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野獣死すべし
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【この小説が収録されている参考書籍】
野獣死すべしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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映画版では前面に打ち出されていた狂気が こちらには出ていません でもこちらの方が内包する狂気の滾りを感じられます 若かりし頃の締め切りとかそんなものに振り回されない 作家が書きたいと思ったことを書き殴る様に書いて見せた本作は 間違いなく現代活躍する作家良くも悪くも影響を及ぼしたと勝手に思っています これを読んだ後、いろんな作家の処女作を乱読しなおしましたが 矢張りいいものが沢山ありました もっとも最近の方々のは計算をつよく感じてしまいとても残念です | ||||
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伊達邦彦。 私の中では忘れられない名前になりました。 北野晶夫と共に。 | ||||
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結局のところ本作はその後の大藪春彦氏の著作の端緒としてはあまりに壮大で、その後彼が大衆犯罪小説作家として本作のような深く冷徹な作風を維持するのに汲々とせざるを得なくなったのが残念なところである。(「傭兵たちの挽歌」という例外はあるが。)中国東北部大連からスタートする主人公の人生設定は、米国との戦争に敗れ、財産を争奪対象とするコンセプトとし、それを是とするロシアの暗黒文学や米国小説の深層心理を背景としつつ、肉体に鞭打つボクシング・演劇・射撃という戦時を継続する戦後民衆の心理を体現した深い虚無を短い小説として結実させていることで、ストーリーとしての大成功を成し遂げている。平べったいコミュニケーションに支配される昨今の社会とは相容れない作者の孤高の心理構造は、その故に読者にいまだに深く影を落とすものだと思う。彼の伝記が野崎六助氏作で出ているので参考いただくのも一興だろう。 | ||||
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商品はとても綺麗で、満足です。 内容は、心に残る作品でした。 今後とも、良品の提供を希望します。 | ||||
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何十年も前に読みましたが、懐かしくて買って見ました 自分が成長している事が確認できました | ||||
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謎解きもプロットもカタルシスもないただのハードボイルド。 なぜ評価されてるのか最後までわからなかった。 | ||||
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これはアクション小説・娯楽小説のスタイルを借りた、 真の意味でのテロリスト小説です。 しかも伊達邦彦は、組織や誰かが考え出した思想の ためでなく、おのれの存在意義を賭けて、 世間にテロと強奪を行います。 後期の、組織に指示されたシリーズはどうでもいいです。 この、作者大藪さんのイラ立ちが手に取るようにわかる 初期作品こそが伊達邦彦の晴れ舞台です。 「大江や慎太郎に負けてたまるか!!」 という声が聞こえてきそうです。 そして異常なくらいの、銃器や車へのディテール 通した偏愛。 これはホントに、後の、70、80年代以降の アクション・冒険小説とは異質の、 どーにも無闇にたまらない憤懣と怒りと渇望に 充ち満ちた小説です。 読もう!! | ||||
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この作品を一言で言うならナイフ、である。その先鋭的ストイックさは見るものに飢えることの恐怖や怒りそのものを彷彿させる。この作品はエンターテイメントというより、むしろ抑圧されてる人々へのエールだと思う作品だ。 | ||||
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当時、早稲田大学の学生だった大藪の処女作だが、その後の大藪文学の基本ラインが完成されており、いかに氏が早熟な才能を秘めていたかがわかる。まあ、プロットは粗削りだし、若書きゆえのぎこちなさと鼻につく美辞麗句はあるものの、鬱屈した青年のマスターベーションだけにとどまっていない。 伊達邦彦を通して、大藪には身体の内側に充満する静かな怒りがみなぎり、人にすがることをあきらめたニヒリズムが伺える。 本書の文体は特に二十代青年特有の、触れれば切れん尖鋭化した精神状態が顕著に見て取れる。男なら誰もが経験するそれではない。支配者に飼われるかわり、長生きを約束された家畜化した人では縁遠いだろう。迫害されてもいい、たとえ太く短い生涯だとしても、狼としての孤高をめざす途上であらわれる症状だ。 その爆発しそうなエネルギーのやり場をどこにぶつけるかが問題だ。 生と死が隣り合わせのレーサーや登山家になる者、芸術にぶつける者、出世しトップをめざす者もいる。なかには捌け口を見つけられず(あるいは実現できず)、『自爆』してしまう者だってめずらしくない。 本書には『快楽』における名文がある。尖鋭化した青年がこれから先、どう生きるかのヒントが隠されているように思えてならない。 「現世の快楽を極め尽くし、もうこの世に生き甲斐が見出せなくなった『時』が来たら、あとはただ冷ややかに人生の杯を唇から離し、心臓に一発撃ちこんで、生まれてきた虚無の中に帰っていくだけだ。 彼にとって、快楽とはなにも酒池肉林のみを意味するものではなかった。キャンバスに絵具を叩きつけるのも肉体的快楽であり得たし、毛布と一握りの塩とタバコと銃だけを持って、狙った獲物を追って骨まで凍る荒野を、何ヶ月も跋渉することだって、彼には無上の快楽となり得た。 快楽とは、生命の充実感でなくしてなんであろうか。」 | ||||
