ノルウェイの森

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評判

ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,951件 1,441〜1,460 73/98ページ
No.511
(5pt)

ボンボニエール 〜 思い出の玉手箱

 めくるめく長い月日を経て、自分の全身全霊をかけて愛し抜いた直子という女性の記憶の断片が、飛行機の中で流れていたビートルズの「ノルウェイの森」の曲と共にデ・ジャ・ヴとしてよみがえってくる・・・。
 時代は学生運動の全盛期。大学生活を送っている主人公の「僕」は、自殺していった姉や恋人の死に打ちのめされ、まるで三途の川をさまよう亡霊のように生きている直子へストイックな愛を捧げる。
 死という荒波に押し流されてしまいそうな彼女を苦しみの世界から連れ出して、二人で明るい生活を築いていきたいけれど、もがいてももがいても「僕」の心の中でずっと咲き続けている可憐ではかない直子という花の花びらが散っていくのを、どうすることもできずに遠くからじっと眺めているような焦燥感と絶望感。
 そこはまるでノルウェイの森のように深くて暗い闇の世界。
 そして最愛の人を失った哀しみを乗り越えて、新しいパートナーと愛を培って自分の居場所を見つけながら生き抜いていくというラストシーンは、ノルウェイの森という深い暗闇の中に差し込んだ一本の光の矢のように光り輝いていました。
 私はこの本を読んでいる時もこのレビューを書いている時も、ずっと涙がとまりませんでした。
 「人を愛するという事はどうしてこんなにも切なくて哀しいものなのでしょうね」
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925
No.510
(5pt)

ボンボニエール 〜 思い出の玉手箱

 めくるめく長い月日を経て、自分の全身全霊をかけて愛し抜いた直子という女性の記憶の断片が、飛行機の中で流れていたビートルズの「ノルウェイの森」の曲と共にデ・ジャ・ヴとしてよみがえってくる・・・。
 時代は学生運動の全盛期。大学生活を送っている主人公の「僕」は、自殺していった姉や恋人の死に打ちのめされ、まるで三途の川をさまよう亡霊のように生きている直子へストイックな愛を捧げる。
 死という荒波に押し流されてしまいそうな彼女を苦しみの世界から連れ出して、二人で明るい生活を築いていきたいけれど、もがいてももがいても「僕」の心の中でずっと咲き続けている可憐ではかない直子という花の花びらが散っていくのを、どうすることもできずに遠くからじっと眺めているような焦燥感と絶望感。
 そこはまるでノルウェイの森のように深くて暗い闇の世界。
 そして最愛の人を失った哀しみを乗り越えて、新しいパートナーと愛を培って自分の居場所を見つけながら生き抜いていくというラストシーンは、ノルウェイの森という深い暗闇の中に差し込んだ一本の光の矢のように光り輝いていました。
 私はこの本を読んでいる時もこのレビューを書いている時も、ずっと涙がとまりませんでした。
 「人を愛するという事はどうしてこんなにも切なくて哀しいものなのでしょうね」
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.509
(1pt)

全部読めませんでした

友達にすすめられて、読みかけたことがあります。でも、この作品が発する独特の、鬱々としたムードに引きずり込まれそうになり、途中で読むのを止めました。それだけ、著者の作る世界が強烈なんだと思います。でも、何ゆえここまで持て囃されるほどの名作なのか、わかりませんでした。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.508
(2pt)

淡々としている

淡々と流れていくような感じ。
こういう表現は、そこに広がる世界を趣深く想像させてくれるし、
露骨な性描写に対する不快感を和らげてくれたりするけれど、
この作品のテーマとして謳われているような喪失感を表せているのかと考えると疑問が残る。
淡々とした喪失感は、虚無的な印象にならざるを得ず、
絶望や葛藤など、喪失感に付随する感情の起伏というものが表現しきれていない印象があるので、どうしても物足りなさがある。
現実の喪失感というのはもっと壮絶なものであり、受け入れがたいもの。
そういったものを諦観的に受け入れて淡々と物語ると言うのは、
青年期である主人公の心理としては、やはりしっくりこない。
これが村上春樹の世界観なのだと言われれば、それまでだが。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.507
(1pt)

