残虐記

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残虐記の評価:

3.40/5点 レビュー 99件。 D ランク

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平均点3.40pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全146件 101〜120 6/8ページ
No.46
(1pt)

これは本当に「作品」なのか?

この本は、実際の事件に触発されて書かれた小説だといわれていますが、
登場人物の心理描写や振る舞いは、吐き気がするほどおぞましく、
何箇所か読み飛ばしたところがありました。
そのおぞましさが「作家の想像(創造性)だ」といわれれば、
そうかもしれませんが、悪意ある想像をこんな形で世に出す必要はあったのか?
という疑問が生じます。登場人物たちに深みはないし、ただただ作者の
おぞましい想像を読ませられた感じ。
さすがにこれは、読み終わったあと、「下敷きにした事件の被害者は
まだ生きているのに…」としみじみ思ってしまいました。
同じ作者の「グロテスク」は、下敷きになった事件があったとはいえ
“架空の物語”になっていたのでまだマシでしたが、これはさらに
読後感が不快ですし、作作者のおどろおどろしい想像力だけを
押し付けられた気がして、読むに耐えませんでした。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.45
(2pt)

意外にも奥行きのない作品でした

期待感が大き過ぎたのでしょうか?残念ながら、人物描写が、あまりにも浅かったです。物語の展開はさすがだと思いますが、主人公の心情の推移、事実の残酷さは描写は表面的にしかなされておらず、引き込まれるパワーがありません。新潟での事件を想像で小説にした程度のドキュメンタリーさしか感じられませんでした。もっと追究して欲しかったなぁ・・・
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.44
(4pt)

「現実」を凌駕する「想像」

なぜだかわからないが、気がつくといつも僕は桐野夏生の小説を手にとっている。
『顔に降りかかる雨』『OUT』『ダーク』『グロテスク』… 
直木賞受賞作『柔らかな頬』は未読だが、そしてまた今回も、柴田錬三郎賞受賞作の『残虐記』を手に取っていた。
『グロテスク』では、有名な東電OL殺人事件、そして今作『残虐記』では記憶に新しい新潟少女監禁事件をモチーフにした桐野さん。
相変わらず、ずっしり重たい読み応えのある小説でした。
桐野自身はこう言っています。
「主人公の少女は大人の男の欲望にぶち当たり、それがどういうものなのかを想像します。つまり、自分にはない欲望について想像するのです。想像力がなくて欲望だけある人は、ある意味で犯罪者だと思うのですが、想像力を働かせるという方法こそ、想像力を持たず欲望だけがある人物と戦う手段になりえるんじゃないか、と思いました。そして欲望に取り囲まれ、肉体的にも精神的にも奪われるのは常に弱いもの―男性よりも、やはり女性や子供であると思うのです。―その闘争が残虐なのです。」(本書解説より)
そんな「想像力」の力を小説で表現・主張し続ける桐野夏生。そうやって「文学・小説とは何か」を考え続ける作家に僕は惹かれる。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.43
(4pt)

想像力を煽る

著者の他の作品と比較して小作/佳作の部類に入るのでしょうが、よく言えばコンパクトに纏まっていると評価できるでしょう。
読者の想像力を煽る、物語(その登場人物達)に特に救済はない、といった作風はここでも顕著です。
現実社会でも読者や視聴者の想像力(たいていは下世話な)を煽るニュース/報道は多いものですが、児童誘拐(→性的虐待?)という題材を上手に料理しているのは流石です。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.42
(5pt)

