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娼年
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娼年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全152件 61~80 4/8ページ
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本書は、第126回直木賞候補作になった作品であり、2001年に集英社より 刊行された単行本を文庫化したものである。 大学生活にも女性にも淡泊で退屈していた20歳の森中領。とあるバーで バーテンダーとしてアルバイトをしていたのだが、ある日、領のもとに 御堂静香と名乗る女性が現れる。ボーイズクラブのオーナーである御堂 静香は、領に魅力を感じ、自分の店で「娼夫」として働ける資質がある のかをテストすることに。 領は、このテストにぎりぎりのところで合格し、20歳のひと夏を、娼夫 として過ごすことになる。そして、性に対して実に様々な欲望があると いう事実を肌で感じていく。こういった一種独特の性欲を汚いものとし て嫌悪するのではなく、あるがままを受け入れていくことで、領の中で 娼夫としてのやりがいを見出していくことになる…。そして、それまで 淡泊だった領の性行為も変化が見られ、このボーイズクラブでも顧客か ら高い人気を博するようになっていく…。 しかし、領に密かに思いを寄せる同じ大学に通うメグミが領のもとに現 れ、領が娼夫として仕事をしていることを知っていると言い出す…。 それが、大きな事態の変化の引き金につながっていく…。 他のレビューにもあるように、本書は非常に読みやすい筆致で書かれて いる。ただ、領の母親の設定がストーリー展開上、本当に必要だったの か、やや懐疑的になってしまうことに代表されるように、領と御堂静香 以外の登場人物の描写が少なく印象がつかみにくく、ストーリー展開と も他の登場人物が有機的に関連していかない印象を受けてしまうかもし れない。また、本書で丁寧になされている記述は、性行為への描写であ るため、それが全体を通した時の印象として残ってしまうかもしれない。 | ||||
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いたらいいよね。こんな、リョウみたいな「娼夫」が。 きっと、深いところで心身をせつなく苦しくたゆたわせている大人の女を救ってくれる「王子様」だと思う。 文章も若々しく繊細で綺麗。 でも、‥‥。やはりリアリティはないと思うのです。 20歳の大学生の男の子が、これだけ女性に対して透徹し、ある意味老成したまなざしをもっていられたら、それこそ、天性の「娼夫」だろうけど、実際にはそういう子はなかなかいないでしょう。 体を売るという行為は、売るほうも買うほうもどこか一抹の虚しさから抜けきれないものだと思うのだけど、この作品ではそういう部分はそっとやさしく隠されている。 むろん、リアリズムの小説として読まなくてもいいのだから、読者それぞれの中に棲むリョウにしばし自分を委ねて、心地よい夢に浸ってみるなら、これは極上の小説かもしれない。 | ||||
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読んでいるときは面白いけれど、なにが伝えたかったんでしょう?なにが書きたかったんでしょう? と思っちゃいました。 自分が書きたいことを書いてるんじゃなくて、買ってもらえそうな本を書いてる感が凄くて、軽薄です。 得るものがなかったです。 | ||||
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売春って犯罪ですよね。増してや、組織売春ですね。 sexをメインの題材にしている以上、大人限定の作品だと思います。 そして、売春が犯罪であることをわきまえられる読者限定向けだと思います。 その前提で、これは、楽しめる作品だと思いました。 自分の良さを探しながら、素直に生きていく事で、人々を助けていく。 時に、自分を好いてくれる人さえも傷つけてしまう。 そんな青春のエッセンスを見事に描いてくれていると思います。 また、日頃は表に出ない性についての人々の特異な思いも見事に表現して下さっていると思います。 他の石田さんの作品も読むのが楽しみです。 | ||||
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石田さんがテレビに出てられるのを見るのは好きなのですが、どうも石田さんの作品とは私は合わないらしい・・・。 割とさっぱりと、まさに「娼年」を描いているのですが、だから何なのかというと、何も感想が持てない・・・。 石田さんの作品て、どこかひねくれてるような気がするんですよね・・・。 | ||||
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悪い意味ではないのですが、本書では主人公の表情がみえてきません。 読まれた方はわかると思うのですが、主人公のずっと無表情だった事でしょう。 客観的にみると、主人公はどんどん闇の世界に堕ちていくのですが、つい本文に溶け込んでそう思わせない所が良かったです。 というのは、後半の展開で主人公は戻れない所まで行っていると、一気に気づく箇所があるのですが、そこで主人公は知っていて読者は知らないという仕様になっているという事です。 なぜこんな展開にしたのか?というと、やはり魅力的な展開に持っていきたかったから〜という意図があるだけとしか読者の私からは思えませんでした。 | ||||