15分で読了

 村上春樹の新作『1Q84』が手に入らず、こちらを買ってみる。
 冒頭からしばらくのシーン。「あのときのことは忘れない。でも忘れちゃった。直子のことは忘れられない。でも顔が思い出せない。うんぬんかんぬん。」で読む気をなくしちゃった。
 自分が思春期の頃、お遊びで書いてみた小説もどきを思い出し恥ずかしくなり、発狂しそうになった。
 その後、ネットで検索して、村上春樹とは、マスコミとイメージが作り上げた虚像だということがわかり、後はセックスシーンだけ飛ばし読み。
 15分で読了。もう2度と彼の作品を読むことはないだろう。
 以上。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.506
(1pt)

そんなにいいか?

登場人物がみんな気持ち悪い。リアルを描こうとしているが、逆にリアルさに欠けてるんじゃないかな。セックスばっかして・・・なんで緑さんとまでするかねwww
カンガルー日和は最高に面白かったけどね。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.505
(3pt)

好きな人にはいいのかもしれない

情景的で情緒的な描写の1つ1つで、
物静かで物憂げな世界観が鮮やかに描かれている。
寂しさと温もりがもやもやと混ざり合ったような不思議な感覚を味わえる。
その世界に、ゆるゆると引き込まれるような、
ふわふわと漂うような、そんな独特な感覚。
こういった世界観が好きな人にはハマるだろうし、
好きじゃない人にとっては何がいいのか理解できないといった感じになると思う。
個人的にはそれほど好きではないかなという印象。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.504
(2pt)

好みが分かれる作品…自分はダメだった

日本を代表する文学者として世界に知られる村上春樹氏の、代表作にしてベストセラー作品。
ここに投稿された様々なレビューを見ても分かる通り、かなり好き嫌いが分かれる小説。自分は…残念ながら否定派である。まず、自殺者が多すぎ。その死も全く重みが感じられず、リアリティーがない。そして、主人公、なんでそんなに簡単に女子とヤレちゃうんだ〜??…ってこれは単に自分のやっかみだけど(笑)
逆に言えば、その「軽薄さ」こそがこの作品の独自性であり、魅力を感じる人にとっては魅力なのだろうと推測する。が、自分はダメだった。もう一回読み返せば何かしら良さが分かるかもしれないが…。
ちなみに、近々映画化されるとのことなので、そちらの方はぜひ観てみたい。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.503
(2pt)

オシャレ小説?

言葉とか、言い回しはとてもオシャレで素敵。
思わず笑ってしまうような言葉や会話が出てきて、思っていたよりも面白かったけど、自殺とか精神の病を美化してる気がする。物語だからそれでいいのかもしれないですが。
リアリティーがなくて、感情移入しづらい。
読んだ後も「ふ〜ん・・・それで?」という感じ。
でも、つまらなかったか・・・といえば、それも違う気がするし・・・。
文中に出てくる、主人公が読む小説やら、聴いている曲を知っていれば、もう少し理解できるのかな・・・。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.502
(4pt)

【禁忌】情緒不安定な人は読まないで!

村上春樹の他の著書は読んだことはありませんが、
作品としては優れていると思います。
が、精神的に病んでいる、または不安定な方は
絶対に読まないほうがいいと思います。
そのくらい作品の引力が強いのです。
それゆえに優れていると評価したのですが・・・
「喪失と再生」とありますが、私には「再生」を感じられませんでした。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.501
(1pt)

商業作家。ノーベル賞なんかやった日には権威が失墜

駄作とか名作とか言う前に、村上の作品には何かメッセージ性があるのだろうか。単なる商業作品ではないか。性交表現など露骨で、下品極まりない。ノルウェイの森に関して、なにも触発されることがなかったが、彼の作品のうすっぺらさの原因について他の彼の作品「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んで氷解した。ここには村上の心を支配している心象風景が描写されている。それは「箱庭」なのだ。外に出ることのない完結したちっぽけなゲシュタルト世界。それが村上だ。これでは到底、社会というものと文学というものの関連について積極的に追求したトルストイなどの大作家と同列に論ずる事はできない。売れる、と踏んだら何でもやる商業主義は、次のノーベル文学賞は村上か、とキャンペーンを張っているようだが、そんな事をしたら同賞の自殺行為である事は火を見るより明らかである。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.500
(5pt)