いくつもの真実と虚構が重なり合って物語りを紡ぎ出す

いくつもの真実と虚構が重なり合って物語りを紡ぎ出しています。それは
(1)作品の世界、いわば生方淳朗の手紙の世界の真実と虚構
(2)「残虐記」と題された手記の真実と虚構
(3)「残虐記」の中に出てくる小説内小説「泥のごとく」の真実と虚構
(4)実社会で起こった監禁事件の真実と虚構
この4つの真実と虚構が入り混じり、物語が読者の生理に絡み付いてくるようである。
フィクションとノンフィクション。どこまでが真実でどこまでが嘘なのか。
まるで真実という「縦糸」と虚構という「横糸」で残虐記という名の「布」が織りあがったかのようである。そして、その布をまとった読者は心の奥まで自分の残虐性と向き合うのである。ほんと様々な意味で「怖い」作品である。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.41
(5pt)

虚構の自覚

表向きは登場人物たちの表現という形になっていて、全能の神たる作者は直接的には見えない。それが妙なリアリティを生み出しているが、もちろんエンターテイメント小説としての割り切り・仕掛けも用意されている。
結末ですべてがすっきりと氷解するわけでもなく、わかりやすいヒューマニティが描かれているわけでもない。
しかし、そのわかりにくさ、輻輳する複眼思考が、作品に奥行きと余韻を生み出している。
単なるエンターテイメント小説には収まりきらない読み応えを感じる作品。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.40
(5pt)

相変わらずの毒

少女監禁
そういえばそんな事件がありましたよね。
週刊誌がこぞって特集組んで。
正義感ぶりながら、覗き見趣味という記事が満載でした。
あの事件を元に、ここまで毒のあるストーリーを・・・
さすが、桐野さんです、はい。
人間の底知れない、しかも、「リアルな毒」を書かせたら、
当代一と思います。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.39
(4pt)

想像が現実を凌駕する。

突然、日常生活を破壊してしまう圧倒的な暴力、恐怖、理不尽さを目の前に、人はどう変わっていくのか、何を拠り所とするのか、どのようにして悲劇は生まれ、育まれていったのか・・・。
ある誘拐、監禁事件の真相を”出来事”からではなく、人間関係や心の内から探った、作者の渾身の一作。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.38
(4pt)

“想像”の本来持つとてつもない力を信じようとする作者の意思

  桐野夏生は、「グロテスク」で東電OL殺人事件、「残虐記」で新潟少女監禁事件と、“あえて”あからさまに現実の猟奇的事件をモチーフとすることが多い。それはなぜだろうか?
  最近、現実に起こる事件には“想像”をはるかに凌ぐものが多い。あるいは、こうした事件は“想像”と“現実”が綯い交ぜになることで起こっているのかもしれないが。現実が想像を凌駕していくということは、想像、もしくは文学の敗北である。現実が想像を超えていくのではなく、想像が陳腐なものに成り下がっているのだ。桐野夏生は、そのことに大変自覚的な作家であり、現実をモチーフとした作品は“現実を超えていく想像”という図式にこだわっている気がする。少なくとも作者は、“想像”の本来持つとてつもない力を信じようとしている。
  「残虐記」は“想像の愉楽”を反復的に読者に供するための、創作上のたくらみを持つ。小説には、語り手は嘘をつかないという暗黙の了解があるが、「残虐記」は語り手がウソをつくのだ。ほかにも小説の中に小説を組み込むというメタ的な手法や夢世界の挿入など、様々な手を尽くして、何重にも“想像の愉楽”を反芻させてくれる。作中の言葉で言えば“性的人間”、つまり想像によって生きる人間で自分もありたい、自分もなりたい、と強く思わせる作品だ。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.37
(5pt)

人間の一筋縄ではいかない屈折を描いて、見事

 うん、確かに読み始めは「例の事件」が頭をよぎるが、実は中身は全然違うじゃん。
 まずは郊外の集合住宅の生活のリアルさが何とも言えない。ああいう母親っているし、ああいう娘との関係というのも、物すごく思い当たる。
 で、少女が誘拐された後の書き方がすごーく微妙で、状況がわかってきてからも読者をそらさないのはさすがである。この辺はネタバレになってしまうので詳しくは書かないけど。
 助け出された後の周囲の人間の悪意のない嫌らしさも、とてもよく描いている。こういう「タチの悪い善良さ」を体験したことのある人には少々つらいかもしれないが、いつもながら人間を知り尽くしていて、見事というよりほかはない。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.36
(4pt)

