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クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識
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クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全80件 21~40 2/4ページ
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世界から超越論的とも呼ぶべき距離によって隔絶してしまっているかのような無の一点から無限に吐き流される反語、以て自己を世界を、無際限に否定し打ち消し階層化していく、虚無という縁の無い穴に放り込んでいく、殆どニヒリストと云っていいアイロニスト。かたや、世界と自己との間に一切の間隙が無いかのような、まるで世界とその内包がぴったりと一致してしまっているかのような、無意味な世界が差し出す安いハリボテ同然の物語への陶酔・忘我・合一を希求し無邪気にその可能性を疑わないでいられる、ロマンチスト。 前者には、後者の無邪気さは『甘え』であった。しかし前者にも後者と同根の『甘え』があった。 ロマン主義とは、ロマン主義的アイロニーを通じることで、ニヒル・アイロニズムの"起源"ではないか。精神の機制の変容という意味での。ロマン主義は自己を断片化する世界の即物性に対して、自己の絶対的な全体性を希求する。世界が自己に強要する即物的規定に捕捉されまいと自己否定し続けるロマン主義的アイロニー。その無際限の自己否定の運動の果てに、ついにはロマン主義的な美への無邪気な肯定性は摩滅し、ニヒル・アイロニズムだけが自己と世界への否定運動だけが残された。 前者は後者に自らの"起源"の影を視たのではないか。もはや自分が生きることのできない生の機制を生きているロマンチストに。そこにはロマンチストの無邪気さへの屈折したルサンチマンがあったのではないか。羨ましかったのではないか、もはや羨ましいとすら思えなくなってしまった自分と比したロマンチストの無邪気さが。あの断罪は羨望の裏返しでしかなかった。だとするならば、甘えていたのはニヒル・アイロニストのほうだ。そのことに彼は自覚的であるし現にそう述べているが、そのことは何の免罪符にもならない。『甘えるな』と自責しながら彼は女に甘え続けるだろう。ニヒル・アイロニストのポーズを取りながら。 | ||||
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一作目二作目に相対してもやはりさらに面白いと感じる作品。 戯言使いの戯言使いたる素性をみました。 事件から解決までの流れにはさまれる戯言。 零崎との掛け合いも見所。 | ||||
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戯言シリーズで一番面白いとの評判だったので期待していたのですが、 個人的にはクビキリサイクルの方が楽しめました。 価値観の違い云々の話しは面白いと思ったけど、出てくる人ほぼ全員それだったので、何でもアリだなっていう印象。 ただ、ラストの巫女子とのやりとりの意味が全く別だったことが分かる下りは鳥肌ものだったし、零崎人識といーちゃんの関係も面白かった。 個人的に玖渚友が大好きなので出番が少なかったのは残念。 | ||||
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物語の中盤までは主人公の全ての事に対しての無関心さにイライラして非現実感を感じていました。ですが中盤から「戯言」「人間失格」「欠陥品」という言葉が出てくるたびに少しずつからめとられてしまったようです。読了後はそういうこと、そういう人もいるかもという気分になってしまいました。 普通に暮らしている人には信じられない犯罪を犯すような人は人間失格に見えますがそれはただ自分ひとりの感性。誰とも共有できないし検証することもできない。 後味の悪い話ですが結局誰が悪いのか、それとも悪くなかったか、どうすれば惨劇を防げたか、そもそも防ぐべきだったのか・・・。考えがこんがらがる作品でした。 | ||||
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たまにくどい文があるものの、基本的には読みやすく面白く、はまりました。中後半まで一気に読み進め、主人公のとあるリアクションに感情移入しかかっていたら、まさかあんなオチになろうとは…。作者にまんまと踊らされたと言うか。論理ではなく倫理的にもやもやする! | ||||
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物凄くよくできている作品であるのはたしかである。作者の才能はホンモノである。 巫女子ちゃんは本当に可愛い。これ以下は完全に読者である私の好みの問題である。 作中であれだけ人を死なせておきながら、 結果的には、主人公のウヌボレた自意識が慰撫されるだけ……というのが消化不良であった。 他人の死を自分の自意識の慰撫につなげ、偉そうな講釈を垂れて満足する主人公の姿は、最大級の変態オナニストに見えた。 主人公の自意識を慰撫することに重きが置かれた小説は大抵キモチ悪いと決まっているので、 そのキモチ悪い題材をこれだけ読者に食わせる形に仕上げた作者の技量が凄まじいのはよく分かる。 それでも、思春期のスノビズム的な会話の中で、主人公の自意識過剰が満足する合間に、 単なるゲームの駒として若い命が消されてゆく様には、どうしても虚しさ・寂しさを禁じ得なかった。 然しながら、たぶんこれがこの作者の持ち味なのだろう。 | ||||
