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青年のための読書クラブ
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青年のための読書クラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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「少女の世界」では、醜いものは「異端」、女っぽすぎるものも「異端」。 男との恋愛は少女の価値を下げる。 性の存在に気づきながら、それを曖昧にすることで「世界」を維持している。 その「世界」を創った人物が実は…という構造も象徴的だ。 時代とともに移り変わり、ついには崩壊に向かう「世界」の中で、常に当事者でありながら観察者であり、記録者であり続けた「異端」の読書クラブだけが不変であり続けることを予感させる。 読書クラブこそがそもそも「世界」の母体であることを考えると、その結末は意味深い。 | ||||
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「少女の世界」では、醜いものは「異端」、女っぽすぎるものも「異端」。 男との恋愛は少女の価値を下げる。 性の存在に気づきながら、それを曖昧にすることで「世界」を維持している。 その「世界」を創った人物が実は…という構造も象徴的だ。 時代とともに移り変わり、ついには崩壊に向かう「世界」の中で、常に当事者でありながら観察者であり、記録者であり続けた「異端」の読書クラブだけが不変であり続けることを予感させる。 読書クラブこそがそもそも「世界」の母体であることを考えると、その結末は意味深い。 | ||||
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山の手のカトリックの女子校、世間の人にはよく見えない小さな社会。その正史に現れない少女たちの50年史。 名前の美しさ、主人公たちの少年のような語り口。外国文学とのリンク。ひと息で読み進めました。原作を手に取りたくなる作品だと。 でも少々違和感。これは何だろう。 私は作者がどのような方かよく存じませんが、おそらく彼女は、そういう世界に身をおいたことはないのだろうなぁ、と思います。だから書けるのだと思うのですが。 特に創立者・聖マリアナの過去が非常にわくわくするものであったとしても、現実のカトリックでの聖人の扱いや、教会組織、修道院や修道会のあり方などに、誤解と無理解があるように思います。村でただ一人の敬虔な助祭の娘、ってあなた、何気なく書いてますが、それはカトリック的にはスキャンダラスな話で、それだけでマリアナという少女は…ってことをご存知ないのでしょう、と。 日本のカトリックの女子校については多少お調べになったようですが。 確かに、私の指摘は似たような環境の内にいた者の違和感であり、細部に過ぎないのだと思います。 そういう点を差し引いてもなお、面白く読みました。 | ||||
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山の手のカトリックの女子校、世間の人にはよく見えない小さな社会。その正史に現れない少女たちの50年史。 名前の美しさ、主人公たちの少年のような語り口。外国文学とのリンク。ひと息で読み進めました。原作を手に取りたくなる作品だと。 でも少々違和感。これは何だろう。 私は作者がどのような方かよく存じませんが、おそらく彼女は、そういう世界に身をおいたことはないのだろうなぁ、と思います。だから書けるのだと思うのですが。 特に創立者・聖マリアナの過去が非常にわくわくするものであったとしても、現実のカトリックでの聖人の扱いや、教会組織、修道院や修道会のあり方などに、誤解と無理解があるように思います。村でただ一人の敬虔な助祭の娘、ってあなた、何気なく書いてますが、それはカトリック的にはスキャンダラスな話で、それだけでマリアナという少女は…ってことをご存知ないのでしょう、と。 日本のカトリックの女子校については多少お調べになったようですが。 確かに、私の指摘は似たような環境の内にいた者の違和感であり、細部に過ぎないのだと思います。 そういう点を差し引いてもなお、面白く読みました。 | ||||
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もう十年以上前に、共学の学園で女の子が王子様になる難しさを描いたアニメがあった。 少女革命ウテナ。 子供向けアニメの枠で放映されていながら、タブーとされた領域を正々堂々表現した。 本作の世界観や宝塚的要素は、ウテナの世界観を彷彿とさせる。 その一方で、男のいない世界とは如何に異常で面白いかを教えてくれる。 いや、そこには女すらいない。 少女という、期間限定の奇妙な生き物にしか許されない世界だ。 そんな珍妙で不可思議でどこか哀しい世界をたっぷり味合わせてくれる、素晴らしい作品である。 | ||||
