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不思議島
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不思議島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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ミステリーとしての質の高さばかりではなく、全編を流れるリリシズムと上品なエロティシズムが本書を第一級のエンターテイメントにしている。惜しくも作者が新作を書かなくなった今、その代表作と目されている「黒百合」と同様に増刷されることを期待したい。 | ||||
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何故この本を取り上げたかと言いますと、深い意味はないのですが、最近読み終えたという事と、取り上げ易そうだったというだけです。 読んだきっかけは、10年くらい前に、友人に薦められた、同じ作者の多島斗志之さんの、症例Aという小説が大変面白かったので、古本屋で同じ作者の本で、100円だったので買ってみました。 この二冊しか多島斗志之さんの本は読んでないです。 何年か積読状態で、買ってからしばらく読んでなかったけど、ようやく最近小説を読んでなくかったという事と、営業自粛で時間があったので、読んでみました。 感じとしては、火サス見たいな感じでした。 2時間ドラマと言いますか。 トリックがとても良かったです。 症例Aも面白かったですけど、やっぱり文章の感じは似てますね。 ストーリーは全然違いますけどね。 本当に物語を書く人って頭いいというか、才能がすごいと思います。 でも、2021年6月時点でのAmazonレビューでは、症例Aの方が良いというコメントや、一歩及ばずみたいな意見がチラチラあります。 結構みんな辛辣ですね。 内容はと言いますと、カテゴリはミステリです。 文章の感じとか、タイトルから、怖いところがあったらやだなーと思ってビビって読んでましたが、全然そんなところはないので安心してください笑 舞台は瀬戸内海のたくさんの島がある中の一つの島で、主人公は20代の女性です。 物語の最初に、主人公が小さい頃に誘拐事件にあった、と言う事だけ明かされますが、その後しばらくその事件に関しての言及はなく、中盤までは、登場人物の性格や、生い立ちなどに費やされます。 登場人物もそんなに多くなくて、キャラクターのそれぞれの個性がちゃんと確立されていて、しかも、それが全てストーリーに絡んできて無駄がないです。 それぞれのキャラクターについては、主人公視点で性格や生い立ちを説明しています。 後半、誘拐の謎が解明されてくると、そのキャラクター達の性格の見方が違ってくる、と言うところが非常に面白かったです。 視野を広げると、色々なものが見えくるのですね。 最後のトリックも二転三転して、なるほどここで終わりね、と思ったら、また続きがあったりして飽きなかったです。 ほんとに物語書く人って凄いなと思いますね。 | ||||
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1991年に徳間書店から出た単行本の文庫化。ほかに1999年の徳間文庫版がある。 良く出来た作品。240頁と短めの話だが、それもあって隅々まで計算され、印象深い一冊に仕上がっている。トリックはちょっとアレだが、それを軸に据えたストーリーが実に良く練り込まれている。さらに、そこから派生する人物描写が巧み。話の都合上、こうでなければならないという人物像が、要求通りに描き出されている。不自然さ、引っかかり、読者の感情移入などが計算され尽くしており、読後は、ああそうだったのかとうなづくばかり。 やりきれない結末も上手い。 | ||||
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「フシギ島、という島の名前、聞いたことはありますか?」 二之浦(にのうら)ゆり子を呼び止めた青年は、さりげない会話の後でこんな事を聞いてきました。一ヶ月前に島の診療所に赴任してきた、里見という若い医師のようです。 まだ西瀬戸自動車道ができるより前の時代です。今治(いまばり)から来島(くるしま)海峡を渡るフェリーの中で、ゆり子はこの青年から不意に声をかけられ、なんとなく話が弾みました。 フシギ島の話とはその会話の中で出た話です。 400年前の戦国時代の事です。村上水軍はこのあたりを支配し、ここを通る船から「帆別銭(ほべつせん)」、「艪別銭(ろべつせん)」という一種の通行税を徴収していました。帆別銭とは帆の大きさで、艪別銭とは艪(ろ)の数でそれぞれ徴収金額を定めていました。これによって村上水軍の庇護を受けるという意味もあります。 むろん、そんなものを支払わずにすめば、その方がいいと考えるものもいる。その一隻が、ある霧の夜に来島海峡を通り抜けようとしたそうです。 さいわい座礁もせずに無事にこの海域を抜けたのはいいのですが、夜が明けるにしたがって驚いたことに、海峡の前で通過したはずの小島、村上水軍が根拠の一つにしていた島が目の前にあるではありませんか。 たちまちのうちに船は捕まり、船頭も水夫もみな首をはねられました。たった一人、飯炊きの少年だけが命を助けられます。彼がこのことを記録に残したのだそうな。それが、不思議な島、伏木島(ふしぎとう)として今に伝わる伝説となったらしい。 鏡を通り抜けたように、と青年は言います。 これが始まりでした。ここから瀬戸内海の暗流と、狭い島の社会の中でおきた15年前の事件が甦ります。 青年は何者なのか。目的は何か。 ゆり子の家族は仮面をかぶっているのか。だれが、どんな仮面を。なんのために。 謎は解けるのか。悪夢は晴れるのか。 人間の多面性と、海に生きる人々の思い、海を使った人々の思いをちょっと感じられて、面白かった。 | ||||
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一つ出来事であっても、立場の違う人々にとってはそれぞれに意味合いが違ったものとなり得ます。 人も同じで、見る者によって全く違った存在となります。それが、どんなに近しい人であっても。 自分自身であっても、時間が経てば・・・、情報が加われば・・・、状況は刻々と変化します。出来事の周りに位置する人々への見方が変わった場合は更に全体像も自ずと・・・。常に流動的とは言えないでしょうか。 ほんの数日間の話ですが、スピーディに展開していきます。その中で、人もどんどん変化していきます。単なる謎解きの面白さだけではありません。大変な秀作です。 | ||||
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最初のうちは「恋愛冒険もの?」と戸惑ってしまうところもあると思いますが後半になるとあのことはこう繋がってくるのか、とミステリ仕立てになり最後にはいたたまれない真実が明らかになります。どんな目的があろうと無闇に人の過去や秘密を探ろうとしてはいけないな、ということを感じました。場面切り替えが早く、無駄を省いた形となる話なのでちょっとした伏線も探り易いのでは?また、短い間にさらっとさまざまな知識なども混ぜ込んであって納得させられます。 | ||||
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