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オルファクトグラム
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オルファクトグラムの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全40件 21~40 2/2ページ
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超人的な嗅覚を身につけた主人公が姉を殺した連続殺人犯を能力を活かして追う、というコンセプトは面白いと思います。 ただ上巻では、ミステリーとしての犯人探しの謎が弱く、また主人公の能力に説得力を持たせるためか犯人探しの要素と直接関係の無いシーンも多く、ひたすら長く感じます。例えば、主人公の能力を疑う人に能力を証明するというシーンが度々出てきます。作者はその方法を色々と変えたり描写を工夫して面白く読ませないように努力をしていますが、読み手としては主人公の能力に疑いを持っていないわけで、新しい人と出会うたびに同じようなシーンを繰り返してくれなくても良かったと思います。 もっと不要なシーンを刈り込むか、いっそシリーズ物に育てる前提で小出しに能力を見せる代わりにさくさくメインストーリーを進めたほうが良かったのでは? | ||||
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連続殺人の犯人探しや、失踪したバンドメンバーの行方を追うといったミステリー的な要素もありますが、結局は主人公が新しく身に着けた自分の能力を探求することが一番の謎になっています。なので匂いの見え方に基本図形があるかも?と主人公が気づく場面のほうが犯人との対決シーンよりもよほど印象的に描かれています。とはいえ、物語を語るよりも、こんな道具を使ってるのですよと熱心に語られても面白くはありません。 ちょっとの間に結構なページ数を読めてしまうのは、物語の面白さよりも描写の密度が薄く読み飛ばせるからです。 文章は良く書けており、描写力も水準以上ですから、くだらない作者の本を読むよりはマシですが、人に薦められるほどではないかと思います。 | ||||
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アイデアは良かったが匂いの見え方に対する説明が多すぎて 中間冗長になってしまった感は否めない。分厚めの1冊でいけたのでは。 ラストはスリルがあって良かったと思います。 | ||||
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嗅覚が映像となって知覚できる主人公。 この能力を獲得する経緯をあせらずじっくり丁寧に描いていくところは素晴らしいし、 出てくる登場人物(TV局のディレクターや大学教授)のかき分けもいいと思います。 ただ、ネタバレになるので書きませんが、犯人の動機というか、なぜ最初の殺人の時に ああいう行為をしたか、という謎解きがされていないのが肩すかしでした。 それと主人公の友人が行方不明になり、その友人を捜すことがきっかけで犯人に 近づいていくのですが、その友人に対する説明もあまりなされていないまま 物語が終わってしまうのもあれっ?でした。 本作品はWOWOWでドラマ化されたそうですが、匂いの映像化がどうだったのか、もしレンタルDVDでもあれば 是非見てみたいですね。 | ||||
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姉の殺害事件をきっかけに、後遺症で犬並みの嗅覚を持った 主人公が、'嗅覚'で犯人を追っていく・・・ 設定だけで、斬新で魅力的。 単行本発売時に雑誌にっていた載ったわずかな紹介文の記憶 だけを頼りに、タイトルも作者すらわからないまま、 ずっと探し続けていた本でした。 そして、諦めずに探し続けた甲斐があったと感じた1冊です。 ミステリーとしてのストーリーもさることながら、 五感の一つである嗅覚をここまで文字で表現した 小説があるだろうか?というくらい、 目で見ることのできない、言語化しにくい感覚を 全編に渡って独特の表現で味わうことのできる稀有な作品。 ぐいぐい進むストーリーを追いかけながら、 普段無意識に使っている嗅覚という感覚を、 文章で味わうという快感。 文庫でも上下巻にわたる長編ながら、 一気に読めてしまうこと請け合いです。 最後の最後まで結末がわからない、 そして、安易な大団円には納まらない。 どこか切ないラストも含めて、ずっと手元に置いておきたい本。 | ||||
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あらすじだけでは意味不明〜!でも読み始めると画が浮かんでくると言うか…想像力が刺激される!!ストーリーもイイ。おすすめ('∀` ) | ||||
