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五瓣の椿
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五瓣の椿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.24pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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商品のコンディションについては、ほぼ記載のとおりで満足のいくものでした。 | ||||
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山本周五郎の小説は読んだことがなかった。いい作品が多いとは聞いていたが、縁がなかった。初めてこの「五瓣の椿」を読む。周五郎作品には人情物、世話物が多いと聞くが、この小説ではその要素とサスペンス的要素とが綯い交ぜになっている。 ストーリーは、江戸時代、出生の秘密をしった娘おしのが、それと関わった男に近づき、酒杯を重ねて彼らを籠絡し次々と平打ちの銀の釵で殺す、殺人現場には養父の好きだった椿の瓣が置かれていたという事件。町方与力の青木千之助がその若い女性に疑いをもつが、彼女は要領よく居場所を移し、証拠を掴まれることがない。娘が負った不幸は、男狂いの薬種問屋「むさし屋」の母親おそのが別の男との間につくった子どもだということを、泥酔したおその自身から聞いたことだった。 亀戸のむさし屋喜兵衛の寮で おそのは労咳(結核)で死んだ夫を前にして、菊太郎という若造と戯れていた。怒りにさいなまれ、失意のおしのは寮に火を放つ。焼け跡からは3人の焼死体が見つかった。当主の喜兵衛、妻のおその、娘のおしの。天保5年の正月のことだった。しかし、おしのは生きていた。その年の晩秋から、おそのと関係のあった浄瑠璃の蝶太夫、医者の海野徳石、肉体的快楽以外に関心事がない香屋の清一、「丸梅」の源次郎が次々と殺められていく。 みな「人でなし」の連中、蝶太夫はたて三味線を横取りする目的で兄弟子の利き腕を、やくざを使って折る、徳石はにわか覚えのあやしい治療法で金儲けに血眼になっている、清一と源次郎は情けのかけらもない女たらし。「御法定で罰せられない」、けれど到底許しがたい人でなしはどう裁かれなければならないのか。おしのがとった道はただひとつ。彼女の復讐が始まった。 | ||||
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第二話から復讐劇がはじまり、ウールリッチの「黒衣の花嫁」に似ているなと思い、発表年を調べてみると「黒衣・・」のほうが先であり元ネタになった可能性もあるとのこと。 が、そんなことはどうでも良くなるくらい面白かった。 特に、三人目の標的から同心の手が迫りだしてからは読むのをやめられなくなってしまった。 ミステリー好きの人や女性も面白く読める作品だと思います。 | ||||
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周五郎の描く復讐劇。敬愛する父を裏切った、母及びその相手への復讐劇。江戸の人情物を描かせたら天下一品の作者らしくない作品。復讐をする娘の色仕掛けで次々籠絡される浮気相手達。心とは裏腹に亡き父の助けを気持ちでかりて、復讐を実行する娘。法で裁けない、罪を断罪する娘。同心も感づくが、捕まえることが出来ない。 でも物語的には彼が書かなくてもいい作品である。おもしろいか、おもしろくないか、と尋ねられれば、おもしろいと答えます。作品は確かに読ませる。やっぱり周五郎先生は人情劇がイイ。本作は作者を読み続けた人が読むべき作品ですね。もっと先に読むべき作品は一杯あります。 | ||||
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周五郎の作品のレビューを書こうと決意し、 小学館短篇シリーズ5作を投稿しました。 新潮文庫21冊を手元に揃え、うち17冊読破、 順々にレビューを増やそうと企んでいます。 周五郎の短篇を読んできて…短篇を先にと思っていました。 ミス?にて長篇が手元に?いやいや違います。 ミスではなくて何となく題名に惹かれたのだと思いました。 ちょっと美しい感じがしたので…それと直感でした。 椿の紅(赤)をどのように表現するのか注目していました。 周五郎の筆力と構成に驚かされての短篇読書、 しかし…このお話…趣向が違って意外でした。 強い強い想い、強い強い決心、強いだけに一途ですね。 「おしの」の気持、「おその」の気持、どっちが正論? 18、9歳の娘の仕業が潔癖さを強調していました。 この世の悪に対抗するエネルギーの大きさは凄いです。 必殺シリーズのように…弱者の為の成敗劇なのです。 周五郎って男ですよね。 娘の身体の表現は男だけに…意味深ですよね。 娘の心理表現には…正直参りました。 女の私ですら気づかない部分を描写していました。 思わず「ウマイ」と叫びそうになりました。 解説にもありますが、この作品は異種なのです。 だからかな?これまでの読書と違った感じがしたのです。 違和感を覚え、気持をどう整理すればいいのか迷いました。 短篇の絶対的上手さとは別の新種の感想なのです。 が、それを現段階では言葉として書ききれません。 今後、短篇を制覇し、長篇へと突入し、 周五郎作品読みきった時その答えは出るのだと思います。 意外も意外、スゴイ意外、単純ですがコレに限ります。 それとは別に、「おしの」の情熱には降参です。 私の恋の行方もこれだけの情熱で向って行きたいものです。 私は恋焦がれ、想い想われ、好き好かれ、のお話がいいですね。 この作品のレビューは現時点では未完成です。 | ||||
