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娼年
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娼年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全152件 81~100 5/8ページ
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娼夫、売春、変態的性癖など、人間のダーティな部分を扱っているにも関わらず、まったくいやらしさも醜さも感じられない。 主人公のコールボーイーリョウがいい子すぎるのが、きっとリアリティを欠かせているのだろう。 ある意味、年配の女性のためのファンタジーの様な作品。 でも、これはこれでいいのかも。 他作品でも感じることだが、この筆者は、人間の本当の汚さを描くには人が良すぎる、優しすぎるのかも。 精一杯頑張って、これくらい。やっぱりキレイ。癒し系。 リョウがコールボーイになっていくまでの導入部分の描写は秀逸。 これで一気に引きこまれ、最後まで三時間で読破した。 | ||||
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石田作品の中でも群を抜いたこのレビューの多さ、この作品がもつ影響力を思った。性の問題は本当にパーソナルなものだから、この小説の評価が賛否両論なのもうなずける。 コールボーイが題材とあって、セックスが小説の大部分を占めるが、主人公の滑らかな語り口に引きつけられあっという間に最後まで読んでしまった。 石田作品の中でも最高傑作だと思う。 最初、山田詠美の「ひざまずいて足をお舐め」を思い出した。(この小説はSMが題材だった)あちらの業界を書いた小説の中でもとても読みやすく、性に関する仕事を見る目が変わった作品だった。 そしてこの「娼年」にも同じものを感じた。 性の仕事は一般的に後ろ指をさされるような職業だが、誇りを持って懸命に仕事をしている人間もいる。そしてその人達が客に与える影響は計り知れない。 娼夫として、20代から70代(!)までの女性を相手に仕事をするリョウ。 中には仰天プレイを依頼する客もいるが、その人それぞれの長所を一生懸命探し出し、相手を満足させることにやりがいを感じていく。 普通だったら参ってしまうような状況から逃げもせず、女性の欲望の不思議に魅せられていく・・ リョウの行動、言動にとても癒された。 こんな天才娼夫がいたら、一度お目にかかってみたいと思った。 全編を通じて美しく、とても読みやすい文章になっている。 透明感のある文章はさすがで、著者のテクニックに唸るものがあった。 とにかく読んでいて楽しい。 「逝年」も評価はさまざまだけど、是非読もうと思う。 | ||||
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彼の目に映る女性たちは、皆一様に愛しくてかわいらしい。 私は自然に彼に心を同化させてしまった。「娼年」という題名から察することが出来るように 性描写は多い。でも生々しくないというか。変な話、行為の描写さえも心地いい。それは彼女たちを受け止める儀式とでもいうかのように感じたからだ。主となるのは行為そのものよりも、心の癒しとでもいうのか。そういうものを女性は求めていたし、また、彼もそれを感じとっていた。 主人公が、この先どうして行くのかがずっと気になってそして次第に引き込まれていった。 二、三歩引いたところから見たような感覚の文。その距離感が時々狂うことで彼の心の揺れを感じる。 | ||||
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石田衣良さんの作品の持つ文体の美しさが際立ち、透明な清んだ水色を思わせる作品でした。 少年の男娼の話ですが、やさしくほろ苦い胸がキュンとなるような青春小説を読んだような読後感です。 キャラクター設定も魅力的でした。特に主人公の少年は適度に美少年で知性と清潔感があり、この物語が清んだ水色でいる事の基本です。 この主人公の心や知性、雰囲気が行為を性的な意味だけでなく、愛情や優しさを感じさせるもににさせています。 また、もの言えぬ少女、咲良さんや主人公が恋する男娼のクラブのオーナー等の心の内面を書き出す作者の筆力に感動。 石田さんの作品内では私のベストワンです。 | ||||