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1.文章の未熟さ。特にもレトリックは劣悪。 例:「中指の腹が咲良の足のつけ根で小さな水を発見する。」 2.魅力を感じない女性に出会わない不可思議。抱こうと思えない、欲情できない、耐えられないといった感情が皆無。 3.男とも突然抵抗なく寝る。普通ホモセクシャルの一線を越えるときに、困惑、葛藤、嫌悪を感じると思うが、2行ほどの説明で迷い無くやっちまう。 4.地名をモロに出し、自分で場面を細かく描写することなく読者の記憶に放り投げ。 5.出てくる曲名、作家、画家、映画の引用が表面的。女友達にやってることがばれるシーンでのビル・エヴァンスの『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』は陳腐この上ない。 6.最初のカクテルの比喩も、『こうくるだろなあ』と予想できるほど安直。 7.服装や顔かたちくらいをなぞるくらいで、感情描写の著しい欠落。 8.語彙の貧困。なんでも「セックス」。もうちょい様々に表現しようぜ。 この本を買おうと思ってる人へ。俺ならジャン・ジュネの『泥棒日記』や谷崎潤一郎の『痴人の愛』を買うよ。 | ||||
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期待以上にすばらしかったです。 色んなタイプの女性が出てきて思いもよらぬ欲望を口にします。 性描写が多いものは苦手だからと敬遠されず是非読んでみて下さい!男女問わず! 泉川夫妻ったら・・。一番驚かせてくれました。 | ||||
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主人公の彼は「ホスト」とは別格です。 彼はもっている独特の感性。 それに魅了される年上。 女性を一切否定することなくここちよくさせる業。 こんな「彼」のような男性にあってしまい、 好きなはずはない!と思っているけど、、、 人はわからないものです。。 | ||||
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端的に言えばコールボーイの話。作品に入り込もうとするが、ブランド名や店の名前、音楽のタイトル等が邪魔をし文章が切れてしまう。飛び飛びに文章を追う様になり、さらっと後味なく読み終わってしまう。これが石田節だと思うのだが、どうも馴染めない。心に響く前に消えてしまう。印象に残らない。時間をあけてもう一度読み直してみようと思う。 | ||||
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石田氏のエッセイや寄稿文等素晴らしいものが多く、評判も良いため、ふだん読まない小説を読もうと思い購入した次第。文章表現はすばらしいと思うが、題材が気に入らず、ムー、という感じでした。他にも何か読みたいと思いますが、このような感じの小説は基本的に好きではありません。書評にならっていませんが、結構苦痛でした。 | ||||
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この作家の作品は読んでいて鼻につくこともあるのだが、これは名作だと思う。セックス描写の多い小説の中にはそれで読者をごまかしてしまうモノも多くあるが、この作品のセックス描写は必然で、そこから『人間』がにじみ出ている。 主人公はコールボーイとして、20代から70代の様々な趣向の女性と関係を持つのだが、彼女達との交わりから人間の本質を知っていき、この仕事の虜になる。しかしある時自分のしていることは世間から見たら法に触れているいかがわしいことだと気付く。そして主人公の選んだ道は... | ||||
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この本は私の大好きな比留間久夫の名作『Yesyesyes』に似ていると聞いたので読んでみたのですが、結論、似てません。かなり違う。 『Yesyesyes』の中には、愛というか、楽しさというか、生々しさ、人間の歓喜、生命の歓喜のようなものを感じたけど、この本はそういうのがまったく感じられない。 いや、この本だけでなく、いままで読んだ石田衣良の本はどれもそんな感じだな。石田衣良に限らずどれも今どきの人はそうなのかもしれないけど。 それが私がこの人を物足りなく思う理由なのだけど、しかし同時にこの人はずいぶんフェアな人かもしれないなどとも思う。『14』とか『池袋ウエストゲートパーク』『うつくしいこども』を読んで思ったけど、いつも、不利な立場にたいしての眼差しが温かいんだな。 違和感はあるけど頭の片隅に残る。 | ||||
