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虚無への供物



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虚無への供物の評価: 3.89/5点 レビュー 106件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.89pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全73件 1~20 1/4ページ
No.73:
(4pt)

不謹慎なキャラクターたちと、緻密に描き込まれた背景情報のアンバランスの妙。

本作は、三大奇書の他の2作に比べると30年ほど新しく、 ライトで砕けた文体で非常に読みやすいです。 登場キャラクターも 一人称が「ミー」のおっさん、 安楽椅子探偵を決め込むシャンソン歌手のお嬢、 すぐにおネムになる高校生美少年などなど、 マンガチックで親しみやすいです。 一家を襲う連続殺人事件が進む中、 これらのキャラクターたちが推理合戦を行うなど、 どこか不謹慎で、ふざけたノリで進んでいくところが、 面白いのだけれど、どこか真に迫ってこない。 絵に描いたフィクション感が漂っています。

そのリアリティの欠如を埋めるかのように、当時実際に起きた事件の詳細や、作品内に登場するリアルな場所のリアルなディテールや、関係者しか知らないような歴史的事実などを緻密に埋め込むことにより、軽薄さと凄味が融合していて、ちょっと面白いバランスになっていると思います。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.72:
(4pt)

作中作の方がインパクトが大きいのが難ですかね。

おふざけモードも含めて、 すべて計算ずくで緻密に設計されているのが感じられて、 作者の手のひらで遊ばされてる感が大きく、 バカにされてるような不快感がなくもないのですが、 入魂の作品であることも同時に伝わってきて、 凄味で押し切られたような感じです。作中人物が事件解決の目的で、作中登場人物を配したフィクションを書き始めるのですが、こちらの方が派手でインパクトがあるので、真相の方が、あまり心に刻まれないところが難ですかね。
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)より
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No.71:
(5pt)

そう来るか

オチがちょっと無理やりだったかも…?
でも面白かったです。
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)より
4062739968
No.70:
(5pt)

奇書、なのかなぁ。

普通に面白かったです。
「三大奇書」と言われているけど、他の「ドグラマグラ」「黒死館殺人事件」より全然読みやすいし、
話としても面白かったです。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
406273995X
No.69:
(4pt)

状態よし

他人に貸したら返って来なかったから
虚無への供物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物 (講談社文庫)より
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No.68:
(5pt)

大変満足

最近読んだミステリーの中では一番面白かった。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
406273995X
No.67:
(5pt)

大変満足

最近読んだミステリーの中では一番面白かった。
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)より
4062739968
No.66:
(5pt)

再読して

初めて読んだのは大学図書館から借りた単行本で、版は覚えていないのですが、今回講談社文庫新装版を読んでおや?ちょっと違っている‥と思ったところが何箇所があったのですが、版を重ねる毎に改稿しているようですね。少し印象が変わってしまいましたが、後書きから、氷沼家の設定はほぼ著者自身の実家がモデルと初めて知りました。後書きを読むと物語の背景が理解できて、より楽しめます。先日ようやく25年前のドラマ化映像も見ることができ、久々に中井英夫ワールドに浸っています。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.65:
(4pt)

珍感覚の推理小説

日本三大奇書の1つだけあって、奇妙な感覚のする推理小説。登場人物も推理オタクばかりで、呪われた家系の家に集まっていると、颯爽、事件が起こり…
続きが読みたいです。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.64:
(5pt)

くるくると入れ替わる現実と非現実

読み終わって本を閉じたあともしばらく、熱に浮かされて、目眩さえ伴うような放心状態に陥った。
洞爺丸事件など、本格ミステリーの小説になぜ現実の事件や、実在の事件をこうも関わらせるのか、それはエンターテイメント小説として興を削ぎ、足枷になりはしないだろうかと危惧して読み進めていた。
しかし、最終章の告発ですべてはひっくり返される。『カラマーゾフの兄弟』の『大審問官の章』のに匹敵すると言っても言い過ぎではないほどの衝撃だった。

犯人にとって洞爺丸事件など、現実の引き起こした事件はそうであるべき約束を破ったために引き起こされた人間の気狂いじみた怠慢による饗宴場に過ぎないとある。つまり現実の事件=非人間となる。
ここから犯人の倒錯が始まる。現実に耐えられない犯人は、事件を非現実の世界へと引き込み、人間が人間であることを証明する悲劇に昇華することをこころみる。非現実の事件=人間である。
しかし、犯人が非現実な、人間的悲劇を求めた意味ある高尚な事件を起こそうとも、狂った現実のありうべからぬ偶然が非現実にことごとく追いついて陳腐なものへと格下げしてしまう。非現実な事件は現実に取り込まれ、事件を起こして人間になったはずの犯人もいつのまにか非人間の烙印を押されてしまっているのだ。

そして現実の事件とはどれほど悲惨なものでも外部のものにとってはただのお楽しみの材料に過ぎない。これが虚無の正体である。

その虚無から脱しようとして起こした事件も、本人の意図には関係なく、外部から見れば単なる格好の虚無への供物のひとつ、つまるところ現実のお楽しみの亜種のひとつにすぎない。

探偵という装置はその最たるものではないか。非現実の悲劇、偶然を、味気ない現実に引っ張り込んで、辻褄を合わせ、鑑賞物に変容させることにより、喜劇へと引き下ろすことがその役割であるのだから。

そして、さらにその探偵たちに輪をかけて、陰惨な事件を楽しんでいるのはまさにわれわれ読者に他ならないことを突きつけられ、普段、現実に起こる陰惨な事件をエンターテイメントとして少なからずも享受してしまっている、われわれこそが虚無を作り出している真犯人であるのだと、茫然、愕然とし、目眩を覚える。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.63:
(5pt)

夢野、小栗と並ぶ日本三大奇書

三大奇書のうち、一番読み易いです。体力は要るけどね。
虚無への供物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物 (講談社文庫)より
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No.62:
(4pt)

まじで長かった

長いし 長いわ。でも面白かった。
下巻だからどうという訳ではなかった。上巻で終わりでも良いくらい。
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)より
4062739968
No.61:
(5pt)

面白かった!

