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黄色い家
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黄色い家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全65件 21~40 2/4ページ
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オーディブル版にて。10代の子たちの心の動きがとてもリアルに描かれているように感じる。現実社会の闇に足を一歩踏み入れたような錯覚にも陥る。 | ||||
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話の中心がほとんど主人公が20代前後というのもあり、自分の青春時代と重なるところがあった。 私はお金がなかったわけでもなく、家庭環境も恵まれていたが、花が生活のやりくりに苦労したのと同じレベルで大学サークルの運営で精神的に追い詰められた。その当時のことを思い出して苦しくなった。 主人公の花は大好きな友達やきみこさんと一緒に楽しく暮らすために「自分が全部頑張らなければならない」と自分自身を追い込んでいって、最終的に訳のわからない行動を取り始める。自分も、サークルを完璧に運営して同期や後輩から「すごい」とか「さすがだね」と言われることに酔っていた。「みんなのために」という思いでやっていたけれど、自分より頑張らない周りに苛立ち、最終的には仲間を追い詰めていった。縁を切ったような状態になった人もいる。 「黄色い家」はお金が原因で様々な人間関係に狂いが生じるが、お金が絡んでいてもいなくても、人間は拗れるときは大きく拗れることを思い出させる内容だった。 Audibleで聴いたが、大内櫻子さんの声の演じ分けには脱帽。飽きずに一気に聞き入ってしまった。 | ||||
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評判が良いので期待して読んだ。読ませる文章で読み進めるのに苦労はないものの、あまり必要とは思えない描写が冗長で、ストーリー展開が遅い。展開してもそれほど心に響くこともなかった。半分以降は斜め読みして最後でイマイチな感想のまま。24年2月現在、書店にたくさん平積みあり人気はあるようです。古本屋に売ったら600円の根がつきました。人気の理由が良くわからない。タイトルと装丁はとても素敵。 | ||||
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強烈な、魂の物語だった。 いのちがうまれ、育つことが、 なんと困難なことなのか。 自分の魂が求めるもの、それから目を逸らさないことが、なんと困難で面倒臭く、理解されないことなのか。 だから普通は、目を逸らす。多くの人間は、目を逸らす。 金(カネ)というモノを使って、物を、情報を、人間関係を消費することで、目を逸らすことができる。 そのこと自体は悪いことでもいいことでもなく、実際社会はそういうことで成り立っているのだろう。 目を逸らすことができるが故に、金は大事なのだ。 でも、生き延びることが最優先という環境にあったとしたら、しかもそれが、 生き残る術をあまり知らない小さい命であったのならば、目を逸らすことはできない。 この物語は、目を逸らすことのできなかった、孤高な少女の戦いの物語である。 そして、この物語は、絆の物語だった。 花の生い立ちは哀しい。黄美子の生い立ちも哀しい。二人は、共に暮らし始める。 表の世界で語られる「絆」とは違った絆が生まれ始める。 黄美子と映水、琴美の絆に、花は強く惹かれ始める。そして、この物語は、利他の物語だった。 花は、目を逸らすことができない。「お母さん」の哀しみから目を逸らすことができない。 赤の他人の哀しみからも、目を逸らすことができない。 自分の哀しみから目を逸らすことさえできないのに、もうどうしようもなくいっぱいいっぱいなのに、人の哀しみから目を逸らすことができない。 黄美子のために蘭のために桃子のためにそうして花は、 手を染めてしまう。 弱く臆病な花だけれど、それでも生き続けること、より良く生き続けることを願い続ける。 人間が生き続けようとする、それはどういうことなのか。 私はこの物語を美しいと思った。 最後に、花は命そのものとしてかかれており、だから名前が花なのだ。 最後は、個の命が祝福を受けるという場面で終わっている | ||||
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読んでしばらく、言葉が見つからなかった。 何日か考えたが、黄美子さんへの後ろめたさや、何とも言いえない苦しさ、切なさなどが、言葉を堰き止めている感じがした。 川上さんはどうやってこの小説を書いたのだろう。と思った。ご自身にホステス経験があるらしい。その時見聞きした、体験した世界もきっと活かされているのだろう。 所謂「普通」の世界を生きている自分にとっては、信じがたい世界であったが、きっと一部は真実なのだ。 金融経済教育は本当に大事だと思う一方で、そのスタートラインにも立てない人々がいる。 せめて高校までは出ておかないと、その先の人生が著しくハードモードになる。しかし、そんなことを親身になって忠告してくれる人々は、この世界に住む人々の周りにはいなかったのだろう。 花はどこで軌道修正できたのだろうと考えるが、「この道しかない」と思い込んでしまったことだろう。 