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閉じた本
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閉じた本の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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こういう話。途中から感じ始める違和感(語り手及び読者の) スリリングな展開、そしてラスト | ||||
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物語を前にして、読者は「会話文」というエクリチュールをパロール「として」理解する。そうした読者の物語に対する作法を逆手に取ったミステリー。物語の視点は結末部分を除いて盲目の作家に固定されているため、地の文が存在せず、会話文と独白のみで進行するだけに実に読みやすい。登場人物も非常に少なく、すっきりと整理されている。このような設定は実に斬新であり、言わば盲点を衝く設定である。残念なのは、出来事が最終的には外界における整合性において決着することであろう。世間と隔絶した盲目の作家ならば、他者の言葉は常に「信じるか信じないか」というレベルで把握されるはずであり、一人の他者が残した言葉の整合性において「奇妙さ」を作り出して欲しかった。また、余りにもひねりのない仕掛けによって物語が収束する点も残念である。 | ||||
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面白かった、読み進むうち不安感が増していくのが楽しかった。難点は後半正体を現した犯人の話し方が知的な若者から、急に粗野なチンピラみたいになったこと。そのままの方が感情移入できた。 | ||||
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推理小説というより、ミステリーなギャグ小説。 恐怖感やハラハラ感とブラックユーモアが交互に押し寄せる感じ。 途中ジワジワと、最後は一気に押し寄せる不謹慎な笑い、まじでツボでした。最近読んだ小説の中で一番面白かったすね。 ちなみに、イギリスのジョージ王子の誕生に沸く近頃ですけど、懐かしのダイアナ妃にまつわる軽いユーモアも出てきて、思わず失笑。 つーか、これ書いたアデアって、あんまダイアナさん好きじゃないんだろうな。 とにかく、その他色々と面白いユーモア小説なんで、ご期待を! それにしても、アデアって、確実にゆがんじゃってるでしょ、危険人物、まじヤバい。 | ||||
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作品の99%が会話で構成された作品。 発想は良いのですが、期待しすぎた為ちょっと最後のオチが今一でした。 でも文章中の余白、そして最後のセリフの後の犯人の運命、、これは想像ですがかなり怖いです。 会話だけなので想像力を掻き立てられるので読む人によっては印象が変わると思います。 遅読の私も直ぐに読めました。 | ||||
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ミステリーとはいえないと思いました。 展開が簡単に予想でき、また動機がとってつけたような感じで。 それを考えさせる仕掛けや材料が全くないのでただ読むだけでした。 | ||||
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出だしの会話ではガシっと心を掴まれた。 会話だけで展開していく設定も入り込みやすく、先が気になってページを進める 盲目の主人公も謎に包まれていてとんでもない物語を期待した しかし、最後はいろんなものの説明がただ並んでいるだけのような気が・・・ もっと伏線とかあってほしかったなぁ 話は変わりますが、この装丁素晴らしいです | ||||
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登場人物二人が、揃って好きになれないタイプなのに、ぐいぐい読まされて、しかも、謎が解明されて 「うぎゃあ、これはやだな〜」って感じの後味最悪ラストを迎えても、こりゃ面白かったわ〜と 大満足で本を閉じることができた。 盲目の作家と読者は同じ立場に立たされる。 本を読む行為は、作家の語りを通して盲人が風景を聞くように、読者は作品世界を読むことになる。 アデアはそこに気付いたのだろう。 読者を盲人にしてしまおう。 手探り、音、匂い。 どんなに他の感覚をとぎすましても、「百聞は一見にしかず」。 階段の上に本を置かれただけで、躓いて転げ落ちてしまうかもしれない。ポールはそうした些細な不注意 とも思えることに、少しづつ疑いを持ち始める。 青年ジョンとの会話文と、ポールの独白部分。これだけで成り立っているため、地の文、いわゆる客観的 な視点がない。 暗闇で手探りをしながら状況を把握するしかない。 読みながら、ぞくぞくした。 読書の楽しみの一つは、今までにない体験をさせてくれることだから。 そして、終幕。 陰惨なラストであり、救いのないものだが、不思議と気分は上々(笑) アデアの仕掛けが、あまりに見事だったので、妙な気持ちよさが残る。 変わった物語が読みたい向きにお薦め。 | ||||
