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裏庭



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【この小説が収録されている参考書籍】
裏庭 (理論社ライブラリー)
裏庭 (新潮文庫)

裏庭の評価: 4.03/5点 レビュー 68件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.03pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全68件 21~40 2/4ページ
No.48:
(5pt)

最高の内面的ファンタジー

2011年の秋冬に読んだこの本は、その年で読んだ中で最も最高だと思えるくらい感動的でした。

テーマは心の傷で、自分の傷の背負い方について物語に沿って述べてくれます。
人は無意識に建前の鎧を作ってしまったり、誰かに心の傷の共感を求めてしまったりと、脆くて儚い人の心の姿を魅せます。
傷は癒すモノではなく育むモノだと教えられた時、何かを受け入れる力が大きくなった気がします。

少々ネタバレしてしまいますが、
裏庭にある裏の世界の住人は、現実の表の世界の住人の鏡であるという数々のファンタジックな発想に感嘆させました。

凄くオススメで、知人にも勧めたら好評でした。
あなたも是非読んでみてはどうでしょうか?
裏庭 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:裏庭 (新潮文庫)より
4101253315
No.47:
(5pt)

我が家のヘビロテ本、同じ本をこれほどまで、何度でも読み返したくなるのははじめてです

実はこの本を購入したのは3回目。一冊目は娘が中1、息子が小6のころ。まず私がはまり読み終わった本を息子がよんではまり、ついで娘がはまり、読み終わると、娘は書店で次々と梨木香歩さんの作品を購入。それをまた、私や息子が次々回し読みすることになるのですが、回ってくる番を待つ間にまちきれず、必ずまた読みかえしたくたくなるのがなぜかこの裏庭。 それは私だけではなく、子供たちにとっても、24歳と、22歳になっ現在でも、ときどきむしょうに読みたくなる1さつのようです。あまりのにぼろぼろになり、数年前に息子が再購入、まだまだこの先も同様に繰返し読み続けそうなので今回もう一冊で、とうとう3回目の購入になりました。

ちなみに、我が家はそれぞれが好きな作家、好きな本が大量にあり、それぞれ勝手に買いまくり、読みまくってもそれほどだぶるlことはないのですが、小川洋子さんと、裏庭と、オテル モル だけはなぜかよくかぶります。
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4101253315
No.46:
(5pt)

少女のための物語

中学生の頃、夢中で読んだ。テルミィと年齢が近い間に読んでいて良かったと思う。
 テルミィが冒険した裏庭はおそらく象徴的な世界なのだろうけれど、その意味などを深く探索せずに読むのが吉。
 テルミィに寄り添って裏庭を巡るうちに、満たされなかった心がいつの間にかふっくらと満ちているのに気づく。
 たまに読み返したくなる作品。
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4101253315
No.45:
(3pt)

中身があらかじめ分かるパックツアー

評判が高かったし、表紙絵が気に入って購入しました。
似ているなと思ったのはエンデ『はてしない物語』とル・グイン『ゲド戦記』。
得体の知れない影に追われるところなど、そっくりです。
たぶん影響を受けているのではないでしょうか?

主人公が裏庭に入ってすぐぐらいまではすごくワクワクしました。
が、そのあとは決まった場所に連れて行かれるパックツアーのようでした。
特に裏庭の前半は、主人公が目的地にダイレクトに着いてしまい、
そこに着くまでの過程に冒険があるわけでもなく、正直少しだるかったです。
おまけに目的地に着いても、主人公は試練を与えられるわけでもなく、
出会った人たちから、いかにも有難いお話を聞いて納得するだけ。
それで成長してるということのようですが、私は共感できませんでした。
それこそ、成長するには「傷」が伴うだろっ!と突っ込みを入れたくなりました。

裏庭の後半では、だいぶ試練がありますが、
成長の代償ともいうべきものが欠如していたので、試練を乗り越えるきっかけが曖昧でした。
そもそも主人公の葛藤が分かりにくいのも気になりました。
色々と抱えているのは分かるのですが、
本当にそれをどうにかしたいと思っているのかという疑問がつきまといました。
そのような共感できないキャラクター作りが、読み終わってももやもやしていた原因かと思います。

