■スポンサードリンク
天国はまだ遠く
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
天国はまだ遠くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 61~80 4/5ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
都会の生活に疲れ、「死」を選んだ女性の再生の物語。 なにげない田舎の風景の中で癒されていく彼女の有り様をすんなりと受け止められるのは、実際に丹後で暮らす作者が暮らしの中で感じるままを描いているせいかな。 民宿の主人は、元々都会暮らしをしていたにしては、デフォルメされ過ぎな気もするけれど…。 大げさな何があるわけでもないが、軽くすんなりと読める一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
瀬尾さんの著書は『幸福な食卓』に次いで2作目。 両作品とも、映画を見たあとに、読みました。 共通しているのが、 登場してくる人たちが、 みんな、とてもぬくもりに溢れていること。 温かさに誘われるかのように、 時の流れもゆったりしている。 読みながら、心があたたかくなってくる。 特に、現在、仕事や学校で、 鬱っぽくなっている人は癒されるに違いありません。 吉幾三など、ときおりあらわれる、 小ネタでもクスッと微笑ませてくれる。 心す錆びがちな、この世の中。 本作を読んで、あったかい気持ちになってください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み進めるほどに穏やかな気持ちになります。 うまくいかないことだらけで追い詰められてしまったはずの千鶴が こうも穏やかに日常を送ることができるようになるのか・・・と 感じました。 私も民宿たむらに行きたいな〜。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
すべてを投げ出して どこか遠くに行ってしまいたい なーんて、 思う時はありませんか?? さるきちは夕方になると そんな思いに駆られます。 だって、夕飯の支度って面倒なんだもの。ハハ。 さて、 うつの状態が長引くと、 “どこか遠く”=死 という発想に至ることがあります。 なぜなら、 すべてを投げ出すコトができないから。 そんな思いきりがあったら、 うつなんかになってないわけです。 うつの波に呑まれちゃった 真面目で律儀なヒトが取れる手段は、 自分自身を投げ出すコトなのです。 この小説の主人公、千鶴も 死を覚悟したひとり。 千鶴は、死に場所を求め、 北へ、北へと山奥を突き進む。 ぽつんと現れた民宿。 彼女はそこで一泊し、 大量の睡眠薬を飲み 布団に入る。 終わった と思ったら・・・翌朝。 死んでないやんけーっっ しかも、熟睡できたためか 頭も身体もスッキリ。 。 そして、その日から 自然に囲まれた民宿での 生活が始まる。 千鶴は保険の営業をしてたのね。 でも契約が取れなくて、 ノルマに追われる日々。 職場の人間関係もうまくいかず、 いるだけで緊張してしまう。 不眠、疲労、食欲不振。 身体に現れる不調。 そのうち、 日常の些細なコトが ココロに大きなダメージとなる。 さるきち、なんだか想像できます。 フツーのヒトであれば 何でもないコトなのにね。 シャワーのお湯ですら、 ストッキングの伝線ですら、 その身をちくちく刺すのよね。 民宿の経営者、田村さんは言う。 「会社休んで、気分転換すればよかったのに」 契約も取れてないのに休みを取る勇気も、 どこかに行く思いきりもなかったの 「仕事辞めればよかったのに」 言い出せなかった 無責任ってののしられるのが怖かったのかも そう。 すべてにおいて、板挟み。 そしてたどり着く先が、死。 「俺、釣りに行って一匹も釣れへんこと しょっちゅうあるけど、死のうと思ったことは 今まで一度もないなあ」 田村さんの、のほほんっぷりと 有機野菜や新米、そば打ち、 釣りや鶏小屋掃除、、 起きて、散歩して、食べて、寝る そんな生活の中で、 千鶴は、自らを振り返り、 そして自分の居場所について 考えを巡らせていく。 星空の元、酔っ払って 道路に寝っ転び、 吉幾三の歌を熱唱する千鶴。 ここにはたくさんの星、 たくさんの木、山に海に風がある。 それに、隣には田村さんもいる。 今、私はたくさんのすてきなものに囲まれている。 でも、寂しかった。 すてきなものがいくらたくさんあっても、 ここには自分の居場所がない。 するべきことがここにはない。 だから悲しかった。 きっと私は自分のいるべき場所から うんと離れてしまったのだ。 一度は死を覚悟した女性が 新たな道を歩み出すまでの ココロの動きが、 季節の移ろいとともに ゆっくりと柔らかく描かれています。 さるきちは山奥の実家に帰省中にだったためか、 まるで自分の田舎村の一風景のように 感じながら読んだのでした。 ココロがほんのり安らぐ一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
