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恐るべき太陽
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恐るべき太陽の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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ネタバレになるので詳しくは書けませんが、作者の力業には感服します。 登場人物の視点がぐるぐると入れ替わるので読みづらいのですが、500ページあまりを一気に読ませる力はあります。 たとえて言うなら、素晴らしいラッピング。 美しく、妖しく、複雑に手が込んでいて。 登場人物全員が嘘をついているのでは?と思わせられ、ミスリードされ、最後までしっかり騙されます。 が、いかんせん、中身(この場合犯罪自体)がしょぼい印象が免れません。 そして、やっぱりどうしても無理がある。 だって、どんな人にも、「文体」ってあるでしょう。 それに、作家自体が最初に殺されるのに、どうして研修生達の小説がこんな形で完成しているのか? ポリネシアの野生児だったはずの少女が、いつの間にか文学インテリみたいになっているし。 なんだかんだ言って、やっぱりクリスティってすごかったんだなと思わざるを得ません。 | ||||
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読み進むにつれて積み重なる違和感がラストに収束! あからさまに示されていたヒントを味わうため二度読み必至! | ||||
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. フランスの出版社の新人作家発掘企画で、作家志望の女性たちが仏領ポリネシアのヒバオア島にやってくる。ベストセラー作家ピエール=イヴ・フランソワの指導のもと、クレマンス、マルエィーヌ、ファレイーヌ、マリ・アンブル、そしてエロイーズの5人は「死ぬまでにわたしがしたいこと」の列挙と島に来てからの日記「海に流すわたしの瓶」をつけていく。 しかしそのピエール=イヴが突然失踪してしまう。これは女性たちのクリエイティビティを刺激するための演出なのか? と思う間もなく、女性が一人また一人と殺害されていく。 果たして犯人は5人の女性のうちの誰かなのか? そしてその動機とは? ----------------- フランスの作家ミシェル・ビュッシの長編ミステリーです。邦訳はこれが4作目ということですが、私はフランス・ミステリーを普段マークしていないため、まったく知りませんでした。昨年(2023年)末、この小説が『 このミステリーがすごい! 2024』 』海外編の第7位に選出されたと聞き、手にしてみることにしました。 物語はピエール=イヴから課題として出された手記「海に流すわたしの瓶」と、マリ・アンブルの義理の娘で16歳のマイマの日記、そしてファレイーヌの夫で憲兵隊長のヤンの動向を三人称で追った記述の3種が交互に並べられていきます。 小説のかなり早い段階で、アガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』が引き合いに出されますから、その分野に明るい読者であれば、「海に流すわたしの瓶」とマイマの日記は当然のごとく騙りが含まれたものと睨んでよさそうです。そして三人称によるヤンの動向記録だけは〈疑うこと無き事実〉として読み進めてかまわない、というのがこの小説を攻めるうえでの基本戦略であると私は考えました。 さて、この550頁ほどもある巨編を読み終えての私の最初の感想はというと、そうかそう来たか、これは一本とられたな、というものでした。私の基本戦略はいい線行っていたと思ったのですが、それでもやはり同じ戦略でこの小説に挑む読者が多かろうことは作者ビュッシは百も承知のうえで執筆したのでしょう。 その点では大いに欺かれたなという、潔く負けを認める楽しさを読者にもたらしてくれるミステリーといえるでしょう。 役者の平岡敦氏の翻訳も実に読みやすく、バタ臭い翻訳調の日本語は一切ありません。この長編を気持ちよく読み進めることができました。 ただ、不満も残ります。島に集まった人物が次々と命を落としていく展開はもちろんクリスティの『そして誰もいなくなった』へのオマージュでしょうが、殺人の動機に社会的意味合いだとか構造的な問題といったものがないのです。 犯罪を通して今の読者を取り巻く課題が浮き彫りになってくるようなミステリーこそが傑作だと言えます。(その点でドストエフスキーの『罪と罰』は非常に優れた倒叙型ミステリーです。)しかしながらこの『恐るべき太陽』では、犯人が追い求める対象や犯罪の動機が、読み手である私自身にとって何か思考の糧を与えてくれるようなものではありませんでした。 読後に、周囲を見る自分の目が変わるようなミステリー小説ではなかったな、という不満が否定できなかったのです。 --------------------- この小説を面白く読んだという読者には、次の日本のミステリーを紹介しておきます。 ◆長江俊和『 出版禁止 いやしの村滞在記』 』(新潮社) :三重との県境にある奈良の山間部に「いやしの村」と呼ばれる施設があり、ここで人生に思い悩んだ人々が共同生活を送りながら、癒やしを得ようとしています。そこにルポライターが取材に訪れます。「いやしの村」は恨みを呪いによって晴らしているという噂を聞きつけての取材なのだが、果たしてその噂は本当なのだろうか――というミステリー小説です。 . | ||||