ただ、題材とかモチーフは非常に面白かったです。
もう少し時間をかけて構成をしたらもっと面白い作品になっていただろうと思います。
なにか、頭の中にあるものを吐き出すように書いて、無理やりまとめたために、
勢いやパワーのあるものになった。けれどちょっと荒削り。そんな印象です。

また、著者が言いたいことは非常によく分かりました。
逆にテーマをストレートに書きすぎというのは気になりましたが
(もう伝わってるのに、わざわざセリフや地の文で書いてくるのはげんなりしました)、
この本を読んで高評価をつける人がいるのも納得できます。
しかしだからこそ、そのメッセージ性を主人公を通じて感じられなかったことを残念にも思います。
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4101253315
No.44:
(5pt)

タイトルに反してファンタジー

 この作者の作品では「西の魔女が死んだ」が、中学生などの課題図書に推薦されていて有名だと思うのですが、あちらはタイトル的にファンタジーかと思いきや現実味の多い話で、こっちは「裏庭」というタイトルながらファンタジー色の強い作品でした。
 ファンタジーの基本は作者の幻想から記述される非現実的なものの描写の連続である。
 この「裏庭」も例外ではなく、他に輪をかけてファンタジーであり、コロウプのような新たな生命体を登場させ、人外の理を決定づけて読者を暗闇へと突き落としていく。
 主人公照美は、そんなファンタジーの世界で、非現実的な理屈の連続の中で道を探していく。
 なぜ「裏庭」なのか。
 おじいさんの話などに少しだけ序盤に語られるが、読んでいるうちにはすっかりそんな世迷いごとのような理屈は頭から抜けていき、照美の冒険と現実世界の平行して進行する内容の会合を心待ちに読んでいくことになるだろう。
 そのうちに改めて「裏庭」に対するイメージの固定化がおこなわれ、そしてなぜこのタイトルとなったのかが納得できるようになる。
 比較的描写の多い照美やさっちゃんの心の動きはともかく、登場しないのではないかと思われた父の心の動きにも感動できる。
 結論といえば、科学的あるいは幻想世界的な理屈ですら測れない見事なファンタジーである。
 もちろん完結はしている。
 そして妙に納得させられ、他人を思う気持ちや人生について考えさせられるのは称賛せずにはいられない。
 重ねて書くけどこの「裏庭」という表現の扱い(特に「庭」かもしれないが)には感心した。
 なんか心が広がったみたいなのだ。
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4101253315
No.43:
(3pt)

言いたいことは分かるんだけど…

すっごい読みづらい本だった。高評価だったから、それなりには期待して読んだけど…うーん。やっぱり人の評価ってあてにならないなぁとつくづく思った。
そんなに長くない本なのに、読み終えるのに3日もかかった。だいたいは、一息で読んじゃうタイプなのに。
ちょっと読むと眠くなったり、退屈で違うことしちゃったり…。こんなにのめり込めなかった本って久しぶり。
話は、日本版の不思議の国のアリスかな、という感じ。それよりはちゃんと作ってあって、感じ取って欲しいことが明確に示してある。
全体的に、誰にも、あんまり感情移入して読まなかった。客観的に、本当に「本を読んでいる」感じだった。入っていけないのに話は進んでいくから、ちょっと締め出された感がある。
でも、裏庭に入る前の照美の渇いた感じとか、虚無感とかは、梨木さんだなぁっていう静かさと、ある種の清さみたいなものがあった。西の魔女が死んだもそうだけど、そういう雰囲気は好き。
心に留めておきたい言葉もいくつかあった。パパは最近「徹夫」でいる時間がほとんどない、というくだりは、ああ、大人ってそうやって子供だった自分から遠く離れていくんだな、って悲しくなった。鎧が人生を着ているっていうのも考えさせられるし。一番ギクリとしたのがやっぱり傷だろうなぁ。
スナッフが言った言葉。「自分の傷と真正面から向き合うよりは、似たような傷を品評する方が、遥かに楽だ」って。
自分の傷は見たくないし、触りたくも無い。だから人の傷を見てあれこれ言う。心理学科のわたしは、おおいにギクリとしました笑
全体的に退屈感は否めないけど、一回は読んで損はないかなぁという感じだった。
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No.42:
(4pt)

果てしない物語へのオマージュ?

