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対岸の彼女
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対岸の彼女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全290件 241~260 13/15ページ
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明るく振舞っていても、心の中では複雑なことを考えていたり、悩みを抱えているもので、その心情が非常によく描かれていると思います。読み手としてはナナコが気になるところですが、葵がどうでもよくなったのか、葵の親に連絡をとらないようにいわれたのかはわかりませんが、会わなくなったら連絡が来なくなるのは現実的にもよくありますよね。小夜子は葵に出会ってから積極的に動けるようになり、心情の変化も手にとるようにわかり、上手く登場人物の心境が描かれています。学生時代のナナコのキャラと、今の葵の正確が似ているように感じたのは私だけでしょうか?葵がナナコに対する思いが伝わってくるようでした。 | ||||
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学生時代のように何の憂いも屈託もなく、ただお互いの存在だけをすべてと信じ、同じものを見ながらつきあうことができたなら、どんなにいいだろう。「私はあの人たちとは違うわ。」「あの人に私の立場なんか理解できない。」大人になると、そういう思いが知らず知らずのうちに互いの間に深い流れを作り出す。いつのまにか川の流れの向こうとこちら・・・。だが、決して歩み寄れないわけではない。どんな川にも、必ず橋はある。そこを渡るのに必要なものは・・・?その答えは、それぞれの心の中にあるのだと思う。作者は、高校生の女の子や大人の女性の心理状態を見事に描き出している。共鳴や反発を感じながら知らず知らずのうちに、どっぷりとこの作品に浸かってしまった自分がいた。 | ||||
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てらいがなく、ひとを煽ったり、脅かしたりでひっぱることがない、品のよい小説だ。上質のリネンのように、よく練られた文章が心地よい。が、ひやっとする批評性ももりこまれている、優れた小説だ。 | ||||
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最初は「いじめ」とか「個人主義」とかであまり面白くないかな?なんて、思ったりしてしまいました(謝)でも、テンポ良く読み進んでいったら自分の内面を「抉られているような感触」正直最後は唸りました感想を家内に求められたけどどうしてでしょう?「いや、なんだろうね」とごまかして、本棚の奥にしまってしまいました | ||||
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なぜか夫が先に興味を持っていたのがきっかけで読んでみた。結婚、妊娠という出来事を経て、独身の友人との接点を失っていた私にとって気持ちを掬い上げられるような一冊だった。自分に大きな影響を与えてくれた女性がいる。それでもこれからあとまた近くなることはない気がしている彼女のことを、今はただ大事な人として心の中にしまっておけるように思う。いまできること、自分のやっていることを肯定して生活していくこと。おごりもせず、卑屈にもならず、正直な毎日を送ることでこんな関係が生まれてくるのかもしれない。 | ||||
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作品の世界にどっぷり漬かり、あっという間に読んでしまった。なのにすぐレビューを書くにいたらなかったのは、読後に感じた違和感をどう表現してよいのかわからなかったからだ。数週間たって、やっと考えがまとまった。いくら「類は友を呼ぶ」といったって、「葵」がこんなに「ナナコ」に似ているはずがない。 | ||||
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すごくひきこまれて、一気に読んでしまいました。「私はいつまで私のままなんだろう。」人って、生きてる限りずっと、自分を模索していくんだと感じた。自分が選択したことは正しかったと思いたくて、時に必死になったり、時に自分なりに心の中で理論を立てたり。それは、他人のちょっとした一言で、簡単に壊れてしまうものなのかもしれない。それでも、ずっとずっと、これでいいのかと不安を感じながら、自分自身を模索していくんだろうな。年をとることへの抵抗が少し和らいだ。抽象的な感想でゴメンナサイ。 | ||||