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もう十年以上前に、共学の学園で女の子が王子様になる難しさを描いたアニメがあった。 少女革命ウテナ。 子供向けアニメの枠で放映されていながら、タブーとされた領域を正々堂々表現した。 本作の世界観や宝塚的要素は、ウテナの世界観を彷彿とさせる。 その一方で、男のいない世界とは如何に異常で面白いかを教えてくれる。 いや、そこには女すらいない。 少女という、期間限定の奇妙な生き物にしか許されない世界だ。 そんな珍妙で不可思議でどこか哀しい世界をたっぷり味合わせてくれる、素晴らしい作品である。 | ||||
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聖マリアナ学園という女子校の100年の歴史、それも正史から削除された裏の歴史の断片を切り取った5つの短編は、赤い色に彩られている。同じく、黒にも隈取られているのであるが、この赤の色合いが際立つほど、面白い話であったと私は感じた。 群れの規格から外れた醜さは、自我を形成し、他から己を屹立させる契機として働く。その醜さは、たいていは身体的で外見的な特徴でありすぎることなのだが、その表現がえげつない。しかし、作者に愛情はある。群れに同化しない人々を見守る物語なのだから。 時間がいくら流れ、時代が変わり、人々は過ぎ行く客に過ぎなくとも、さして変わらぬ人の性。政治や流行、マスコミとは無縁に、読書と中立、目立たぬことを愛するへんなやつらの習慣と振る舞いは、少しずつ姿を変えようとも、きっと連綿と続いていくのである。 | ||||
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聖マリアナ学園という女子校の100年の歴史、それも正史から削除された裏の歴史の断片を切り取った5つの短編は、赤い色に彩られている。同じく、黒にも隈取られているのであるが、この赤の色合いが際立つほど、面白い話であったと私は感じた。 群れの規格から外れた醜さは、自我を形成し、他から己を屹立させる契機として働く。その醜さは、たいていは身体的で外見的な特徴でありすぎることなのだが、その表現がえげつない。しかし、作者に愛情はある。群れに同化しない人々を見守る物語なのだから。 時間がいくら流れ、時代が変わり、人々は過ぎ行く客に過ぎなくとも、さして変わらぬ人の性。政治や流行、マスコミとは無縁に、読書と中立、目立たぬことを愛するへんなやつらの習慣と振る舞いは、少しずつ姿を変えようとも、きっと連綿と続いていくのである。 | ||||
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舞台は都心山の手にある、幼稚舎から大学まで備えた名門 聖マリアナ女学園。 クラブ活動には二つの花形、生徒会と演劇部がある。 6月に行われる聖マリアナ祭では毎年、投票によって全学生の憧れの「王子」が選出され、 例年であれば、いずれかのクラブから美少女が選出されていた。 しかし、1969年、学園のはみ出し者の集まり「読書クラブ」から 「王子」が選出されるという歴史的珍事が起きる。 1969年から2019年まで、読書クラブのメンバーがおこす 5つのエピソードが、それぞれ古典小説になぞらえながら展開されていく。 ひたすら共学だった私には未知の領域、女子高。なかなか面白かったです。 主役にはなることが無いと思われていた、本人も思っていた少女が、 あることをきっかけに加速度的に脚光を浴びていく展開は痛快です。 きちんと幕引きされる終わり方も爽快でした。 | ||||
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お嬢様学校にて行われる「青年」を選出するイベント。 女性の花園にて必要とされる憧れの存在。 学園はそこにいつも注目をしている。 その注目とは一線を課して、密やかにでも確実に存在する「読書クラブ」 活動こそじっくりとしているが、 学園の正史には載らない裏正史ともいうべき文書を残し続け、 その存在を確固たるものにしている。 物語としてじっくりと味わいたい一冊。 | ||||
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お嬢様学校にて行われる「青年」を選出するイベント。 女性の花園にて必要とされる憧れの存在。 学園はそこにいつも注目をしている。 その注目とは一線を課して、密やかにでも確実に存在する「読書クラブ」 活動こそじっくりとしているが、 学園の正史には載らない裏正史ともいうべき文書を残し続け、 その存在を確固たるものにしている。 物語としてじっくりと味わいたい一冊。 | ||||
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舞台は都心山の手にある、幼稚舎から大学まで備えた名門 聖マリアナ女学園。 クラブ活動には二つの花形、生徒会と演劇部がある。 6月に行われる聖マリアナ祭では毎年、投票によって全学生の憧れの「王子」が選出され、 例年であれば、いずれかのクラブから美少女が選出されていた。 しかし、1969年、学園のはみ出し者の集まり「読書クラブ」から 「王子」が選出されるという歴史的珍事が起きる。 1969年から2019年まで、読書クラブのメンバーがおこす 5つのエピソードが、それぞれ古典小説になぞらえながら展開されていく。 ひたすら共学だった私には未知の領域、女子高。なかなか面白かったです。 主役にはなることが無いと思われていた、本人も思っていた少女が、 あることをきっかけに加速度的に脚光を浴びていく展開は痛快です。 きちんと幕引きされる終わり方も爽快でした。 | ||||