魔の山

最近、世界に飛び出す政治的な動きで話題を呼んでいる、村上春樹の超ベストセラーである。
こんなベストセラーはもう二度と出版界に出ないのではと思えるくらいだろう。
いろいろな理解のしかたがこの作品においては可能だろうが、私が強調したいのは、主人公が「魔の山」を読みふけっている背景である。これが不治の病の治療をする病院での直子の生活とだぶっている。「ノルウェーの森」を読んで、この形而上学的入れ子構造が理解できたら、さらに複雑な応用編として、手前味噌だが、この本、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著を読むことをお薦めしたい。フェルメール論についてのもので、村上春樹と一見すると全く無関係に思われるかもしれないが、そうでもない。なぜこの小説の冒頭で飛行機はドイツに降り立つのか。永沢さんはなぜ後年、ドイツに行くのか?その答えがこの本にある。ドイツの騎士道と言えばわかるだろう。永沢さんは悪魔的発想の持ち主なのだ。そういえば「魔の山」もドイツのトーマス・マンの作品である。読むのに多少、努力を必要とするかもしれないが、さらに村上ワールドが進化かつ複雑化した形而上学的思考が楽しめるはずである。その上で村上春樹との共通項が徐々に見えてくる。この感覚は最後まで読まなければわからない。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.499
(5pt)

忘れていた感性

今まで村上春樹の作品を読んだことがなかったのですが、今回、カナダ人の友人に勧められ読んでみました。ビートルズの曲と物語の回想シーンとが見事に状況をとらえ、何回も読みたくなる本です。ストレートな文章から、忘れていたとてもデリケートな感性が呼び起されるような気がしました。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.498
(1pt)

駄作

エロいだけ。それでも絶賛されまくりの本なので最後は素晴らしいのかと思い頑張って読みましたが、エロいだけ。
人、死にすぎ。
キャラクタを自殺させることでカッコ良くさせている。
緑、性格悪すぎる、ただのワガママ女。
冷静、沈着、カッコ良く映しているワタナベ、結局誰とでもやる。軽い。
最後、イラつきだけ残りました。
私は好きじゃない。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.497
(5pt)

恋愛ファンタジー

村上春樹さんの作品で、はじめて読んだのがこのノルウェイの森です。悲しい話なのですが、どこかファンタジーな感じもします。この作品が相当面白かったので、しばらく村上春樹さんの作品を読みあさりました。その結果、ノルウェイの森が、一番面白かったです。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.496
(5pt)

人生最高の恋愛、青春小説

映画化されるということで20年ぶりに読み返してみた。
20代の頃の私が、この小説を読み、どう感じたかは記憶にないが、面白かったと言う記憶は鮮烈にある。
何事も薄っぺらで、精神性の希薄だったバブルの時代に学生活動の活発だったこの頃を舞台にした青春小説と言うのは、必然だったのかお知れない。
少し理屈っぽい主人公(しかしノンポリで中庸)の彼が、なぜか極端な登場人物と出会い、現実離れした経験を経て、現実世界に根を下ろしてゆく。
若年期特有の恋愛に対する理想と恐れを恋人との擬似恋愛を通して経験し、社会に対する恐怖や、人間関係に対する考慮や、思いやりや人生を年長の登場人物から学んでゆく姿は、哲学書の赴きもある。
性描写もファンタジックで現実味をかけ離れており、少しも不快感を与えるものではない。
最後に、少し風変わりであるが、地面にしっかり足のついた女性と現実世界に根を下ろすことになる主人公は、少年期を過ぎ、社会で生きてゆく決意をしたようにうつる。
登場人物の台詞には、多くの金言が含まれており、絶大な説得力を持っている。
久々に、読み終わることが残念で仕方のない作品であった。
この後の主人公の人生を垣間見て見たい。
万人にお勧めできるとは思わないが、個人的に夢中になった作品である
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.495
(5pt)