ずっと探していた本です。
冒険は少年だけの専売特許ではないのでは?
主人公が旅にでる→障害にぶつかる→旅から戻ってくる、という冒険もので、主人公が少年ではなく少女だったらどんな話になるんだろう?と。
この本に出会って、ようやくその願いが叶いました。
面白い!買って読む価値ありです。
ただ、面白いのですが、この面白さを表現するのが難しい。
善悪の二元論に単純化しない、いい意味での割り切れなさや、現実世界の人間関係への言及は「果てしない物語」のようでもあるし、自分自身の内面の庭を持つ、というところは「風の谷のナウシカ」にも通じる。よくわからない問答をするキャラクターは「アリス」っぽくもある。「庭」を嫌ってしまった祖母が、なぜ娘ではなく、まだ生まれぬ孫の名前に呪文をかけていったのか、読者がいろいろと考える自由が読者に与えられているのもいい。
作者の好きな冒険ものの要素を全部詰め込んだ、そんな作品なんじゃないかな。
若干駆け足ぎみで、あらけずりな印象を受ける部分があったので、☆4つ。
とはいえ、私はこの作品、好きです。またいつか、読み返すことがあると思います。
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4101253315
No.41:
(4pt)

「裏庭」をめぐる不思議な話

 古い洋館とそこに暮らしたバーンズ家にまつわる秘密の「裏庭」を描いたファンタジー。近所に住む主人公の少女照美やその家族、バーンズ家の人々の過去と現在が、「裏庭」を介して不思議な糸で結ばれている話。
 私の場合は、「裏庭」の中の世界の部分は余りに荒唐無稽でついていきにくかったが、現実の世界の部分は、謎めいたバーンズ屋敷の雰囲気や登場人物の配し方、話の展開が上手だなあと感じた。
 私のような中高年男性も、たまにはこんなミステリアスな話を読んでみるのもいいのかもしれませんね。
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No.40:
(5pt)

傑作

宮崎駿を超えるんではないか?と思えるほど、想像に富んでいて、内容の濃い、こどもが主人公の本だった!
宮崎駿さんに頼んで映画化して欲しいと思う。
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4101253315
No.39:
(5pt)

三世代の傷の物語

生きるということ自体に向き合うならば、それは矢張りどうあっても、繰り返し傷を抉るような過酷なものにならざるを得ず、多くの青少年のための文学がそうであるようにこれもまた矢張り過酷な物語です。
主人公は三世代分の傷を無自覚に背負っており、だからこそ恐らくはあの旅をする資格を得た。多くの人々がたどり着けなかった、あの終わりの場所に彼女が到達したのは、それらの三世代分の痛みと傷を引き受けて自己を構築することに成功した結果なのだろうと思います。
そこへついにたどり着けなかった多くの死者たちが居て、痛みに蓋をして魂の死者のように生きてきた大人たちが居て、
けれどそれらはひとつも無駄にならなかった。
そこへたどり着けなかった死者達の残したものを手繰って、彼女はすべてを終らせる場所へと辿りついた。その果てへついにたどり着けなかった多くの人々が居て、しかしその多くの人々の残したものは、確実に彼女の足許を照らす明かりになっていた。
だから結局この物語のなかでは、
無駄に終った旅はないし、意味のない命もなかった。
意味のない想いもまたなかった。
実際にわたしたちは、多くの言えなかった言葉や果たせなかった抱擁、届かなかった手、流すことのなかった涙を無数の傷のように絶えず葬りながら生きている。それらは決してゆくべくところに届くことなく、二度と開くことのない墓場に永遠に埋葬されてそして無となる。
わたしたちはそのようにして生きているのだけれど、この物語のなかでは、それら無数の果たせなかった物語が、根の国でひそかな水脈となり、すべてが行き着くべきとことへと行き着いた。こんなことは本当はありえないのだけれど、わたしはそれが本当に嬉しかったのです。
主人公を導き最後の場所へと辿りつかせたのは、他でもない、そこへ辿りつくことの出来なかった人々だった。三世代分の傷は三世代分の力であり手がかりであって、その傷ゆえに「テルミィ」は世界を蘇らせる最後の場所へ辿りつくことができた。
だから彼女の旅の終わりは、周囲の大人たち、分けても彼女の両親のひとつの旅の終わりとなったのだと思います。
この物語のために作者はとても優しい嘘をついた。このうえなく巧妙に、やさしい嘘をついた。出来ればこれが嘘だと気づけない年頃のうちに、つまりは小中学生の間に、出会ってほしい本ではあります。
他者への想いは決して無駄にならない、言えなかった言葉もいつか届く、それは確かに嘘なのですが、この嘘をまづ信じることも、これから生きてゆくなかで身を切るほどの哀しみを怒りを悔恨をやまほど経験するだろう、年若いひとには必要だと思うのです。
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4101253315
No.38:
(4pt)