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衣良さんの作品はもう何作も読んでいるのですが、特に何も持っていない主人公が自分の才能を発揮できる場所を見つけ、この先羽ばたいていくのだろうと予感させて終わるというパターンがあって、この話もそうです。 ドライな語り口で、主人公はどこか自分と現実を乖離させて考えているような感じです。 出てくる人たちはみんな普通で少し変わった人。 今の世の中、『普通』からずれてしまうと攻撃の対象になりがちですが、主人公のリョウ君はずれている部分まで、その人の個性として受け入れます。実際にリョウ君のように考えるのは難しいだろうと思いますが、その心の柔らかさが読んでいて羨ましくなりました。 大きな衝撃がある話ではないけれど、ゆっくり心に効いてくるものがありました。 | ||||
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主人公リョウは、自分は娼夫だと名乗る。20歳の夏を描くこの作品は、リョウが少年から青年へと成長していく過程を描いているのだから、やはり、タイトルは娼年でいい。 男性側の性の快感をきちんと書いてあるところが珍しい。多少のあざとさを感じるところもあるが、この本の魅力は、中高年の女性に非常に優しい点にあろう。一般に、加齢は、女性にとって、性的な魅力と反比例すると言われる。しかし、リョウは、どの世代にも、どの女性にも、魅力を見つけていくのである。それぞれに、それぞれの魅力があると。 姫野カオルコが解説に書くような優しさ、うそつきな優しさかもしれない。ソフィスティケートされているという優しさである。 嘘にだまされてみる楽しみがある。春を買う行為は、快感を買うのではない。嘘を買うのだ。嘘。けしてありえぬ幻想であり、魔術であり、手の届かぬ理想の高みにある幸福であるかもしれぬものを夢見て。 私は男性を買いたいとは思わぬが、嘘を買いたくて本を買う。 | ||||
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「娼婦」ではなく『娼年』?と疑問に思って手に取った本です。 20歳の青年が性を売り物にするという一見ショッキングな話なのですが、コレが深い・・・。 お金のためでもなく、ビジネスとして体を売る青年が、人間の愛と性についての優しくて深い洞察をもって「何か」をつかんでいく過程に引き込まれました。 心にグッとくる本です。 | ||||
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大学生の主人公が、ボーイズクラブのオーナーにスカウトされて、女性を相手にした娼夫を始める。その中で出会った女性たちとの関わり、彼の人生・・・ という物語。 描写はやわらかで、読んでいてゆったりとした気持ちになるのは、主人公がそういうペースで生きているから。 でもまあ、様々な人がいることを切り取っていること、通り一遍の筋にしていないことは、石田さんの工夫が感じられて良いけれど、それ以上のものにはなっていない気がする。 何の教訓もないけれど、そこにある一つの暮らしを描いた物語、ということなのだろう。 どちらかといえば「プレーンソング」のようなスタイルを意図しているのかもしれない。 | ||||
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ホストではなく娼夫?娼年?最初は不思議に思って読み始めましたが、途中から石田衣良さんらしい世界に引き込まれました。人を愛する方法や癒す方法は、お金が絡んでもこんなにあるのかと思いました。『エンジェル』とは違った作者らしい愛情表現に感動です。 | ||||
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自分が初めて読んだ石田衣良さんの作品ですが とても入りやすかったと思います 多少無理な設定はありましたが、主人公に感情移入は自分的にはしやすかった 「娼夫」が題材なので官能的な表現はありましたが あまりドロっとした感じはなくむしろ淡白ですっきりとした感じでした ナボコフの「ロリータ」をこの作品を読む前に読んでいたので 表現の物足りなさは感じたものの、ストレスを感じるほどではありません あと、少し内容的にマニアックな面もあるのでそのあたりも理解できたほうが面白いと思います まとめると、官能的表現はあるもののとてもさらっとした読みやすいものでした | ||||