山奥で一人で民宿をやっている田村の素朴な優しさと関西弁がマッチしていて、読んでいて心が和んだ。ずっと民宿にいることができれば、おいしい食事や美しい自然があり幸せなのかもしれないが、心を休めるには最適な場所であってもそれが日常になるときっと物足りなさを感じてしまう。それに気付いただけでも主人公は民宿に行った甲斐があったのだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人の本は、本当にお子様向けですね。 大人が読んで満足できるモノとはとても思えません。この本の主人公がストレスで負けそうになる冒頭にしても、あまりに軽い書き方でガッカリしました。 あまり現実にとらわれず、昔の少女漫画みたいなフワフワした世界で遊びたい人向けです。あとは小学校や中学校の図書室向け。現実の世界に転がっている危険をこれだけ無視してしまっては、悪い影響が残りそうで心配ですがね。 もし仮に、今本当に悩んでいるOLさんが読んだとしたら、おそらく途中で投げ捨てたくなるような、現実離れした甘〜い本です。 大人なら、本当に落ち込んで危険な域まで行きながら、思いもよらないような「読ませる経緯」で帰還する物語が読みたいんだと思います。こんな、作者がPCに向かって想像しながら書いた「遠足に行ってきました」的な軽さじゃ、暇つぶしにしかなりません。 「悩んだふり」「疲れたふり」「癒されたふり」を演じたい人にはうってつけかも。頑張る前に癒されたい甘えん坊さん向けかな。あるいは、頑張る方向を間違ってるのに「突破口が見えない」という人の慰め? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
淡々と綴られる言葉の中にスッと引き込まれ一気に読んでしまいました。 『もう死のう』と思ったうら若き女性が、たまたま滞在することになった民宿で、大自然と民宿の経営者と淡々と過ごす時間の中で、次第に癒されていくお話です。 死を思うときの心情の描写が秀逸だと思います。 思わず涙がこぼれてしましました。 人は生きていると、たまには『疲れちゃったな・・・』と思うときもあると思いますが、そんな鬱々とした気分を抱えている方に、是非読んで頂きたいと思いました。 私はこの本から元気をもらいました。 続編も読みたいくらいです(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あるわけないけど、あって欲しいことがここにある。 なにもかもやめて、1度すっきり寝覚め直したい、そんな風に思ったときに出会いたかった 本。 自然と本当の意味で触れて、ものを食べて、寝て、生きているだけで十分。 むずかしいことから一度全部開放されて、生きる楽しさを知れたらどんなにいいでしょう。 なさけないらい安易でちっぽけな発想だけど ひそかに恋を期待してしまったのは、私だけではないはず。恥ずかしい・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
毎日に疲れ自殺を思い立つが失敗。 遠く離れた民宿で死ぬはずだった主人公は目を覚まし、 人生の療養がてら、しばらくその村で自由に過ごします。 特に何か変わった事が起こるわけでもなく すらっと話は進んでいきます。 まさしくスローライフ体験記。 読んでいるだけでこんな生活をした気分になれるようです。 自殺と言う壮絶な所から入るにもかかわらず 物語自体はとても静かなもの。 いやこれは何もなさすぎる! 村のあたたかい話だといっても何もなさすぎるんじゃ、と思いました。 それにしても瀬尾まいこさん鶏肉好きなのかなぁ… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なんか気持ちが落ちていて死んでしまいたいとか宇宙の塵になってしまいたい・・・ とか思うことって誰でもありますよね?(ないかな?) 