ココロの庭。

丘の麓の無人屋敷には、
現実世界と“裏庭”とをつなぐ大鏡があります。
“裏庭”は死の世界にとても近いところ。
照美は、偶然、否、必然的にも
その鏡をくぐり、その異界へと足を踏み入れるのだ。
そして荒れた“裏庭”を修復させるため冒険の旅に出る。
双子の弟の悲劇的な死。
そして、自分を見ようとしない
両親との希薄な関係。
それは、現実世界において
自分の価値を見出せずにいた彼女の
成長と自立の旅でもあったのだ。
“裏庭”には
様々なジブリ的、ドラクエ的な生物が登場し
テルミィ(照美)を助け導いてくれる。
地中に棲む不吉なモノもいる。
くろみみず、とかね。
そして彼女が訪れる街は
どこもバランスがくずれ、ねじれが生じている。
例えば、チェルミラ。
ここでは、ヒトは絶えず傷つき血を流している。
そして癒し手と呼ばれる人たちが、
ほつれた袖を繕うかのように
簡単にその傷を癒していく。
その繰り返し。
唯一正気を保つ“おばば”は言う。
「あらわになった傷は、その人間の関心を独り占めする。
傷が、その人間を支配してしまうのだ。
本当に、癒そうと思うなら、
決して傷に自分自身を支配させてはならぬ」
さるきちは、その言葉に胸がチクリとしました。
魚の骨が喉に刺さったみたいに。
さるきちのココロの傷も、
ともすれば、さるきちを支配する力を持っているのだ。
「真の癒しは鋭い痛みを伴うものだ。
傷は生きておる。それ自体が自己保存の本能をもっておる」
ただ馴れ合いの癒しは“癒し”に非ず、
それこそ、病気に依存しているコトなのだ。
テルミィはね、そうやって
多くの不可解な体験を通じ、
自分を深く、深く掘り下げていくのです。
自分の傷とは?
癒しとは?
時に、仲間に刃を向けるほどの
激しい憎悪の念に襲われたり、
実際に暴力に及んだりもします。
一方で、子ども泣きに泣いたりする。
それってね、
現実世界では忘れていた感情だったのね。
無意識に、ココロの奥に
押し込めていた感情だったのよね。
そして、最後に彼女は言う。
私は、頭のてっぺんからつま先まで、
ぴっちり私になりきりたい。
さるきちも、同じように叫んでた。
さるきちも、さるきちになりたいのだ!!
照美の母は、愛情を受けずに育ちました。
アダルトチルドレンであったともいえるでしょう。
だから照美に対してもうまく愛情が注げなかったのです。
冒険を終えた照美は、
一歩も二歩もおとなになり、
そんな母をも受け入れ、
家族のつながりを回復させることができるのでした。
さるきち、この本をベストタイミングで
読むことができたように思います。
ココロの井戸に降りる勇気をもらい、
さらに、その先にある希望を感じさせてくれる、
そんな素敵な小説でした。
ヒトってね、きっと誰しもココロに“庭”を持っていると思うの。
庭ってね、手入れをしないと荒れ果てちゃう。
でも、一方で、手を加えすぎても
整然としすぎて魅力がないのかもしれない。
草木に愛情をもって応援し、
隆盛も衰退も積極的に見つめてあげる
秩序通りに植えてなくたって、
ちょっとぐらい雑草が生えていたって、
バナナの木があったって、
それも愛嬌。
自分なりの“庭”であればいいのよね。
裏庭 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:裏庭 (新潮文庫)より
4101253315
No.37:
(5pt)

