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(短編集)

陰の季節



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【この小説が収録されている参考書籍】
陰の季節 (文春文庫)

陰の季節の評価: 4.31/5点 レビュー 109件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.31pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全97件 61~80 4/5ページ
No.37:
(4pt)

社会の生々しさが良く描かれています。

読み始めは取っ付き難いところがあるのですが、ぐいぐいと引き込まれます。
何処が違うのだろうと思っていたのですが、解説にも記されている通り警察小説ではありますが、捜査畑の人間が主人公ではなく管理畑の人間が主人公なんです。
4つの短編が収録されていますが、それぞれ人事、組織内の対立、出世争いが上手く散りばめられ生々しさを読者に与えます。
「鞄」などは、読みながら身につまされる人が多いのではないでしょうか。
私は、いつの間にか主人公になりきるほど没頭してしまいました。
切れの良い短編4編、お勧めです。
そろそろ、横山秀夫の長編を読んでみたいです。
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No.36:
(5pt)

独創的で新鮮!

警察小説において警察官を主人公した作品はいくつもあるが、
警察を組織、警察官をそこで働く人、という構図を土台においた視点から捉えた物語はあまりないように思う。
つまり、警察官を労働者とか個人として描いた秀作は何度も読んだが、彼らを警察組織と反射させて、その人間性を描いていく作品は少ないと思うのだ。
大きな会社組織には往々にして、世間とは乖離したその会社内独自のルールというか社会が存在してしまうものだが、
警察組織もまた、そうした会社組織と同じであるということなのだ。
その閉塞感をクールに描き、そこから噴き出る人の温かみが本作の魅力だと思う。
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No.35:
(5pt)

すぐれた組織小説

この人の本を読むなら絶対に「陰の季節」から、と決めていた。
読む前に手ごたえを感じる作家がたまにいて、その人の作品を全部読もうと、読む前から決めたりする。
そんな作家の一人だ。
警察小説と言えば、高村薫の「マークスの山」だが、「陰の季節」は「マークス」より温度が低く感じる。
作者のスタンスが、現場を離れているのだ。
その分、全体が緻密に観察され、組織内の人物たちが結論なくもがき続ける様に「警察」を超えた人間模様を感じさせてくれる。
創作であっても、ある意味、組織の真実が語られていると思う。
社会の縮図として見ると、懸命に生きる人間たちの賛歌にも見えてくる。
巨大組織・警察と巨大国家・日本。
共通点は大量にある。
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No.34:
(4pt)

犯人を捕まえる人だけが警察官じゃない

 一般的に警察小説というと、刑事が事件を追って犯人を捕まえるまで・・みたいな感じのものが多いのですが、横山さんの作品は、それとは違う内部の警察組織を管理しているデスクワーク組の小説という感じです。
警察官もサラリーマンなんだなぁ・・と、そんな感じがする小説です。
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No.33:
(5pt)

横山警察小説の原点、味わいぶかい。

警察官は潰しがきかない職業であるうえに、公私の区別がつけにくい。
厳しい保秘義務、些細の不祥事(あるいはそれが表に出ること)も許さない
組織文化は、自ずと警察を身内で固まるムラ社会にしてしまう。
横山警察小説を楽しむ大前提は、この警察という組織の特殊性、個人から
みたときの不条理の存在を理解し受け入れることにある。組織が特殊で、
従順であることを求める一方で、更に”抜ける”コストがとてつもなく
高くからこそ、構成員である警察官は、組織の論理と自分の価値観をいか
にすり合わせ行動するかに腐心せざるを得ない。要は、「保身」が
行動原理に強くビルト・インされてしまうのだ。
こうした舞台回しをしっかりと書き込んだ上で、警察の影の部分に焦点を
当て、「人間」の強さ、弱さをそれぞれの短編の中に表現した点にこの
短編集の素晴らしさがある。これは横山小説の一貫したテーマだけれど、
本編は最も成功しているものだと思う。
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No.32:
(4pt)

新鮮で、面白い

このところの移動続きでの車中読書三昧で知った、新しい発見。
横山秀夫、と言う人を知らなかった。いやぁ、恥ずかしい。
面白いですね。
基本的に警察小説だけど、ちょっとこれまでにないタイプのものかな。
一見華やかな、捜査一課の刑事、と言うような部所ではない、警察組織の管理、あるいは監査といったところにいる人達を扱っているところがおもしろい。
と言うことで、立て続けにこの横山さんの本を買って、読みつつあります。
そこでわかったのは、警察組織の管理、あるいは監査といったところにいる人達を扱ったものは今までになく、新鮮で、面白い、と言う感じですな。
うん。ま、少し読んでみよう。
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No.31:
(4pt)

