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いまひとたびの
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いまひとたびのの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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図書館の予約している本を待つ間の 積ん読本の整理 相当前に友人が置いていった本を 先に読んでいた母の本棚から探し出して読了 母は読んだ 本が気に入ると 私がまだ読んでいないのに 自分の本棚に納めてしまうので うっかりすると 忘れてしまう 読みながら参りました もしかして私が今読むためにあったのか ちょうど同じ世代の人の心境の 今のこと 昔のことを 季節の景色や花の描写も交えて 実に上手い文章で ぐぐぐ〜っと心に迫ってきました。 そして解説は北上次郎 書いた当時は30年前で まだこの短編集の 一つのテ-マになっている死からは ほど遠い若々しい解説で その彼も今や向こうの人だと思うと 余計に切ない | ||||
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私は71歳の男です。 志水辰夫さんは、1936年生まれの方でご存命です。 以前( 2002年頃 )数冊本を読んだようです。 布団の中で読める本はないかなぁと思って志水辰夫著『いまひとたびの』を読み始めました。 短編集だし丁度いいかなぁと思って読み始めました。 以前数冊読んだ志水辰夫氏の記憶では、『 50歳代初めの自分には重たい 』と思っていました。しかしそのうちもう一度読んでみたいとは考えておりました。 精神安定剤と睡眠導入剤を服用して眠気が襲うまでと毎日ちまちま読んでいました。 思った以上に感覚的に合うのを感じました。 志水辰夫さんが1990年代の後半に書かれたと思われる作品が今の自分にフィットするのです。 書かれたのが60歳過ぎで( あろうと思う )、その頃の定年や寿命から感じておられたであろう風景が今の自分に合うのです。 どの小説の中の風景だったかは定かではありませんが、『 北海道の厳冬期の凍てつく平原、その中に独り住む老いさらばえた男 』って感覚が20年前の自分には受け入れられませんでした。もっとも、その小説が何であってどの描写かまでは記憶にありません。 今回手にした『いまひとたびの』中の10編の短編のうちまだ4編しか読んでいません。その中にでてくる各々異なる主人公が何かしら今の自分と同じものを持っている感じがするのです。その寂寥感がたまりません、20年前感じていた違和感はきっと自分が歩む道だと思っての違和感なのでしょう。今はそれが共感に変わっています、そして20年前の違和感は“ 無明 ”のような感じだったのだとわかるのです。 “ 無明 ”・・・無知とは違い将来の闇がわかっていながらのそれから抜け出ることのできない人間の業のような感覚、それを20年前の自分は違和感として感じていたのだと思います。 20年前に読んでいた『きのうの空』、それに対して“面白い本だった”と日記に書いている自分がいます。次には『きのうの空』を読んでみようと考えています。 寝床の本から素面の自分が“ 志水辰夫 ”さんに対峙したいと今は考えています。 | ||||
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この作者の「花ならアザミ」をリアル本で、購入して、読まずに、本棚に置いたままだったのですが、「今ひとたびの」を少し読んで、改めて読もうとして、本棚で発見して、又どこかに、置いたまま(家のどこかに、あるのは確かw)まだ発見出来てないので、どうしても、読みたくなって、Kindleで、サンプルを読んで、又、有りそうな場所を探して、まだ発見出来ず、Kindleで、電子版買っちゃおうかなー?!wと思っているバカな私が笑える!wでも意地になって、リアル本まだ探すつもりです!。早く発見したいです!w。 | ||||
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ハードボイルド系短編の名手。いい短編集。どの作品も巧いです。シミタツさんがもうこういうものを書かなくなっているのは、残念です。 | ||||
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作者は父母と同世代。昭和を生きた男ですね。田舎の独特の空気感を都会との対比で書くのがうまい。 「この国では故郷という言葉が死にかけていた。繁栄に対する寂寥、盛に対する衰というものがあるだけ」 (P203)とか、あるいは「やはりこのめまぐるしいテンポは、人間本来の動きをはみ出しているような 気がしてならない。認識なり思考なりの方が引きずられてしまうのだ」(P18)とか。田舎を田舎として 書くのではなく、様々な角度から眺め相対化することによって紡ぎ出される空気感は作者ならではだ。 都会との単純な比較ではなく、こうした地に足の着いた田舎の描写に「家」を絡ませることにより一種独特な 世界が展開されていく。反面、都会や同僚(サラリーマン)を軸にした話は「田舎」を軸にした作品に比べる といまひとつだったように感じる。 二十数年前、日本じゅうにコンビニエンスストアが林立し出し田舎が変貌したことを、ツーリング仲間と大変 憂えたような記憶があるが、今回これを読んで田舎はこうした「夾雑物が込み」になった世界なのだなと今更 ながら感じた。ディスカバージャパンではあるまいし、適当に利便性の効いてる田舎なんてもうないのだ。 あるのは「都会が矮小化された田舎」と「限界集落もしくはそれに近い田舎」だけである。 | ||||
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ぐいぐいとドラマチックに引っ張っていく展開の小説に慣れてしまうと、こういう淡々とした物語に、なんとなくもの足りなさを感じてしまう。それなのに、なぜか最後まで読み終えた。 登場人物は俺より一回りほど上の男性ばかりで、彼らの人生の一部を切り取って描いた短編集。生と死にからめて、少しだけファンタジックな要素の入った短編もある。おそらく若いころに読んでも、そんなに面白いとは思わなかっただろう。43歳になったいまだからこそ、なんとなく分かる感情、心情。そういうものが描かれていた。 小説の世界に、そっと手を引いて連れて行ってくれるような、そんな本だった。 | ||||