日本三大奇書の一つとされています。探偵ものの奇書ですね。著者は「アンチ・ミステリー」を目指したとしていますが、最初はなんのことやら、安っぽい推理小説やなあと思っていたら、もうね、これは推理小説じゃないですよ、そんなもんじゃない、人を惑わす、現実が分からなくなる、頭がくらくらするような作品です。
この小説は、1955年が舞台になっていますが、まだ古き良き日本が残っていて、乱歩や横溝の香りが残っていて、そして主人公その1が、私の崇拝している作家と同じ名前でうれしく思って読んでいました。
氷沼家の両親と叔父叔母がいっぺんになくなる船の沈没事故に端を発した氷沼家の兄弟、いとこらをめぐる殺人事件の数々、連続殺人事件といってもいい。次々巻き込まれていく関係者。果たして犯人は?
読み始めたら止まらないと思いますので要注意です。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.60:
(5pt)

あーおもしろかった

こういう若者が集っていても違和感ないというのは時代ですね。
結論から言えば1、2行で終わるようなタネでここまで楽しめる膨らみ方をさせるとはあっぱれだなの一言に尽きます。そもそも昭和初期が好きなのですごく好きだった。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.59:
(4pt)

面白い!

読みにくくはないですが素人探偵が入れ替わり立ち代わり推理を披露するという奇抜な展開にはびっくり。高木彬光先生の能面殺人事件の後半にも通じる流れでもあり面白かった。しかし古今の名作のネタが出てくるので初級者よりはある程度ミステリーを読み込んだ読者向けかも。
虚無への供物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物 (講談社文庫)より
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No.58:
(5pt)

タイトルで損してる。ライトなミステリー読者には三大奇書のなかで一番おすすめ

他の方もおっしゃってますが、三大奇書のなかでは一番読みやすいし、読後も割合スッキリします。

読めばこのタイトルにももちろん納得するのですが、導入とかキャラクターの入り込みやすさとか推理合戦あたりの雰囲気からすると、未読の方にはこのタイトルで敬遠されてそうでちょっと勿体ないなと思います。
実際私も三大奇書のなかでこれを最後にしてしまったけど、むしろ『黒死館殺人事件』は読んだけど何も残らなかったので読まなくてもよかった。

たぶん、すごく読書家ってほどでもないけど、ちょこちょこ小説も読むよ、ってくらいの人には三大のなかで一番おすすめです。

でも最後に若干鬱になるのは、本作がアンチ・ミステリーと呼ばれてるからには折り込み済みですが…
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.57:
(4pt)

読みやすくモダン

登場人物の配置が楽、とても読みやすいし入りやすい 読者が楽できるスタイルになっている 話の展開や導入も分かり易く面白い 登場人物も個性的で魅力的な人が多くて古さはまるで感じなかった 奇書と呼ばれるほどとっつき難くない ミステリ好きには是非とも 読書初心者にもお薦め
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.56:
(4pt)

後半になり本書の本性が、、

上巻がいわゆる普通のミステリー風だけど、下巻が進むにつれて頭が混乱してくる 読み終わって暫くして考えると余計に混乱してくる この作品はとにかく楽しめるし重くない 飄々とミステリー自体に挑戦していくような感じだった 物凄くくっきりとした輪郭のだまし絵のよう 三大奇書の中では一番好き
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)より
4062739968
No.55:
(4pt)

読んでよかった。

いろいろなミステリ作家さんなどに愛されている本作。
せっかくなので読んでみようと思い立ちました。
日本三大奇書のひとつということで、かなり構えて読み始めましたが、分量は多いものの、
文章自体は読みやすかったです。
上巻の推理合戦とかは混迷を極めていて、この先どうなるのだろう??と不安になったり、
読むのがしんどくなったりもしましたが、下巻は一気に読めました。
結末については、理解まではできませんが、なんとなく分かる気がしましたし、
思わずハッとさせられる指摘もありました。
けっこう心を動かされた作品です。
とはいえ、ミステリは読み続けたいです。
ネット上の感想などを見ると、賛否両論のようですが、
私は時間を無駄にしたと思わずにすんで、ラッキーでした。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)より
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No.54:
(5pt)

飛び立つ凶鳥

「漆黒の翼に乗せて反世界へと飛翔する」
当時の講談社文庫版の素晴らしいキャッチコピーが懐かしい。
中井氏の回想録によると長年あたためてきた類いの作品ではなく
一瞬の啓示的閃きから短期間で書き上げた作品だという。
久生十蘭氏への傾倒からここかしこに久生作品の影響が感じられる。
洞爺丸事故、大量虐殺というモチーフに氷沼家のヒヌママーダーを
絡めた推理小説の形式をとっているが、推理小説というより探偵小説の変型、
いわば幻想文学。
推理合戦はパロディ的描写も多く、特に出だしなどは江戸川乱歩氏の指摘のように
「冗談小説」のような雰囲気もある。
大長編ではあるが文体は比較的読みやすく、衒学に彩られた独特のムードは
他では得ることができない。
全編を読み終えると異界へ誘うような不思議な充足感に満たされる。
虚無への供物 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:虚無への供物 (講談社文庫)より
4061360043

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