■スポンサードリンク
対岸の彼女
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
対岸の彼女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全290件 121~140 7/15ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人は未だ出会ってもいない人とともに人生を歩いている。ある時、なにかのきっかけでその人と出会う。その後、意気投合して一生の友人として接していくこともあるだろう。逆に、大した出来事や意図もなく、今までとても仲良くしていた友人と一生出会わなくなることもある。 川べりを歩いていて、偶然かかっている橋の上で、対岸の彼女と出会うこともあるだろうし、また、同じ岸を歩いていた友人が対岸に行ってしまうこともあるかもしれない。 陽気で屈託のない感じの女社長葵が、同じ年齢の内向的な専業主婦小夜子を雇用して、新規事業に奮闘するなかで芽生える友情の物語と、かつて内向的だった葵と高校生時代の友人のナナコと友情と別離の物語が平行して展開する。人生における友人とはなにか?を考えさせられる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
結婚、子育てのために退職、引っ越し。見ず知らずの街で、孤独感いっぱで子育てする自分を描いているような作品。 その対岸で、結婚せず、社長の肩書きはあるものの、必死に孤独にもがく女性。 スタートは同じなのに両極にいる二人をむすびつけるのは。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自分は、男の立場ですが子供が小さかったころ感じたことが生々しくよみがえりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
小さいころの少女の物語と、現代の女性の物語が同時進行しており最後にその二つの物語が交わるとても面白く、切ないストーリーで夢中になって一気に読んでしまいました。 とても懐かしくなる様な気分も味わえるし、主人公や他の登場人物に共感できる部分もあったりと身近でありながら、衝撃的な事件も起こったりと読者の興味を常に引き付けていて飽きが無いです。 とても良い1冊に巡り合いました。時間を置いて、何度でも読みたくなる様な そんな1冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んだ後も、自分中で何か 問いかけをしてしまうような感じでした。 自分自身を考えてしまう作品です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
女の子から いいおばさんになった女の子の事情 さけて通れぬ事情を、うま~く表しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
Kindleで始めて読んだ本。角田さんの作品は[八月の蝉]以来二冊目だが、いつきに読ませる筆力はさすが。心に残る一札です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに小説の魅力を再確認できた作品でした。 ミステリーのように常に先へ先へと読み進めさせるような内容ではなく、ハラハラ感を求める方には手をだしにくいジャンルなのかもしれません。しかし、主人公が二人であったり章の構成を独特なものにするなど漫然とした流れになってしまうのを避け、読者の間口を広げようという作者の配慮と工夫が垣間見れます。 中にはそういったトリックに物を言わせる作品もありますが、この作品の‘大切なものはそこではなく’、やはりストーリーそのものでしょう。 内容に関しては触れませんが、日常という人間ドラマを緻密に切り取りそれがハッピーエンドを迎えられるというのは、私にも日常という舞台に立つ意義や希望を見出させてくれるものでした。 これは男女関係なく読者がこの本から得られるものだと思います。 一方、主人公は女性達で、私は男なので、実生活ではなかなか当事者の視点で見られない女性のこういった関係は非常に興味深く、男性作家ではこうは書けないだろうなぁと考えてしまいました。 エンターテインメントとしても、心のサプリメントとしてもおすすめできる本書、力作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルだけを見ると恋愛小説だと想像する方も多いのではないでしょうか?まったく違う友情の話です。 私も初めはタイトルだけをみてあまり興味を惹かれなかったのですが高評価だったので読んでみて納得しました。 生ぬるい内容ではないのですが、子供の頃自分が考えていたような純粋な気持ちを思い出させてくれ、読んだあとに誠実な、優しい気持ちになれました。 社会生活に疲れている方、オススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
やはり小説と同性だからなのか? 私にとって『友達』と呼べる人は今現在いないと思う。 っというか一生現れないんじゃないかと思う。 この小説を読んでそう思った。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