ジブリ好きならきっとハマります

昔、英国人一家の別荘だった洋館。世代を超えて様々な物語を紡ぎ出してきたこの洋館の「裏庭」に、主人公の少女、照美は入り込んでしまいます。
裏庭の世界は、世にも不思議な異次元世界。不思議なものとの出会い。不思議で危険な体験。そして、自分自身を見つめる旅。
照美の魂の成長と、世代を超えた「つながり」の恢復が大きなテーマになっています。
「千と千尋の神隠し」をもう少しだけ複雑な世界に仕上げた感じ、というのが一番ぴったりくる案内ですかね、個人的には。
#なんとなく日本の神話がモチーフになっている感じも似てるし。他にもいろいろと。
それにしても、日本人にもこんなファンタジーを書ける人がいるんですね。さすがは梨木香歩さん。
ちなみに本作品は、1995年に第1回児童文学ファンタジー大賞を受賞しています。おそらく他作品を寄せ付けない圧勝だったことでしょう。
この作品、非常に重層的な構造をしているファンタジーなので、大人でも十分満足できる深い内容になっています。僕も一回読んだぐらいじゃまだまだ消化しきれないぐらい、いろんなものが詰まった濃度の濃い物語。でも、だからといって、重々しい雰囲気は全くありません。むしろふわふわと清々しい空気が全体に満ちていて、とても気持ちがよい。そして最後は、ぽろぽろと涙がこぼれる・・ (;u;) あぁ、ホントに素敵。
#ちょっと傷ついたり落ち込んだりしたときには、また読み返したいな。
まあとりあえず、ジブリが好きな人は読んでみましょう♪特に「千と千尋」好きなら絶対に読むべし。
裏庭 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:裏庭 (新潮文庫)より
4101253315
No.36:
(5pt)

愛すべき1冊

何回も何回も読めば読むほどに、物語の持つ奥深さがひもとかれていく、素晴らしい本です。
この本には色々なテーマが出てきますが、物語を通してのメインは、小さい頃に亡くなった、照美の双子の弟、「純」のお弔いの話であり、「純の死」によってバラバラになった人たちの心を、照美が純のお弔いをする事でまた繋いでいく、という事だと思います。
「死んだという事を周りの人がきちんと受け止められず、無い物になっていた純」、「純が死んだ」という事で、存在を消されそうになっていた照美。
純が、この物語の大きな核であると気付くと、更に楽しめるのではないかと思います。(明確に書かれていないので、分かるまで大変だと思うんですが・・・私も4回目くらいで気付きました)
人の死、自分の持つ感情、人との関わり、生きていくこと、自分自身について。
子供よりも、大人の方が、沢山の勇気や発見を貰えるのではないでしょうか。
私は、生きずらさを感じたとき、照美の辿った道筋をもう一度辿ると、また少しずつ自分を愛せるようになります。
人生の中で、愛すべき1冊です。
裏庭 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:裏庭 (新潮文庫)より
4101253315
No.35:
(5pt)

2回目から!

