■スポンサードリンク
夏物語
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
夏物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 1~20 1/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ふだん見ないように目を塞いでいるものをちゃんと見ろ!と胸ぐらをつかまれたような気がしたり、 ふだん安穏と座しているおまえの立場は根本的に間違っているのだぞ!と後頭部をビール瓶で殴られて、ガラスがバラバラに飛び散ったような感覚を覚えさせられるのと同時に、 著者の、弱くて抑えつけられた立場にいる者に対するあたたかい、ゆるしのまなざしを感じて、 何度も涙させられる小説でした。 そんなにたくさんの本を読む人間ではないのですが、これまで生きてきた50年間で一番心を揺さぶられた本になりました。 すばらしい物語を書いてくださって、どうもありがとうございます! そしてこの本が世界で広く読まれているということに、希望を感じます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んだことがある人に出会いたいと思う。それぐらい生きていく上での根幹を揺るがされました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一人の女性とそれを取り巻く人たちの物語です。 子どもを作りたい気持ちと、子どもを作る技術が錯綜し、家族とは何かを問いかけます。 悩みながらも、明るく生きる道を選択をしたことに意味があると思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
僕は五十代のおっさんで、おそらく想定される読者層ではないと思うけど、とてもよかった。もちろん全部が理解できたわけでも共感できたわけでもないけど。少なくとも僕とは全く違う世界を生きている人たちのリアリティーの一部を垣間見ることはできたと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的に読了したばかりのオルナ・ドーナト『母親になって後悔してる』と親和性が高く、興味深く読み終えた。 現代女性の、時に壮絶ですらある生きづらさがあの手この手で描かれているこの作品の帯に「チャーミングな小説」とコメントを寄せた村上春樹を、私は許さない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こてこての大阪弁で書かれていて関西人以外の人は読みづらいかもなのですが、是非皆さんに読んでもらいたい一冊です。何が悲しいと一言では言えないのですが読み始めてからわーわー声を出して泣いてしまいました。自分にも子宮があるのにこどもがないからかもしれません。川上未映子さんの本は情景描写も細かく川上さんの世界に否が応でも誘われてしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
別にありません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
川上未映子さんの小説はこちらで2作目です。 『すべて真夜中の恋人たち』を読んでもう少し読みたくなりすぐに入手しました。 すべて真夜中の恋人たちは、集中しての2日で読み終えましたが こちらはいったん挫折したのも含め3週間かかりました。 どうして挫折したのかというと間に挟まれる姪っ子の緑子ちゃんの日記とか とにかく読みづらかったし、感情移入できないし、文章力、表現力には惹かれましたが 多分読み終えることはないかなと。 でもやはりまた気になって読み始めそこからは一気読みです。 世界に入ることができました。 読んでよかった本です。 『すべて真夜中の恋人たち』でも思いましたが回収しない部分が多い作品ですね。 伏線回収が身についてるので違和感があります。 一部と二部の極端な差にも置いていかれそうになりました。 思っている感情を、リアルなら絶対人には語らない ネガティブで身勝手な感情や意見をいう登場人物が多いのも特徴ですね。 慣れるまで辛いです。 でもそれが醍醐味なのかもしれないと後半は感じました。 そんな剥き出しの感情が飛び交うのはまさに小説(創作)ならではのことだとも。 今回のことさら重いテーマに対して様々な立場の、境遇の、 様々な視点での意見を聞くことが出来ました。 綿密な取材によるリアルが詰まった力作だと思います。 『夏物語』は『乳と卵』の続編であるということで 先ずはそこからずれていたんですね。 『乳と卵』を読めばこの違和感はなかったのか…。 あとは今更ですが…これは純文学作品なんですね。 知らないで読んでいました(汗) 純文学に多い、救われないラストが苦手ですが 今作のラストも良かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フェミニズムの文脈で、10年間は話題になりつづける作品。 