不明確な部分もあるが共感するべきことが多い

精神をわずらった主人公の彼女ともなんとも呼べない女の子。その女の子と少し変わった主人公を取り巻く様々な出来事。
自分では普通の人間であると思っている、実際そうであるが、なにか人を惹きつけるものを持ち、そして彼は数十年まえ今でいう団塊の世代が大学生であった時代の時代背景ではあるが、その時代で大学生特有の葛藤と、そして大学生であるという垣根を越え全くの大人である側面を見せる。
村上春樹特有の世界観はすごいですね、考えさせられる場面も数多くありました。彼の小説はどのものでもそうであるように、読んでいると不思議に景色が頭の中に浮かんでくるような小説。
死に直面し、肉体と精神、そして特有の世界が繰り出す主人公が思考する感覚。どれをとっても素晴らしいという言葉でしか表現ができないと思う。
恋をし、失恋し、セックスをし、孤独を感じる。あなたが昔、僕も今現在そうであるように、主人公の彼もまたそうであったんだなぁと。
僕が村上春樹の本を読んで感じることは、時代背景が結構団塊世代の特に学生運動が盛んであった時代のものが多いですね。
それはある種、連続性というか多くの側面において似ているが独特の個別差があり(あたりまえではあるにせよ)主人公の思考は、連続性を見出すことが出来ます。
あの時代の出来事が随所にちりばめられ、それについて自分は他人との繋がりによって生きているし、考えている。不明確な部分もあるが共感するべきことが多く存在しました。そしてそれが村上春樹の世界であると思う。上巻下巻があります。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.494
(5pt)

駄作/名作

村上春樹の小説は「駄作」か「名作」かという両極端な評価に分かれることが多いようです。
本作もその例に漏れることなく、やはり評価は賛否両論ですが、事実として「ノルウェイの森」は、ノーベル文学賞候補に毎年選ばれるほどの作家の代表作であり、世界の各国でベストセラーになるほどの小説であるわけですから、本質的に「名作」なのか「駄作」なのかはさておき、それだけの「魅力」が、小説内のどこかにあることだけは誰にも否定できないことでしょう。
「駄作派」の人たちには、夏目漱石や谷崎潤一郎などの、日本文学の名作と呼ばれる小説に数多く触れ、読書経験が豊富で、いわゆる「文学通」といわれる方が多いようです。
否定の方法も、「展開や登場人物の行動に根拠がない」や「過去の名作のような深みがなく薄っぺらい」など、自分の文学観に照らし合わせた意見がほとんどで、平たく言ってしまえば「私にわからないのだから、面白い訳がない」という気持ちが、「駄作派」の大部分を占めている本心のような気がします。
逆に「名作派」の人たちには、あまり文学に詳しくない方が多いようで、「何だか分からないけど、面白い」という無邪気な感想が頻繁に見受けられます。
ここで注目したいのは、文学に詳しい人たちは小説の魅力を理解できず、そうでない人たちには、理解できるという、逆転の現象が起こっていることでしょう。
とにかく「駄作派」の、否定の調子の激しさはすごいもので、留まるところを知りません。
もはやそれは悪意と言ってもよいほどで、その矛先は作品を飛び越えて、著者本人、果てには、小説を肯定する読者にまで及ぶ勢いです。
しかし「名作派」の人たちは、とりたててそれに反論する様子もなく、自分の周りに壁を張り巡らせて、ひそっりと、ひとりで小説を楽しんでいるような、そんな風情です。
そこには、まさに、「根拠のない悪意」と「自閉」という、村上春樹の小説世界そのものの図式が浮かび上がってくるようです。
村上春樹氏は「日本文学には残念ながら僕が求めているものはなかった」というニュアンスのことをどこかに書いていますし、人の情念をどこまでも深く追究して表現しきる、日本文学の伝統ともいえる名作の数々には、確かに惚れ惚れするものがありますが、単に、著者はそこを目指してはいない、ということでしょう。
「駄作派」の方々には、著者が表現しようとしているものは何であるのかを汲み取ろうとするやさしさが、もう少しあってもいいように思いますし、「名作派」の方々には、自分を惹きつけるものは一体何なのか知ろうとする意志を持ち、「駄作派」の人たちの土俵に、多少なりとも歩み寄ろうとする、そんな勇気も必要なのでは、と思います。
そして、ちょうどそのあたりにこそ、村上春樹の表現したいものも、あるのではないでしょうか。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.493
(4pt)

