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(短編集)
人柱はミイラと出会う
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人柱はミイラと出会うの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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同一の登場人物が出てくる短編が七本収録されている。 「現代日本に人柱があったら」「政治の舞台に黒衣がいたら」といったSFとファンタジーが混ざったような設定の舞台で、ミステリが起きる。 一本一本が短く、こってり系というよりあっさり系。 パズルミステリに近いが、読み手はゲストとしてギャラリーに徹し、世界観と謎解きを楽しむ作風である。 キャラクターノベルではなく、架空の社会が主人公、登場人物は添え物という印象を受けた。 社会の設定に関してはかなり入念に作りこまれている。惜しむらくは、浅く広く整合性を持たせる方向で、深みが出なかったことだ。 一風変わったミステリが好きな人に薦める。 | ||||
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アメリカからの留学生のリリー・メイスが、日本に来て初めて知る「人柱」という職業。 彼女がステイ先の一木慶子の従兄・東郷直海がその職についていることから、その日本の 風習を詳しく知ることになるというお話です。 その内容は、 ・立派な職業人柱。その職場で殺人?「人柱はミイラと出会う」 ・議会で陰謀「黒衣は議場から消える」 ・ハデな生活には裏がある「お歯黒は独身に似合わない」 ・常識を逆手にとって「厄年は怪我に注意」 ・鷹も警察の一員「鷹は大空に舞う」 ・ダンボール一杯に込めたメッセージ「ミョウガは心に効くクスリ」 ・このお金は一体何?「参勤交代は知事の務め」 と、7つのお話からなるミステリィの連作短編集です。 人柱という古来の悪しき風習を、職業としてしまうそのアイデアが面白い。そのアレンジが お見事です! だからか、「人柱」が立派な職業のひとつなんて、ものすごーく変な世界ですが、違和感なく 読めてしまいました。 | ||||
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土木工事の安全を願って行われる現代の人柱の儀式。工事が 終わり地上へ出られる帰還式の日、部屋にいるはずの曽根の 姿が消えていた。そこには寝袋に入ったミイラが・・・。 表題作を含む7編を収録。 発想がユニークだった。人柱、お歯黒、厄年、参勤交代など、 今ではもう見られなくなったり聞かれなくなったりする事柄を、 現代社会に鮮やかに蘇らせている。読んでいて、「実際にあっても いいかも♪」と思うほどすんなりと受け入れられるのが不思議だ。 昔の人はいろいろな物や事柄をとても大切に思い生活してきたの だと、あらためて感じた。ミステリーとだけ捉えて読むのではなく、 ミステリーと日本の伝統的な風習の両方を味わいながら読もうと するほうが、より楽しめるのではないだろうか。 | ||||
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石持浅海は本格ミステリーの中でも、特にロジックに主を置いた作家だ。そしてそのロジックは特殊な状況下での自然な状況と言う、一見矛盾している場所を基点にしている。そういう意味で、「過去の日本の風習や風説」が現代まで真実として続いているという設定は、石持浅海の得意分野であり、その点に関しては上手く纏めていると思う。特に「既婚者以外はお歯黒をしない」と言う前提を基にした3作目は秀逸だと思う。だが。 私にとって作者の一番嫌いな点は、「中途半端な善人さ」だ。ネタバレに近い為詳しくは言えないが、それが最も現れているのが鷹匠の話。何故こういう展開にしてしまうのだろうか。もちろんそういう点を支持する読者もいるだろうが… supernaturalな結末を迎える第一話を含め、石持浅海の(各人にとって異なるだろうが)良さ悪さを含めた連作短編集である。現時点での作者の入門書には最適かもしれない。そういう意味で☆三つ。 | ||||
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留学生リリー・メイスが体験する不思議な日本の風習。 そしてそれに絡む事件の数々。 その謎を解決するのは 人柱職人として活躍する東郷直海。 いつしか直海に恋心を抱いたリリーは? 謎解きに恋物語をアクセントにして物語は進みます。 が、 イマドキこんな風習は残ってませんよね? って言うかもともとないのもあるけれど・・・。 建物を建てる際に数ヶ月から数年間、建物の基礎部分で過ごす人柱職人。 既婚女性のシンボルお歯黒。 知事が東京と地元を1カ月おきに行き来する参勤交代。 鷹匠が犯人逮捕に鷹を使う警察鷹。 議会で議員に付き従う黒衣制度。 いまどきこんなもの魅せられたら外国からの留学生でなくても 驚きますよ。 その辺の設定から 微妙に面白いんだけど、 謎解きがちょっと突飛と言うかなんと言うか。 それだけの材料でそんな謎解きができるなんて・・・。 無理があるような気もしますが、 まぁ、ノンフィクションだしな。 それに変に恋愛的な話を入れる必要もなかったんじゃないかと ふと思いました。 | ||||
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