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シリウスの道



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シリウスの道の評価: 4.10/5点 レビュー 59件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.10pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全59件 41~59 3/3ページ
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No.19:
(4pt)

しびれました

ハードボイルドは苦手なのですが、この筆者の描く人物には
なぜか母性本能をくすぐられてしまう。
頑固さ、無鉄砲さ、純粋さ。そしてダメさ加減が絶妙。
登場人物同士の、しっかりかみあった会話のテンポも
すごく心地よかった。こんな会話、少なくとも自分の日常生活には
ありえないな、と思いつつ。
今回の作品は、企業小説としてもじゅうぶん興味深かった。
広告業界の中身が、まるでドキュメンタリーのよう。
テレビドラマ向けの題材ではないでしょうか。
どこかでドラマ化するといいなあ。
シリウスの道Amazon書評・レビュー:シリウスの道より
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No.18:
(4pt)

藤原伊織の総決算的な作品

  「ひまわりの祝祭」の絵画、「てのひらの闇」の広告、「蚊トンボ白鬚の冒険」の株取引といった素材を再投入、さらには、酒以外にはホットドッグしか出さないバーを舞台装置として「テロリストのパラソル」の世界観、登場人物に接続する総決算的な作品となっている。「テロリストのパラソル」のアル中バーテンダー島村と著者自身を足して2で割ったような主人公の造形といい、広告業界の内情の踏み込んだ筆致といい、なりふり構わぬ全力投球ぶりは、本書の中の言葉を借りれば“未来永劫”を考えない腹の据わりを感じさせる。退職、癌宣告といった著者の私生活と決して無縁ではないだろう。本著には著者略歴が記載されていないが、本作自体が著者プロファイル、といった趣がある。主人公の38歳という年齢が、藤原伊織本人で言えば「ダックスフントのワープ」でデビューした時期に当たっていることも興味深い。
 藤原作品の主人公は、ハードボイルド作品の常としてダンディズムを身につけている。その“美学の中味”には正直辟易する部分もあるのだけれど、“やせがまんの矜持”だけではなく“弱さ”も自覚しているところに共鳴する。主人公は“赤の他人に自分の弱点を無条件に晒すことのできる”人間には結局勝てないと実感している。本書の評価は、弱さを晒さずに現実の虚飾を生きてきた団塊世代(主人公の実年齢と乖離はあるけど)が、「あの時代にもどれるとしたら...」「どんなに貧しくても、あの時代にみんながもどれたらいい」と本音を漏らすことの是非によっても分かれるだろう。
 メール、Webといった新しいメディアと電話の使い分け、プレゼン案のディテールのリアリティなどはさすが。吉田修一の「パークライフ」の舞台だった日比谷公園がこの小説でも印象的な場面で使われているが、大手町、銀座からほどない距離のあの場所は、現実から過去への回路なのかもしれない。
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No.17:
(4pt)

企業小説として見れば非常に面白い

各種ミステリランキングに入っていたため興味を惹かれ購入しました。広告代理店を描いた企業小説部分が非常に面白く、主人公の幼馴染に対する脅迫などミステリ部分が余計に思えるくらい。
現実の広告代理店がこんなプロ集団なのかはよくわかりませんし、こんなに凄い入社間もない新人や派遣社員がいるわけはないよと思いつつも、プレゼンをチームでつくり上げていく様はある意味感動的ではありました。
企業小説として読めば、非常に面白い作品だと思います。
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No.16:
(3pt)

人気ありますね!でも、広告業界の説明がくどいかも

新聞をとるのを辞めてから、新聞の書評や広告で本を選ぶことがなくなったんですが、珍しく新聞でみて面白そうだと思い読みました。
個人的にすごく気になったのは、社長の御曹司の描写がちょっと類型的に感じたことです。
著者は広告代理店勤務だったそうなんで、実際にいろいろな社長さんや役員の方に会った経験から書いているかと思うのですが、
歴史ある一流上場企業はやっぱりこんな感じの人が多いのかな?
以前レディージョーカーを読んだときの印象を思い出しました。
そういう類型的なキャラクターとしての設定だからそれでいいといえばいいんだけど、何か気になりました。
良く考えれば、再開した幼馴染の描写もありがちだったような…
ただ、ありがちなキャラクターを適所に配し、ストーリーを安心して楽しめるようにするという意味では優れた本でした。
今度、テロリストのパラソルも読んでみます。新宿公園の爆発って良くわからなかったし。
逆だね読むの。
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No.15:
(5pt)

「テロリストのパラソル」とあわせて読め!