国家に奉仕することだったり、革命を夢想することだったり 考えているようで実は何も考えなくていい集団ヒステリーのような時代ではなく 「あなたにしかできないことをしなさい」「個性が大事」「やりたいことはなに?」 と答えのないオープンクエスチョンにさらされてきて、平凡は罪で、悪だと思い込んでいた世代だった 違う世代が読んだら、「仲間はずれ」なんて、平和な、暇な人間の悩みだとしか思えないかもしれない 葵や小夜子にとっては、それがすべてだった 時代が違っていれば、そんな「弱虫」はすぐに淘汰されてしまったかもしれない 平和な時代は、弱虫でも、どうにか生き残ることができた 弱虫が生き残ることができたのか そうではなく、どの時代でも生き残れば、強くなれたのか そうなんだと思う 生き残ることが、人を強くさせるのだろう 若い時代に生まれ変わったら、もっと違う人生を送れたかも と思う気持ちもあるけど 小、中、高校時代の、それはそれで厳しい人間関係をもう一度 やり直さなければならないなら 社会と世間の泳ぎ方を少しは知っている今のほうが 多少、心身ともにポンコツになってても、ましだ そんな風に思った小説でした | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二組四人の女性の物語。お互いがお互いを必要としていたのは何か。 何を隠し、何を共有したかったのか。 時間と共に変化する心の機微を、著者は丁寧に描いていく。 第132回直木賞受賞作。 ある日、彼女たちは、二人の関係が壊れるかもしれない直接的な質問 を相手に投げつける。今まで事を荒立てないよう、細心の注意を払っ てきたにもかかわらず、だ。 男の私は、その思いと行動にたじろき、そして気づかされる。 彼女たちの友情のあり方に。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物たちの心の成長へ、そのまま自然に、自分が年を重ねるに連れて感じた心の変化を合わせていけて、派手ではないけれど、印象に残る小説でした。 少女から女性まで特有の、感情の襞が上手く書かれていて、共感する人が多いのもうなずける。 「なぜ私たちは年齢を重ねるのか」 生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。えらんだ場所に自分の足で歩いていくためだ。(p282) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とても読みやすく、久しぶりに読み留まることなく一気に読める小説でした。 何故か題材は違うのに同著者の「八日目の蝉」を見終わった時と同じような(私は映画で観ました) 静かな感慨のようなものに包まれました。 主人公達とおそらく私は同世代(今は40歳台)ですので、時代背景も掴みやすかったですし懐かしく想う場面もしばしばありました。また子育ては一段落した世代ですが、小夜子を取り巻く環境に当時を思い出させるものも多々ありました。自分を基準につい考えてしまっていたことも、また違う家庭を垣間見たらもっと大変なこともある。私はたまたま当時、同世代の子育てママ達が自宅マンション下の公園に沢山いて自分自身もあまり臆することなく接することが平気だった為、ある意味救われたのでしょうが、そういう環境がなければ小夜子のようにまだまともに会話の成り立たない子供と2人、公園ジプシーになっていたのかもしれません。 後半で仕事を辞める段取りの為、幼稚園ママ達ともコンタクトを取り出しますが、実際私の子と同じ幼稚園ママが子供を小学校に入れた時、保育園出身の子供について落ち着きがない、躾ができていない等言っていました。でも幼稚園の子でも私のうちに遊びに来てくれた子達でも充分落ち着きのない子は居ましたからね。何がいい、悪いなんて一概には言えないです。 葵については(大人になってからの)、とてもサバサバしていて典型的な事務処理が苦手な営業タイプですね。私が独身の頃、一緒に仕事をしていた(業務は別でしたけれど)同年代の女性を思い出しずっと彼女を思い描きながら読んでいました。2人で熱海に行く場面では理解のない夫と生活していくよりこのまま女2人で育てていってもいいのにと思いましたが。 あと最終的にどうなったかわからないナナコだけは気がかりでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わったあと、静かに静かに涙が流れました。久しぶりのことでした。 これといった感動場面があるわけではありません。 悲しくて泣くのではありません。うれしくて幸せな気持ちになり、涙が流れました。 人によって感じ方、とらえる場面は違ってくる作品だと思いますが 私はかつて友人達とただただ笑い、泣き、いつまでもおしゃべりをしていた自分の学生時代の様々な場面が次々と思い出され、ああ、そんな幸せな時があったかと懐かしむような気持ちになりました。 今では友人たちも皆それぞれ自分の生活があり、なかなか会うこともなく、会えば会ったであの頃のように時間を過ごせなくなりました。せっかく久しぶりに会ったのだからと、話をすればするほど、ちぐはぐな感じがしてしまうこともあります。 この小説を読み終わったとき、屈託のないあの頃がキラキラと思い出されました。 あんなことがあった、バカだったね、幸せだったね…と。 そしてそんな日々があったことがうれしくて、懐かしくて、涙があとからあとからこぼれました。 ああ自分の人生もまんざらではないじゃないかと思いました。 これから10年後、20年後、どんなにつらいことがあっても、こんなふうに折に触れ幸せな日々を思い起こすことができたなら、「出会うことを選ぶため」とりあえず前を向けるんじゃないかと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奇を衒うようなストーリーでもなく、突拍子もない人物がでるわけでもないのに面白いのは、 読んでて退屈になるような無駄な描写や独白をカットし、具体的な言葉で語らないかわりに、 ハッとなるような風景描写で見事に描かれているからだろう。 