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ペーパー・リリイ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ペーパー・リリイ

ペーパー・リリイの評価: 5.00/5点 レビュー 3件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

最後まで面白い

佐原さんの作品に惚れ込んで、速攻買いました。読みやすく、キラキラしていると思いきや、いろんな要素が入っていて面白い。ファンタジー?ホラー?青春?それをギュッと一つの物語にしているのは凄すぎます。佐原さんの作品大好きです!
ペーパー・リリイAmazon書評・レビュー:ペーパー・リリイより
4309030505
No.2:
(5pt)

完璧

タイプも違う年齢も離れている女2人が大金持って逃避する小説です。
ひと夏のエモさがある小説ですがさっぱりしていてとても良い。
終わり方も、やられたーって感じで思わず笑ってしまいました。
ペーパー・リリイAmazon書評・レビュー:ペーパー・リリイより
4309030505
No.1:
(5pt)

かみゆりの疾走

読み始めてすぐ、ははあ、これはサハラさん版「テルマ&ルイーズ」じゃないかと思ったから先を読むのがとても怖かった。ふたりを好きになればなるほど、いつひどいめにあうんだろう、どんな悪いやつに出くわすんだろう、等々、なんか、かまえてしまって。あまり言うとあっちもこっちもネタバレの危険が発生するので「なんもいえねえ」(by櫻井とりお)が正しいのだが、だいじょうぶ。こわくないよ。スカーッとします。
 年齢差のある女がふたり、あてはあるけれど計画性なく、つまりほぼいきあたりばったり、爆裂疾走する。コロナでとじこもっていたこころがポップにはじけてはねる。杏が好きだ。このたくましさ、したたかさ、ねじれてももどる柔軟さは、実にいまどきのわかもの、令和のヒロインだと思う。こういう軽やかでしなやかな女の子にわたしもなりたかったよう。
 ペーパーは「ペーパームーン」なんだそうだ。映画を知っているひとは「ははあ」とうなるだろう。この映画の演技で史上最年少アカデミー助演女優賞に輝いたテイタム・オニールは、主演ライアン・オニールの実の娘さんだ。実生活ではほんとうの父娘である役者たちが、紙の月――記念写真スタジオのやすっぽいセットのふざけた顔の三日月――に象徴される「にせの親子」「かりそめの親子」「はためからはふつうに親子に見える年齢差バディ」に扮したわけだ。その父親の職業が詐欺師である。
 それを思えば、タイトルが実に絶妙だ。
 いま「ゆり」といったら、誰だって「ああ」とうなずくものがあると思う。書き手がサハラさんだし。が、そこに「ペーパー」がつくのだ。運転免許でペーパードライバーとか。思い出してほしい、にせものは実はほんものだったことを。ただ事実がふつうにほんものであるよりも、よほど本質的なほんもの。っていうか、ほんものってなに? にせって、どの部分が。ああ、なんてややこしい!
 第二回氷室冴子青春文学賞大賞であった「きみのゆくえに愛を手を」が単行本「ブラザーズ・ブラジャー」になり、ぶらぶらと略されたりBBと称されたりしているサハラさんの今度の本が、今後いったいどう呼ばれることになるのか。楽しみだ。わたしは「かみゆり」を主張する。だってそうでしょう。かみのゆりだよ。紙の、神の、上の、ゆりだ。
 この夏、この物語を読んで爽快になって、「ああ、わたしも走りたい、走ろう!」と叫ぶひとが、たくさんあらわれるに違いない。
ペーパー・リリイAmazon書評・レビュー:ペーパー・リリイより
4309030505

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