■スポンサードリンク
讃歌
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
讃歌の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
が、ヒロインには「身の程知らずが」の印象しか持てなかった。 大衆が望んでくれた事まででやめときゃいいのに、みたいな。 演奏家としての葛藤なんかしちゃいけない水準でいいやん。 それが身の程なんだから。 欲がよくよく深いねえ、位な感じでした。 ついでに、小野の鈍感っぷりに滑稽味さえ感じた。 自分の感性をどれ程高尚だと思いたいのか。 好きは好きでいいやん。 解説されて白ける感動なんかその程度のものだ。 何を後出しされても「好き」なら「好き」な事に自信をもて。 面白く読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ヴィオラという楽器はあまり詳しくない、というかほとんど知らない。バイオリンより大きめの低音を奏でる楽器らしい。かつての天才少女バイオリニストが不遇の時代を経てヴィオラ奏者として奇跡の復活をする話。だと単なるよくあるヒューマンドラマであるが、ここにマスコミが絡み複雑になっていくという展開。テレビや雑誌の力は実力を伴わないものをもスターダムに引き上げてしまうのは、日々見ていてよくあることである。メディアは恐ろしいなーとこれを読みながら少々思った。と同時にほんとに新聞やテレビや雑誌をそのまま信じる人々は、自分を含め減っていくんだろうなと感じる。これは、正しい形に日本人もなりつつある、というのはよくある意見だが、一般に無宗教といわれる日本人にとっては、一つのものを(それがマスコミという媒体であっても)信じて生活の規範にするのは幸せなことだったのかもしれないと感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テレビ製作会社のディレクターである小野は、クラシック専門のレコードの社長熊谷の薦めで、柳原園子のビオラの演奏に感涙。 小野は彼女の栄光と挫折を描いたドキュメンタリーのテレビ番組「心へ響け、ヴィオラの響き」を企画。企画にとりあげたのは、園子の人生に文字通りドラマがあったからだった。 彼女はかつてのヴァイオリンの天才少女であり、国際的コンクールでの受賞など輝かしい経歴をもっていたが、アメリカの音楽院留学で指導を受けた教師の苛めにあって挫折、そして自殺未遂。その後、帰国したが、家にひきこもり治療に専念、ようやく病が癒えて、演奏活動に入ったが、そのさい楽器をヴァイオリンからビオラに変えた。教会などでの地道な癒しのコンサートは、しだいに口コミで噂が噂をよび、癒しのソリストの復活といわれた。 小野の企画は大あたり。園子はクラシック界の寵児になるが、経歴詐称、やらせ、実力以上の過大評価などで、しだいに追い詰められ、遂に、自殺。背景にテレビ界、レコード会社の思惑があり、小野の企画はそれに嵌められた格好になる。このあたりがミステリータッチで展開。 この本を読んだ切っ掛けは、ヴァイオリン奏者が前面に出てくる小説だったからである。朝日新聞の連載もの。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
クラシック音楽に造詣の深い著者が書いただけあり、行間から音楽が溢れてくるようだった。 同時に、弦楽器への並々ならぬ愛情をも肌に感じることができる物語だ。 そしてこの本を読み進めるうちに、ふと「フジコ・ヘミング」を思い出した。 もちろん作者もある程度は意識していたと思うが。 自分は「フジコ・ヘミング」を有名にしたあのドキュメンタリー番組をリアルタイムで見ていた。 番組に感動し、フジコの音楽にも共感したのだが、あれよあれよという間に有名になり、 すっかり俗物と化していく彼女の生き様に哀しい思いを抱いたのも事実だ。 その時の感情を、この小説は見事なまでに再現してくれている。 「真の芸術性よりも奇異なキャラクター性」を重視され作り上げられてゆく流行という ものの恐ろしさ。この小説の中で、祭り上げられたヴィオリストは「死」を選択するが、 現実世界の「彼女」はふてぶてしいまでに逞しく生き抜いている。 もはや真に美しいものは、小説の中でしか生きられないということを この小説ははからずも教えてくれているような気がしてならない・・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
音楽のジャンルの中でもクラッシックは特殊かもしれない。 業界が認める人と、世間が認める人との開きが大きい。 どれほど業界から否定されようとも世間が求める音楽を奏でる演奏家。 この本を読むと結局のところ、音楽って何なのかって考えてしまう。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!