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気狂いピエロ



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【この小説が収録されている参考書籍】
気狂いピエロ (新潮文庫)

気狂いピエロの評価: 4.64/5点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.64pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(4pt)

映画『気狂いピエロ』の副読本

ゴダールの1965年製作の映画『気狂いピエロ』の理解の一助となることを期待して購入。なぜ今まで翻訳されなかったのか不思議だが、映画とは別に、単独で読んでもなかなかよく書けていて、面白い。
気狂いピエロ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:気狂いピエロ (新潮文庫)より
4102401911
No.10:
(4pt)

ジョヴァンニ作品に類似を見出せず謎が解けた。

それでも映画は相当な脱構築の産物で、作者から連想でロリータに触れる解説も納得の冷めた肉欲の眺望。
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4102401911
No.9:
(5pt)

主人公の破滅する状況を読む。

冴えない主人公が、状況に流されるまま犯罪に手を染める状況がわかりやすい。ファムファタール的なアリーとの関係には愛は無い。読み進めるとアリーにも、主人公に対する興味も薄れていく様に読み取れる。ただ利用されるだけのような存在の主人公が、みずからの性的な妄執にピリオドをうち、今度は家族への懺悔をする場面は、男が普通に小さい男だったかが理解る。犬があのあとどうなったか気になった。有名すぎて敷居が高いゴダールの「気狂いピエロ」を鑑賞せずに読んでも面白いと思う。
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4102401911
No.8:
(3pt)

別の作品

気狂いピエロを大好きで何度観たかわからない。原作とは?と思いものすごく期待して読みました。
大筋は同じようですが、感触としてはまったく違う作品ですね。残念ながら運命の女はただのきっかけにすぎない。お互いに愛はない。舞台も違う上にラストも全く違う。主人公はずいぶんマトモで最後も常識の中におさまったように思えました。元タイトルの通り男の「妄執」の物語。最近まで翻訳されなかったのは理解できました。ただ独立した物語としては楽しめたし、映画では説明不足すぎた部分が明確になっているのは一見の価値はあるでしょう。
それにしてもここから自分の側に引き寄せたゴダールはやはりすごい。やはりアンナカリーナへの愛があったからでしょうか。
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4102401911
No.7:
(5pt)

初版!!

初版!!
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4102401911
No.6:
(5pt)

読みやすい

最近すっかり読書から縁遠くなっていましたが
twitterから衝動買いしました。
一気読みしました。
アマゾンで映画も見てみます。
訳者の数学的にありえないも
おススメしておきます。
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4102401911
No.5:
(5pt)

掛け値なしのノワール、ファム・ファタルの原点

ファム・ファタール(運命の女)と言うには、あまりに少女過ぎるが、本質的には奔放な魅力で男たちを操るエゴイストなヒロイン。彼女に対する原題通りのObsession(妄執・執着)を抱えて、破滅への道をまっしぐらに進む主人公を、かの映画作品では、ジャン・ポール・ベルモンドが演じた。30代。酔いどれ。性と悪の暴走まっしぐらの、青春と言うには幼すぎたり遅すぎたりする女と男の、ホンキートンクな愛の道行き。

 罪を恐れず暗黒界の大物までをも翻弄しようとする怖さ知らずの自由なヒロインと、大人としての人生をしくじり破天荒な道を辿ろうとしている語り手の主人公。この二人があることから手に入れた地に足のつかない賭け金。それは、彼らの足跡に血と復讐の置き土産をくっきりと遺す。愚かな青春。愚かな肉欲。愚かな執着。

 ゴダールの映画の中で最も強烈なインパクトを遺した『気狂いピエロ』であるが、今、この段になってその原作が邦訳されるとは、まるで夢のようである。あの赤や黄色や青の原色が強烈だった伝説的前衛シネマが、過去の時代とともに蘇る。ベルモンドの名を映画史に刻んだ、人を食ったような映画の結末は、原作とどう違うのか。あの奇妙な後味は? それは本作で確認して頂くとして、それにも増して眼と心とを引っ張ってゆく物語力は壮絶であった。そう。掛け値なしのノワールであったのだ。

 昨秋亡くなったベルモンドという役者の栄誉を称えるかのように、同じくゴダールによる『勝手にしやがれ』ともども古いフィルムがデジタル化され、劇場での二本立て公開上映されているそうである。ベルモンドもゴダールも共に代表とする名画の二本立てとは何とも贅沢な話題!