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小説とは虚構であり、フィクションであり、要するに嘘である。それゆえどのようなジャンルの作品であれ、読者がだまされていることに変わりはない。というより、小説を読むということはだまされることに同意するということである。読者はだまされていることを前提に小説を楽しむ。「語り」とは「騙り」であり、小説を読む悦びとはだまされる悦びにほかならない。 しかしそのような小説の手前にある「だまし」ではなく、小説の中に「だまし」を戦略的に忍び込ませるジャンルの小説がある。推理小説、いわゆるミステリーがそれに当たる。書き手は読み手を虚構内で罠に嵌めようとする。だまされるのを楽しむか、書き手の挑戦を受けて立つかは読み手の自由である。 そしてもう一つ、ミステリーの一分野として、叙述トリックという特異なジャンルも存在する。これは虚構内ではなく虚構の形式において読者を罠に嵌めようとする作品群である。小説の中でも外でもなく、両者の接続部分にトリックが仕掛けられている。世界的な名作としては例えばアガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』があるし、わが国には折原一という叙述トリックのスペシャリストもいる。 しかし叙述トリックの作品に対する評価というか人気は今ひとつである。確かに読後感はあまりよくない。というより読み終えた気がしない。解答が物語の中ではなく外から与えられるので、曲の途中でステレオの電源コードを抜かれてしまったような拍子抜けの印象を受ける。『アクロイド殺し』のような歴史的名作は別格としても、叙述トリックを使って読者を満足させるミステリー作品の創造は極めて困難といわざるを得ない。 残念ながら本作も例外ではない。会話と独白のみという大胆な構成と「驚愕の結末」というコピーには大いに期待したし、最後まで退屈することなく読み進めることはできたものの、結末というかタネ明かしは「うーん」と唸らざるをえなかった(脱帽ではなく失望の「うーん」である)。 とは言え「ふざけるな!」と毒づきたくなるほどの悪質詐欺ではなかったし、何よりもシンプルで分かりやすく、まあこれぐらいなら面白いとは言えないまでも許容範囲内ではないだろうか。結末の脱力感はともかく期待に胸を躍らせるひとときを過ごせたことは確かだったので、宝くじを購入するノリでの購読をお薦めしたい。 | ||||
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単純に著者の文化系統に関する史実や用語への造詣が深いだけであるのに、他著作のタイトルを鵜呑みに語ろうと上記のように雑な敬意を抱えて読むと眼高手低という本人すら使用の覚束ない不明瞭な表現を持って語るに落ちる危険を孕む本。 訳者も言うように紐解きの甘さが残るのと「ではまた」という文学的な台詞をもって幕が下ろされているためその曖昧さから印象を取り違える危険性(多言語翻訳に関する脆さ)を持つ小説だと感ずる。読者が再度、ポールの最後の斜体文字を読めば全ての文脈の後、何が明るみとなり登場人物の意図や末路が最終的にどうなるのかを推測する事は賢明な――ここに傍点――読者には比較的困難な作業ではないと言える。ある程度の想像力と常識と公平さ、あるいは通例一般に要求される程度の判断力や経験を貯えた読者であれば、“諧謔”がその背後に抱える後ろぐらい体験に己が記憶とを重ね合わせ感情や罪悪の恐ろしさを勿体ぶるように見えその実、正直かつ丁重な在り方に描写や投影を図る事が出来る素材であり様式の試みと、その技巧の度合いから判断を下しても読後の実生活に害悪はもたらさない作りの良い物語であると断ずる事が出来る。ゆえにシンプルに娯楽として捉えて耽読に臨めば十分に及第点は叩き出す小説。 | ||||
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他の作品は読んでいないので、この著者の全般的な評価に就いては留保せざるを得ないが、本作品に関する限りポストモダンがどうこうなどはやや的外れか・・・? 文豪が事故にあって失明し、眼球をも失う。彼は自伝を口述すべく、逼塞する自宅に筆記者を迎え入れる。 その文豪と筆記者の会話、文豪の心内語だけで作品は構成されている。 こういうタイプの小説を比較的好むところもあって手にとってみたが、中途半端な出来であり、ミステリとしては五流、オチというか謎解き的な部分もお粗末である。 著者のギルバート・アデアはポストモダン思想に詳しいようだが、眼高手低というべきか・・・。 ただし、『作者の死』は読んでおらず、こちらは期待できそうである。 いずれにしても、この著者はミステリ作家というよりは、前衛的な作風と方法意識をもった所謂純文学的作家としてみたほうがよいと思う。 作品全体としての評価は上述のとおりであるが、心内語の部分は大したことはないにしても、会話の部分はそれなりに読ませる。作家のこのスタンスを少しでも面白いと思わない読者には、この作家は読むに価しないだろう。 まあ、それにしても、本作の方法もいまやそれほど“前衛的”とは言えないだろうがね・・・。 | ||||
