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フェルメールの憂鬱



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【この小説が収録されている参考書籍】
フェルメールの憂鬱

フェルメールの憂鬱の評価: 3.25/5点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(3pt)

詐欺師×画商×真贋不明絵画×カルト宗教

本作はちょっと絵画の蘊蓄を語る部分が多く、派手なアクションはNY・メトロポリタン美術館からのフェルメール絵画の略奪だけです。もちろん「そんなに簡単に盗めるわけないだろう!」「捜査機関はなにもしないのか?」というツッコミもありますが・・・。

読み進めるうちに詐欺師たちの騙しテクニックにたぶん簡単に引っ掛かるのだろうな、という予測が可能となりますがヨーロッパ、アメリカ、日本をめぐるスケール感を味わうことになりました。

詐欺師であっても庶民や生活者を手玉にとるのではなく、いわば「詐欺師たちに詐欺をしかけて根こそぎ奪う」(クロサギ、というコミックがありました)潔さや清々しさを堪能できる作品でした。
フェルメールの憂鬱Amazon書評・レビュー:フェルメールの憂鬱より
4101033447
No.1:
(3pt)

不満がありながらも何故か再読に耐えるスリラー

2024/6/18にダニエル・シルヴァの新作「償いのフェルメール」がリリースされます。絵画修復師とフェルメール。ダニエル・シルヴァから見たイスラエル。とにかくそれを待ちきれず(笑)、タイトルだけから本作品を読んでみることにしました。
 フェルメール絵画をテーマにそえたコン・ゲーム小説。
 ベルギーの西、フランドル地方の小さな村ワトウにある古い教会の板絵が盗まれますが、神父のキャンベルは或る理由から盗難を公にしてしまうとこれまで通りその絵を教会の壁にかけておくことができなくなるため、主人公、イアン・ノースウィッグに絵の探索を依頼します。
 一方、スイスの投資家の屋敷の屋根裏からフェルメールの宗教画が発見されたというニュースが発せられます。加えて、メトロポリタン美術館から展示されていたフェルメールの「少女」がかなり過激な手段によって盗まれます。そして、その「少女」は日本のカルト宗教団体、隆明会の下へと届けられます。教会から盗まれた絵画は、いかに?発見されたフェルメールの宗教画は?そして、フェルメールの「少女」は無事なのか?まあ、詳細は、お読みください。
 不満は、この国のスリラーに共通する課題として、アクションの薄さにあります。メトロポリタン美術館からそれほど簡単に絵画が盗めるものだろうか?と言う疑問を持たれてしまった瞬間、物語は「何か」を失ってしまいます。虚実皮膜の表面を「実」が滑り降りていってしまいます。もう少し書き込んで欲しいと思います。
 しかしながら、或る意味「無双」の主人公、イアン・ノースウィッグはとても魅力的でした。そのことはフェルメールとは異なるもう一人の高名な画家を語る謎解き部分の「義」に心打たれたからに他なりません。
 不満がありながらも何故か再読に耐えるスリラーかもしれません。私たちもまたフェルメール・ブルーを愛してやまない。
 ◻︎「フェルメールの憂鬱」(望月諒子 新潮文庫) 2024/5/31。
フェルメールの憂鬱Amazon書評・レビュー:フェルメールの憂鬱より
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