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ジャンルでいえば推理小説です。しかしただの「推理小説」ではありません。主人公に「謎」が多すぎる。戯言シリーズ1作目からそうですが、なぜ主人公が自分のことを「そう」思っているのか、なぜ「そんな考え」を持っているのか、なぜ主人公がそう考えることに「至った」のか、読者の興味をひき、物語に引き込みます。最後に大転換が待っていますので、この作品を読み切ったあと、必ずもういちど読み返したくなるはずです。視点を変えて何度も読みたくなる、そんな小説だと思います。またお笑いパートもあり、言葉遊びがふんだんに盛り込まれているのもさすが西尾維新先生、といった感じです。自分は深夜、偶然アニメ化物語第一話を見て興味を持ち、先の展開が気になって我慢できず小説「化物語」を読み、小説「刀語」と進み、やっと”戯言シリーズ”に辿りつきましたが、おかげで寝不足の毎日です。自身は「化物語」「刀語」考えさせられ、味わい深い話だと思っています。おすすめです! | ||||
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一般人なのに、一般人らしからぬ行動・言動をとる、自称傍観者の《ぼく》。記憶力は悪く、見た目性格共に平々凡々な語り部。本名は明かさず、いーくんいーちゃんいー兄いーたんのあだ名でしか呼ばれない主人公。不思議、奇怪、そして魅力的。今回、彼は《殺人鬼》と出会いました。サブタイトルの彼ですね。鏡のあっちとこっちのような2人。殺人鬼と、大学生。《我慢》をしていたら《殺人鬼》は《大学生》に、していなかったら《大学生》は《殺人鬼》に。そんな、まるで択ばなかった人生の方の自分とであう訳です。‥私は、《殺人鬼》より《大学生》の彼の方が怖かったです。もしかしたら、皆さんの中でそう思っている方は少なくないんじゃないでしょうか。最後の、章。人類最強によって暴かれた、最後の謎。主人公の真実、事件の真相。そして、人間の、真意。‥真面目に語りましたけど、私はこれでもまだ未成年の女の子です。超いーくん格好いい。惚れますよ、アレ。いーくんピンチ!零崎登場!なシーン。運命、いや必然、いや偶然の出来事。それでも、やはり鏡なんだと思いました。次の作品も、早々に見なければ。 | ||||
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いーちゃんは本当に人間なのでしょうか?最後にはそう考えざるを得ない結末です。間違いなく一作目を上回る出来です買って損はしません | ||||
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戯れ言の中でも一番バッドな作品です。鬱にならないよう注意! | ||||
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「クビキリ〜」を読んだ後に本作を読みました。 戯言シリーズは本作以降、バイオレンス・アクション・ミステリー なんでもありでかつ登場人物が大事にされない不毛なシリーズに なります。(本作の登場人物も大事にはされていませんが。) 本作では被害者の想いと加害者の想いを主人公の視点から語られます。 他人の感情を理解できない主人公が懸命に被害者の想いと加害者の想いを 冷静かつ冷酷に理解しようとする様が秀逸に描かれているように思います。 ミステリーとしても悪くないです。 「請負人」が登場するまで、気を抜かずに読めます。 戯言シリーズの中で、目立たないながらも一番の作品だと思います。 | ||||
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一作目と主人公のキャラが全く変わっていますね。 前作も違う意味で(ナルシスト的な)イタイキャラでしたが、今作はただの電波くん。 イタイ中学生そのもの。邪気眼でしたっけ?そんなかんじ。 まだ前作のイタさのが良かった。 出来の悪い奈須キノコですか西尾維新は。 主人公は気持ち悪い、エンタメとして見たらスッキリしない、ミステリとして見たらバカミス……非常に残念です。寿命を無駄にしました。 さようなら西尾維新! | ||||
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前巻よりも面白かったです。 トリックのほうは特に凝ってるわけでもなくどちらかと言うと動機に凝ってる?のかもしれません。 それと個人的なことですが、私は本の主人公と同じ大学同じ学部同じ場所に下宿してたと文面から推測できるので、学内での描写などはすごく情景が思い浮かび親近感が湧きました。 | ||||
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終盤の怒涛の謎解きが、それまでの心理や状況の描写に細かく鮮やかにリンクしていく。 その圧倒的な数の伏線に圧倒されるような興奮を感じながら、 ワクワクとゾクゾクが入り混じったような凄まじい読み応えを味わえる。 歪みきった心理を緻密な論理で物語として構築した西尾維新の筆力は本当に見事だと思う。 読みやすさも抜群でかなりすらすら読める。 前作のクビキリサイクルと繋がる部分があるので、 それを読んでいるとさらに楽しめるし、それ故の面白さが多々ある。 シリーズ通して読んでみたいと改めて思わせてくれる作品。 | ||||