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設定にワクワクして夢中で読んだけど、読み終るころには興奮は冷めていた。勝手にもっと文学的な奥行きを期待してました。だって執筆中の本の内容が期待させるものだったから。後半にもう少し心理描写があればよかったかな。でもまあ前半のスリルを味わうだけでも読む価値あり。 訳がとてもいいです。 | ||||
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正直言って、ミステリとしてはパッとしないし、そもそも小説としても出来が良くない。本書を駄作だと思う読者がいるのは納得できる。 だが、本書の構成に注意を向けると、これがメタ構造に凝った典型的なポストモダン文学として楽しめることがわかる。ちゃんと読むと自己言及やセルフパロディに溢れた良作だとわかる。まあ、今の時期にいまさらポストモダンを論じるのも古いかもしれないが、本書の構造がわかりやすいので、こういう凝った構造になれていない読者にも勧めやすいのではないかと思う。読者の視点によって駄作にも良作にもなるなかなか興味深い本。 | ||||
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「作者の死」に続いて読みました。 会話と独白のみで構成される凝ったつくりの物語ですが、ミステリーとしては、設定だけ聞いても予想がつくような話なので弱いと思います。 なので謎解きを求めるような人には薦めることはできません。 しかし、本来見えるはずなのに見えない、語られるはずなのに語られない事柄を想像しつつ、語りイコール騙り、の妙を楽しめる小説です。 狭い意味のミステリーとしては弱いかもしれませんが、叙述に凝ったミステリー/小説が読みたいという人には、無条件で薦めることが出来ます。 | ||||
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評判になっていたので期待しましたが、かなりクオリティの低い小説だと感じ、それが好評だと言うことのほうに驚愕しました。盲目の小説家とタイピストという設定だけで読み初めから終わりまで容易に予想がつく展開といい、何故この小説が好評なのか理解に苦しみました。翻訳にも難有り。装幀にも難有りです。 | ||||
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独白と会話だけで展開するストーリーなんで、閉所恐怖症の人にはお勧め出来ないかな(特に終盤は・・)「動機」がかなり「ガッカリ」もんでしたんで星一つ | ||||
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タイトルから、書き方から、何も彼もに気を使った、秀逸なミステリ。じわりじわりと進んでいく怖さ。そして、じわりじわりと染みこんでいく怖さ。けして派手では無いけれど読み終えたあとしばらく、閉じた本を見詰めてしまいます。 | ||||
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ひとつは、読み終えた直後の恐怖。怖い。もう一つは、読み終えて冷静になって、じわじわっとやってくる恐怖。読者は、登場する盲目の作家と同じく「何も見えない」。閉所恐怖症の人にはかなり怖すぎると思う。ユニークな体裁、サスペンスと現代文学の要素、どれをとっても非常に良く出来ています。 | ||||
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まず独白と会話文だけなのに少し驚く。続いて中盤の展開でおや、と思わせる。最後にこの本自体の仕掛けに感嘆する。内容を詳しく書くと面白味が薄れるため、詳述できないのがかなり悔しい。が、この常套句だけは言える。読んで損無し……と。 | ||||
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「閉じた本」は、遅読のぼくでも半日で一気読み。全編99%が会話。失明した作家と、彼の目として雇われた青年のやりとりが続き、作家が青年の言葉の誠実さに疑いを抱くところから一気に緊迫していきます。ところがこの作品、実はミステリの皮をかぶった小説論なのかも。タイトルの「閉じた本」が暗示するように、自己言及小説の究極であって、しかも/しかし、ものの見事にエンターテインメント。帯の宣伝文句『結末にやってくる驚き』は、ミステリの結末としても、「現代文学」の結末としても一級品と思います。 | ||||
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