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フランスのミステリは珍しいので、読みました。すっかり作者の罠にはまって、最後まで犯人はだれかわからずに読んでいました。なかなか面白い。語りを様々な登場人物の視点から描いて、読む側に想像を掻き立てる。作家志望の女性が熱帯の孤島に集まって、快適な環境でゴーギャンの暮らした南海の雰囲気のなかで、ミステリアスな事件が次々と起こり・・・ポリネシアの伝統や民族色の豊かな背景が、さわやかに伝わってくる。 | ||||
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この作者の作品は、何か無駄に引き延ばして、読む方が疲れるというイメージを持っていたが、今回はこの長さも気にならないテンポの良さと、意外な結末があり、満足。 | ||||
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面白くないですね 物語がくどい 気取りすぎ | ||||
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もともと「黒い睡蓮」から読み始め、新作が出るたびに読んでいました。時間を繰る術が絶妙。何でも許す。一冊一冊の巧拙はどうでもいい。そういうところにはいない作家。語り口の一人称がどうも変だ、そう思いながら違和感を抱きつつ読みすすめる。ところが、そう、そういう仕掛けがあったのである。完璧なプロットではない。宇宙を俯瞰する止まり木でこちらを覗いているような、そんなウィットに富んでいる。 | ||||
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『時は殺人者』で、この作家は “いい” と思った。反面、その作品でも冗長だと感じた。 本作も長すぎる。最近は前作を読んだ時よりも私が多忙で時間的余裕がないせいもあるが、そもそも冗長なものは受け入れないタイプだと自覚している。 早々に流し読み。 ストーリー自体はいいので、他のレビュアーも述べているが、せめて2/3の文章量なら、と残念に思う。 | ||||
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マルケサス諸島のヒバオア島のペンション「恐るべき太陽」で開かれたフランス大人気作家主催の「創作アトリエ」。作家自らが選考した5人すべて女性であるあたりがすでにかなりの訳アリ感満載です。作家の出す課題にしたがっておのおのが創作を始めます。 独特の地理、風土、伝説を持つこの島に密封された彼女たちに迫る危機。「次は自分では・・・。」との大不安。さらに過去の純愛エピソードと隠された秘密。そして未解決事件と犯人。盛りだくさんの「目くらまし」を埋め込みながら怒涛の解決編になだれ込んでゆきます。 当初は無能の極みに見えた探偵役も大活躍で最後には読者の盲点をついてくれました。フランス語独特の比喩、皮肉、ユーモアがうまく日本語に翻訳されているのかはまったく不明ですが、まだまだ海外旅行を躊躇している身としては「バーチャル旅行」に連れて行ってもらえた気もします。 | ||||
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すべての描写にこだわりぬく、見事に構築されたミステリ。読む価値は十分にあり。 しかし出来が良いだけにメイントリック以外の粗が目につく。 なんといっても惜しいのが解決編で見えてくるようになる景色に驚きがまったくないこと。 この作品は「アリバイ崩し」とか「倒叙もの」の系譜に連なるタイプで、それを非常に珍しい高度な技巧で達成しているのだが、ラストに至って見えてくるのは、だから読者が最初から知っている景色なのだ。勿体ない!このすさまじいトリックを完遂できたなら読者がまったく予想もしていなかったラストを見せつけることだってできたはずなのに。「アリバイ崩し」「倒叙もの」は本来は短編向きの小粒なフォーマットなのだ。トリックが話のスケールに比べて大きすぎるという、ミステリ史上稀に見る欠点を抱えた作品といえる。 あとは個人的に、エピローグで唐突にねじ込まれるロマンス要素はどん引きした。そこくっつく要素皆無だっただろ? また、文中に『そして誰もいなくなった』『アクロイド殺し』のかなり核心に迫ったネタバレがあるのは先人へのリスペクトが感じられず残念。しかもこの言及、すべて削ってしまってもまったく何の問題もないのだ。 この点を含め、不要な文章が多く、全体的に長すぎる。再読して面白みを増すタイプの小説だけに、今の2/3くらいの長さに抑えて欲しかった。 | ||||
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本の説明文に「叙述ミステリーの巨匠ビュッシが満を持して放つクリスティへの挑戦作」とかいてあったので、 うまいことだましてくれるといいなと期待しながら読みました でも、あっと驚くようなことはなくて残念 この手の作風なら、国産のほうが自分はいいと思いました | ||||
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読み切るのは大変。なぜなら、クセがあるから。まず、表紙がおしゃれ。解説は、阿津川辰海。初めて聞く名の作家だが、フランスの流行作家だという。そして、アガサ・クリスティに挑戦の売り文句。登場人物の名前が覚えにくい。300ページ過ぎるまではなかなか、のれなかったが、そこを過ぎると面白くなってくる。 | ||||
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