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映画の原作かと思って読んだが、全然別物なのでご注意を。まあそれはいい。 表題作はとても楽しめた。銃器や暴力、犯罪実行等の面で、リアリティーに満ち溢れており、かつ、主人公の内面も深く追求されていて、文学作品としても、十分通用する内容と思う。 しかしその後の復讐編以降はいただけない。話が大きくなる分、リアリティーは激減。特に手形等の話を含めた一般の商事会社の商習慣や、会社法規、税務、株式売買、銀行取引関連の話などに至っては、普通の社会経験を有する社会人が読めば、思わず失笑を禁じえない程、荒唐無稽でご都合主義、かつ稚拙な内容である。思うに作者は銃器や暴力等の世界には詳細な知識をお持ちのようだが、まともな社会経験はお持ちでないようで、そのあたりはやっつけ仕事で済ませた感がある。50年近く前の作品であるとはいえ、こうした点は、主人公の心理描写等が秀逸であったこともあり、残念でならない。 | ||||
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娯楽色の強い大藪作品群だが、「野獣死すべし」は違う。鮮烈なる姿を見せながらも、静かなハードボイルドだ。松田優作の映画版ではキャラクター像こど違ったが、雰囲気は原作そのものである。テーマ曲もぴったりであった。 伊達邦彦がただのタフな野獣ではなく、青春を迎え、成長過程にある男だ。人物描写が圧倒的に違う。 その調子が続き、銃撃戦のシーンもシリアスに描かれている。「復讐篇」「渡米篇」ではその調子から脱しているが。とくに「渡米篇」ではフィリップ・マーロウやリュー・アーチャー、マイク・ハマーまでブッ倒し、闘う前からアーチャーに「おそろしくタフな奴らしいな」と感心(?)させていた。 拙者としては「野獣死すべし」の雰囲気もそれ以外の大藪作品の雰囲気も好きだ。しかし、本作は燦然と歴史の中で輝いているのは事実。これをあの時代の中で書いた大藪春彦は凄い。 | ||||
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これは文学である。 よって、氏の後の作品とはかなり趣が異なっています。 素晴らしい作品であることは確かで、氏の作品の出発点ではあるが、完全な(独立峰)と考えたほうがいいかもしれない。 そう思いました。 | ||||
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主人公伊達邦彦の全て時間は犯罪の為、または犯罪の準備の為にあります。 本書を読むと、近年のハードボイルドは生ぬるい。そう言わざるを得ません。 研ぎ澄まされた独特の文体、生きる為に犯罪を重ねるのか、犯罪をする為に 生きているのか、ひりひりするような生き様を書き連ねた文字を追ってゆく うちに、何か特別な活字を読んでいるような気持ちになりました。 こういう特別な作品は、いくら時間が経っても輝きを放ち続けるものです。 きっと、またいつか再読するでしょう。 | ||||
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大薮春彦のデビュー作『野獣死すべし』と、その後書かれた『野獣死すべし・復讐編』のカップリングです。とにかく過激な内容であることに驚きました。主人公・伊達邦彦がとにかく非情に人を殺しまくります。ただそれだけのストーリーと言って良いでしょう。これが発禁処分になっていないことが不思議です。作者の意図は自身のストレスを紙の上で発散させることにあるのでしょうし、読者の正しい読み方も自身のストレスを読むことによって発散させることなのでしょうが、誤った読み方をして伊達に憧れ、犯罪者への道を歩む人もいるんじゃないでしょうか? ひたすら銃をぶっ放し、ダイナマイトを爆発させるデビュー作と異なり、『復讐編』ではもちろん銃撃シーンもあるものの、それよりも会社乗っ取りがメインなので経済犯罪的な趣きが強くなっています。ライブドアによるニッポン放送の株買い占め騒ぎとだぶらせて読んだのは私だけでしょうか? | ||||
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本作品は大藪春彦のデビュー作だが、すでに総てのモチーフはできあがっている。それはストイックとも言える孤高の悪のヒーローであり、自動車の操縦(運転と言うよりは操縦が似つかわしい)や銃器の取り扱いに関する精緻な描写だ。 ストーリーとしては企業ものの要素を加えた犯罪小説なのだが、主人公の日常的な鬱屈感と、その裏返しとも言える行動力とカーチェイスや銃撃のアクションシーンは読者にカタルシスを感じさせてくれると思う。 四半世紀前、松田優作の主演で映画化された頃にブームになったが、今も古びることは無い作品だ(仲代達也や木村一八主演版の映画もある)。 鬱屈した日常を送っていると、自分の心の中のどこかに伊達邦彦が潜んでいる気がする時があります。偏見を持たずに読んでみることをお薦めします。 | ||||
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昭和33年の発表ということが信じられないほど、いつまでも古びず、青春時代の暗い怒りやエネルギーの爆発を感じさせてくれる著者の出世作です。大藪文学のみならず、日本のハードボイルドの原点がここにあるといえるでしょう。閉塞した現代に息が詰まりそうな若者たちにぜひ一読を勧めたい作品です。 | ||||
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