虚構の虚構について

とある大人にある日誘拐された『私』。そこで一年あまりの月日を過ごすことになる。のちに『私』は作家となり、結婚もするが、ずっと誰にも黙っていた『そのとき』のことを小説にし、どこかへ消えてしまう。
かなり不思議な作品だ。それは、人物があらゆる側面も持つように作られているからだろう。それは決して一方からの位置づけにとどまらず、さまざまな側面をもってひとりの人物として成立している。物語そのものは、非常に、といっても差し支えないほどシンプルだ。しかし、その背後に潜むものは迂回し、絡み、そして避けながら流れていく。しかもおもしろいのがそれがフィクションだというのだ。事件に遭った『私』が、事件についてフィクションで語るのである。虚構の虚構について考えるとき、その皮をひとつこちら側にまたいだ虚構についても考えてしまう。なかなかに印象的な作品だった。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.35
(1pt)

不愉快

私は、自分の過去のことがあって、どんな風にこういった被害にあった人のことが描かれているか気になり、この本を手にしました。
私にとってはこの本は読むべき本ではなかったと思っています。
読んでいるうちに、精神の不調をきたし救急で病院に運ばれました。
私自身の体験では、この本に書かれているようなことはありませんでした。
毎日、生き残ることだけが精一杯でした。当然、加害者にこのような感情も持ち合わせていません。
こういったトラウマは、この本に記述されているようにすんなりと通り越せるものではありません。(怒)長年の治療を要し、人生全てを奪われます。
感性は人の個性でしょうけど、この本が面白いという人には憤りを隠せません。
☆ゼロでもいいぐらいです。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.34
(2pt)

セカンドレイプ小説

三島のプライバシー裁判が記憶に新しいですが、現実をモチーフにする行為は安易になされるべきではないでしょう。こういう小説が許される日本は言論の自由がある程度保障されているのでしょうか。ぶっちゃければセカンドレイプ小説といえます。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.33
(4pt)

作品から漂う臭い

様々な臭いがこの作品から感じられた。
監禁前の少女の家の臭い、閉じ込められた空間の臭い、工場のそして監禁された後の臭い。
監禁される前の彼女の家から感じられるのは母親の香水の臭い、工場では人々の重くよどんだ生活臭、解放された後の彼女からはアルコール(消毒薬)の臭い、そして時の流れと共に段々と無臭になっていくのを感じた。
密室の中で無垢(であると人々が考える)な小学生と変質者、その間の関係は人々の好奇心をそそる。今の時代、売春をしている少女だって沢山いる。しかし、こういった犯罪被害者は「汚された天使」であり、人々は白いものが汚れていく場面を想像することによって一種の興奮を覚えるのかもしれない。
この作品で描かれている事件(以前あった事件を想像させるが、これは作者の産物であろう)はあまりに重苦しい。
作品の中で彼女がその後小説家として大成したというのがせめてもの救いではあるが、昨今発覚しているこのような事件の裏側に、「ふせげるけど防がなかった」「助長した」人々が多くいたという事が何より気分を重くさせる。
桐野氏の作品にしては短編でよくまとまっている、その分読みやすいが、読後はかなりきつい・・・
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.32
(4pt)

暗くて恐ろしい世界

面白く読めた。
さすが桐野夏生!という感じの、読んでて気持ち悪くなるほどの書き方だった。
例の事件は連想されるけど、これは十分フィクションになってると思った。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.31
(5pt)