生と性、そして死の観察者たる「僕」

「幽霊」のように「存在感」がなく、この世を
たゆたく「僕」を通して、1970年代の学生のライフスタイルを
舞台装置に、生と性、死を描いた下巻です。
読み手によって、千差万別な解釈と評価がでることは必死な作品ですが、
この作品が、私の村上春樹氏デビューとなりました。
存在感のない「僕」、生きる目的も死ぬ意味もみいだせず、性に執着すること
もない「僕」の目の前を通り過ぎていくさまざまな人々。
とても、生き生きと生きているとは言いがたい「僕」と、彼らの、
思念を流れるままに、オートグラフしたかのような形式が、とめどない言葉の
ストリーミングとなって読者の前を通り過ぎます。
斬新な手法と、一見恋愛を描いたようなストーリーですが、深読みすれば
するほど、カフカ的な小説に見えなくもない。
「僕」ワタナベの過去の抜け殻を記憶に残すための、直子とキヅキ。
それに対して、今の「僕」の記憶をとどめるために存在する「緑」と「永沢」先輩。
過去と今をつなぐ「レイコ」さん。
自分の肉体と精神では、満足に生を生きられない、かわいそうな「僕」を
通して、過去の中の「過去と現在、そして未来」を回顧する、斬新な手法の本作品
は、言葉の嵐にどっぷりとつかって、現代の小説の洗礼をたっぷりと受けるに
ふさわしい、おもしろくも虚無的な作品でした。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.492
(4pt)

いまさらだけど・・・初めて読む村上春樹

いまさら私ごときが、レビューを書かせていただくには経緯があります。
読書家、成毛真氏の「本は10冊同時に読め」で、この「ノルウェイの森」
は「言葉の威力に1時間ほど立ち上がれないほどの」強烈なインパクトを
くらった、とありました。なるほど?そんなにいいのか?
(同時に、「海辺のカフカ」も推薦していました)
あまり小説は読まないほうなのですが、「そんなにすごいのか?村上春樹」と
思って手にとりました。赤、緑という文庫本の装丁も、大変心惹かれるものが
あったことも、動機になりました。また、海外、特に欧州では評価が高く、じゃ
ここは読んでおかないといけないな。映画化される?それはますます。
正直、なじみがない分、途中までは、読みながら大変とまどいました。
なにか、大きな物語があるわけではなし。さりとて、言葉の洪水、「僕」の
アタマと心の中の、思念の洪水がどんどん出てくる・・。
そのうち、言葉の力に圧倒されはじめます。
1970年前後の学生の生活を使って、たゆたう青年の心の移りゆくさま、
世界観を、出会っては分かれていく先輩、同僚、彼女、死んでしまった親友、
いなくなってしまった彼女、知り合った女性、などなど、「僕」の前に現れ
去っていった人々。彼ら、彼女らを触媒に、「僕」の、徹底的にやるせない
無常な、しかし、目的のない「生」と「性」を、みごとに描いた、斬新な作品。
上巻は、「魔の山」と重ね合わせながら、療養に入っている直子を
訪れ、あたらな世界を、世界観を感じるところで下巻に続きます。
言葉がとぎれなく、思念がとぐれることなく、思考のストリーミングとしての
「僕」と僕の周りの世界のとめどもない流れを、独特の表現でつづった傑作です。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681