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心理試験
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心理試験の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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短編集7作品です。 どれも個性のある読み応えのある作品でグロテスクなものもありますが、どれも読みやすいと思います。 ・心理試験 明智小五郎の痛快な心理返し ・二銭銅貨 友人への手の込んだいたずら ・二廃人 夢遊病者と信じ込んだ末路 ・一枚の切符 尊敬する博士の思い ・百面相役者 ありえない変装 ・石榴 グロテスクなメンタリスト ・芋虫 戦争の悲劇 中でも心理試験と一枚の切符が推理を紐解くあたりがいいと思います。 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「しゃべり過ぎた男の完全犯罪未遂。小さな綻びから虚飾を引きはがす、明智の洞察力」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「人は矛盾した生き物です。良かれと思って、良くないことに突き進みます」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):乱歩先生初期の作品だが、巧みな心理描写と「あり得る」トリックにより、人気の高い作品だ。 ウノーさん(以下ウ):文字通り「心理」がテーマで、それによって人は罪を犯し、罪を逃れようとし、罪を認めることになることが、よくわかります。 サ:「心理学」に対する皮肉も、乱歩先生らしい。 ウ:判事の笠森さんがおこなった「心理試験」では、犯人は「別の人」でしたね。 サ:そこから「名探偵明智小五郎」と「秀才で勤勉家・蕗屋」との心理戦となるわけだ。 ウ:自分を「守る」ためにとった行動の数々が、一つ一つ「証拠」へと変化していくさまは、さすがの江戸川乱歩です。 サ:実によく練れていて、さすがの明智小五郎も「もしかして、降参?」と思わせるくらい、完全犯罪としての計画ができている。 ウ:さらに「通常はこうだろう」という「常識」を巧みに利用した「証拠」は「敵ながらアッパレ」でした。 サ:その「証拠」たちから、一点のくもり、陰りを探し出し、そこから一気に崩す。やっぱり明智小五郎には敵わないわけだ。 ウ:やっぱり怖いのは「殺人」の「動機」です。あまりにも自己中心的で、自分勝手ですが、この「動機」を抱く「理由」は、誰もがもっている「感情」かもしれません。 サ:だからこそ、人は生きているだけで価値があることを認め合い、その前提において社会を営んでいる事実を認識しなければならない。 ウ:日本の推理小説で、ここまで論理的に組み立て、描写も含め綺麗に完結させたのは、この作品が最初のほうだと思います。 サ:そして、その「理論」が犯人の「心情」によって打ち砕かれるという「もっていきかた」に、乱歩先生の面白さが滲み出ている。 ウ:読んでおくべき、隠れた名作です。 【了】 | ||||
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江戸川乱歩の入門として、非常に乱歩らしさが感じられる本だと思います。内容も、ユーモアと人間心理の巧みさが光る品です。 | ||||
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本覆刻版には「二銭銅貨」からの著者初期の、まさに至高の短編が網羅されている。 本シリーズは本書を含めて全四冊あり、他は「湖畔亭事件」、「屋根裏の散歩者」、そして「一寸法師」である。 乱歩作品、特に本書収載の短編群は、すべて複数のシリーズで所有しており、すべて既読ではある。 しかし覆刻版のなんとも不鮮明な、しかも読みにくいかな使いで読むと、改めて乱歩が活躍した当時の雰囲気を感じることができる。 これは鮮明な活字で、現代かな使いでは味わえないものだ。 高価であり、マニアがコレクションする以外に勧められるものではないのだが、乱歩作品が真摯に好きなマニアなら、この雰囲気をぜひ味わってもらいたい。 同叢書の「覆刻創作探偵小説選集」全四冊とあわせて、実に味わい深い、また貴重な蔵書となった。 | ||||
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芋虫に☆☆☆☆。その他は☆☆☆程度。 芋虫。あまりの絶望的な状況に胸が苦しくなる。単なる残虐趣味の作品かと思っていると、最後に思わぬ感動が。。 切ない。。 | ||||
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江戸川乱歩の心理試験。もう20年以上も前に読んだなあ。その頃は本なんかほとんど読まない人間だったのだが、小学生の時、「怪人20面相」なんか読んでいたので、江戸川乱歩が気になって読んでみたのだが、その時は本当に面白かった。この心理試験はいわゆる「著述ミステリー」という奴で、わざわざ説明する必要もないが、要するに最初から犯人が分かっていて、その犯人が一見完璧と思われる犯罪を犯すが、どこかに穴があって、それを探偵役が見事に見つけ出して事件を解決するというもの。ドラマなら「刑事コロンボ」「古畑任三郎」です。 ちなみにこの「心理試験」のネタは、「古畑任三郎」のとある回とほとんど同じです。「古畑任三郎」がパクッったんかな? | ||||