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趣が変わる作品のようですが、やはり物語の中に引き込まれます。男を誘う会話、駆け引き、セリフ、多彩な言い回しが楽しめます。最後は罪、罰、償い、倫理、生きる意義など考えさせられました。今日の「浮気」や「不倫」を取り上げる論調にはなにか表面的な軽さを感じます。邪まな行為がもたらす悩み、苦しみは不幸であり償えない罪であること、あまりに「あさはか」、愚かです。 | ||||
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届いてからすぐには読まず、休日暇のあるとき一気に2・3時間で読みきりました。 多数の作品がドラマ化され、表題作も強く記憶に残っており、最近「ちいさこべ」を観て、 きちんと作品を読もうと思ったのが購入のきっかけです。 人を好きになるとき、憎むときの心理描写がしっかりしていると、主人公に対する感情移入がしやすくなり、 要は感動しやすいので「ハマれ」ます。人間の、特に女の感情の方向性が、朝ドラなどを含めた最近のものとは 明らかに違うと感じ、その点で山本周五郎という人の何がすごいのか知りたかったのですが、 心理描写がすごいのではなくて、プロットの立て方が巧みだからそこがすごいのだ、というのが正直な感想です。 新解釈でまたドラマ化するなら、千之助とおしのの信頼関係を恋愛感情としてフォーカスし、 母がそもそもどうしてそうなったのかを客観的に肯定するような脚本であると、ドラマとして はより面白くなる気がします。ただ、文学作品はドラマ化するためにあるのではないので、 やはりこのままで完成されているのかもしれません。 紅い山椿があったら欲しい、と父が娘に言うくだりは短いながらも美しく悲しく、必読です。 | ||||
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難点は、ある。そもそも、おしのが母親とその愛人に火をつけるのはわかるとして、他の男たちにも復讐していくところにリアリティがない。そこまでするか?そもそも、幸せに育ったきれいで若くて賢くて人柄のいいお嬢さんがそういうドロドロに身を投じていくか?そんな純な生娘が相当に悪い男たちを色仕掛けの手管で追いつめていく、なんていうことが復讐心だけでできるかい?わたしゃ池波氏の仕掛け人ものは安直で好かないのだが、どうやら、そういった方向にいっちゃうのか?なんて思いながらも、周五郎の例えば父の死に至る描写、時に挿入される登場人物の独白などに見える文章の迫力、リズムにひきづられページを繰っていくうちにたどり着くクライマックス!実の父源治郎との対決、青木千之助への手紙の中に現れているメッセージこそ周五郎のいわんとしたところであり、多少の無理目な設定はこのためのものだったのか!と刮目する瞬間がやってくる。読後感は極めて苦いが圧倒的な筆力に読まされてしまう作品である。 | ||||
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少し前に「ちゅらさん」国仲涼子主演でテレビドラマ化された「五弁の椿」原作本。テレビドラマに更に細かく拙劣に描写しているのかと思ってはいたのですが、どうしても読んでいてテレビドラマの映像が頭に蘇ってなりません。テレビドラマそのものは余り細かくはみていないのですが、それでもドラマを越える細かい、思って読んだら意外と忠実にドラマされているようで原作小説も長ったらしくなくすっきりとした適度な長さでスルスルと読みやすかったです。復讐ものでありながらさりとてドラマ映像だと結構おしのに肩入れできたのですが小説後から読むと幾分ストーリーを把握できている成果、その分冷静に読めてそれほどおしのに加担できなかったです。松本清張の「逃亡」に比べて様々な巨悪が複雑に入り組んでいなかったので分かりやすくはありましたが、でもこのおしのの言う‘御定法で罰することのできない~’今一理解しかねなかったです。病気になったであろうおしのが復讐にひた走っているのにもかかわらず、おしの身の振り方は余り好きにはなれず、なんとも残念でした。テレビドラマで幾分把握していたおかげでその分比較してどのような違うのか、原作はどのようであろうかとそればかりを考えてしまって肝心のストーリーはおざなりになってしまいました。テレビドラマは余り細かくはみていなかったのでいずれは今読んで原作小説と比較しながらみてこれはああだこうだというように見たいです。 | ||||
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