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償い
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償いの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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夕子の 「人の肉体を殺したら罰せられるけれど、人の心を殺しても罰せられないんだとしたら、あまりに不公平です」 というセリフが脳裏から離れない。 死ぬほど愛していた人の心を酷く傷つけてしまったことが僕にはあるから。 長い人生、程度の差こそあれ、他人を傷つけてしまった苦い経験が誰にでもあるのではないだろうか。 もちろん自分自身が傷つけられたこともあるだろう。 「償い」とは、この物語に出てくる人物が行う「償い」でもあるが、自分自身の彼女に対する「償い」と考えながら一気に読み進めてしまった。 | ||||
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そうあって欲しくないけれどそうかもしれないという主人公の妄想にドキドキしながら一気に読んでしまいました。 | ||||
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他の方のレビューの様にひどいのか?!と疑問に持ちつつ読み出した。 よんだ結果、設定にむちゃくちゃな無理なないと思う。 他の方が『ホームレスに刑事が携帯わたすなんてありえない』とおっしゃっていましたが、刑事には主人公に対する昔の思いがありそうさせたのだと思いますよ。 主人公と少年はどこな似ているのだなと感じました。お互い自己に正面から向き合えない。それが償いというタイトルにつながっているのだと思いました。 テンポよく話が進み一気によんでしまいました。 ただラストシーンの書き方がもう少し順序よくあればもっとよかったのにという点で★4つです。 | ||||
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エリート医師がなぜホームレスにと言う設定に興味を惹かれて読んではみたもののホームレスにもなり切れないかと言って医師に戻る勇気もないという主人公の優柔不断さが苛立ちを覚えた。ただ、話の展開は強引(過去の人助け、その街でホームレスになった、そこで出会った人達は既知であったなど)のではあるが、全般を通して楽しく読めたかなという感想。 | ||||
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「絶望を抱えて生きる二人の魂が救われることはあるのか?」の一文見て買った。「話の設定に無理がある。」と他のレビュアーさんがいってたの見たけど墓場の近くのマンションに住んだら正体不明の影に襲われたり(墓地を見おろす家)正体不明の霊が見えて100年に渡る怨念を懲らしめたり (震える岩 霊験お初捕物控 そんなそれこそ設定に無理がある話を読んできたからなのか設定に無理があるなんて思わず読めた。主人公はあらすじにある通り、子供の病死と妻の自殺で絶望してホームレスとなった36歳の元医師日高。と、かつて日高が命を救った15歳の少年を軸にして進んでいく彼らの周りで起こる殺人事件の犯人はいかに?また、彼らは救われるのか?作中にボノボという類人猿の話が出てくるが面白い。争いの絶えない世界を捨てて自分もボノボみたいな生活したいと思ったが、ヒトと同じか寧ろより一層、弱肉強食ぽいし、本が読めないのでやめた。 | ||||
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元大学病院の脳外科医日高は、息子の死と妻の自殺をきっかけに、すべてにやる気を失い埼玉県のある町でホームレスになっています。 ある日火事の第一発見者となったことをきっかけに、次々に殺人事件や不審死が起こり、日高は巻き込まれていきます。 そんな中、日高が13年前に誘拐事件から救い出した真人という15歳の少年と再会し、日高は彼にある疑いを抱くことに。 元医者のホームレスが主人公という面白い設定でした。 この作品の登場人物には、何かの出来事をきっかけに心が壊れてしまった人間が数多く登場します。 主人公の日高もその一人なのですが、真人との再会をきっかけに、次第に心の安定を取り戻し、社会とのつながりを取り戻す方向に足を踏み出そうとするところで作品は終ります。 人間の心のもろさ、それを壊した人間の責任は?というテーマが根底に流れていて、ある意味考えさせられる、一方で、作者の考えを押しつけられるようで反発したくなる、そんな感想を持ちました。 まずまずおすすめできると思います。 | ||||
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『そのころ、男は羽をもがれた蝿のように地べたを這いずりまわっていた。』 妻子を失った自分を責め、すべてを投げ打ち浮浪者となる脳外科医。 そして12年前の事件とのかかわりから、郊外の街で次々と起きる事件を追う。 単なる浮浪者が警察の協力を得て犯人を追う過程に無理があり、TVのサスペンスの様なので、そこが気になってしまうと読めなくなってしまいます。 でもそこを少し許せれば、良くできた流れる文章は心地よく、一気に読めます。 上手く作られている作品だと思います。 他の作品は読んでいませんが、期待できると思います。 | ||||
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予想外の結末に驚きと感動がありました。 人を傷付けると当然罪に問われるが 心を傷付け壊してしまっとしても罪に問われない。 考えさせられた一冊。 | ||||