主人公が一人称で自分に酔った描き方をされず、三人称視点でどこか突き放しながら描いているから、 「それがどうした」「おまえの個人的な悩みはどうでもいいんだよ」というような感情が湧いてこなかった。 むしろ、よくここまで違うタイプの女性を細かく書き分けているなと、溜息をついてしまうほど、 小説本来の愉しさが込められた作品だと思う。 「育児に悩む女の、うじうじした独白物語か」と思うような場面から始まるが、 読み進めれば、よくある「悩める現代女性のための小説(笑)」ではないことに、すぐ気がつくはずだ。 これは何度か読み直しても愉しめそう。 とても上手い小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
角田さんの御本を読んだのは本作が初めてでした。 全く予備知識なしで読み始めましたが、最後まで惹きつけられました。 劇的な展開があるわけではないだけに、とても不思議にも思いました。 このようなテーマの小説が成立し、愛読されるのは日本だけかもしれませんね。 本音と建前、世間体、疎外感など、人間関係がとても複雑で、微妙なところですぐにそのバランスが崩れてしまう。 私は男性ですが、女性の主人公たちのこころの動きに大いに共感できる部分がありました。 第三者として観れば<なぜそんなことで悩まなければならないのか?>ということになるのかもしれないけれど、本人にとってはとても苦しいものですからね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
しんみりとしたいい小説だと思います。 とりたてて大きな事件が起こるわけもないし、 印象的な台詞が散りばめられているわけではないのに、 結構引き込まれてしまう。1日で読了したほどだ。 現在と過去の2つの時間を交互に描く構成は、もはや 手垢のついた手法ではある。 嫌味がましい姑などは、ありきたりすぎて、入れなくても よかったと思うが、全体としては、それも許せてしまう 自然さがある。 もっといえば、少女二人が自殺を試みる動機、 小夜子が熱海から突如引き返そうとした引き金、 葵の会社を辞めようと決める心理、葵の会社に戻ろうと する決意、どれも小説の中で理由づけはされているが、 男の私にはもうひとつピンと来ないのである。 しかし、それもなぜか、「あり」だと。いや、それゆえ、 何かリアリティめいたものを読みとってしまうのかもしれない。 この小説は、35歳子持ち主婦小夜子の成長譚としても面白く 読める。 「なぜ私たちは歳を重ねるか」を自問した小夜子のたどり ついた行く先。 「なぜ私たちは歳を重ねるのか。生活に逃げこんで ドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会う ことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」 初めて読む角田光代作品であるが、いっぺんでファンになった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
キャリアウーマンの葵と、平凡な主婦、小夜子の話である。 こんなことを書くとなんだか、勝ち組、負け組み・・・のような話なのかと思われるが実は違う。 高校時代をいかに過ごしたかが、この話の大事なキーポイントになっている。 まったく違った性格の二人だが、実は似たような高校時代を送っていた。 途中、小夜子の話から二人の高校生活がリンクする場面があるが、そこは なんだか、ゾゾゾゾーと背筋が寒くなった。 きっと今もどこかで、 葵と小夜子のような高校生活を送っている子がたくさんいると思う。 実は、私も・・・ 対比した二人の生き様が 生き生きと描き出されている作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ママ友コミュニティに馴染めず、また夫との関係にも微妙な閉塞感を感じ始めていた専業主婦の小夜子。仕事に自由な時間を注ぎ込む溌剌とした企業家葵に出会い、違う立場ながら良きパートナーとして仕事を始める。しかし、地味でつらい仕事ながら母親業と両立させ活力を得始めた小夜子と葵の友情に亀裂の種を植えたのは、友人であっても環境の違いから共有できなかった価値観。 葵は葵で、いじめから逃げていた高校時代があった。懸命にいじめの対象とならないことだけに心を砕いていた転校先で得た親友は、周囲の視線など意に介さず自由に振る舞うナナコ。彼女と一緒にいれば何でもできそうな気がする、そんな活力を葵に与えたナナコは、共に踏み出した現実逃避の旅が招いた事件を境に姿を消す。相手の本当の姿を理解していたと思っていたのに、姿と共に消えた友情。 過去と現在の二組の友情とその亀裂の物語が、既視感と違和感と共に交錯しながら進んでいく。 読み始めたときは、女性のコミュニティが持つ現実の描写に苦手意識を感じたが、読み進めるうちに物語自身よりも上記の既視感と違和感のクロスオーバーに惹かれ頁をめくるようになった。全体的に暗い物語ながら、幕の閉じ方に救われ感が残るあたりに読み手としても救われる。また、ふとした瞬間に親愛の情がすーっと薄まっていく瞬間、心の距離がさーっと遠のく瞬間の描写が恐ろしい程に心に残る。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!