黄美子さんから離れたあとは、必死で住み込みなどの仕事をする。そう、選ばなければ普通の仕事もあるのだ。 桃子は、花が必死でやってきたことに対して、「そんなこと誰も頼んでない」と言い放つ。 じゃあアンタ、本当に手を打てたんか?(パー券とか、えらいことになってたがね!)という気がしないではないが、「家」を保てるのは自分しかいないと強く思ってしまったところに、花の誤りがある。 最初から最後まで何も変わらなかった黄美子さん。 回想からミスリードを誘う、川上さんの描写にはしてやられた。 黄美子さんは、昔の言葉で言う「知恵おくれ」の人だ。そして、天涯孤独だ。語られていないが、きっと母親も利用されて刑務所に収容されたのだろう。 こういう人々を福祉に繋げるには、一体どうしたらいいのか。障害者手帳などを持っていれば、給付金が得られるだろう。しかし、それを利用して搾取する人々がいるのも現実だ。 ヨンスさんが黄美子さんへお金を渡していたように、アウトサイダー同士の「社会保障」があるのかもしれない…… 蘭のような、「あまり考えないが、人当たり良く、顔も美人で、少し要領が悪いだけの」人であれば、適当に相手を見つけて結婚し「普通」の世界に戻ることができる(実際に戻ったのだと思う。それも女性が「庇護される」立場であることを示唆し、複雑な気持ちになった)。しかし、そうでない人は? メンタルの弱い桃子はどうなったのだろう。恐らくジェンダー・マイノリティーの花は。そして黄美子さんは。 あまり語られることのない世界を舞台に、女性の貧困にスポットライトを当て、かなり考えさせられる本だった。 とりあえず、「サッサ」買ってきます。 | ||||
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いわゆる「小説」を読み、心が満たされた。説明的な文章でなく、主人公と一体化して読めました。 とにかく、黄美子さんの描写が素晴らしい。 最初と最後では、別人みたいだ。 だが、読後、気づく。 黄美子さんは初めから、何一つ変わっていないと。 変わっていくのは、花であること。 一人称目線の小説だからこそできる、美しさ。主人公の見たまま、聞いたまま、感じたまま。 謎は謎のままでいい。読み手が想像しよう、感じ取ろう。それこそが小説。 | ||||
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金や人間関係に踊らされ、犯罪や宗教滲みた観念に縋る姿は、読者が経験してきた人生とは非なるモノではありますが、人の脆さや社会の本質・構造の悍ましさが垣間見えるような一冊でした。 | ||||
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一気読みしました。目にしたかのように鮮やかに光景が浮かびます。自分を気遣ってくれた人のことを忘れない、不安になったとき、その事を心の拠り所として自分の心を暖めてもがきながらも前進しようとする花に、胸がぎゅっとなりました。花は私の事なのだと思うのです。 | ||||
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ハラハラドキドキ。 ハラハラドキドキは他のミステリ小説でも味わえるが、他のミステリ小説は最後に強引にネタ晴らしするため、嘘くさい感じになりがちだし、最後がダレがち。これは純文学畑の作家が書いているので、その縛りがないようで、謎の大部分は謎のまま。ぼくはこっちのほうがすき。 | ||||
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お金というものの恐ろしさ、 そして立場の弱い女性たちの置かれた境遇を丁寧に描いています。 途中まで読んでいて苦しくなりますが、是非おすすめしたい一冊 | ||||
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とてもいい作品でした。 お金というものの恐ろしさだけではなく、 女性の貧困やある特定の人種への差別など、弱い立場にいる境遇を丁寧に描いています。 途中まで読んでいて苦しくなりますが、是非おすすめしたい一冊です。 | ||||
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川上未映子さんの『黄色い家』読了。圧倒された。かつてここまで『お金』を主題にした小説はあっただろうか。いや、厳密には『人間の隷従あるいはお金の力について』を主題にした小説であり、なおかつ人はその中で、自分の人生が自由であったと肯定できるのか、ということが問われるのである。 『黄色い家』はたんなるノワール小説ではない。この小説が描いているのは「お金」と「家」という幻想であり、しかし単なる幻想としては片付けられない人間の心身を物質的なまでに支配する「リアル」である。そしてそのリアルを支えるのが、意識的であれ無意識的であれ、それらを信じる人間の信仰だ。したがってこの小説は、宗教や国家というものが何であるかを示唆する小説でもあり、私達が生きるうえで前提としているものがいかに、もろく、しかしそのもろさを強固なリアルにしているのが人間の隷従と信仰に他ならないということを示してくれる。 この人間の信じてしまう力はどこからくるのか。それがわからないから、これらの観念が持つ「力」というものは恐ろしい。柄谷行人が『力と交換様式』で言っていた「霊的なもの」としか呼びようがない何かである。試しに、「お金」と「家」を「神」「国家」と置き換えてもこの小説は成立するだろう。それくらいわれわれの世界の構造の根本的な原理に迫った小説であるといえる。しかしこの小説のすごさは、そのような人間を雁字搦めにしている世界の構造の中で、なおかつ人は自分の人生が、自由であったと肯定できるのかまでをも問うてくるのである。 主人公の花は、救いをお金と家に求めてきたといえる。あるいは自分以外の誰かである他者に。だが、誰も何もどこにも救いはないとわかった時に、彼女は坂口安吾が言うところの「救いがないことが救い」「モラルがないことがモラル」という「文学のふるさと」に到達してもいるのだ。 | ||||