私は周期的にそんな気持ちになるタイプでこの本もそんな時に本屋をフラフラしていて 手に取りました。23歳でここまで思いつめる原因がよく分からないですが意外と大したこと じゃなくて思いつめてしまうんでしょうね・・・実行に移した後に失敗するのですが、その辺りの描写が面白いです。民宿の彼が美味しいもの作ってくれたり田舎のノンビリした風景に癒されたり・・元気になっていって死のうと思っていたのに何故?みたいな・・・ そんなものなのかもしれないですね〜旅行って大事かも?客観的に自分を見つめて悩んでい たことも大したことなかったじゃん!って。瀬尾さんの小説は初だったのですがフンワリとしたユーモアが漂っていて他のも読んでみたいって思いました☆ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
わたしは生命保険の外交員をしているんだけれど、営業成績がさっぱり振るわない。 イヤだイヤだと思っているうちに、仕事だけじゃなくて人生全体がイヤになって、死んでしまおうと決心した。 日本のどこか寂れた山奥のようなところへ行って。 睡眠薬自殺をしたはずの千鶴子だったが、一昼夜半を熟睡したあげくに、満ち足りて元気いっぱいに目が覚めたのである。 するするっと読めて楽しかったし、その割りには印象も強い。 田舎生活って、いいなぁ。 自分が田舎に住める人物かそうでないかは別として、玉村さんの「田舎暮らしができる人できない人」よりも、田舎暮らしの手ほどき を感じた。 そうそう、瀬尾まいこさんは中学の国語教師なんですね。 この物語は、彼女が田舎に赴任したときの体験をベースに書いているようで、そのせいか説得力があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自殺を考えて田舎にやってきた主人公は,予定外にも(?)自殺に失敗. 自殺しようとしていた民宿でしばらくやっかいになることにする. 山も,畑も,海もすばらしくて,主人公は自殺をしようとしていたのが嘘みたいに のんびりとした暮らしをします. 何もすることがないし,しなくてもいい. そんな生活は癒されるけど,主人公はそこが自分の居場所でないことに気づきます. もう少し長く居たら,ずっといたくなってしまう. それでもいいのかもしれない. でも,自分の居るべき場所へ,出発していく. 驚くような展開は無いけれど,さわやかで,元気づけられる本です. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死のうとしてた主人公が出会ったのは、平凡な暮らし。 何にもしばられない、気ままに生きている田村さんに出会い、 田村さんの民宿で日々を過ごすうちに自然と沸いてくる感情。 ラストシーンが、なんだか切なくて好き。 あんまり、現実でよく起こる話じゃないけど、 学ぶことがいっぱいありました。 仕事で悩んでる人に読んでほしい一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者自身の丹後での教員生活を基に書かれた作品だそうですが、実に優しく、目に見えるようです。 自殺をするために丹後に辿りついた23歳の女性が主人公です。彼女は、都会での生活に疲れ、死ぬためにやってきます。でも、大自然に包まれて、次第に「死」から遠のいてゆきます。この彼女が癒されてゆく過程が、優しく、美しく描かれてゆきます。海が、星が、緑が、彼女の疲れた心を癒してくれます。 この作者の柔らかなタッチの文章が、読む側まで和やかな気持ちにしてくれます。毎日のあくせくした人生が嫌になってしまうような、そんな本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あたたかい人々、美しい自然、美味しい食べ物・・・ それらは主人公の千鶴を確実に癒してくれた。 でも、ここは千鶴の居場所ではない。 ここは一時の避難所でしかなく、 元気になったら自分の場所に戻らなければならない。 厳しいラストだけど、そこにリアリティを感じました。 マイナスの状態に落ちていた千鶴はここへ滞在することによりゼロの状態へ戻った。 ここから自分をどうプラスに向かわせるかは自分にかかっている。 もしかしたら千鶴と民宿のオーナーの田村さんは結ばれてしまうのかと思ってた。 でも、それはあまりにも安易な展開で、そっちに転ばなくて本当に良かった(笑) 瀬尾さん、余計な心配してごめんね。 よく考えれば重いテーマなのに、 軽い感覚で読めるのは瀬尾まいこだから。 彼女だからこそこの世界を作りあげられたのだと思います。 文庫版あとがきを読むと、 現役の中学教師もある瀬尾さんが丹後の小さな学校に赴任した時の経験から インスピレーションを受けてこの本を書いたということです。 きっと実体験に基づくエピソードも盛り込まれているでしょう。 それを思うと、この本がますます輝きを増してきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
