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破線のマリス



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【この小説が収録されている参考書籍】
破線のマリス
破線のマリス (講談社文庫)

破線のマリスの評価: 3.62/5点 レビュー 47件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.62pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(5pt)

報道とはかくあるべき・・・・と

卓越した文章力と物語の構成力に秀でた作品である。ストーリーもテンポよく進行し、食い入るように読む事ができた。製作側にいた作者とっては、報道というものがいかなるものか。だれのための、何の報道なのか。これを『想像力』と『勇気』という言葉に置き換えて、主人公は訴えかける。情報が煩雑を極める現代にあって、あらゆるメディアで得られる情報は、見る(聴く)側の我々にしてみれば、それが真実かどうか確かめるすべはない。が、決して鵜呑みにしてはならず、情報そのものの真価を決めるのは我々なのだと警鐘を鳴らしている。この作品は、江戸川乱歩賞を受賞している。
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4062088630
No.5:
(5pt)

メディア論の入門書としても

第43回江戸川乱歩賞受賞作。実は先に映画を見てしまった。そこそこの出来だったのだがいくつか納得できないところがあっておそらくそれを原作は解決してくれるだろうと。あたり。監督官庁にけんかを売れるような骨のあるテレビ局はないよね。だから被害者には一介の市井の人を当てるとより報道による人権の侵害を効果的に描けるのではと思ったのだけど。考えてみたらそれじゃこの作品が成立しないや。テレビの裏側 報道の裏側 そして監督官庁との力関係。(だってテレビが免許事業で郵政の許認可が必要だってことも知らない人結構いるもんね)こうしたことってやっぱりこの作品の加害者と被害者の組み合わせじゃないとでてこない。放送法や免許の更新についてもやさしくかつ流れをそこなわないように説明してくれていてそれもマル。5W1H FOR WHOM FOR WHAT の くだりなんかはそのままぼくらの日常のどんな事柄の分析にも使えそうだし。今はやりの『負け犬の遠吠え』を思わせるような主人公の描写もいい。留守電のランプに孤独からの救いを求めるところなんかね。被害者と加害者がめまぐるしく(はちょっとオーバーかな)入れ替わってそこではじめて知る感覚に愕然とするあたりもいいし。何よりテンポのある文体だから読みやすい。さりげなくはじめの方の局内の情景描写なんかもさすがに内情を知っている人だなあと。純粋なミステリーとしてはどうかな というところもあるけれど。メディア論って避けて通れないし、だったら最高の入門書のひとつとしてこいつをお勧めしたいな。
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4062088630
No.4:
(4pt)

事実から真実へ

 乱歩賞だけは作家にとらわれずに読もうと思って読んだのだがなかなか面白かった。本職が脚本家というのもあってか文章を作るのは巧いと思う。だがミステリとしてはやや薄かった。福井晴敏の「川の深さは」をハナ差で交わし乱歩賞をとったという話だが、それなりではあると思う。前にも書いているがミステリとしての巧さはそれほどでもない。その分はまだ新人の域を出ていない時代だからだ。伏線はある程度はひかれているが大体はつかめてしまうしそれほどの驚きもなかった。それでも星4つにした理由はある。   主人公の遠藤瑤子はテレビマンのひとり。ニュース番組の中の「事件検証」というコーナーで直前に独自で仕上げたモンタージュを視聴者に披露する。その無茶苦茶が事件と微妙につながっていく。淡々と読み進め読み終えたときの読後感はあまりいいものじゃない。正確な犯人が捕まらないままにストーリーは終わっているし、何より主人公が主人公だし。ある意味ではリアリティを求めているのだと思う。   事実から真実へ。どうしても真実が知りたい。今ある事実から真実を手に入れる為には。そう言った主人公の悩み。しかしそれでねつ造でもされてしまっては当事者はたまらない。真実ならばいいが、真実じゃないとしたら。言論や映像の自由とは言えかけ離れている。そう言う節から間接的に作家は訴えている。作家にというよりはストーリーに、登場人物に説得力があったように思う。そう言う意味では斬新な小説だと思ったし、某局の視聴率買収などでテレビ界が騒然としている今の時代に、違った形ではあるが読むことを薦める。たまにはこういうのを頭に叩き入れておくのもいいと思った。  福井晴敏の「川の深さは」と乱歩賞をかけて熱戦を繰り広げただけはある小説だと思う。面白い。
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4062088630
No.3:
(4pt)

痛烈なしっぺ返し

レンズを通して被写体を操っていたと思っていた人間が、ついにはその洗礼に遭ってしまうと言う面白い展開だった。容疑者が二重三重に重なって、点と線が入り乱れてはいるものの、骨太な柱が全編を貫いていて、緻密かつ力強いものになっている。単純に物語を楽しめたと同時に、別次元の力を持ってしまったマスコミ権力に警笛を鳴らすかのようにみえて、非常に痛快だった。
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No.2:
(5pt)

仕事のできる孤独な女性にお勧め

いつのまにか夢をあきらめ客観的な事実しか信じなくなって仕事の進め方にも善意な無知を許せない程キャリアを積み重ねた美しい孤独なシングルの女性にお勧めの1冊。黒木瞳主演の同名の映画も併せてご覧になるといいかも。愛情なんて今更信じない。失ったものに拘泥するより「今」を生きるわ。と強がって仕事に没頭するヒロインに共鳴できる一方、自分の視点だけに無意識に呪縛されてしまっている危険性に気づかされる。
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No.1:
(5pt)

野沢尚、女性主人公に強し

野沢尚作品は、登場人物の個性がとにかく印象に残るので、後半に進むに連れ「こいつだったらこうするだろう」が頭の中で描かれるのだけど、それを裏切り「そうするか」の面白味がとにかくたまらない。映画化・ドラマ化される野沢作品の中でも「リミット」に引けを取らない会心作。
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