舞台は、大手広告代理店。ご本人が勤務先の電通を退職したことで、ようやくその世界を書けるようになったとは、どこかのインタビューで語っていたこと。営業部に属する副部長・辰村は、無頼とも見える男だが仕事は出来る。彼の部署に飛び込んできたのが18億もの扱いになる大規模な競合案件だった。しかし、その裏には辰村の過去が密接に関わっていたのだった…。貧しかった大阪での少年時代と当時密接につきあった友人たち。その影に潜んでいた悲惨な事件。人間の業とも呼べそうな過去と広告という現代的なビジネスが絡み合ってストーリーは進む。江戸川乱歩賞受賞作「テロリストのパラソル」の登場人物も姿をあらわし、濃密な世界が描かれる。全編一挙に読めるくらいの面白さだが、この作家についてはいつも感じるように、エンディングがさりげなさ過ぎるかな。逆に言えば、拍子抜けするような終わり方。もう少し、余韻が楽しめると嬉しいのにね。しかし、エンターテインメントとしては最上級でしょうね。
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No.14:
(5pt)

面白い

大手広告代理店の副部長、辰村がこの作品の主人公である。25年前の大阪で友人明子のためにおこした事件とそれに関連した脅迫事件を軸に、新規ネット証券会社のCM獲得のための活動、女性上司との恋、新入社員の成長をうまく絡めて、一級の作品に仕上げている。作者が広告業界出身のせいか、その内幕を読むだけでも十分に楽しめる作品である。一方、作品の前半部分では一般人にはなじみの薄い広告業界用語が登場人物の説明無くぽんぽん使われており、内容をつかむのがすこし難しかった(なぜか作品の途中からこの問題は解消する)作品のエンディングもありきたりの終わり方でないのがよい。
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No.13:
(2pt)

う~ん

いまいち、主題が絞りきれていないような話でした。何を一番の柱にして書いたのかちょっとぼやけているような感じでした。広告業界は全くわからないから読んでいて???って所もありました。でも藤原さんの本はかなり面白いので、個人的にはファンです。シリウスの道はいまいちだったけど、また次回作に期待したいです。
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No.12:
(3pt)

藤原伊織なのに。

今私が一番好きな本は何年か前からテロリストのパラソル。もう、この一冊に限る!!切なさと愛おしさとハードボイルドが見事にマッチして、それはそれはすごい本でした。だから、ちょっとだけ、期待し過ぎたのかなという感じ。お話自体はよく書けているし、広告業界の裏面が見えて面白い。そして、やはりどこかハードボイルドな主人公が出て来る。あのバーもホットドッグも出て来るし何も言う事はないのだけれども、テロリストほどの感動はない。というかもうあの作品を超えるものはきっと誰にも書けないのではないかと思います。
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No.11:
(4pt)

次から次へと事件がてんこ盛り

次から次へと事件が起こり、本から手が離せません。ここまでてんこ盛りにしなくてもという気もしますが面白かったです。業界出身だけにすごく詳しいです。
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No.10:
(3pt)

作者の意図が見えない。

藤原伊織の最大の魅力は、「登場人物の語り、セリフの描写」がとても旨く、印象的である点であると私は思うが、その点において、本作は傑作テロパラ以降、その特筆すべく描写テクニックを十二分に楽しめる佳作に仕上がっている。但し、結果的に経済小説として読むべきなのか、ハードボイルド小説として読んで欲しかったのか、作者の意図が自分にはわからなかった。作者が長年仕事をしてきた広告業界の表、裏を見事に描いた作品ではあるが、器用貧乏的な中途半端さから読後感は消化不良をおこしてしまった。ちょっと残念。
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No.9:
(4pt)

ストーリーテリングの妙は相変わらずだが...