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江戸川乱歩の心理試験。もう20年以上も前に読んだなあ。その頃は本なんかほとんど読まない人間だったのだが、小学生の時、「怪人20面相」なんか読んでいたので、江戸川乱歩が気になって読んでみたのだが、その時は本当に面白かった。この心理試験はいわゆる「著述ミステリー」という奴で、わざわざ説明する必要もないが、要するに最初から犯人が分かっていて、その犯人が一見完璧と思われる犯罪を犯すが、どこかに穴があって、それを探偵役が見事に見つけ出して事件を解決するというもの。ドラマなら「刑事コロンボ」「古畑任三郎」です。 ちなみにこの「心理試験」のネタは、「古畑任三郎」のとある回とほとんど同じです。「古畑任三郎」がパクッったんかな? | ||||
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1962年に春陽堂文庫として出た『江戸川乱歩名作集7』の新装版。 「心理試験」「二銭銅貨」「二廃人」「一枚の切符」「百面相役者」「ざくろ」「芋虫」の7つの短篇が収められている。 有名な作品が多く、充実した一冊と思う。 しかし、「心理試験」と「二銭銅貨」には感心しなかった。探偵手法といい、結末といい、現代の読者は納得しないのではないだろうか。 面白かったのは「ざくろ」と「芋虫」。ストーリーとして良く出来ている。 まあ、読んで損のない一冊だろう。 | ||||
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1962年に春陽堂文庫として出た『江戸川乱歩名作集7』の新装版。 「心理試験」「二銭銅貨」「二廃人」「一枚の切符」「百面相役者」「ざくろ」「芋虫」の7つの短篇が収められている。 有名な作品が多く、充実した一冊と思う。 しかし、「心理試験」と「二銭銅貨」には感心しなかった。 探偵手法といい、結末といい、現代の読者は納得しないのではないだろうか。 面白かったのは「ざくろ」と「芋虫」。 ストーリーとして良く出来ている。 まあ、読んで損のない一冊だろう。 | ||||
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この本の中では、石榴(ざくろ)が秀逸の一品でお気に入りです。エログロあり、トリックも巧妙で、初めて読んだ時、度肝を抜かれました。春陽堂の表紙が素敵でここの出版社のを集めているんですが、画像が表示されてないのが残念ですね・・・。 | ||||
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この本の中では、石榴(ざくろ)が秀逸の一品でお気に入りです。 エログロあり、トリックも巧妙で、初めて読んだ時、度肝を抜かれました。 春陽堂の表紙が素敵でここの出版社のを集めているんですが、画像が表示されてないのが残念ですね・・・。 | ||||
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この短編集には表題の『心理実験』の他、『二銭銅貨』『二廃人』『一枚の切符』『百面相役者』『石榴』『芋虫』が収録されていますが、ここでは『芋虫』についての感想をかきます。星5つは『芋虫』につけています。戦争で両手両脚を失い、耳もきこえず口もきけなくなり、触覚と視覚のみで畳の上をはいながら生きる傷痍軍人とその妻の異様な生活の話です。『芋虫』は昭和14年(1939年)、戦時色が濃くなる中で、反戦的という理由で発禁になりました。しかし実際のところは、反戦イデオロギーの意図で書かれたというよりも、むしろ一種の「もののあはれ」が描かれているというほうが妥当な気がします。世間からほぼ切り離された状態で二人の男女がむかいあったまま、運命と愚かさゆえに、ずるずると堕落し、人間性を剥き出しにしていく、という陰惨な話なわけですが、最後には視覚までも奪われてまるで本当の芋虫のようになった傷痍軍人が、口に加えた鉛筆で書いた「ユルス」の一言が感動的です。 | ||||
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この短編集には表題の『心理実験』の他、『二銭銅貨』『二廃人』『一枚の切符』『百面相役者』『石榴』『芋虫』が収録されていますが、ここでは『芋虫』についての感想をかきます。星5つは『芋虫』につけています。戦争で両手両脚を失い、耳もきこえず口もきけなくなり、触覚と視覚のみで畳の上をはいながら生きる傷痍軍人とその妻の異様な生活の話です。『芋虫』は昭和14年(1939年)、戦時色が濃くなる中で、反戦的という理由で発禁になりました。しかし実際のところは、反戦イデオロギーの意図で書かれたというよりも、むしろ一種の「もののあはれ」が描かれているというほうが妥当な気がします。世間からほぼ切り離された状態で二人の男女がむかいあったまま、運命と愚かさゆえに、ずるずると堕落し、人間性を剥き出しにしていく、という陰惨な話なわけですが、最後には視覚までも奪われてまるで本当の芋虫のようになった傷痍軍人が、口に加えた鉛筆で書いた「ユルス」の一言が感動的です。 | ||||
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