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舞台は女学園。そこで繰り広げられる出来事はまるで宝塚。 何十年もの長きに渡り受け継がれているクラブ誌に書かれた 内容は、どれも面白かった。聖マリアナの生い立ちの部分、 学園創立にまつわる話もすごくよかった。でもひとつ気に なったことがあった。桜庭さんの作品は「赤朽葉家の伝説」に ついで2作目だが、この作品を読んでいるとどうしても 「赤朽葉家の伝説」に登場する毛鞠の人生について描かれた 部分を思い出してしまうのだ。内容はまったく違うのに、 語り口が似ているというか、同じというか・・・。特に、ロックに 目覚める少女山口十五夜についての話でそれを強く感じた。 表現方法、ワンパターンすぎないだろうか? | ||||
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舞台は女学園。そこで繰り広げられる出来事はまるで宝塚。 何十年もの長きに渡り受け継がれているクラブ誌に書かれた 内容は、どれも面白かった。聖マリアナの生い立ちの部分、 学園創立にまつわる話もすごくよかった。でもひとつ気に なったことがあった。桜庭さんの作品は「赤朽葉家の伝説」に ついで2作目だが、この作品を読んでいるとどうしても 「赤朽葉家の伝説」に登場する毛鞠の人生について描かれた 部分を思い出してしまうのだ。内容はまったく違うのに、 語り口が似ているというか、同じというか・・・。特に、ロックに 目覚める少女山口十五夜についての話でそれを強く感じた。 表現方法、ワンパターンすぎないだろうか? | ||||
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嗜好する世界観は退廃・耽美と言ってしまえるが ゴシックな鎧の内面はことのほかユーモラスであり その意外に健康的な横顔はたいへん微笑ましい。 ケレンが多すぎて、作品として 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』 に劣後する点は否めないが、 このキュートさは憎めない。 | ||||
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嗜好する世界観は退廃・耽美と言ってしまえるが ゴシックな鎧の内面はことのほかユーモラスであり その意外に健康的な横顔はたいへん微笑ましい。 ケレンが多すぎて、作品として 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』 に劣後する点は否めないが、 このキュートさは憎めない。 | ||||
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いくら時がたとうが、少女たちの本質は変わらない。 しかし時代は確実に流れるもので、やがて新しい慣習が少女たちの世界を襲う。 基本的には変わらない閉じた世界で生きる一風変わった読書クラブの少女たちが見た、ある時代の断片がここにはある。 ただ、私には難しかった。 桜庭氏の作品では度々、少女の一人称に「ぼく」が使われるが、それにしても今回使いすぎではないか。 そこに大きな意図(読書クラブの不変性?)があるような気もしたが、残念ながら私には分からなかったのである。 | ||||
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いくら時がたとうが、少女たちの本質は変わらない。 しかし時代は確実に流れるもので、やがて新しい慣習が少女たちの世界を襲う。 基本的には変わらない閉じた世界で生きる一風変わった読書クラブの少女たちが見た、ある時代の断片がここにはある。 ただ、私には難しかった。 桜庭氏の作品では度々、少女の一人称に「ぼく」が使われるが、それにしても今回使いすぎではないか。 そこに大きな意図(読書クラブの不変性?)があるような気もしたが、残念ながら私には分からなかったのである。 | ||||
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名門お嬢様女子高を舞台に、作者得意の伝奇小説が繰り広げられる。女子高という特殊な小社会で、宝塚歌劇のような物語が語られる。うらぶれもののアウトロー集団「読書クラブ」の歴代部員が中心人物だ。 パロディーめいた語り口が独特で面白い。 | ||||
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いいよ、これは。 映画『桜の園』の中原俊、少女マンガの大島弓子の世界だ。 つまりは、女であることを受け入れられない時期の感性を描き出している。 最近でこそ同一何とかかとかいって、市民権を得ているわけだが、当時はなかったわけです。 次作も期待。 | ||||
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