稀代のストーリーテラーとしての藤原伊織は健在であり,時間を忘れて読者をひきつけるだけの読み物としての魅力は十分。広告業界の裏事情も知ることができて,非常に面白い小説であることは間違いがない。しかし,この小説の決定的な弱点は,あまりに現実味のない偶然の積み重ねが連続するプロットにある。広告業界の話がかなりリアルなトーンで描かれているのに対し,本筋のシナリオは荒唐無稽という謗りは免れないところであろう。面白く読ませてもらったので,値段のもとは十分に取ったと思うし,エンターテインメントと割り切れば何ら問題はないのかもしれないが,このストーリーはさすがに行き過ぎだろう。ということで星四つ。
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No.8:
(4pt)

緻密に構成された業界物語

著者の前身である広告マンを主人公に広告業界を舞台にしたミステリ作品である。広告代理店の内情の描写はリアリティにあふれるもので、そこがこの小説の第一の魅力である。見た目の華やかさとは裏腹な人間同士の泥臭い駆け引きを、ニヒルな味付けをされた主人公が切り抜けてゆく様は、多くのサラリーマンの共感を呼ぶところである。涙腺を刺激する描写が微妙に散りばめられており、職業の悲哀を嫌が上でも感じてしまう。また、訳ありの過去を持つ3人が25年という歳月を超えて引き合う部分がミステリの主要部分を構成しており、ここが第二の魅力となっている。3人を結びつける13歳の頃のスケッチが、物語の進展に絶妙のスパイスを与えており、最後まで飽きさせずに読ませてくれる。以外に平凡なラストは評価の分かれるところかと思うが、登場人物の性格設定を考えれば、ごく自然なラストシーンとも言え、好感が持てる。
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4163240209
No.7:
(3pt)

アド界で生きる孤高の狼

斯界に嘗て身を置いたものとして興味深く読みました。メガ代理店といえども仕事(ヤマ大きな仕事はそう呼んだ)は独りで立ち向かうもの、冷徹に孤独に戦う姿は孤高の狼を感じさせます。ヤマが表なら三人の大阪の過去の友情は裏。これが文字通り表裏一体となって物語りは展開する。表と裏が運命の綾となって展開する物語はミステリアスである。一般には知られない広告代理店の内幕が分かって面白い。結末は次にに引き継がれるだろうから次刊が期待される。
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4163240209
No.6:
(3pt)

ラストが・・・

忘れようとしていた過去の秘密が突然あらわになる。明子の夫に送られた、明子の過去を暴く脅迫状。差出人は誰なのか?なぜあの出来事を知っているのか?そのことが辰村の仕事にも影響を及ぼす。広告業界の競争に勝ち残るのはどこか?また脅迫状の結末は?そしてそのふたつはどう関係しているのか?緊迫したままの展開が続いていく。広告業界の内幕もとても興味深い。読み手を最後まで飽きさせないストーリーの組み立ては見事だった。ラストは、こんなものだろうという思いも多少はある。しかし、私としては違ったラストを期待したかった。そこだけが残念!
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4163240209
No.5:
(4pt)