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長編恋愛小説として買った。安かったし買った。読んでみたらおもしろくなかった。というか官能小説じゃないっすか!!!?この作品が世間に認められて評価されているのも知っているし石田 衣良がいい作家だというのも14を読んでWOW WOWの2時間ドラマを見て知っている。しかしこれは...性描写のない恋愛小説などつまらない。それはだれもが感じることだし必要なコトである!しかし本作ではそれが主をしめていてなんだか4時間性交をしている気分になった。せめて40分ぐらいにしてくれ。限りなく透明に近いブルーとそーいう所似ているよなー。ただその中での人間関係とかの表現は◎。こんな本、ピュアな恋愛小説と間違えて小学生が買ってしまったらとんでもない。 | ||||
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本書は126回、直木賞の候補になった作品です。 ストーリーはいたって、簡単。 平凡な大学生生活を送っていた主人公に、突然娼婦ならぬ、娼年の仕事が決まり、 その仕事の内容を描いたものです。 本書の優れている点は、「性」を金で買うという、一般に日の光にあたることの少ない世界を、 暗くも明るくもなく、中性的なイメージを与えられているところではないかと、私は思います。 中性的とはいっても、男性性、女性性の中間という意味ではなく、 明暗のそのどちらのイメージにも属していない、という意味で私は用いたい。 だいぶ官能的な描写もなされるのですが、 不思議とぎとぎとした印象はありませんでした。 それが私の感じた、中性的なイメージの根源なのかもしれません。 池袋ウエストゲートパークとは違った面白さのある一冊でした。 | ||||
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女性もセックスも退屈なものだ、と醒めた気持ちで毎日を送っていた20歳のリョウは、ひとりの女性との出会いによってその生活が激変します。 彼は娼年として仕事をこなしていく中で、性の多様さや奥深さを知り、新しい発見に満ちた新鮮な毎日を送ることになります。 人を愛するということ、セックスをするということ、その人を丸ごと受け入れるということ。 「仕事」として女性と向き合うからこそ、見えてくるものがあるのかもしれません。 読者にとっても、いろんな驚きや発見がある物語だと思います。 とても素敵な本です。 さて、本書はこういう重い(?)テーマを扱っている小説なわけですが、そこはやはり石田衣良。 軽めの優しい文体と、スムーズな話の展開によって、途中で立ち止まることなく最後まで一気に読ませてしまいます。 このあまりにサラッと読めてしまうところを、現代的ととるか表層的ととるか、あるいは天才的ととるか。 まあ難しく考えずにとりあえず読んでみるのが、石田衣良作品への正しい向き合い方なんでしょうね。きっと。 | ||||
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要するに出張ホストなんですね。 でも俗なものじゃ感じがしなくて、もっと穏やかにエロい「娼夫」のお話です。 淡々とお客の女を抱くリョウくんの静かな優しさとエロさがたまりません! この人の描く男の子って、いつも底抜けに優しいんですね。 現実にはきっといないと思います、こんな人。 身をよじりたくなるくらいはまり込んでしまいました。 ずいぶん前に買った本ですが、まだリョウくんに恋してます。 ひと晩10万の値も全然高くない。 男性が読んで面白いかどうかは疑問です。 | ||||
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石田衣良さんの作品を始めて読みました。あらすじを聞いたときは もっと汚れた感じの内容だと思っていましたがそんな感じはいっさいしません。 主人公は女性を金ヅルにしようというのではなく、心から癒してあげよう、 と思って娼夫をしています。その思いを聞いていると、娼夫という仕事は 汚れてはいないのではないかと思わされました。 さらに、石田さんの細かな情景や人の描写によって、場面が手に取るように 頭に広がります。とても読みやすいのでぜひ手に取ってみてください。 | ||||
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友人から食わず嫌いする私に、 嫌いになるならこれを読んでからにしてくれと言われ、 しぶしぶ購入して読みました。 各種マスメディアにおける彼の言動がどうも鼻についてダメだったのです。 なんとなくこの「鼻につく嫌味」を理解して頂ける方も中にはいらっしゃるかと思います。 石田衣良ファンの方はすいません。 しかしながら、読み始めて数時間。 完全にとまでは言えませんが、考えが変わりました。 お見それしやした。 単なる「20歳大学生のひと夏の思い出日記」を軽々と飛び越えて、 「欲望って、どんなもの?」 という人間の本質的なテーマを問う作品です。 最近、石田衣良の言うことにイライラしながらも 欲望を持て余している、あなた。 イライラするのはまだ早い。 | ||||
