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極楽征夷大将軍



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【この小説が収録されている参考書籍】
極楽征夷大将軍

極楽征夷大将軍の評価: 4.15/5点 レビュー 71件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.15pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全71件 21~40 2/4ページ
No.51:
(5pt)

視点人物を尊氏を支える二人に置き、その齟齬が拡大していく様を迫真的に描く

昨年の直木賞受賞作である。
作者には、『ワイルドソウル』等の一連の南米もの、『君たちに明日はない』等の現代日本を舞台にしたユーモア小説があるが、最近は明智光秀、織田信長等を扱った日本の時代小説が続いている。

本作は、足利尊氏とその弟の直義、そして足利家の執事である高師直の3人を軸にして描かれている。
史実かどうかはともかくとして、本作の人物造形としては足利尊氏はすぐに人の意見に流されるグダグダの人物として描かれる。名誉欲も権力欲にも乏しい。ただし、戦争指導だけは長けている。
だがというべきか、そうであるがゆえにというべきか、尊氏の下には不思議なことに人が寄ってくるのである。作者は尊氏が「世間そのものでるがゆえに担ぎやすい」のだと説明するのだが・・・。
弟の直義は、実務能力が抜群である。戦争指導もある程度の才がある。
そして執事の師直も、マネジメント能力に秀でており、しかも直義同様に戦争指導の才もある。

本作は、本来は足利家の諸子であって家を継ぐとは思われていなかった尊氏が、時代の流れの中で征夷大将軍に担がれていく様が描かれているのだが、鎌倉幕府を滅亡させ新しい幕府(室町幕府)を成立させた立役者は直義と師直の二人であるとする。

しかし、幕府成立後は直義と師直の間に次第に齟齬が生じていく。その齟齬を、それぞれの主観に立ち入って描いているのが本書の特徴である。
同じ出来事を、二人がそれぞれに別の様に感じる様が交互に描かれていく。映画『羅生門』のような世界とも言えるが、それなりに面白い。

ところで、ぼくは日本史はからきし疎くて、近年の読書でやっと織豊時代については何とかある程度の知識を持つけれども、それ以外、例えば鎌倉幕府の滅亡と室町幕府の成立や南北朝時代については全く不案内である。
ただ読みながら感じたことは、本書は実際に起こった事実を定点にして、それをめぐる人の思惑や動きを作者が自由に発想して繋げていくスタイルをとっているようだ。まあ、これが時代小説を書く上での王道なのかもしれない。
一から登場人物を創造するのではなく、すでに歴史上の人物として彼らは存在しているのである。そこに従来の評価とは異なる人物造形を上書きしていけば、自然に物語は転がり始めるのかもしれない。
北方謙三が『三国志』や時代小説に行ったり、垣根涼介が時代小説に行ったりと、それなりに多作な作家が、こうした動きをするのには、それなりの創作上の事情という背景があるように感じてしまう。
が、それでも面白ければ、それでいいのだw
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No.50:
(4pt)

長過ぎる。厚すぎる。字が小さすぎる。

届けられた時はギョッとした。百科事典ではないかと。
中を開けてまたびっくり。
二段刷りで字が小さい。
一年がかりで、読む覚悟をしたが、二ヶ月で読み終えた。

たぶん大河の太平記を見てたので、登場人物をしっかり覚えていたから。尊氏は真田広之、直義は高島政伸、高師直は柄本明、登子は沢口靖子。
真田以外は適役だと思う。
でも、この小説を読んで分かったことは
尊氏の役は中村梅雀があっていると思った。

この時代は裏切ったり仲良くなったり絶え間なく、息づく暇ないが、この兄弟は意外と絆が強い。
要するに尊氏の成長物語ということか?
でももっと簡潔に描いて欲しかったのが、正直な感想だ。

やっと読み終えた自分を褒めてあげたい。
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No.49:
(5pt)

