(アンソロジー)
夜明けのカルテ 医師作家アンソロジー
- アンソロジー (252)
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 | 2024年05月29日 夜明けのカルテ：医師作家アンソロジー その眼で患者と病を見つめてきた医師にしか描けないことがある。 9人の医師作家が描く、医療の光そして影── 医学エンターテインメントの総合病院、誕生！ 新米研修医にしか発見できなかった真実。引きこもり患者を救うひと癖ある精神科医。無差別殺人犯へ行う緊急手術。友の脳腫瘍のためにふるう高度な手技。深夜の母体搬送に奔走する医療チーム。彼らは考え抜く。決断する。メスを握る。あなたの命を守るために。９名の医師作家が自らの経験をもとに臨場感あふれる筆致で描く、空前の医学エンターテインメント集。(「BOOK」データベースより) |
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| いつも読んでいる先生の楽しみと読んだことのない先生とそれぞれを楽しませて頂きました。 | ||||
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| 医師作家9名が描く医療系の短編小説集。 全てが医師が書いている小説なので、リアリティがあったし、現代医学の問題点がしっかり描かれていて楽しめた。 個人的に特に楽しく読めた4つの短編を以下に紹介したい。 「救いたくない命」は、救急搬送されてきた患者が15人以上を刺して殺した通り魔だったという話。 必死に命を救おうとする静脈確保や開腹して出血部位を探す描写がリアルで、患者が通り魔という事実を知った医師はどうするのか興味深かった。 「春に綻ぶ」は、二年間の初期研修を終えて一人立ちした三年目の内科医の話。 内科医はコロナ陽性患者を押し付けられることが多く、同じ説明を何度もしたり、厄介な患者を回されたりする様子が描かれていた。医療従事者からすれば「同じ症状でやってくる患者の一人」であっても、患者の家族にとっては「初めての、自分だけの経験」であることをしっかり理解しながら、治療に慣れても、感情までは慣れたくないという矜持で働く山岸先生が好きだった。 「闇の論文」は、がんの生検ががんの転移を引き起こす可能性に関する論文を巡る話。 医学会としては受け入れるわけにはいかない不都合な真実がテーマになっていて、実際にこんなケースもあるのだろうなと思わせる内容が印象的だった。 「空中テント」はアルツハイマー型認知症をめぐる介護の話。 認知症になった父の介護を巡って家族会議が開かれるが、叔父伯母や兄は妻であり母親が見るべきという正論を譲らない。介護負担が限界になり突然いなくなった母親を無責任となじる家族。「介護者は生き方を選べないのか？」という現代社会でも大きな問題となっている点に踏み込んでいて読み応えがあった。 | ||||
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| 其々が現代日本の医療問題の具体例のようで、同時進行の難題にどう向き合って、より良い方向へ、今出来る解決策を実践するか？読者として一緒に考えないではいられなかった。医療現場では受け身の立場の患者が、主体的であるには、どうすれば良いのか？等も読後感としてはある。医療に完全は無いからこそ、探り合って、改善を見つけるしかないのだから。 | ||||
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| 医者の温かい思いが伝わってきました。著者の他の本も読んできたくなりました。 | ||||
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| 予想以上に面白かったです。さすがの臨場感とそれを書き表す筆力に魅せられました。どんなラストを迎えるのか気になってドキドキしながらスルスル読めました。涙あり、笑いあり、発見あり。後書きも良かった。本書を手に取れたことで医療や介護は生活と人生の一部である事を再認識し、より良くするため、周りと協力して向き合いたい、と実感しました。 | ||||
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