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ストーリは読む前から知っていましたが映画と同様読み始めてみないと 本当の意味での展開やその小説世界はわかりません。初めてこの方の 本を読みましたが登場人物が冷たく描かれていない点がとても気に入り ました。皆どこか優しさを持っていてそれがいろいろなところに出てきて いました。描写的にはエロスの部分もありますがやはりこの物語には必要 でありそれが自然な感じもしました。大衆小説といえばそのような感も ありますが文庫本にもなっていますしこの本と過ごした時間は無駄では なく楽しめました。わたしには実際に登場する人々のような人達って いるんじゃないかと思えます。そういう意味ではリアルでもあります。 | ||||
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こういう仕事をしてる人たちをよく知ってるが、人気ある人はこんな感じだ。 実際はもっと不可解で、EDを売りにして女性に性的交渉を与えられない人が人気有ったり、男性恐怖症の女性がその人とのひとときを楽しんでたりする。 お金に執着が無く、自分を売ったかねで勉強と称して買って仕事と同じことをする人や、一度着た服に袖を通さずまったく同じ服を買い続ける人がいたりする。 みんな贅沢な暮らししてる訳でなく、使い道がないからという感じだ。 そういう人たちは、不思議な雰囲気を持ってて、普段は無理矢理作ったような表情をしてて、この仕事とは別に仕事を持っている人もいる。 しなくていい、時給うん百円の普通のアルバイトしてる人もいる。 本当のプライベートな事は喋ろうとしないが、なにか陰があって吸い込まれるような感じのする人たちだ。 この本はそうした人たちの一部を表現してるような気がした。 | ||||
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気軽に読める作品だと思って購入しました。 が、予想以上によかったです。 確かに、こんな透明感のある(自分自身や物事に対する執着がなさすぎる)男 の子はいないでしょうし、いろんな女の人にここまで優しくなれる男の子は現実 には存在しないと思います。自分は男ですが、主人公にはとても感情移入はでき ません。その意味で、女の人の目から見てかなり都合のいい話になっており、そ れが女性の読者に癒しを与える一つの理由になっているのは確かだと思います。 でも、この物語は、それだけにとどまらないテーマを含んでいると思いました。 それは、終盤、主人公のことを好きに思う女の子が、主人公に娼夫の仕事をやめさ せようと彼女としては決死の行動をします。この一見真っ当なことを言っている女 の子に対して、主人公はどう考え、どう決断したでしょうか。 それが仮に逆の決断だったとしても、それはそれでいい結末であったとは思いま す。でも、この終盤の主人公の決断を読んだとき、この作品・作者に対する評価が 自分の中で一気に高まりました。この終盤の主人公の判断に注目してもらえればと 思います。 最後まで読み終えて、作品を振り返ってみたとき、主人公を買う一見ちょっと変 わった趣向を持つお客さんたちは、人に迷惑をかけずに、それぞれ楽しんでこの世 界を生きていることに読者は気づくのではないでしょうか。 いろんな生き方に対して優しくなれる作品だと思いました。 | ||||
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売春はいかんとか、変態たちから学ぶものなどないとかいう考えから論ずるつもりはありませんが、女は退屈と考えている、醒めた20歳の男リョウが情熱を見出す世界が女性向け男性紹介クラブってのはちとはてなでした。 他の人とは少々異なった性的嗜好を楽しむ人たちは多いでしょうが、その背景にそれほど人間の魅力が潜んでいるとも思えないんですよね。初めての石田作品でしたが、続けて読もうという気にはなりませんでした。覚醒するのが難しい時代ですね。 | ||||
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