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繊細で情景描写が魅力的な石田衣良さんの作品。 内容は、大学生の男が年上の女性を相手に 身体的・精神的安らぎを与えるための売春を行っていく。 「ぼくは彼女がどこで生まれ、どんな生活をし 誰と暮らしてるか知らない。 彼女は金でぼくを買ったにすぎないのだ。 それなのに、こうして心と身体がつながってしまう時間がある。 それが不思議で、すこしだけ泣きそうになった」 ひと時のお金で繋がる関係にも関わらず、共感できてしまう関係を 作り上げてしまう主人公の繊細さと相手を受け入れる柔軟さが 素晴らしいと思いました。 内容の豪華さに加え、表現の美しさも素晴らしい作品です。 例えば平積みされたシャツの棚を「高価な美術書」と表現しています。 お話を読みながら、どんなに暗い所でも一筋の光を感じられました。 ■著者プロフィール 石田衣良(いしだ いら) 1960年生まれ。 97年『池袋ウエストゲートパーク』で オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。 03年『4TEEN フォーティーン』で直木賞受賞。 | ||||
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なんだか不思議な物語でした。淡々と物語が進んでいくのに読み終わるとそのリズムなんて最初から無かったように思えてしまう。一見風変わりな「娼夫」という仕事につく主人公。なんの変哲もないように見える主人公の魅力は読み進めるうちに自然となんとなーくですが分かって来ます。 | ||||
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話としては、若い男性を娼婦(夫)として、女性に提供する会員制ボーズクラブと、そこでの一人の青年のいろんな意味での成長、と言うことだから、何やら際どい風俗小説のような印象がなくもない。しかし、そんな表面的な印象は、全然違うことに気がつくだろう。 これまでもっぱら受け身であった女性の性を、主体者として描いている。 そして、青年の成長には、実は(当然ながら)性や異性を見る目、見られるモノとしてのファクターが非常に多いのに、これまではその部分はほとんど取り上げられず、あるいは実態とは随分異なる表面的な取り上げ方でしかなかった。そして、もっぱら(体の欲望を切り離した格好での)精神的な成長に重きが置かれてきた気がする。 その点では、本作品の取り上げ方は、(一見世間の人が勝手に誤解している)若者の性の乱れ、と言う形でもなく、金銭欲と性欲を合わせただけの風俗モノでも、また、著しく女性を蔑むような取り上げ方でもない。 若者の、女性、それぞれをとってもナイーブに、繊細な、個性としての生き物として丁寧に扱っている様子は好感が持てる。 ドラマ性もあり、恋あり、なかなかすてきな性描写もあり、飽きさせない小説です。 軽く読めそうで、けっこう若者観を変えさせる鋭い社会小説とも思えます。 | ||||
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タイトルからおおよそ分かるように、 20歳の恋愛にもセックスにも憂いている大学生がコールボーイとして仕事をはじめる物語。 男娼を主人公に据えながら、 女性のいろいろな性癖を描いているのがおもしろい。 主人公は男娼の仕事にプライドを持つようになりのめりこんでいく姿もスタイリッシュに 描かれているが、 印象に残るのは、神経の回路が配線が間違っているアズマ。 おもに二人の男娼しか描かれていないが、他にもいろいろなタイプの男娼を見たかったなと思う。 | ||||
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性愛の世界を描こうとすると、中身がだらしなくなりがちだが、 これは都会のファンタジーのようなきれいな小説である。 文章もとても上品で気がきいている。 主人公が高学歴で女の子にモテる少年なのでちょっと妬けるが、 本人は性にはさほど興味は持っていない。 その少年が中年の謎めいた美女に導かれてさまざまな女性を遍歴する。 その点は意外に古典的なストーリーであるが、少年とともに 読者も人間の性の意外性を体験してゆく。その面白さは小説ならではだと思う。 最後の状況展開もうまい。 NHKの文芸番組で作者を招いてインタビューしたときに、 女性アナウンサーがうれしそうにこの本を取り上げるのを見て、 NHKの女性アナウンサーもセックスには興味津々なのだなと思った。 女性が喜ぶようなセックスの描き方ができるということは、お得なことだ。 | ||||
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男性目線と感覚が生々しく描画されているところが人間臭さが読めた 感じです。 女性が書く綺麗な部分とは違った感覚が好きです。 | ||||
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石田氏の作品は初めて読んだ。 実は若者から支持をされている売れっ子作家ということもあって「渋谷などを舞台にきどった小説を書いている」といったあまり良くない先入観を持っていたものの、本作品を読んで見事に裏切られた。 内容は、女性にもセックスにも冷めていた主人公が、女性とは何かを知りたい気持ちもあって、お金で女性との時間を売る(体を売る)仕事に就く。当初は仕事の内容に戸惑いながらも女性の奥深さの探求に惹かれていく。客の多くは熟女。各人の人生を反映するように様々な性癖を持っているが不思議と嫌悪感はなく、トップレベルの娼年になるというもの。 体を売るような仕事は道徳的には感心できないが、読後感は悪くなかった。 というのも恋愛を重ねると、女性の性的な志向は十人十色でそれを許容するのも愛の形であるというのが大人の恋愛だという点に共感したため。 大人の恋愛小説としてお薦め。 | ||||
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