『解放後』の物語

この本を読む前は、
主人公の女の子が男の家に連れて行かれて、
無事開放されるまでの日々を克明に綴ったものだろう、
と当然のように思っていたのだが、それは違っていた。
男の部屋での出来事はせいぜい全体の3分の1程度である。
開放された後の話の方が圧倒的に長い。
開放後の日々の方がこの物語の本題だったのだ。
幼い頃に監禁された子供は、
そのまま殆ど精神的成長が止まってしまうのだろうと
漠然と思っていたのだが、それもこの物語では違っていた。
幼い頃に社会から遮断された空間に放り出された事によって、
彼女は普通の子供では殆ど考えられないような
精神的成熟を遂げる事となる。
このように、この物語は、いくつかの意外性に満ちている。
しかし、最後の章を読んだ後は、何か熱いものがこみ上げてくる。
それは幼い頃に特殊な体験をしてしまった事へのやるせない気持ちと、
そしてずっと誰にも言えずに胸の中にしまっていた思いを
この目で見てしまったからかもしれない。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.30
(1pt)

残念で残酷。

『グロテスク』が某事件を題材にしたように、本書を手に取れば多くの人間があの痛ましい事件を想起する。桐野作品が評価されたのは、『OUT』にしても『柔らかな頬』にしても圧倒的な構想力と想像力を目の前にしたからではないのか。
 実際の事件を下敷きに、あるいはあからさまに想起させるような(逆パターンはありうるとしても)こうした小説。事件の関係者が手にとることはないと考えるのか、だとしても実際の事件で多くの傷を負った人々に追い打ちをかけるような傲慢極まりない小説。
 エンターテイメントとしての小説の域を超えているのではないでしょうか。知らずに手にしてしまった桐野ファンとして、残念の一言につきます。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.29
(1pt)

あなたは「作家」と名乗るのですか

「グロテスク」を読んだとき、この作家はなんというグロテスクな神経の持ち主か、と驚いた。
しかし一方で、人間が持ちうるあらゆる矮小な悪意を書き連ねて一編とする姿勢には、それなりの覚悟が見えた。
それはモチーフとなった事件の被害者が実際に持っていたかもしれない、自己確認への悲愴な欲求を描き出す筆力につながっていたと思う。
なによりも、「グロテスク」の登場人物たちは、あらゆる悪意や差別を発し、かつ受けながら、極言すればそれぞれが精一杯に生き抜いていた。
そしてこの作品。
著者がなんと言おうと、この作品が読者に具体的な事件を思い起こさせることは避けられない。
にもかかわらず、これについて書くことへの何の覚悟も背負うことなく、しかも、あの事件は作品とは関係ないと「わざわざ」発言しつつ、
「著者の想像」だけを頼りにこのような浅はかな作品を発表するとは。
事件当時の被害者がまだ小さな子供であり、その無力な存在に対して社会が救いの手を差し伸べることができずに
長い時間が経過してしまったというその一点からだけでも、あなたはこの作品を発表するべきではなかった。
そのような作品を手に取った自分も同類と恥じつつ。
もう桐野さんの作品は読みません。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.28
(2pt)

この作品は・・・

桐野作品はあたりハズレがあるが、これは駄作。実際の事件をヒントに得て書かれた作品だけに被害者感情を逆撫でするような平凡極まりない結末にガッカリ。読んだことを後悔した。いつもテーマが斬新だが、これは明らかに失敗。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.27
(3pt)

期待はずれの面も・・・

異常な状況下での監禁生活。10歳の女の子が体験するにはあまりにも残酷なものだった。1年後家に戻った彼女はもう以前の彼女ではない。家族もまた以前の家族ではなくなっていた。事件はあまりにも深い傷を残してしまった。周囲の視線も突き刺さるようだ。被害者は、事件が解決したあともずっと心の痛手を引きずっていかなければならない。だが、驚いたのは彼女の心理状態だ。人は極限状況に置かれた時、そうなってしまうのか?そしてそれは、何十年たっても消えないものなのか?ラストはちょっと期待はずれ。残念ながら、意外性も感じなかった。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013