大ファンではありますが・・・

著者がブレイクした「テロリストのパラソル」からのファンで、週刊文春連載時はグッと読むのを堪えて、単行本化とともに一気読みしました。著者の作品の特徴として、テーマについての深く綿密な知識、主人公が(表面上はともかく心では)社会不適合者であること、でも自分に対し厳しく律する(その規範の根源は主に過去の自分の行動や記憶)、そして敵対する者が「完全な悪」ではない、などが上げられるかと思います。本作も例外ではなく、これまでの作品の読者なら、展開はある程度は読めるのではないでしょうか? にも関わらず作品としての完成度が高いのは、「ミステリー」部分以外の人間像・・・前向きに生きようとしても過去に引きずられ、過去の戻らないことを知りながらもその記憶、心の在り方を胸に抱えて生きる姿が胸を打つからでしょう。主人公と、真のヒロインである女性が再会し街角で別れるシーン、そして主人公が敵対する者(実際には「仲間」であり、気持ちのうえでは敵ですらないのですが・・・)と巡り合うシーンは、読む者の胸を強く打ちます。が・・・☆4つ(過去の作品はほとんどグリグリの☆5つです)なのは、主人公たち(大阪時代の3人)を除くと登場人物がやや類型的な造形になっていること、広告業界の内幕は興味深いものの物語との関わり方が曖昧なところなどでしょうか。。。過去作のような、時間の作用によって峻厳と言ってもよい関係に変わらざるを得なかった大切な過去の人間関係は姿を潜め、とこか温かみと曖昧さの残る、人同士の触れ合いが印象に残ります。が、水準を超えた作品であることは間違いないので、一読を強くお薦めします。再読すれば私の感想も変わるかも知れないし・・・また、著者が病気を克服して作品を世に送り続けることを祈念して止みません。。。
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4163240209
No.4:
(4pt)

相変わらず魅力的な登場人物たち

藤原伊織さんの小説を読むといつも主人公のようにストイックにありたいなと思う。もう登場人物だけで白飯が食べることができます。テロリストのパラソルのあの人物を登場させるなんて粋な計らいも鳥肌もの(←ニュアンス違うが許して)でした。さて中身ですが今までのミステリ長編小説からは色合いがかなり薄まった、逆に言うと妄想、突飛的なところが無くなった現実的な作風でした。(ぁ、ストイック色も薄れてます・・・より世相にシフトしたと言ったら良いのかな?)その意味で『サプライズ!』はありませんでしたが、代わりに『爽快感』がありました。また、藤原伊織の醍醐味である『遣る瀬無さ』健在です。まあ、これが現実といった所なのでしょうか(認めたくはありません)でも惹かれてしまう・・・
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4163240209
No.3:
(1pt)

残念・・・・

個人的には、期待はずれの作品でした。今回の作品は、若干、藤原伊織らしからぬ話になっています。なにより、藤原伊織独特のニヒリズムに欠けている。また、話の構成や細部についても、結構、気になる点が数多くあります。ただ、広告業界を題材としたビジネス小説としては、かなりの出来なんだろうな、とは思います。藤原伊織を読むというよりは、ビジネス小説を読む、という感覚で捉えたほうがいい。そういう本だと思いました。
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4163240209
No.2:
(5pt)

藤原伊織!!

一晩で読み切ってしまいました。それくらい面白かったです。これまでの彼の作品と比較しても最高の部類に入るんじゃないでしょうか?広告業界を扱ったものとしては喜多嶋隆さんのがあり、彼の文章は軽快感そのものですけど、藤原氏のものは輻輳するプロットといい、文章の小気味よさといい、さらに大事な現実感といい満点に近いんじゃないでしょうか?少なくとも私にとっては久々に面白い読み物に出会ったと言う印象です。最後の終わり方からするとシリーズ化を期待したくなります。
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4163240209
No.1:
(4pt)

いつもながら登場人物の会話の妙にはうならせられます。

主人公の辰村祐介が大手広告代理店の営業部副部長という設定は著者の藤原伊織さんが長く勤務していた大手広告代理店を近年に退職することではじめて可能になった。広告業界の内幕のリアルさは流石。競合プレゼンテーションの過程をプロットに辰村の幼馴染とのエピソードを折込んだ構成も相変わらず巧み(少し手が込みすぎた印象も受けた)。何より登場人物たちの会話の妙にはうならせられます。藤原さんの作品は全部よんでます。過去の長編の登場人物がその後の長編に出てくることはありませんでした。今回は「テロリストのパラソル」の登場人物ひとりがでてきて、それがこの作品をさらに魅力的なものにしています。
シリウスの道Amazon書評・レビュー:シリウスの道より
4163240209

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