足利高氏の魅力あふれる人間味が色濃く描かれている一冊

初代征夷大将軍の足利尊氏をその弟の直義と執事である師直の視点から描いた1冊。
最初は出てくる言葉とか登場人物の名前の難しさに戸惑ったけど、途中から物語にぐいぐい引き込まれていった。
まるで大河ドラマ鎌倉殿の13人を見ているかのような気持ちになった。
濃厚で緻密に書き上げられており、著者の筆力に感嘆。
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No.48:
(5pt)

直木賞

著者も本をたくさん読んでいるとのこと、足利と北条との関係が詳細に書かれており分かりやすい。
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No.47:
(5pt)

常に足利兄弟にフォーカスしていて、読み手を飽きさせない出来

この人の歴史小説は、とても好きで全部読んできました。その中でも一番の出来と思います。南北朝時代という、皇室内の権力闘争によって引き起こされたカオスの時代を取り上げた数多の小説の中でも白眉の一冊。あくまで足利兄弟にフォーカスを当て、彼らの目から見た時代という立ち位置を一貫させたことがこの小説の出来を高めることにつながったと思います。
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No.46:
(5pt)

面白い

今までと違う観点からアプローチしているので、新鮮だった
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No.45:
(5pt)

足利幕府ってかなり砂上の楼閣みたいなもんだったんだな。

幕府というから、江戸幕府のように安定していた、少なくとも応仁の乱以前は揺るぎない統治だったと思っていたのだけど、そうではなかったんだなぁ。知らなかったわ。南北朝に分かれてたのも知ってたけど、それ以外にもかなり危ういところがあって、砂上の楼閣みたいな感じだったんだな、と。

あと、尊氏の情けなさが意外だったけど、楠公(楠木正成)もそういう外観、人物だったんだなぁ、と意外だった。楠公のほうが崇拝されているよね。

映像化するときは、尊氏は大泉洋しかいないんじゃないか、って気がしてる。
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No.44:
(2pt)

長くて、メリハリに乏しく感じた

直木賞受賞作ということで期待をもって読んでみた。
室町幕府を創設した足利尊氏・義直兄弟と高師直の生涯を描いた作品。
太平記を下敷きとした作品だと通常もっとも盛り上がりを見せる楠木正成との攻防も、なんだか淡白に書き進められ、全体としてメリハリが感じにくかった。
結構長めの作品だが、私には焦点がぼやけて見えた。
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No.43:
(4pt)

分かりやすい視点で足利兄弟を描く

司馬遼太郎式の極端な性格付けをしたキャラ作りで、非常に分かりやすく、足利幕府立ち上げまでの足利兄弟の苦闘を描いている。物語はとても面白く一気に読んでしまった。
しかし、ときおり現代人的な思考方法や、いかにも現代単語が混じり、ちょっと冷めてしまうところもあり。
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No.42:
(3pt)

起伏に乏しく平坦な歴史小説

●やる気なし欲もなし恬淡とした足利尊氏(高氏)がなぜ征夷大将軍にまで上り詰めたのか?を尊氏
の人間性に焦点を当てながら描かれている。リーダーの素質ゼロの人物が周りの人に担ぎ上げられて
行く過程はコメディドラマの様。
 しかし、歴史教科書としては分かり易いが、物語としては起伏に乏しく平坦で冗長。やたらと長く
てかなりの忍耐力が必要だった。ストーリーテリングのテクニックが欲しいとも思う。それとも私の
忍耐力減衰なのかもな~?
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No.41:
(4pt)

歴史物らしくない歴史物。

こういう人っているよなあ、と思う。例えるなら、得点力に秀でたサッカーのフォワードで、そのことについてはすごいけど、他普通に話してみたらおバカキャラ扱いで、周りから愛されつつキャプテンやっているような。
そんな頭空っぽ(だけど戦にはめっぽう強い)尊氏、足利氏の庶流に生まれたはずが、気づけば鎌倉幕府最名門の当主になり、気づけば倒幕してしまい、また気づけば朝敵にされたりとみていて飽きない。その後も天皇家を分立させたり庶子に反乱起こされたりと、歴史はこうやって群像的に作られていくのだなと実感した。