日本ローカルな描写も多いが、主題はグローバルなもので、多くの人が心を揺さぶられるだろう。 サブスク系で実写化されそう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語の中で、観覧車が2回、出てくる。物語の昔と今とを象徴として夕暮れを繋いでゆっくりと回わる描写。 乗り物であるゴンドラ、それは器としての女性を表す舞台装置暗喩なのかもしれない、は毎月の女性の周期を表すように一周回わり同じ場所に戻ってくるのだけれど、乗り込むときと、降りるとき、人を同じ気持ちにはさせてくれない。 観覧車は、「わたしのしらんところでどんどんどんどん変わってゆく。」というノートへの自分の身体に対しての吐露のように、同じではいられない心象風景を現して、風景を回ってゆく、変わってゆく。 川上未映子の『夏物語』は、何処かへいってしまいそうな、でもたしかにいる、女性と女性たちとの静かに賑やかしい、銭湯の湯気と夏の陽炎に包まれ消えてゆくような、それぞれに何かを喪失する物語。同時に、立ち上がり、回転させ(観覧車のように)、一人ひとりがそれぞれの何かを生み出してゆく物語。 それは、「女にとって大事なことを、男とわかりあうことはぜったいにできない。」、物語でもある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
正直な感想をいうならば、とってもしんどかった。 私自身、妊娠や出産に関して、色々と考えるところがあるからなのかもしれない。 それを抜きにしても胸に、いや胃の辺りにずっしりと、あるいはじわじわとやりきれなさ、寂しさやノスタルジーがないまぜになった気持ちが残る。 それでも読み続けてしまったのは、作中でも触れられた「リズム」なのかもしれない。 関西弁というだけでなく、地の文、心情や情景が淡々としたリズムで描かれる。 ともすれば重くなりすぎる題材であるのに、それをそう感じさせない。 言葉の端々に言葉にならない思いを散りばめたかのよう。 最後のシーン、港町の回想や逢沢さんの思い出は本当に温かくて、悲しくて、懐かしい。 救われなさもやりきれなさもあるけれど、そんな中でも間違えることを決める強さを眩しく思う。 それでも、救われなかったものに目がいってしまうのは自分がその立場にないからなのか。 せめて...という祈りを込めずにはいられない。 余談だけど、2部構成ということをレビューを読んで初めて知った。 そういえば1部はひたすら豊胸の話だったもんな... これがまたしんどくて、少し読むのが億劫だった... 2部でこの親子が明るくやってるのは作中の癒し。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2008年の川上未映子の『乳と卵』は衝撃でした。 それから10数年たった今、『乳と卵』をまるまる作品の中に取り込み、更にそこから新しい物語を生み出した本作は、読み応えのある傑作です。 自身の短編をもとに長編を生み出すという手法は、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』から『ねじまき鳥クロニクル』を生み出した村上春樹を思い出しますが、川上未映子が村上春樹作品をリスペクトしていることは村上春樹へのインタビュー集『みみずくは黄昏に飛びたつ』から伺えますので、本作執筆にあたっては村上春樹作品も確かに意識したのでなないか、と想像します。 『乳と卵』が衝撃的だったのは、大阪弁による語りのリズムそのものを自身の文体とすることに成功している点ではないかと思うのですが、それを裏付けるように、本書の中において、夏子の作家友達である遊佐リカが、大阪弁と文体の関係について考えを述べる場面があります。 「がちの大阪弁の応酬ってのは、もうコミュニケーションとかそんなんが目的じゃなくなってて、あれはもう競技だよ。(中略)でもさ、わたしがすっげえな、と思ったその応酬みたいなものがさ、たとえば小説とかさ、書き言葉にしたときに再現できるかっていったらまたそれは別なわけだよ(中略)文体ってのは作るもんなんだよ、んでその時に大事になってくるの、耳の良さなんだわ。必要なのは、あの応酬を支えているリズムっていうかバイオリズムっていうか、かたまりが鳴らしているそのものを聴き取って、それをまったく別のものに置き換える技術なわけだよ」 本作において、大阪弁のリズムが心地よいと感じるのは、川上未映子の耳の良さと技術力の高さによるものなんですね。 また、本書を読んでいて改めて思ったのは、日々我々が生活していく中で感じる自分の感覚を、うまく言語化している点にも感心します。 たとえば、初めて東京駅に行ったときの感じを 「どこから来るのかどこへ行くのか、信じられないくらいの人混みに思わず足が止まってしまう。それはただの人混みというよりは、まるで奇妙な競技を見るよう。ルールを知らないのはおまえだけだと言われているような気がして、心細くなってくる」 と、どこと儚く感じる疎外感を的確に表現していますが「うん、そうだよそうだよ」と私自身が、まったく同様に感じたことを見事に言語化してくれた、と嬉しくなります。 「葡萄の房ってさ、ちょっと手のひらにのせて持ったらさ、なんかちょっとだけ特別な感じせえへん?