正直、ちょっと驚いたかもしれない。もちろん、結末にではない。 読んでいる途中でラストまでばっちり予測できてしまう。 おそらく誰でも予測できてしまうだろう。所謂あっと驚くような 展開はないのである。だがきっと、これはこれでいいのだ。 疑似体験ができる小説なんだろうなと思う・・・たぶん。 少なくとも私はできた。主人公の体験を通して安らぎを得ることができた。 そしてラストで「明日からまたなんとかやっていけるさ」ってな 気分になれた。断っておくが別に陰鬱な気分だったわけではない。 冒頭の、主人公が仕事の悩みで思いつめてるシーンなんて なかなかリアルである。こんなことは誰でも経験があるんじゃないだろうか? それが自殺の決意まで行くかどうかは別にして。 この主人公の悩みに共感できるから、読者は主人公と自分を 重ねることができる。そして主人公の小さな冒険へダイブ。 こういった類の小説に「あっと驚くような展開」はたぶん無用で、 読者が望む予想通りの安らぎを与えることこそが必要なんだろう。 薄い本で本当にするっと読めてしまう。でも、薄いからするっと 読めるわけではない。文章が素直な感じ。あっと驚かせるものでも 奇をてらったものでもしかつめらしくもなく、ただ流れるような素直な文章だと思う。 そしてそのするすると流れるような文章が、美しい景色の描写や、 登場人物の飾らない優しさに不思議とマッチするのだ。 だから物語にするっと溶け込めて、主人公に共感できて、 ラストでも素直に良かったねと思えるのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自殺を決意し、日本海側の「奥の方」へと向かった23歳の女性が主人公。 (私自身が北陸出身なので実感できるが)どこか重く湿った空気が身体に纏わりつくような土地である。 しかしそこで彼女は、自分に纏わりついていた妙な縛りを、知らず知らず解いていく。 とにかく、そこに生きる人々の姿がいい。 彼女が自殺を試みたことに薄々感づいた民宿の主の無骨さは、 下手な声掛けよりも、ずっと世界を素敵に見せてくれるし、 他人を慮ってではなく気分次第で親切だったり、主人公の好意を無碍にしたりする 近所のあばあさんは実にキュートだ。 この土地の人々は、自分で自分を生きている。 それが押し付けがましくなくて、 読後、私も主人公同様に、どこか身軽になれた気がする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文庫本には瀬尾さんのあとがきが載っていました。この話は瀬尾さんの経験からできた話なのかなと思いました。 読んだ後、心の中に暖かさと少しだけ寂しさを感じました。 あの集落が自分の居場所になれたらよかったな…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2時間半くらいでさらっと読めます。いつもながらの、ほどよい湿度のある空気が満ちていて、読後感も良いです。ただ、どこかで見たドラマのような〜という感触は否めません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死ぬつもりで田舎の民宿へ辿り着いたのは、生命保険会社の若いOLだ。 しかし、死ぬどころか、数々の生きる喜びに接する事になる。 その表現には一切の誇張が無く、淡々と時が流れる。 簡潔で短い文章は、多くを語る。 海釣りして船酔いしては吐き、酒を飲んでは吐き、、、。 よく吐く女性だが、こんな生命現象も彼女を変えたのかも知れない。 また、釣った魚や、鶏がさばかれ、 色々な農作物や、時々焼かれるパンに接するうちに、 都会人の女性は、着実に変化してゆく。 著者の描く情景は、何と透明なのだろう。 この淡々とした物語は、主に「生きる」という事を著している様に思う。 生きる事の意義という仰々しいものではなく、単に生きるという事を、だ。 そして、生きる事は、こんなにも素晴らしい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!