正直文章にまとまりがなく、初めて読んだときは読むのすら苦痛でした・・・
でもストーリーを理解して、細部に目を配ることが出来るようになると、なんて面白い。
あれはこういう意味だったんだ・・・、こういう意味かなと深く考えることができる本です。
まとまりのなさも裏庭の雰囲気を醸し出すためのことなのかも。
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4101253315
No.34:
(5pt)

誰もが心の中に「裏庭」を持っている

 誰もが心の中に庭を持っている。
 庭は自分だけの場所。
 心の中にあるものは、外側の世界を形作っていく。だから内と外はつながり、互いに影響を与え合い、不思議な世の中の模様を織っていく。
 本作は第1回児童文学ファンタジー大賞の受賞作であるが、むしろ大人にこそふさわしい深みを持っている。
 少女が迷い込んだバーンズ屋敷の「裏庭」は、現世とは違う不思議な世界。その探索と冒険行を通じて、生きるために大切なことを見出していく。
 梨木の落ち着いた筆致は、淡々としていながら深みのある語り口で、寓話的世界を鮮やかに描く。
 忘れられない一冊となった。
裏庭 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:裏庭 (新潮文庫)より
4101253315
No.33:
(4pt)

リアルなファンタジー

 この本は面白いです。
 繰り返し読むたびに色々な発見がありますし、そのときの自分によって感じ方がとても変わります。
 けれど、場所やもの等の描写に花や木に詳しい人じゃないと理解できない表現も多々ありました。(ものによってはどんなものか書かれていますが、名前だけのものが多いです)
 はじめに読んだだけでは分からない部分もあると思います。
 
 登場の人物の心理描写はとても上手なのですが、何度も読み込まないと正直辛い部分もありました。(実際、中学生のとき初めて読みましたが、はじめは何で? と思うことが多かったです)
 読書を普段あまりしない、という方が読書感想文等のきっかけに読むには少し厳しいかも知れません。
 けれどそれを差し引いても十二分に面白い作品だと思います。
 読書が好きで、深く読み込むのが好きな方は是非読んでみて下さい。
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4101253315
No.32:
(5pt)

まるで絵のように。

全ては裏庭でつながっている。
その世界は許されたものだけの世界。
自分というものを何かで縛り付けたような少女。
そしてその少女を縛り付けていた糸が切れたとき一体何が起きるのだろうか。
少し怖い部分もあるが、すごくいい話。
読んでいてその世界が目の前に現れてくると思う。
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4101253315
No.31:
(5pt)

傑作のファンタジー

日本人作家のファンタジー小説として、ずっと気になっていた本です。
『西の善き魔女』のようにライトノベル的でなく『指輪物語』ほど長くもないし、かなり読みやすいです。『はてしない物語』の日本人作家バージョン、現代バージョンという印象です。
サクサクサクって物語が進行していくので、普通なら置いてけぼりになりがちなんですが、それがない。簡単な構造なのでしょうかね。でも飽きないし、なかなか不思議な対の世界を描いておられる。
「早く先が読みたい!」感じではなく『はてしない物語』を読んだときと同じで「終わってしまうのが寂しい」っていうかんじでした。
ファンタジー好きな方、ぜひ読んでみていただきたいです。
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No.30:
(4pt)

あの世とこの世の狭間のお話

さて裏庭世界とはなんなのか。
死んで、肉体を抜け出て、トンネルをくぐったその先、
三途の川のちょっと手前のお花畑のことでしょう。
純粋無垢の弟が素通りしたところをみるとカトリック教の煉獄っぽい。
オブラートで包んであるけど、本書の大きなテーマは「死」であると思う。
臨死体験のことをちょっとかじってから読むことをオススメします。
実はちょっと恐ろしい小説・・・。
でも、なかなか興味深い。力作。
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4101253315
No.29:
(3pt)

テーマは良い。でもファンタジーとしては…

確かにこの物語を読むと、感動できるし癒されます。
しかし、現実世界の美しさに対して「裏庭」の世界があまりにも殺風景過ぎたなぁと思いました。
元々そういう設定なのかもしれませんが、現実世界の過去の話や現在の照美の置かれている状況、各々の孤独感についての文章はすんなりと入ってくる感じがするのに、「裏庭」での照美の冒険は雑多な感じがして、読み進めるのが作業になってしまいました。
ファンタジーとして面白い要素はたくさんあるのに、そうでない部分の説明の多さに比べ重要な部分の文章が駆け足で、なんとも残念というか、もっと書き込んで欲しかったです(特にスナッフとの関係を)。
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4101253315

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