ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。

ちぎれそうな身体だって、おれの走りをするんだ。

結婚を控えたさくらの前に、兄を名乗る青年が突然現れた。どう見ても一回りは年下の彼は、さくらのことをよく知っている。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

「ごめんください。どなたですか?戸村飯店の兄弟、ヘイスケとコウスケです。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」 今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。

「永原智です。はじめまして」。

本屋大賞ノミネート作家、瀬尾まいこのデビュー直後から3年半の日常をつづるほのぼのエッセイ。

元ＯＬが営業の仕事で鍛えた話術を活かし、ルイーズ吉田という名前の占い師に転身。

両親の離婚以降、月に一度祖父と会うようになった彗子。母の再婚を機に会うことをやめる二人だったが……。

ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。

中学校教師として多忙な生活を送っていた著者。

中学２年生の隼太は、この春に名字が変わった。シングルマザーだった母が、町で人気の歯医者と結婚したのだ。

混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。

みちると優子は中学３年生。２人が通う宮前中学校は崩壊が進んでいた。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

中学2年生の柊也は、クラスメイトの翼に誘われて渋々行った中華街で無銭飲食の罪を着せられてしまう。

小学生の百音と統理はふたり暮らし。朝になると同じマンションに住む路有が遊びにきて、三人でご飯を食べる。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。

一人でだって生きてはいける。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。

古書店『無窮堂』の若き当主、真

うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。

ある朝目を覚ますと、腕に大きく「神様当番」という文字が！突然現れた神様のお願いを叶えないと、その文字は消えないようで…？幸せの順番待ちに疲れたＯＬ、弟にうんざりしている小学生の女の子、リア充と思われたい男子高校生、乱れた日本語に悩まされる外国人教師、部下が

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。

真夜中の屋根のぼりは、陽子・リン姉弟のとっておきの秘密の遊びだった。不登校の陽子と誰にでも優しいリン。

ふと立ち寄った神社で出会った、お尻に星のマークがついた猫ーミクジの葉っぱの「お告げ」が導く、７つのやさしい物語。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

売れないアラサータレント「おかえり」こと丘えりか。唯一のレギュラー番組が、まさかの打ち切り…。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

恋人に騙され、仕事もお金も居場所さえも失った２５歳のエミリ。

大好きな叔母・春桜(はるか)が宛名も書かず大切に手元に置いている手紙を見つけた甥の千景(ちかげ)。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。

本屋大賞ノミネート作、待望の文庫化！ 宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。

中1の奈緒がピアノを教わっている絹子先生の元に、フランスからサティのおじさんがやってきた。

小学校の体育館裏で、きりこが見つけた黒猫ラムセス2世はとても賢くて、大きくなるにつれ人の言葉を覚えていった。

無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。

同情は美しい? それとも卑しい? 優しくたって、美人だって、幸せになるのは一苦労。第6回大江健三郎賞受賞作。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

勤務先の美術館に宅配便が届く。差出人はひと月前、孤独の内に他界した父。

二ノ宮こと葉は、製菓会社の総務部に勤める普通のOL。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

年齢も境遇もさまざまな8人の女性たち。

中学校にはいろいろな生徒がいる。

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。