粒がみんなきゅっと集まっててさ、みんな落ちんようにくっついてんねんけど、でもぽろっと落ちていってさ、なんか特別な感じ。はは、せえへんか」 とか。 世界40か国以上で翻訳され、米ニューヨークタイムズ必読100冊、米TIME誌ベスト10にも選ばれたというのも納得の力作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恐らくは自伝的要素を濃厚に含んだフイクションなのだろうが、読者を一気に川上ワールドへ引きずって最後まで放さない非常な力作である。 特に精子提供による受精を望む主人方が、提供者の異様な男、そしてその直後に遭遇した「生を望まなかった子供」である先輩女性と駒沢公園で対話する15章は、川上選手がこれまでに書いたいかなる文章よりも真正にして激烈な描写が息も出来ないような迫力で連続する。 すべての作家が書きたいと望みながら稀にしか叶えられない奇跡的な10数頁として後世まで語り伝えられるだろう。 この大阪生まれの愛すべきねえちゃんが、これほどの辣腕作家だとは、浅はかにも予想していなかったずら。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第一部のラストの鮮烈なイメージは終生焼き付いてしまうんだろうと思う。そんなイメージを与えられる小説というのはそれほど読んだことはない。女性であるからという理由で意識されないままでもうすでに差別されているというような部分は日本はいっぱい抱えている。なんやねんなあいつは!なんやねんなあいつは!そういうものに対して、そして矛盾だらけの生そのものに対して激しい悲憤が向けられる。それでもそれは絶望の歌だけでは終わらない。読んだら、夏子と巻子と緑子、この3人を愛さずにはおれなくなるよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々の小説でしたが、刺激的に思いました | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
僕は反出生主義者です。しかし、過去は変えられない。生まれてきてしまったことは諦め(受け入れ)今後の人生をどう幸せに生きるか、その答えを求めて、この小説を読みました。小説の面白さは文句なしの星5です。後は、読んだ後に、反出生主義者に対する、今後の人生をより良いするためのベストアンサーがもらえれば、星5をつけるつもりでした。僕が星4をつけたと言うことは、ベストアンサーではなく、ベターアンサーだったと、ご理解ください。しかし、ベターアンサーは貰えたため、読んで良かったと思っています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前編はほぼ乳と卵と同じ内容で、綿密に練られた完成度の高い作品として読める。一方、後編はもう少しフワッとした部分があり、特に最初の方は首を傾げたくなる箇所も多い。例えば、前編では主人公らは「窓の少ない家」つまり貧さゆえに社会と隔絶された超貧困層にいることが繰り返し描かれるのに対し、後編では当然のように緑子は大学(おそらく京都大学)に進学し、夏子は専業主婦の友人らと定期ランチ。この状況変化はかなりの経済的、環境的状況変化が必要と考えられるが、納得のいく説明はない。しかし、こうした細部の齟齬はあるものの、後編には圧巻のクライマックスがある。なんと言っても善と佐川の告白部分はすごいものを読んでしまったと思わせる。両者とも、理由は異なるなるものの、産まない選択をした女性である。産むべきか産まざるべきか、この選択の前で後者を選ぶということは、それほどまでに特殊であり、実存を問うものであることを思い知らされる。産む、産まない、結婚する、しない、離婚する、しない。異なる組み合わせを選んだ者同士が、否応なく傷付け合ってしまうのはなぜなのか。女同士の連帯は難しく、まさしく女地獄の様相をなす。しかし答えのない問いの前で、夏子が産まない選択を選ぶのは偽善だろう。愛する人の子どもを産む、ある意味で平凡な選択をした夏子だが、結婚を選ばないという点で、一周回って同じところに戻ったというよりは、らせんのように少し違う未来に進んでいる。悲しいのは、この作品を読んでと薦めても傷付けない女友達を探すのが難しいことである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今後本棚に常に残ってゆく本になると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本物の文学作品を読んだ気がしました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2部編成で、 前編は文庫化もされている 乳と卵でした。 知らずに読んだので、 どこかで読んだなど~と既視感を感じつつ1部読了。ラストでわかって確認しましたわ。 全体に軽重のバランスがよく、 確かに秀作でした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!