■スポンサードリンク
(短編集)
ダックスフントのワープ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ダックスフントのワープの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ハードボイルドではない藤原伊織。 でも、なんとなくの硬質さは藤原伊織みを感じるよね。 伊坂幸太郎の初期作品が好きな人なら、きっと楽しめると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作「ダックスフントのワープ」は私が知りうる限り、最高の小説の一つです。 発達障害、多様性など多くのテーマを内在し、そしてかつ答えをそこに求めないそんな要素で溢れてます。 借金返すために筆者が書いた作品とは思えません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表題作は、藤沢周さんのヘーゲル的解釈にはついていけなくて、単純にL.キャロルふうな世界としてたのしめた。 すれっからしの女教師がダックスフントの話をききたがるのは、虚無を抱えつつも、わずかに童心を残していて、 少女時代はマリのような自閉ぎみで好奇心旺盛なこどもだったからかもしれない。 マリと女教師は、こども・おとな一対のことなる表象といえるのではないだろうか。 作中人物のなかでもっともクールなのはいっけん女教師だが、じつは僕で、虚無的というより徹底した無関心を つらぬきとおす。自閉のマリを開放しようとダックスフントの話をきかせながら、本当は自己にも他者にも 無関心という背理を含んでいる。 「ネズミ焼きの贈りもの」は、愚鈍な麻生のネズミ殺しがひたすら不気味だ。千代が洩らすつぶやきはやや感傷的だが、 これによって視点人物は他者への無関心を捨て去る。 表題作と対極にあるようだけれど、捨てたのは他者への無関心だけで自己に対する無関心は保っている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
書店万引きの現場で再開した千代と、彼女の語った兄の最期。檻の中の絶望と檻の外の死、あるいは幸運を巡る『ネズミ焼きの贈りもの』。宿命と闘って負けを選んだひとつの人生が、17歳の妹に遺したものは鉛のように重い。 表題作『ダックスフントのワープ』冒頭の軽快な語り口は、マリとの"広辞苑"的な会話の中で姿を変えてゆく。 往復書簡のような対話編。ひとりの言動がひとりに与える影響の強さ。 衝撃に彩られたラスト・シーン。 自らの創作が自らの人生にオーバーラップする、その瞬間。 傑作と呼びたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
やっぱり伊織さんは泣かせてくれます。読んだのがちょっと前なので正確な輪郭は忘れましたがとにかく泣かされました。ダックスフントのワープはよく覚えています。この本で伊織さんの全著作制覇しました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どんなテクストでもそれを読んで感じる感じ方は本当に様々であると 思いますが、このストーリーには人の中のなにかを揺さぶる力が ある気がします。 短く読みやすいストーリーなのでぜひ一読をおすすめします。 私は藤原伊織さんの作品の中でも特に表題の作品が好きで、 なぜこのストーリーがこれほど気になるのか考えてしまいます。 (この本には他に1作品入っています) 現代社会において多くの人が命にかえて守るべき、「意思のちから」を もたない様に見える 中で、なによりも大切なもの (それはとても「悲劇的な宿命」と呼ぶのにふさわしいけれど)が そこにはあって、 そしてさらに「悲劇的な宿命」の周辺に残された 悲しみにくれる人達も、自ら物語を造り上げることによって多分 救われてゆくのだろう・・ だからこの物語は決して単なる悲劇なんかではないんだと、 最終的に思わせる、大変奥深い作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実家に忘れてきたので、2冊目を買いました。透明感を持ちながらも、ずっと心に残り、また読みたくなります。 メインストーリーに挿入されている、主人公の語る「ダックスフントのお話」。そこだけ取り出して一冊の絵本にしたいほど、美しく鮮烈な印象を受けました。藤原伊織さん、童話作家になってほしい。。。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1日10ページは辞書を読んでいて、難しい言葉を使う小学生のマリに、その家庭教師である主人公が話して聞かせる、ワープしたダックスフントの話と、現実の話とのふたつで成り立つ話。わたしはこれが、今まで読んだ中で一番印象深くて、一番好きな本です。思慮深くてテンポがよくて、ユーモアもあって、ものごとの本質をついているような気がする。奥まで読めばきりがない。でも、この本は小学生の子供でも読めるんだと思うんです。おとなが読んでもこどもが読んでも楽しめる作品。そういうのが多分すぐれたものなんだと思います。映画とかにも共通することだけど。おすすめです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人に心を開かない少女の家庭教師がダックスフントのワープの話を聞かせる。そこから彼女は何を学んだのか。表題作は読後悲しさとともに、私に何か温かいものを残してくれた。残る短編、「ネズミ焼きの贈り物」「ユーレイ」も佳作。 登場人物全員に漂う奇妙な諦め、静けさ。でもそこにあるのはけして絶望ではなく、皆何かを失いながらも前を向こうとする。人物が不思議と魅力的だった。 読んだあとに深く考えごとをしたくなる。そんな本。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!