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あらすじ読んでも内容の想像が全然つかないと思うけど… でも、一行目から井上マジック炸裂。 いきなり引きずり込まれて止まらなくなります。 ただ、犯罪のカラクリやトリックを解明する「謎解き要素」はゼロ。 犯人を追いつめていく過程と主人公の心の変化が描かれた、 ”ちょっとSFちっくな青春サスペンス”って感じでしょうか。 まあ、カテゴリーは何にしても、 読みやすい文章、軽快なストーリー運び、 どれを取っても、やっぱりこの人巧いですね! 変な話、読書嫌いな人でも読めると思う。そのくらい読みやすい。 ボリュームもかなりあるけれど、 「嗅覚」にまつわる話も独特でユニーク。間延び感はまったくナシ。 主人公は、「匂いが見えてしまう」という 現実にはありえない嗅覚になってしまうんだけど、 そのシーンの描写もすごいリアリティがある。 井上さん自身が、本当に経験があるんじゃないかと思うくらい。 いったい何歳のときにこれを書いたのかわからないけど、 この感性、凡人じゃない。普通だったらありえないです。 読んでてゼッタイ退屈しません。 それどころか気をつけないと徹夜コース。おすすめです | ||||
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あらすじ読んでも内容の想像が全然つかないと思うけど… でも、一行目から井上マジック炸裂。 いきなり引きずり込まれて止まらなくなります。 ただ、犯罪のカラクリやトリックを解明する「謎解き要素」はゼロ。 犯人を追いつめていく過程と主人公の心の変化が描かれた、 ”ちょっとSFちっくな青春サスペンス”って感じでしょうか。 まあ、カテゴリーは何にしても、 読みやすい文章、軽快なストーリー運び、 どれを取っても、やっぱりこの人巧いですね! 変な話、読書嫌いな人でも読めると思う。そのくらい読みやすい。 ボリュームもかなりあるけれど、 「嗅覚」にまつわる話も独特でユニーク。間延び感はまったくナシ。 主人公は、「匂いが見えてしまう」という 現実にはありえない嗅覚になってしまうんだけど、 そのシーンの描写もすごいリアリティがある。 井上さん自身が、本当に経験があるんじゃないかと思うくらい。 いったい何歳のときにこれを書いたのかわからないけど、 この感性、凡人じゃない。普通だったらありえないです。 読んでてゼッタイ退屈しません。 それどころか気をつけないと徹夜コース。おすすめです | ||||
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匂いがテーマ。 量には圧倒されました。が、勢いがつくと後半はすらすら読めた。 よく調べられよく練られている作品。 相当文献をあたっていますね。 | ||||
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大変面白いです! 異常ほどの鋭い嗅覚を視覚で表現するところなんて、とても不思議な気持ちにさせられました。 しかし、自分の彼氏があんなだったらちょっといやですけどね。 絶対うそつけないし(笑) でも、犯人との対決のところなど、ちょっとご都合主義的なところもあるし、 恋人とのシーンもあまりにも甘い甘いラブストーリーって感じで、 ツッコミどころはあるけれど、でも、とてもおもしろかったです。 ちょっと変わったミステリーを読みたいひとにはお勧めです。 | ||||
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井上夢人著 『オルファクトグラム』を読んだ。全編『匂い』に満ち満ちている。 ある日突然、犬かそれ以上の嗅覚をもってしまった主人公が殺人犯を追いつめるという、一応ミステリー仕立てとなっている。岡嶋二人の片割れである井上夢人のミステリーは、プロット自体は新奇性もあってとても面白いのだが、往々にしてプロットを楽しむためだけに文字面を追っているように感じられることがある。まるであらすじを読んでいるようなプラスティック的な文体。(そう言いながらしょっちゅう読んでいるということは一応私はファンと言えるのだろうが)しかし、この作品に関しては、ミステリーとしての筋立ては平凡ながら、匂いの世界を、嗅覚を視覚に変えるという特殊な手段で、並々ならぬ美しいものに描き出すことに成功している。主人公の恋人に対する愛情も匂いの表現を通して確かに感じられた。 犬は人間の1億倍の嗅覚をもつというのに、なぜ臭い匂いを嗅いでも悶絶死しないのだろうか、というのが私の長年の疑問であった。だが、この作品を読んで、その疑問は三ツ矢サイダーの泡のように消え去ってしまった。 犬にとって、匂いは臭いとか臭くないとかの問題じゃない。“すべてを知ること”なんだ。 主人公には、“匂い”が見える。美しい色と形をもった粒子としての匂い。恋人の匂い。友達の匂い。みんな違う形と色をしている。間違えることなんてない。その人の今の感情だって匂いの変化でわかる。風は美しい匂いの渦となって、動いているのが見えるんだ。 すべて作者の創造の世界ながら、十分な説得力で匂いの粒子の世界を旅させていただいた。 | ||||
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週刊誌に連載されていた頃にぽつぽつと読んでいた。この作家のほかの作品をあいにく知らない。この小説がどんな風に分類されるのか、興味もないが、作家はよくぞ嗅覚や脳のことをここまで研究したものだと感心してしまう。そして、人間そのものの身体の機能のすばらしさ、また心のやさしい人間がまだまだいること・・・架空の物語なのだけれど、けっこう「人間ってまだまだ捨てたモンじゃない」と言う気にさせてくれた一冊だった。もちろん、殺人犯は別だけど・・・・。 | ||||
