えた. 以下は,主人公を八日目の蝉になぞらえ,作中で語られる一文である. 「八日目の蝉は,ほかの蝉には見られなかったものを見られるんだから.見たくないって思うかもしれないけれど,でも,ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどにひどいものばかりでもないと,私は思うよ」 この箇所だけで,私はこの作品を読んで良かった思える. 瀟洒な話とはとても言えないが,強い余韻を残す. そんな作品だった. | ||||
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遊覧船に乗るときに、背後から呼ばれ気がして振り向くと話しこんでいる女性がふたり。間違いと思い船に乗り込み行ってしまうが、そこにいたのは紛れもなく誘拐したやさしい母親だった。 | ||||
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人の描写、背景の描写が素晴らしく、物語が次々と目に浮かぶようでした。この先はどうなるのだろう?とページをめくるうちに、もう終わり?といった感じです。犯罪を色んな目線から見ることができ、考え深い作品でした。終わった後の余韻が心地よく残ります。 | ||||
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不倫相手の子どもを誘拐して育て、その子もまた、同じような生涯を送るというような内容ですが、母親とは何かということを考えさせられます。こそこそと、自分の素姓を明かさず子どもを育てることが、子どもの性格にどのような影響を与えるのか。家族とは何か、ただ、衣食住を与えていれば人間は育つのか。もう少し深く掘り下げてほしかったとは思いますが、考えさせられることは大きかったと思います。 | ||||
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角田さんの良さを再認識させて頂きました。本を読んだ後、出品したのですが たちまちご購入くださいました。何故なら社会のしくみ上、仕事で、日本の男性は家庭を顧みる余裕がなく 外の女性をつい軽んじてしまうから、「子育てに、日本の男性は要りません。」等と コメントしたのです。購入者は男性です。おそらく、ご購入の方は最後までわくわく・はらはらしながら読まれたでしょう。普通のOLを通して、家庭・家族とは何かを伝えている箇所もありました。 短い命の蝉の八日目がどうなるかも分かりました。か細い女性も、女性同士の支えで子どもを育て ました。男性は主要人物にならないこともおもしろく、やはり妻の元へ帰らざるを得ない現状が あるのです。しかも女性も分かっていながらも苦しいのです、けれど、 苦しみも子育てをすると乗り越えられる場合もあると思いました。 この女性を誰でも応援したくなる描き方に感動しました。生みの親の元に帰った子どもは、 幸せなのかも疑問です。 罪を負っても成長する女性がいてさわやかでした。角田さん、有難うございました。 | ||||
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壇れいさんのドラマを見た後に本を購入しました。 愛人だった子供を誘拐したときの主人公は『女』でしかなかったが その後の逃亡生活を続けて行くうちに『母』になっていく感情が良く表現されていると思います。 逆に子供の実母との関わりの場面では 実母が『母』から『女』になっていく。 そして 幼少期に誘拐された子供が『女』になって 自分の二人の『母』の気持ちを考える。 とても 感動する本でした。が 映画は見ません。 | ||||
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文庫化されたので、購入しました。不倫相手の子どもを誘拐、その子を自分の子として育てる……、実際にそんな人生を送ることが可能なのか? 血のつながらない母娘の間に愛情が生まれ、一生幸せな人生を送る……という内容になるのか? はたまた、最終的に二人は引き離されてしまうのか? 引き離されたとして、二人の間に残る感情は、愛情なのか、憎悪なのか? さまざまな推理をしながら、早く結末が知りたくて、一気に読んでしまいました。 結末は書けませんが、逃亡生活の日常や、登場人物たちの感情など、終始リアルでした。本当に、ありえそうなストーリーでした。そのストーリーを角田光代さんの文章が、美しくまとめあげ、とても読みやすい作品でした。第一章から第二章への移り変わりが、本当に素晴らしかった。今まで読んでいた第一章の部屋からドアを開けて、新たな第二章の部屋へスーッと入ったような感じがしました。 主人公とともに、終始ハラハラしたり、悲しい気持ちになったり、安堵したり、希望をもったりと、さまざまな感情を揺さぶられました。 映画がどうなるのか、とても楽しみです。 | ||||
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