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普段あまり小説は読まない(ハマりすぎるので読まないようにしている)のですが、久しぶりにまとまった時間がとれるようになったので読んでみました。 素人の感想ですが、まず全体的な構成の仕方が良かったです。 黄美子さんの本性がいつ現れるのかとハラハラしながら読み進めたが、結局全体の8割くらい読んでも本性は現れず。 というか、べつに本性を隠していたわけでもなんでもなかったんですよねこれ。 個人的にはすごく面白かったです。 本作品内では解明されず、真意のわからないまま終わった出来事もいくつかあります。 娯楽作品としては無責任っぽいところもありますが、でも人生ってそういうもんだよな。と実感。 なんかよくわからないけど回りから消えたり拒絶されたりすることもある。 現代人だって生きていく大変さは原始人や野生動物と大して変わらないのではないか。 最後まで読み終わったあと、すぐにもう一度最初からじっくり読んでみたくなる作品。 | ||||
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直木賞作家の小川哲氏が「めちゃくちゃおもしろかった」とあるラジオ番組で語っていた。 小川氏によれば、作家同士で読書会をしようということになった。 作家にしかわからない感覚があり、作家同士で話をすると盛り上がることがあるという。 読書会の課題作は3冊あり、本書はその中の一冊だった。そして、本書は、3冊のなかでもぶっちぎりで評価が高かった。 さらに小川氏が語るところによれば、 一つ一つのシーンの切り取り方や会話の進め方がすごい。 一見バラバラになりそうな話を黄色のモチーフやメタファーを使ってつないでいく組み立て方もすごい。 こういう本だろうって想像して読むと全然違う話になる。 ミスリードも川上さんが仕掛けている上に本書のテーマになっている。 重層的に読める作品。 ※『アトロク・ブック・クラブ』epi.81 | ||||
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新聞に連載されていたので、気になっていた本です。 先が気になりページが進みます。新聞で読んでいた人は明日まで、待ち遠しかったんじゃないでしょうか。 なにかでレールから外れてしまうと、お金も信用もなくなり、八方塞がりになるところが、怖かったです。 真剣に考えて、犯罪に走る主人公と、あまり考えないけど、どことなくおかしいと感じている友人の対比は考えさせられました。頭を使えるやつが苦労する、というフレーズは印象に残りました。 | ||||
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なんか内面描写が凄いので読むのが凄く疲れた。 途中大阪弁が変な感じ アタックのところは面白かった。よく調べている。 毒親は最近の流行りかな | ||||
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久し振りに、一気に読みたくなる本でした。 | ||||
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暑くて、肌にまとわりつく汗のベットリした感覚が蘇るような本。絶望の果てに救いはやってきたのだろうか。 | ||||
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スリリングな展開に先が気になって、あらゆる時間の隙間を使って読み続けてしまいました。女の子たちの声や鼓動が間近に聞こえるような臨場感に、引き込まれました。 | ||||
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川上未映子さんの「黄色い家」。今日1日で読みました。 私も含め、幸運にも、川上さんの小説の主人公たちのように苦しい生い立ちや境遇に置かれず「まともな生活」を送っている人々の中にも、自分の行動や生き方が正しいか、誤っているかを考えることなく、状況に流されて行くことが多いと思います。そうした中、「自分の行なっていることは確かに正しくはない。でも自分の生き方は誤っているのだろうか」という思いを抱きながら生き続ける主人公に、共感します。 ある意味では、チャンドラーの「フィリップ・マーロウ」物や、パーカーの「私立探偵スペンサー」シリーズのハードボイルドを読んでいる感じとも似ているのかもしれませんね(川上さんがチャンドラーを訳した村上春樹さんに対し、彼の小説の女性像をめったぎりにしたことを思えば皮肉ですが)。 一方で、これまでの川上さんの作品の主人公たちとだいぶ重なっていることも事実。そうした点で、次回は新境地を見られればと思わなくもありません。いずれにせよ、次作も楽しみです。 | ||||
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