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人間の心の小説だと思いました。 主人公は、過去の出来事に対して、十分に心の整理ができていないようでした。 家族にかけてしまった迷惑。命を救った子供のその後の成長についての不安。 元同僚の女医から、医師への復帰を促され、法的・社会的に問題無い、なぜそんなに思いつめるのかとまで言われます。 それで人は、も主人公のように、思い込み、思いつめることはあるのかもしれません。 主人公のように生活することが償いなのか。償うとは何なのか。 それらは、法律などのような論理的なものではないのかもしれません。 もっと個人的なものとしても、とらえられるような問題なのかもしれません。 「償い」について、いろいろな角度から考えさせられ、「人としての心の在り方」にまでせまるような作品だと思いました。 | ||||
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王様のブランチの本紹介で気になって読みました。 小説を読む機会が少ない私でも充分楽しめました。 主人公と少年を中心に物語りは展開していき、どうでもいいような場面も、 後になって「そういうことか」と読み返してみたり。 「こうなるだろう」と読みながら感じてた結末はあっさり裏切られ、しかし充分納得させられる結末だった。 「人の肉体を殺したら罰せられるけれど、心を殺しても罰せられないのは不公平だ」 というのが印象的でした。 小説を読む機会が乏しいわたしなら、もう一度読んだほうが楽しめるような気がします。 理解できなかった場面などを確認しながら。 引き込まれて、興奮して読んだ著者は違いますが「みなさんさようなら」に比べると見劣るような気がしますが、文庫本でも出版されていて、充分楽しめるこの「償い」をオススメします。 | ||||
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この小説は、推理小説仕立てになっているが、作者の真の目的は、優れた推理小説よりも人間の真実をつかんだまともな文学作品を書くことにある。だから、ミステリー作品としてだけ見た読者の評価が低いのではなかろうか。 しかし、これは、生きることにとことん失敗し、自分のせいで家族(妻と子供)や患者を死なせてしまった悔恨と罪悪感に苛まれ、絶望のあまり、ホームレスとしてしか生きてゆけなくなった一人の男の再生の物語である。その再生までの過程が、飾りけのない、むしろ、訥々とした重厚さを感じさせる文章で、詳細に語られてゆく。 その話は身に沁みて感動的で、そのなかに、作者の温かい眼差しが感じられる。 それから、もうひとつは、「人の肉体を殺したら罰せられるけれども、人の心を殺しても罰せられない。それでよいのか」という問題提起である。作者は主人公の男と共にこの問題を探究していく。この問題は、人間の根源的善悪を問う一つの大きな倫理学的テーマである。倫理的な問題が主題になっている点では、夏目漱石の「こころ」とも通じる。 単なるエンターテインメント推理小説ではなく、そのなかに深い精神性を含んだ、地味だけれど内容ある意欲的な文学作品として評価したい。 | ||||
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有能な元脳外科医は妻子を亡くしその責任を感じてホームレスに。生きる意味さへ見失う。 その彼が昔、誘拐魔から命を救った少年と再会し、その地域で発生している連続殺人事件の謎を探る。刑事や新聞記者でもなくホームレスの彼が。。 誘拐魔による一時的な仮死状態から、他人の心の中の泣き声が聞こえるという特殊な能力を持った少年。という設定は斬新で興味深かった。 凶悪な殺人事件と、地元少年たちの「ホームレス撲滅運動」と称する暴力を並行して描かれているのは、安易で不快な感じがした。 ホームレスの元脳外科医に懇意にしてくれる老刑事。実は昔の誘拐魔事件の時の担当刑事だった。そしてその際に治療にあたった病院の看護師。 そんな過去と現在をつなぐ人物を登場させていながら、個人の内面には踏み込まず、事件の解明にも絡んでこない。 事件の謎解きという意味では希薄すぎるが、文章はわかりやすく一気に読める。 本の帯の言葉にとらわれず、過度な期待を持たずに読めばおもしろい。 | ||||
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殺人事件の謎を解き明かしていくのはホームレスの日高。刑事でも探偵でもない新たな視点で事件を追っていく。時が進むにつれ、予想だにしなかった犯人像が浮かび上がってくる。主人公日高が一度消し去った過去の記憶が事件の進行と共にフラッシュバックされ、償いの気持ちで一杯になる。 単なる事件小説と違い、読み終わったあとで胸が熱くなった。 | ||||
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ミステリーと思って読むと、たくさんのご都合主義に気づき、 ちょっと納得がいかないところはあります。 まず、主人公のホームレス・日高が、昔自分が助けた少年に偶然であってしまうところ。 この再会のことを”偶然の中に必然を感じた”とありますが、 ちょっと話がうますぎるかも。 元刑事というならまだしも、元医者が連続殺人の謎を解くなんて、 やっぱり有り得ない。 ただ、わたしが共感できたのは、 ”自分のある行動が、あとあとたくさんの人に影響を及ぼすことになってしまったのでは”と、日高が悩むところです。 よかれと思ってしたことが、実は助けられた当人にはそうでもなかったり、 かえって迷惑だったりすることがあるのですね。 しかもその結果が何年も後にわかるとすると、 自分が今、こうして生きていることは果たして正しいのか。 日高と一緒に悩んでしまいました。 でも生きている限り、人間は立ち止まってもいられないんですよね。 いくら深い悩みがあろうとも。 それが死んだ人に対しての「償い」になるのかなと思いました。 | ||||