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姉を殺した犯人に殴られ、目がさめた片桐稔は、異常な嗅覚を持つこととなった。犬のように僅かな臭いをかぎわけ、しかも、それを視覚的に(?)感じることができる。稔はその嗅覚を持って、失踪した同じバンドのメンバーと姉を殺した犯人を探そうと試みる。とりあえず、上巻を読んだ時点での感想。異常な臭覚を持ってしまった稔の戸惑い。臭いだけで、モノがわかってしまうこと。そのために、周りから奇異に見られてしまう行動…。そんな様子が比較的コミカルに描かれている。ところどころ、事件を起こしている「彼」の描写があるし、事件そのものはややエグい感じはするのだが、稔の方のコミカルなやりとりのおかげか、そんなにそれを感じることなく読んでいけた。とはいえ、上巻では事件の真相などは全くわからないし、稔と「彼」がどう結びつくのか、犯人とバンド仲間の失踪がどう結びつくのかは全く不明。これがどう言う風になるのか注目したい。 | ||||
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上下巻揃うと結構な分量であるのだけど、共に勢いに乗って一晩で読み終わることができました。主人公は犯人に暴行を受け、意識を取り戻した時には犬以上の嗅覚を持つようになり、事件とのかかわりを深めていくのだけど、そのかかわり方や、鋭い嗅覚がもたらす世界観が興味深いです。事件解決のための推理ものではなく、どちらかというと物語としての展開が楽しめます。またなんとなく物悲しさが漂うような、そんなお話でした(といっても、イヤな感じの終わり方ではないですよ!)。 | ||||
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最後が自分なりに納得いかなかったけど、小説としての完成度は問題なしでした。鼻が良すぎるとくさいとかなくなるのかと思いました。イヌより鼻が利く人間が笑えた。 | ||||
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著者ならではの、スムーズな物語展開。長大な話にも関わらず、一気に読める。主人公の心理の流れに、ありえないような御都合主義的な点も見られるが、些細なことであろう。 | ||||
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著者ならではの、スムーズな物語展開。長大な話にも関わらず、一気に読める。主人公の心理の流れに、ありえないような御都合主義的な点も見られるが、些細なことであろう。 | ||||
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例えばグルメ番組などで、タレントが「おいしい」を連発して、どんな味なのか番組を見てる者は全くわからない、ということがよくありますよね。味を言葉で表現するのって難しいんだなぁと思います。でもそれより匂いってもっと表現難しいと思いません?「ある匂いを、それをかいだことない人に言葉で説明する」こんなことをやってのけるのが井上氏の筆力です。読めば読むほど自分の知らない世界を垣間見ることができたようで、う~む、とうなってしまいます。 | ||||
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例えばグルメ番組などで、タレントが「おいしい」を連発して、どんな味なのか番組を見てる者は全くわからない、ということがよくありますよね。 味を言葉で表現するのって難しいんだなぁと思います。 でもそれより匂いってもっと表現難しいと思いません? 「ある匂いを、それをかいだことない人に言葉で説明する」こんなことをやってのけるのが井上氏の筆力です。 読めば読むほど自分の知らない世界を垣間見ることができたようで、う~む、とうなってしまいます。 | ||||
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女性ばかりを狙った猟期連続殺人事件-目を背けたくなるような酷い手口。と書くと流行のスカーペッタシリーズやレクター教授ものを思い浮かべるかもしれない。「オルファクトグラム」は、そこで起きる事件は両シリーズに劣らないくらい残酷で悲惨だが、いわゆる「猟期モノ」とは違う。この本から一貫して漂うのは暖かく、優しい、そして、少し寂しい「匂い」だ。主人公は大好きな姉を狡猾な殺人者に殺されてしまう青年。愛する肉親を殺された彼は犯人を警察には出来ない方法で独自に追いつめていく。殺人者によってもたらされた彼の「鼻」の特殊機能-訓練された警察犬以上の嗅覚-を使って。この本に描かれる「匂い」のイメージは美しい。身の回りの「匂い」がオレンジや赤や青の光る透明の結晶となって読む者を圧倒する。本の中ではそのイメージをCGで再現する試みが描かれているが、もしそんなソフトが本当にあったら絶対欲しい。「匂い」のイメージをここまで美しく視覚化したのは井上さんが文学史上初めてではないだろうか。この特殊な設定に加えて、犯人を追いつめていく緊張感と危機の連続、頁を繰る間ももどかしいようなスピード感で500頁を越える長編なのにあっという間にラストにたどり着いてしまう。(アア、ナンテ、モッタイナイ!) そして迎えるエピローグは...ご自分の「目」でその「匂い」を確かめてください。 | ||||
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