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“対岸の彼女”は、高校時代の葵とナナコ、社長になった葵と主婦の小夜子の関係を丹念に書いていった作品だ。同じ川岸を歩いていたふたり。ふとしたことから、対岸に離れてしまったことに気がついた。そのとき、これまでの関係を変化を知ることが怖くて、あっさり捨ててしまうのか?それとも、対岸を一緒に走り続けて、その先にある橋を見つけにいくのか?私たちはなんのために歳を重ねるのだろうか?主婦として、仕事人として、生活に逃げ込んでドアを閉めるためではない。女性特有の話しなのかもしれないが、それを考えさせる、そしてその答えはこの中にある。ナナコ、葵、小夜子はこれをどう選択したのか? | ||||
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女性はこの小説の登場人物に共感できるだろうし、男性なら女性特有の内面を知り興味を持って読めるだろう。読者を選ばない作品だと思う。また、歳を重ねていくことをだんだん可能性が狭まっていくマイナスなものだととらえるのではなく、人との出会いを含めいろいろなことを自分で選び取り、自分から取り掛かることができるようになるプラスなものだという希望を描いている。葵と小夜子の成長譚として読める。葵とナナコとのきらめく思い出、純粋さが勢いあまったような思い出も、発展途上の段階なのだ。ラスト近くで読み取れるように、さまざまなスタイルで日々を生きているすべての女性がお互いに対して「対岸の彼女」であるのだろう。そして葵と小夜子のように、揺れながらも「出会って」いけたら・・・ | ||||
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久しぶりにドキドキしながら共感を持って読んだ。最初の公園デビューができなくて落ち込む部分は、リアリティーを感じすぎて憂鬱だったが、次第に読み進めずにはいられないほど先が気になった。まるで自分の将来の答えが書いてあるようだったからだ。それほどに今の女性たちが“年をかさねていく”上で感じる不安や疑問、悩みがとてもよく描かれていると思った。そして解決するヒントとなるのが、立場は違っても真なる部分で同じ悩みを持つ“女友達”だというのがいい。現実もたぶんそうなんだろうと思う。既婚で子持ちだから勝ち組? 未婚だから負け犬? そう単純には分けられないのが女性の人生。だからこそ女同士の友情は心強いし、自分もまたそんな存在でありたいと思った。 | ||||
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最初、女性特有の「怖さ」「脆さ」に目を背けず、正面から挑んでいる点では桐野夏生の『グロテスク』に近いものがあると思った。けれど、この作品には救いがあって、それが読後感の良さにつながっている。「友達が欲しい、いなくなると怖い」。その一方で「ひとづきあいは面倒くさい」。女性であれば誰もが共感できるその気持ち。それでも、友達を、人との関わりを求めて放浪するのは何故なんだろう?自分の中で、割と大きなテーマだったので、この一冊に答えを見つけたような気がします。とにかく、おすすめです。 | ||||
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私は1969年横浜生まれで、ちょうどこの主人公の葵という女性と同じような時代と場所を過ごした事になる。現在の私たちがどのような生活を送っていようとも過去の時間は決して流れはせず、自分の中に留まり、時にその痛みや暗闇が顔を出す。しかし、どんなにボロボロに傷つこうとも裏切られようとも打ちひしがれようとも、自分と世の中や人を信じて前進しようと決めて頑張る人がいる。この小説はそんな人達に送られた心優しいラブソングのようである。 | ||||
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独身女性と子持ち女性、その2人がどう絡んでいくかを興味深く読みました。実際自分の周りにいる(私は子持ち主婦)独身女性と私の間にはなにか温度差のようなものを感じていたので、この本はそのところをよく描いてくれたように思います。リアリティのある、また読んでみてがんばれ女の子!と思える本でした | ||||