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推理小説としては面白いが、主人公に感情移入できない。 というより、はっきり言ってこんなことでホームレスになるのなら最初から脳外科医なんかならずに素直に眼科でコンタクトやめがねの処方箋でも書いてろとでも言いたくなる。 | ||||
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面白いミステリーってのは、本当に面白い。 この本も「先が気になって仕方ない」って感じではないんだけど、もう、読み始めてすぐに引き込まれてしまいました。そして、あっという間に読んでしまいました。 犯人の予想はできる。でも、だから面白くないこともないし、むしろどうやって真相に、確信に近づいていくんだろ?っていうのが気になる。 そして心の傷とか生きる意味とか、幸せの意味とか。真人少年の発言内容は、どこか「確かにそやねん」って思わせる節がある。でも、大人として、人として、「でもな、」ってやっぱり言いたくて。 面白い中に深さのある、いい作品だと思いました。 メッセージ性をもったエンターテイメント。いいですね。 | ||||
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人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないですか?という帯の言葉につれられて購入しました。本書を読んで、この意味をある程度考えさせてくれる本ではないかと思います。登場人物を主人公自身と捕えるのでなく、他の人物と置き換えても良いと思います。そうすれば登場人物以上に深く読めるのではないかと思いました。償うという言葉は、意味があると思いますが、この題のことをもっと前面に出すような話しの展開にしても良いかと思いました。本書なりに生きることの大切さを理解できれば良いと思いました。 | ||||
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事件そのものより、心ない事で傷つけ失った人に対して、どう気持ちをもっていくか。何をすると償いきれるか。そんな内容?ですか。難しくて、出てくる人達もなんか尻切れトンボのようで、理解しにくかった。それにしても、気力も無くし生きるのが嫌に?なりかけていたはずの元医師は、かなりの好奇心の持ち主で、生き生きしているかに見えましたよ。 | ||||
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最近、帯につられて買うということが多い。 全面的に信用しているわけではないが、本好きの醍醐味である本選びが邪魔くさくなっているのか、ゆっくり選ぶ時間がないのか。 さて、本書だが、 値段を考えると、読んで損はなかったかなと思う。 帯に書いてあるほどには思わないけれど。 筆力もあるし、分厚い本だけど、読みやすい。 この手の話が好きな人は感動するという人が多いだろうし、 東野圭吾が好きな人にはお薦めかもしれない。 ただ、自分的には、どうしても引っ掛かるところがあった。 ストーリーとは関係ないのだが、本書の舞台であるところの地名である。 埼玉県「光市」とある。 作者にすれば、「和光市」の「和」を取って、つけた地名かもしれない。 でも、「光市」とくれば、多くの人は、現在も進行中といえるあの事件を思い出すだろう。 犯人が犯した罪と人権派と名乗る弁護団が犯している現在進行中の愚行。 「人の肉体を殺したら罰せられるのに、人の心を殺しても罰せられないのですか?」 この言葉は彼らにこそふさわしい。 あの事件は1999年に起こり、本書は2001年の初版である(単行本)。 2001年の時点で、ここまで世間を揺るがす事件になるとは想像できなかっただろうが、 ああいう事件が起こった地名を使用することには慎重であって欲しい。 事件が起こった1999年でさえ、「光市」というのは、十分あの事件を想像させたし、 また、本書には、文庫化に際して、地名を変えるという配慮がされてもよかったんではないだろうか。 | ||||
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ミステリの体裁を取ってはいるが、倫理・哲学的問題を小説の形式で語ったものと言えるだろう。主人公は元医師のホームレスで、出世欲のため家庭を顧みず息子を亡くし、それが原因で妻を自殺に追いやったと言う過去を持つ。その主人公がある街で15才の少年と遭うが、偶然にもその少年は主人公が医師に成り立ての頃、誘拐事件の際に命を救った相手だった。少年は他人の心の痛みが"聞こえる"と言い、「死んでしまえば、もう不幸は感じずにすむだろう」と言い放つ。折りしも、その街では弱者を対象にした連続殺人が起こっていた。主人公はひょんな事からその事件の探偵役を務める事になるが、次第に少年が犯人ではないかと疑うようになる...。 本作のテーマは上述の少年の言葉と、ある登場人物の「人の心を殺しても罰せられない」と言う言葉の二つに集約される。主人公を含め本作には身近な人の心を壊してしまった(と思い込んでいる)人物が多いし、その逆も言える。そうした人達の心の苦しみが少年には"聞こえる"のだ。「人の心を殺してしまった」人間の「償い」とは ? そして、少年にとっての「償い」とは ? 重い過去を背負っている筈の主人公がヤケに軽い性格だったり、警察署長やベテラン刑事がホームレスの主人公に過剰な便宜を図ったり、人物関係の偶然性が余りに高過ぎたりと、物語の構成には難があるが、上述のテーマをストレートに語ると論文になってしまうので致し方ない所か。主人公を元医師に設定したのは、生と死の問題を真摯に考えるための工夫だろう。人が生きる事の意味、他人の"心"を傷付ける事の意味を問いかけた秀作。 | ||||
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