警察組織を裏で支える人たち

横山秀夫の珠玉の短編集。元警察担当の記者の経験を生かし、警察組織の細部まで詳細に描かれた作品は、読む者を引き込む。作品に登場するのは、人事を担う警務、賞罰を担当する監察、議会対策を主とする秘書課など、普段、市民が直接触れることがほとんどない、いわば、警察の裏側。自らの出世のため、あるいは、組織を守るため、奮闘する職員たちの姿が描かれる。作品ごとに主人公がかわるが、別の作品で脇役として登場することもあり、人物を内と外から見るおもしろさもある。
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No.30:
(4pt)

新たな警察小説の白眉

警察ものの映画や小説って、犯人捜しに終始してしまうか、スリリングなカーチェイス、銃撃戦なんかに目をひかれてしまうことも多い。
しかし、ここに出てくるのは、そんな派手な警察ではありません。
捜査したり、犯人を捕まえるのだけが警察ではない。
その陰で警察という巨大な組織を支える人たちがいる。
着眼点のよさもさることながら、人間がきちんと書けているのが素晴らしい。
横山秀夫の警察小説の出発点であり、ぜひ読んでおくべき本です。
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No.29:
(4pt)

自ら「組織」を築きながら、そこに囚われてしまう「人間」。

「完璧なムラ社会」警察組織の生々しい息遣いが聞こえてくるような一冊です。
警務部秘書課で「議会対策」にあたる男の話(「鞄」)など、
「そんな職務あるの?」と、目新しさに胸踊り、組織の詳らかな描写に心を掴まれます。
が、横山氏の凄いところは、そうやって組織というシステムを描いた上で、
そこに生きる人間の揺らぐ心や言いようのない熱さを感じさせるところではないでしょうか。
短編が四作収められていますが、主人公は全て異なります。
しかし、彼らの所属はすべてD県警。
つまり、さっきの作品で主人公だった人物が、
次の短編では脇役としてほんのちょっと顔を出したりするのです。
その、さりげない人生の交錯の仕方も、またたまりません。
警察という組織の匂いを作品の隅々にまで染みこませているおかげで、
かえって「人間」を感じさせる、お奨めの一冊です。
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No.28:
(4pt)

横山作品との初遭遇♪

横山秀夫先生の作品にはじめて出会ったのが、この作品。
私はこの作品に出会うまでは、
警察機構ってのは「太陽にほえろ」的な
刑事部のみかとおもっていました。
でも、この作品はその世界観をガラリと180度かえました。
警察組織内での軋轢や陰謀、かけひき、人間くさいドラマが
展開されます。
主人公は警察官ですが、やっぱり1人の人間でもある。
そこをうまくみせるところに横山秀夫先生のうまさと深みがあると
おもいまいた。
警察小説にはまり気味なみなさまにオススメです♪
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No.27:
(4pt)

難しいけどおもしろい

いや、自分まだ若いから(学生)
なかなか難しい言葉がたくさんでてきました。
そこはさておき、警察の話なのかと思ってよんでたら、ちょっと自分とは違った警察のお話のようです。。
でもかなりおもしろい。なにがおもしろいって、想像外だYOっていう終わり方ですね。
とにかくおもろいですね。
この人の作品は一つぐらい読んでみても損はないかと。
いや損はありません。
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No.26:
(4pt)

横山作品の原点とも言える作品

本作は警察を描いた作品であるが、犯罪捜査を主とする作品とは一線を隔す異色作である。
刑事が花形だとすると脇役の、つまり影の部分を勤める内勤の警察官に焦点が注がれているのである。
警察組織は純然たる縦社会である。その組織の中で交錯する謹厳さと野心の活写は、読後にすっきりした印象を残さないが、警察組織のエレメントがわれわれと同じ「人」であることをあらためて思い知らされる。
短篇ながらも、ひとつひとつの物語性はしっかりしており、また「半落ち」に用いられた連鎖短篇の手法も垣間見られる。
余談だが、第3篇「黒い線」は、短篇であるが故に根本的な問題が未解決のまま幕を閉じる。作者もそれを気にしたのかどうかわからないが、この短編の準主役平野婦警は同著者の作品「顔」で、再び登場する。
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No.25:
(5pt)