ハイライトは直義が後醍醐天皇の綸旨に接し、周りを固めながら尊氏を説得するシーン。この後も活躍する直義の機知がもっとも発揮された場面だろう。この瞬間、まさに歴史が動いた。
総大将尊氏が発言を振られ、「えーっと...」から話し始める場面も、まさにキャラクターが出ていて面白かった。
倒幕、南北朝成立あたりがピークで、観応の擾乱以降はやや退屈だったか。
総合的には歴史の面白さがわかる秀作だった。
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No.40:
(5pt)

大河ドラマのようにテンポよく進み、長さを感じさせない

足利尊氏と弟の直義が室町幕府を開闢し、その後の幕府運営と朝廷との関係を小説にしている。個人的には、室町時代ってよく分からなくて、尊氏の言動がこんなものだったのかと驚いた。ましてや弟の直義の存在などは知らなかったので、こんな人物があの時代のいたことに歴史の面白さがあった。2段組みで文字がぎっしりとつまったページであるが、まさに大河ドラマのように長さを感じずテンポよくあの時代の武将たちの動きが描かれている。読むのに時間はかかるが、情景が頭に浮かびやすく読みやすい。
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No.39:
(2pt)

平板かつ苦痛

半分以上読んだが、山場がなかなか来ない。直義、師直の視点で固定してしまったため、楠木正成、新田義貞ら敵役の心理描写も不十分で感情移入できない。終盤まで読めば山場が来るのかもしれないが、それまで飽きさせずに読ませるのが作家の手腕では?
これではなぜ直木賞を受賞できたのか疑問。漫画や動画などの別のメディアには勝てない
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No.38:
(5pt)

室町幕府はこのようにして生まれた。

兄・尊氏、弟・直義、また高師直を語る上下2段組の552Pは圧巻。
これが第169回直木賞受賞作だと実感する。
尊氏は、ごく自然に従うように、「所詮は波の動きには勝てぬ」と無欲に言う。
その清廉建白たるがぶれず、ここにある。
そして、弟の危機には覚醒する。
その兄弟愛は強く。
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No.37:
(5pt)

痛快、くすっと笑える

一気に読みました。
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No.36:
(4pt)

悲しいけども少し笑えて死ぬほど読みやすい!

鎌倉末期から南北朝時代にかけて、足利家の活躍を足利直義と高師直の2人の視点で描いています。日本史は好きだけど、この時代って動きが複雑で人物の個性もよく知らないんだよなあ、という人におすすめです!
後半は少し単調に戦の経緯描写が続きますが、前半は飽きが全くなく読み進められました。
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No.35:
(1pt)

今年の直木賞受賞作品は自分好みの小説ではなかっただけ

小説と言うより直義と師直の日記を読んでるような感じで、2段組で500頁以上、ダラダラ書いてあり途中で読む気がなくなりそうになりました。読み終えたあとは、尊氏の深い悲しみを考えると暗い気分になり、残念ながら「面白かった!」とは思えなかった。
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No.34:
(1pt)

面白くない

買って損した。
最初は読み進めるのが楽しかった。
中盤になってから作者の思いを登場人物に置き換えて書いてあるが故に、クルクルクルクル掻き回され、読むのに疲れる。
腰を据えて書いて欲しい。
少なくとも私には合わない。
ダラダラと続く物語がなんで直木賞受賞するのか、選考委員も大したことないなと思う。
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No.33:
(5pt)

室町時代が脆弱な理由がよく解る

室町時代は国家レベルで大きく作り上げたものもなく、あちら此方で勝って放題。
スタートに原因があることがよく解った。
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No.32:
(5pt)

量がすごい!

『ゆりかごで眠れ』が好きでしたが、その後の歴史物はピンときませんでした。
しかし期待せずに手にとった結果(まずこの時代に興味もなかった)予想外に引き込まれました。
筋の通った主人公という点で『ゆりかごで〜』と共通点があったからかもしれません。
兄弟が対照的に描かれているから一層魅力が引き立つのかな。史実はわかりませんが...
読んでも読んでもまだあるという今時珍しいボリュームにも満足しました。
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