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戯言シリーズ2作目…面白いです。前作クビキリサイクルでは、中盤まで非常に読みにくい印象を受けたのですが、今回は出だしから話の中に引き込まれました。何故だか…いーちゃんの思考が私が常から持っている思考感覚と似ている気がしてきて、感情移入しやすいというか、いーちゃんが次は何を考えるのかと気になってどんどん読み進めてしまいました。そして…小説のタイトルにもなっている彼、零崎人識。…惚れました。既に文庫が出る以前に読んでいたので文庫版はすぐに買うつもりは無かったのですが、最初のカラーイラストに惹かれて二冊購入…。何をやっているんだ私は…と若干反省しながらも、満足です。 | ||||
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戯れ言シリーズ、2作目は京都を舞台にした連続殺人事件。自分の写し身のような殺人鬼、零崎人識との邂逅。大学で知り合ったクラスメートたちの次々の死。人間関係という不安定なバランスに不安定要素が入り込んだとき、崩壊を始める日常。語り部「いーくん」の無感情な、他人事のような、それでいて容赦のない振る舞いが、事件を解決にみちびくのですが・・・。人間関係とはなにか?生きてゆく意味とは?連続殺人事件の中に、現在の人間関係、友人というものをシニカルに表現した傑作と思います.独特の西尾維新節に中毒になりそうな予感です. | ||||
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西尾維新の戯言シリーズのパート2。 前回の孤島での惨劇から、日常の生活に戻ったいーちゃん。大学に入学したての彼に強烈な個性を持った友人ができて誕生パーティーに招待される。しかしそこで起きるのは、惨劇。 本領発揮です。 今回の事件は孤島というギミックなどはない、ごく日常で起きたモノ。よってその日常が友人のあっけない死で壊される描写は孤島の時よりもビクリとさせる。また、今回は殺人鬼・零崎人識が登場するのだが、コイツの思考はかなりやばい。彼と主人公が殺人論議するシーンでは主人公もまた、普通じゃないことを知るだろう。 本編のクビシメ殺人の謎と同時に、零崎という殺人を良しとする存在を描く事で、この物語全体を西尾維新の「あっけない死」ということがじつにリアルさを帯びてゾクゾクさせる。 2作目にして衝撃の展開です。 これでもかと容赦ない仕打ちの数々。 この混沌とした世界で生きる主人公・いーちゃんに注目したい。 | ||||
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二巻目にして戯言シリーズ最高傑作。 この作品以降主人公であるいーちゃんの受動化が加速し、それにつれ物語がどんどん解体、破壊され、物語の意味が空虚化していきます。 その構造はとても興味深く面白いけれど、完成度という意味ではこの作品がピカイチでだと思います。 魅力的なキャラクターとよく出来てるプロット。まさに上質なエンターテイメントとして安心して読める。 今作でも相変わらずいーちゃんは受動的な奴ですが、その意味合いが他の巻とは決定的に異なります。 受動的故に能動的という逆説が今作の面白みです。 | ||||
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殺人事件はクリスティの「アクロイド」と「そして誰もいなくなった」を足して割ったような構成になっており前作ほど上手いトリックが使われているわけではない.本作の醍醐味は心理描写にある.純粋な,純粋すぎる思い.それをたったの一言で完全に否定する.後味はともかく秀逸な作品だ. | ||||
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『戯言シリーズ』の2作目,02年05月のノベルスの文庫化です. ミステリとしてもまずまずだった前作とは雰囲気が違っており, どちらかと言えば,事件は物語のためのきっかけくらいの印象で, 犯人やトリックなどより,動機や人間関係が強く出ているようです. 中でも,主人公の内面が嫌悪感を抱きそうなほどに深く描かれ, ほかの人物が崩れていくさまも,エグいながらも読みどころです. 主人公の酷さや冷たさばかりが目立っている『やり取り』にしても, 真相が語られたあとからでは,また違って映るのではないでしょうか. また,『ひと言』で一気に引き落とされる最後がなんとも言いがたく, 締めに綴られたシンプルな英語のメッセージが苦い余韻を引きずります. これ以外にも,過去への意味深な思いや暗い未来を暗示する言葉など, 前作と同じく詳細は語られないものの,まだまだ広がりそうな感じです. ノベルス版との違いは,表紙,扉絵,アトガキ,表紙袖にある前口上で, 文庫版オリジナルのしおりとカラーの扉絵はサブタイトルにある少年くん. 加筆や修正の類は,これからの文庫化でもできるだけおこなわないそうです. なお,先の少年くんをメインに据えた新作が今後四部作で予定されており, 08年08月の『メフィスト』誌から先行掲載,書籍化されていくとのことです. | ||||
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