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忘れ水の記の舞台は湯村温泉ではないかとかってに想像して行って見た。予想と違わず相当小説に合致する気がした。 | ||||
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古本で偶然手に入れた志水辰夫作品が面白かったので、購入してみました。男のロマンというのか、古臭いけどストレートで主人公が魅力的でした。 | ||||
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注文後すぐに届きました。 保存状況もよく、使用感もほとんどなくてよかったです。 | ||||
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志水さんの作品が好きで購入しました。安価で良品が購入でき満足しています。 | ||||
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友人に薦められ、一晩で読破しました。 志水さんの本は初めてでしたが、死を迎えつつある人間そして その周りの人達の心情、葛藤、思いを独特の文脈で表現しています。 季節の花、木、緑を効果的に文面に取り込みまるで自身が主人公が 如くの内容でした。 好き嫌いはあるかもしれませんが、寂しくなった時、つらいことが あったとき等、一人でサイドスタンドの明かり1つの部屋で飲み物 片手にじっくりと浸りながら読まれることをおすすめします。 | ||||
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単行本が出たときに、シミタツ節を期待して買って、がっかりしたのが13年前。 そのとき、私にはまだ死は遠いところにあった。 いま、死との距離が縮まって読み直してみた。 実に味わい深い作品ばかり。 短編集だからといって、時間が空いたときに読むのではなく、 この本を読むために時間を作ってゆったりと読んでいただきたい。 小説を読み飽きた、濫読ばかりしているという人にお薦めの一冊。 | ||||
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全ての短編が「死」を迎えようとしている人々の物語。死に向かって人は何を思うのであろうか。死に向かっている人の周りの人間は何を考えるのであろうか。その時、奇跡が起きる。以前恋した女性の、面識も無い娘に、「母をごぞんじだったんですね」と言われる。ずっと援助してきた娘に自分の隠した援助を理解される。 魂を揺さぶる短編集です。 | ||||
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銘々が30頁前後の短編小説9つを収めた一冊です。 すべての物語に共通する主題は、死によって喚起される自らの来し方です。描かれる死は、迫り来る自身の死であったり、老親の覚悟していた死であったり、いつの間にか往来が途絶えてしまった旧友の死であったりします。老境へと足を踏み入れ始めた年齢にある主人公たちはそうした死を目の当たりにして、日々の営みの中では特段気に留めることもなかった物事や、時が押し流していくだけだった往時の記憶へ、改めてまなざしを向けることになるのです。 志水辰夫の小説は初めて手にしました。人生のやるせなさやほろ苦さを一度ならず引き受けたことのある男たちの心模様を、ぐっと抑制をきかせた文章で描きだす力量は絶品です。ほれぼれします。 私の心を最も打った作品は「忘れ水の記」。中学高校時代を過ごした村を30年ぶりに訪れた男は、かつて思いを寄せていた旅館の先代女将の面影を、その娘である若女将に見ます。自分にはもっと大きな可能性があるという思いを抱えて東京へ出た男。村に残り、老舗旅館の女将となることを定められていた女。後に事故死した彼女を追想しながら男は旅館のハクモクレンの枝に、あるものを吊り下げます。それを見た娘の若女将が口にする言葉が物語の最後の一行に現れます。その一行が、解消できない思いを抱えながら生きてきた男の三十年を表すと同時に、その果たせなかった思いがわずかに報われたことを美しく描きだします。志水辰夫の巧みな筆致に心震わされ、痺れる思いがしました。 全編を振り返ってみると、それぞれの死がもたらすものは、何かの終わりでは決してなく、その死を引き受け、受け継ぎながら、人間は明日もやっぱり生きていくのだな、という事実です。 メメント・モリ。身近から死が遠のいたといわれる昨今、この小説群によって謙虚にその言葉を思い返しました。 | ||||
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この短編集に共通して描かれているテーマは「死」だが、単に悲しいだけでなく優しい気持ちにもなれる作品。それは「愛」も描かれているからだろう。愛の対象は様々だ。親、昔の恋人、第三者。この「死」と「愛」の両輪が個々の話を傑作に仕上げている。それぞれの話が濃く、そして重い。軽く読む事も出来るが、ゆっくりと読んで欲しい作品。ハードボイルド作家としての志水辰夫しか知らない人、要チェックですぞ。 | ||||
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とにかく、感動し、泣いた、傑作短編集。 人生のふとした出会い、めぐり合いにまつわる、やるせなさ、刹那さ、優しさ、哀愁をみごとに表現し、読後、深い感動に引きずり込まれるのだが、主人公たちの自己抑制が効いていることで、さらに涙がとまらない。 濃密な文体、短編ながらも重量感のあるストーリーで、最高の1冊。すべての方に御一読を薦める。 短編集なので、どの短編から読んでいただいてもよいが、個人的には冒頭の「赤いバス」が秀逸。 一人だけになれる空間で、ゆっくり、誰にも邪魔されずに、読んでください。 | ||||
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この作品の魅力は「乾いた孤独感」といえばいいだろうか。ただ、「乾いた」といってもすぐに生身がむきでてしまうような、そんなあやうい繊細さのうえにのっかった「かさぶた」のような乾きである。ハードボイルドならぬソフトボイルド。中身も一皮向けば血の滴るような生々しさをずいぶんと残しているのに、側(がわ)はしっかりしている。でも本当は脆弱。ぎりぎりで中と外がバランスしている。寂寥感に溢れる佳作である。 | ||||
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