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エレガンス
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エレガンスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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時代は現代ではありませんし舞台となった時代を私はリアルタイムでは知りませんが、その時代の要素を取り入れた非常に良く出来た作品だと感じました ミステリー作品としても純粋に面白かったです 時代を見れば分かる通り戦時下がテーマに関わってきますので、そういった要素もあるので留意は必要です でもその時代を知らない身ながら当時の空気感のようなものも伝わって来ましたし、私が読んだのが8月中頃というのもあって時期的にも色々と考えさせられながら読ませて頂きました | ||||
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舞台は1945年初頭、空襲が日常となった東京。警視庁写真室の石川光陽と、鑑識の第一人者・吉川澄一が、洋装女性たちの連続不審死に挑む物語 | ||||
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舞台は1945年初頭、空襲が日常化しつつある東京。 警視庁写真室の巡査・石川光陽と、鑑識の第一人者・吉川澄一が、洋装女性の連続不審死事件に挑みます。 戦争という極限状態で、なぜ命を懸けてまで事件を追うのかという問いが物語全体で語られます。 現場写真や捜査記録を通じて少しずつ浮かび上がる真実の輪郭。 爆撃の音が響く中、二人のやり取りは時に軽妙で、時に真剣です。 事件のミステリー要素はもちろんですが、戦時下でも自分らしさと美しさを失わない女性たちの姿が印象的です。 スカートの裾が花のように広がる描写は、殺人の場面でも気高さを漂わせています。 後半にかけては、空襲の混乱、戦火の狂気と事件解明が交錯し、続きが気になり読む手が止まりませんでした。 深い余韻と共に、読者に襲い掛かるのは心に来る結末。 歴史を背景にした骨太なミステリーと美しさ、おすすめです。 | ||||
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推理小説としてもちろん面白いのですが、どちらかというと戦争の悲惨さに圧倒されました。 戦時中ですら殺人は起き、それを追う警察がいたのかという思いと、殺人など比ではない多くの人が死んでいく当時の状況の生々しさに情緒をぐちゃぐちゃにされながら読みました。 戦争が悲惨だということは当然わかっていたつもりでしたが、ただ漠然と、「戦時中は焼夷弾が落ちてきて、人々が逃げまどい、人がたくさん死んでいる」程度のぼんやりとした認識しかありませんでした。 本書を読んで、戦時中の人々が私が今まで想像したこともなかったほどにひどい状態で殺され、食べ物もなく、悲惨な状況だったということを知りました。 悪い意味で戦争というものの認識を改めました。 生々しすぎて読み終わった後は腹の底が重苦しくなるくらい気分が沈みましたが、文章自体はとても美しく、たいへん面白かったです。 ちなみに推理小説でよく出てくる「吉川線」を発見した、大正時代に警視庁の鑑識課長であった吉川氏も登場します。 読み終わったあとにようやく、タイトルなるほどな!と納得できます。 | ||||
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結構リアリティのある戦争の話をベースに物語が進んでいくのでサラサラ読むわけにはいかず、一つ一つを理解しながらゆっくり読み進めています。息を呑むという言葉がぴったり当てはまる本です。物理的な、本の紙の色もくすんでいてそれもまた昔っぽい、レトロな、戦争を感じさせるちょっと怖い雰囲気があります。こわいといってもホラーの意味ではなくて、綺麗なものに感じる静かなこわさって感じです。言葉も丁寧で政党派の小説に思います。ミステリー、戦争、複雑な話、人間ドラマがすきな方におすすめです。 | ||||
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ゾンビ3.0が好きなので本書を注文。うーん、陰鬱。著者の作品はどれも同じような風情を感じるが、 特にこちらの作品はその傾向が強い。あまりその辺突っ込んで書くと内容に触れるので難しいが。 著者の他作品に惹かれて本書に手を出すと肩透かし的な感覚になるかもしれない。個人的には他作品 の方が好きだなぁ。 | ||||
