■スポンサードリンク
電人M
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
電人Mの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
火星人を作り出す。 子供の時は子供心にも子供だましに思ったが、大人になって読み返すと、命をつくる、という発想には驚く。 ギリシア神話のピグマリオンを考えればべつに目新しくはないのだが、ミステリのなかに平然と「火星人を人工で創造する」シーンは、これは推理探偵小説(古風)を超えるドキドキワクワクではあるまいか。 乱歩のなかには生命はつくりだされたり、猟奇的に殺されたりする。 汎神論的な幼児性が乱歩にはある。(手塚治虫にもある) それは反面では万能性でもある。 江戸川乱歩が少年探偵団シリーズで一世を風靡したのは、この幼児性が、非現実のワクワクへとつながる回路を広げ、そしてその世界がゾワゾワする、汎神論的なミステリアスな雰囲気、なにもかもが繋がり、そのなかに演劇のような、祝祭のような、巨大な謎が出現する、非現実への回路を提示して見せてくれたからだろう。 火星人を作り出す。たとえそれが乱歩にとっては書き飛ばし、ページ稼ぎの小手先の技術だったとしても、電人Мがその肩に火星人を乗せて階段を降りてくる、肌が総毛立つ感覚は非現実へのカーニバルだった。 シリーズの中では、工夫をこらした一作だと思う。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!