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著者と同じ歳で現在子育て奮闘中の身にはあまりにも等身大な内容で面白く読ませていただきました。公園デビューや保育園非難など”どうでもいいなあ”と思うほうなので”うん、うん、そうでなくちゃ”とうなづく場面も多かったです。小説的にはナナコさんの人物描写が秀逸でこの物語の核であると思います。出来のよい友情小説であり青春小説であり、読み終わった後になんか”自分の信じる道を行けばよい”みたいな勇気をもらいました。(ありきたりな感想ですが)いたって平明な文章ですが、一庶民である自分の人生を考えさせる奥深い味わいのある本です。 | ||||
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とてもやさしい文章で綴られているにもかかわらず、言葉には表せないような心の奥底の気持ちまで丁寧に表現されていて驚きました。そして古典文学やロングセラー作品とは一味違う「旬」なテイスト。現在社会に生きる女性たちは身近に感じること間違いなし。 | ||||
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構成が巧いので、さらに内容に奥行きが出ている。女性は必読といえる1冊。自分の生き方に迷いが生じ、自信を失くしても、読後には、何とか生きていこうと思える。人づきあいの難しさと、その反面、人と分かり合える嬉しさ楽しさが丁寧に描かれているからだ。「無理をしなくてもいいんだよ」と背中を優しく押してもらうような気分。 | ||||
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この本に受けた衝撃は大きいです。 書店では「勝ち犬と負け犬」と、テーマを掲げていましたが実際はそれだけがメインとはなっていません。根本的なものはそこにあるとは思うのですが、それが土台となって物語が形成されていきます。 あまり参考になることが書けなくてすみません。でも読んでいくにしたがって没頭してしまうこと請け合いです。読んでみれば分かります。どうぞ是非! | ||||
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なぜ人間は生きているのか?人と出会い関係を持ちながら生きていることを考えさせられた作品でした。たぶん無駄に人と出会うことはないんだろう。タイトルの意味は最後にわかります。過去の自分について考えさせられ、現在と未来に期待したくなりました。 | ||||
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大人になったら、何かを選択できるの?しっとりとした雰囲気で進められていく話です。私はまだ働いていないし、結婚してもいません。しかし、登場人物の感情はリアルに伝わってきました。どうしようもなく終わっていく友情。別々の世界をつくっていく。それが大人になるということ。成長していくということ。久々に泣いてしまいました。 | ||||
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素晴らしい。この作品の圧倒的な日常から生まれる深いカタルシスを少しでも多くの人に味わって欲しくてたまらない。思春期からオバサン(失礼!) へと突入していく主人公の今に至る人生の切片が一斉に甦って色づくようで、ぞくぞくした。強烈。ただしそのためにラスト前にばらされるネタと展開は多少ご都合主義を含みはするが、この作品らしく深奥ながらささやかなものなので、それほど気にはならないだろう。単純な浅ましさや嫌らしさが不思議と臭ってこないのもいい。安易に読者の欲求や願望を刺激する装置が配置されていないせいだろうか。ソープドラマ臭さも逆に水商売臭さも芸能界臭さもラウンジ臭さも薄く、作品世界と問題が極めて女性的であるにも関わらず、誤解を恐れずに書けば男らしいすっきりとした内容である。桐野夏生の「OUT」と合わせて現代オバサン小説の二大巨頭と私は勝手に称したい。描かれるテーマ――歳を重ねることであったり友情であったりその葛藤と成長であったり――は、女性特有のモノと受け止められるかもしれないが、そう単純でないようにも思う。私は作者の思想や考えをよく知るわけではないのであくまでこの作品についてだが、舞台装置が女性周辺の環境であるだけで、浮かんでくる焦点は誰にも通じる深みを持っていると感じた。(まあ昨今の男性の場合はそれどころでないハードルが多すぎて目を向けていられないかもしれないが……)もちろん、勝ち組だとか負け犬だとかの香ばしい話では決して決して決してない。女流作家が苦手な男性にも、あるいは想像力豊かな男子高校生や女子高校生にもオススメしたい。だってオバサン(三度本当に失礼) だけのものにしちゃうなんて、勿体なさすぎる。しかし「対岸の彼女」ってほんといいタイトル。カッコよすぎ。 | ||||
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