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戦時下で起こった連続不審死事件に、警察官でありながら写真家でもあった石川光陽と、天才鑑識官の吉川澄一という、実在した二人の人物がタッグを組んで事件の真相に迫る物語です。 戦時下の事件捜査という、非常に珍しい題材を扱った作品で、読み始める前は少し身構えていましたが、それはまったくの杞憂でした。 自分の仕事に自信が持てない光陽と、いつも昆布を持ち歩いている吉川。実に人間味あふれる二人が、少しずつ互いを理解し合い、息の合ったコンビへと変わっていく姿には、王道的な面白さがありました。 それと並行して、事件の捜査や戦況の悪化も進行していくのですが、そこで大きなテーマとして浮かび上がるのが、タイトルにもなっている「エレガンス」です。 この点については、語りたいことが尽きないほど、感情や価値観を揺さぶられる展開が続きます。しかし、これから読む方の気づきや驚きを損なわないために、内容に触れるのは控えます。 埋もれつつある時代に光を当て、そこに生きた人々の「エレガンス」を目の当たりにしたとき、あなたの中に何が芽生えるのか。 ぜひ、ご自身の目で確かめてみてください。 | ||||
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東京大空襲、警視庁の写真室や吉川線等の実在の歴史的事実をベースにしつつも、フィクションが融合していますが、それでも史実に近いリアリティを感じさせる文章です。 特に空襲の恐怖が日常化し、人々が「どうせ死ぬ」と思わざるを得ない絶望的な状況が圧巻です。 この時代特有の統制社会(内務省の影響力、物資不足、プロパガンダなど)の社会は、先が見えない絶望的な世界そのものと言えます。 本書の主人公は警視庁写真室所属の巡査石川光陽。 彼はライカカメラを使って事件現場や戦禍の街を撮影する役割を担っています。戦争中であっても、日常の犯罪捜査が続くという設定がユニークです。 事件の中心は、女性4人の連続首吊り自殺(?)。被害者たちは全員珍しい「洋装」(西洋風の服装)で亡くなり、スカートが花のように広がった姿から「釣鐘草の衝動」と呼ばれるセンセーショナルな事件として世間を騒がせます。 物語のクライマックスでは、空襲の混乱の中で捜査が進み、戦争の無意味さと正義の追求が対比されます。 また、戦時中でも洋装を貫く女性の協力者が登場します。 これは戦時中でも洋装を貫くレジスタンスの女性たちの姿が統制下での自由や美しさへの願いを象徴しています。 それでも最終的には明るい気持ちにはなれませんでした。 総合的には、やはり戦争はどんな大義名分があってもやってはいけないと思いました。 戦争は罪のない人間はおろか、過去の伝統の営み、全てを奪うからです。 また命が失われなくても、戦争がいかに社会や人間の心を変えるのかがよく分かりました。 今年は戦後80年ということもあり、やはり同じ失敗は繰り返してはならないと思いました。 | ||||
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今読まれるべき作品だと思った。 | ||||
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タイトルの通り、『エレガンス』が作品のテーマ。 作品の内容は深くは書きませんが、後半の描写が酷すぎて 苦虫を嚙み潰したような表情でページをめくっていました。 エレガンスとの対比という事なんでしょうね。 少女たちの死の理由も、この後半の描写を読んだ後だと 納得してしまう。 形も保てなくなるのなら、エレガンスでいる事は救いであると考えるのも 間違ってはいないよな…と納得させる作者の構成力… 犯人が分かる下りあたりで、『あ~、なんか在り来たりだしトリック適当…』 とか思っていたけど、作者が本当にやりたかったのは、きっとそんな部分ではなく その後のページを埋め尽くす勢いで書きなぐった描写とタイトルの対比なんだろうなと思いました。 後半の展開が物凄くて、印象ががらりと変わった そんな作品です。 ※叙述トリックとかそういう事ではない。 | ||||
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