警察の裏側

ミステリーかと思ったら、いやミステリーなんだけど、
なんだか藤沢周平の時代小説の世界に入ってしまった感じです。
つまり、十手持ちやら剣客やらが出てくるのが時代小説だと思っていたけど、
小藩の管理職や名もない藩士たちが主人公で、
野心や自負心や忠誠心の狭間の中で、人生の悲哀が展開される……
という時代小説もアリだったのね!という感じ。
警察の裏側、という感じで、
出世を巡る話が多く、どれも苦い。
ただし、
天下り先まで考慮に入れて人事パズルを組み立てている話。
その天下り先での豪華な待遇。
議会対策で菓子を持って挨拶回りをする警察官なんていうのも出てくる。
税金を払う側の一般庶民としては、ちょっとムカツク内容でもある。
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No.24:
(4pt)

ドキュメンタリチックで面白かったです。

推理小説だから警察官が出てくるのは普通じゃん?と思いながら読み始めたんですが警察官は警察官でも・・・管理部門って!登場する人々がスーパーマンではなく実在していそうな感じなのでどんどん引き込まれて一気に読んでしまいました。
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No.23:
(5pt)

警察小説ではないような警察小説

 第5回松本清張賞受賞作&第120回直木賞候補作(この時の受賞作は宮部みゆき『理由』)である「陰の季節」他、3作品を収録するD県警シリーズ第1弾。 いわゆる警察小説だと思って本書を読んだら、面食らうと思います。 なぜなら、現場の刑事が事件解決に奔走するというようなところは一切ないからです。 本書で活躍するのは警察を裏で支えている管理部門の刑事達。 そう、外からしか警察の世界を見たことのない者にとっては、現場の刑事より遥かに想像しにくい存在にスポットが当てられているのです。 そんな人達の仕事は一見地味なようですが、体でいう背骨のように、警察という組織を支えていく上で必要不可欠なものであると感じました。 「彼らがいてこその現場の刑事という面もあるのでは…」とさえ思えてきます。 いわゆる警察小説、警察ドラマのような派手さは全くありませんが、“渋い”感じがヒシヒシと伝わってくる警察小説ではないような警察小説である本書を是非読んでみてください。 警察という組織の新しい一面に出会えること請け合いです。 ソレデハ…
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No.22:
(4pt)

警察小説

この作品、いわゆる「警察小説」などという表現で扱われている。私自身は、過去、『マークスの山』(高村薫)、『犯人に告ぐ』(雫井脩介)などの「警察小説」を読んできたけれども、大きく異なっている。上の作品は、あくまでも「外的な事件」が発生し、それに対する警察内部での手柄争いであったりとかが描かれているわけだけれども、この作品では「外的な」事件は発生しない。大物OBの天下りを巡る攻防を描いた『陰の季節』。ある警部へのスキャンダルが監察課へと届けられたことから始まる『地の声』。似顔絵捜査官の失踪にまつわる『黒い線』。そして、議会対策を描く『鞄』。どれも、外部の一般人は「事件」と感じないものばかりである。警察内部の人間関係の攻防を描いた作品群、それがこれだと思う。勿論、ただ警察内部での攻防が描かれているわけではない。ミステリ小説らしく、最後には見事にどんでん返しを決めている。確かに、これは面白い。
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No.21:
(4pt)

おもしろい・・・しかし

警察官も所詮サラリーマン。そのサラリーマンの悲哀を感じさせる珠玉の短編集なのだが、あまりにも身に包まされて再読したくなくなる。
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No.20:
(4pt)

文章、巧っ!(感想)

元記者さんだけに、文章はデビュー作からプロのもの、といった趣。かなり硬質な文体だと思うのですが、リズム、テンポが抜群で、流れるようにスイスイ読めます。濃密にして軽快。一編読むのがあっという間です。その気になれば長編まで延ばせそうなプロットを、潔く引き締めて珠玉の短編に。重厚だけど、詩と叙情があって快い読後感。当代きっての短編の名手がデビューした、記念碑的作品です。
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No.19:
(4pt)

渋系

『動機』の次に読んだので、その続編の感あり(実際はこちらが先行)。この小説も、殺人などのセンセーショナルな事件を直接に扱ったわけではなく、従って舞台も捜査畑とはならず、すべてD県警本部の警務課、監察課、鑑識課、秘書課、という管理畑が舞台となる。人々の野心と野心のぶつかり合い、自分の中の野心と良心との確執が息詰まる程リアルに描かれ、ページを捲る手が止まらない。
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No.18:
(4pt)

犯人を捕まえる人だけが警察官じゃない。

一般的に警察小説というと、刑事が事件を追って犯人を捕まえるまで・・みたいな感じのものが多いのですが、横山さんの作品は、それとは違う内部の警察組織を管理しているデスクワーク組の小説という感じです。警察官もサラリーマンなんだなぁ・・と、そんな感じがする小説です。
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