 さて、本書。半世紀前の作品とは言え、人間を作る感情・欲望・愚かさなどは、今も昔も寸分も変わらない。人間の心、青春の抑圧されたエネルギー、それらをもたらす環境等々、今の時代もそれらは前に進むことなく、人間の限界点を予感させつつ、敢え無く暴走する負のエネルギーとなって常に心の裏側に潜んでいる。その負のエネルギーが、人間の弱さを捉える落とし穴のような瞬間を、誰にでもどこにでも何時でも、創り出して全く不思議はない。

 小説は現実を写し、映画はまたそれを拡散する。人間の逃れようのない弱さと愚かさ。そんな欲望にまみれた悲しい現実を。

 本書も映画も、人生の示唆に富んでいるわけでもなく説教じみたものでもない、破滅のブルースしか、この作品にはあり得ない。半世紀を経た今の世にこの小説を読んでも、さほどの古さは正直感じなかった。映像の鮮烈さに比して、とても暗いモノクロームの小説。金と犯罪と欲望と、その裏で微笑むファム・ファタル(宿命の女)。これぞノワールである。掛け値なしの。
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4102401911
No.4:
(5pt)

ゴダールよりマンシェット

上半期いちばん期待していた文庫。ライオネル・ホワイト『気狂いピエロ』で翻訳は矢口誠さん。ゴダールの同名映画は高校生の頃に見たんだけどどうせ俺にはわかりっこないさと斜に構えて始めたらめちゃくちゃ好きだった。原作は初読で大好きなマンシェットに通じるノワールノベル。カバー装画はQ-TAさんのコラージュ作品。正しくこれが正解でこれ以外は何を持ってきても駄目だと思う。最高の読後感でした。ピエロルフ。
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4102401911
No.3:
(5pt)

映画の公開から55年の歳月を経て、原作小説の翻訳が出版された。すばらしい。

先に断っておくと、本書の映画化であるゴダールの名作商業映画、超傑作映画の訳題についてはいろいろな意見があると思う(本書の最後にも、編集部による丁寧な弁明が載っている)が、私は未来のどこかで、別の訳題に変更したほうがよいと思う。理由は、①この映画が未来の日本で、訳題ゆえに冷遇されるようなことが起きてほしくない、②この映画にいつまでも名作として生き残ってほしい。
しかし、現時点では、映画は『気狂いピエロ』(原題PIERROT LE FOU、角川DVDケース下段ではわざわざ狂人ピエロと訳)であり、本書は映画の原作の『気狂いピエロ』(原題 Obsession)なので、この題をそのまま使わせていただく。
映画『気狂いピエロ』の日本公開は1967年なので、55年の歳月を経ての原作の本邦初訳である。すごい。すばらしい。
久々に映画を観てから本書を読むか、本書を読んでから映画を観るか迷ったが、結局本書を読み、映画を観て、また本書を読んだ。
作者のライオネル・ホワイトはたくさんの犯罪小説を書き、長編は2編が邦訳されているが、私は読んでいない。『逃走と死』はキューブリックの『現金に体を張れ』の原作で、映画のほうは観た。
なお、映画『気狂いピエロ』が、1965年のヴェネチア国際映画祭に出品された時は、批判、非難、ブーイングの嵐であったという。1967年のキネ旬ベストテンでは第五位という微妙な順位になっている。
本書の私的感想
○たいへん面白かった。独立の小説としても十分面白いが、やはり、映画『気狂いピエロ』の原作となった小説として、たいへん面白い。興味深い。
○映画はだいたい原作に沿って作られているが、大きな違いがいくつかあり、小さな違いもいろいろある。これを書きたいところだが、これはこの本を読む人の一番の楽しみと思うので、ネタバレ防止としたい。
○ただ、二点だけはちょっと書きたい
☆一つは、映画では、後半の現金強奪はあっさり終わるが、原作では、手の込んだ輸送現金強奪計画の実行が後半の山場として設定されている。ホワイトは現金強奪組織犯罪小説の第一人者である。
☆映画がフェルディナンとマリアンヌの「愛」の物語であることはどなたも異議はないと思うが、本書の38歳のコンラッドと17歳のアリーの関係をどう考えるかはなかなか面白い。解説の吉野氏は、ホワイトがナボコフの『ロリータ』を読んでアリーのモデルとした可能性を指摘し、訳者の矢口氏は「二人が精神的愛を全く共有していない」で、結びつけているのは性的関係だけで、「愛」と呼ぶべき絆はない、と語る。私はというと、お二人のおっしゃるとおりとは思いながらも、本書もまた、ふたりの「愛」の物語ではないかと思う。
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4102401911
No.2:
(5pt)

ゴダール監督の傑作映画の幻の原作、クライム・ノベル・ヲタク驚喜の翻訳作品

アメリカの郊外に暮らす失業中の男が若いベビーシッターを車で送るが・・・というお話。

キューブリック監督の映画「現金に体を張れ」の原作「逃走と死と」のライオネル・ホワイトの作品で、尚且つゴダール監督の映画の原作という事で、私みたいなクライム・ノベルおたく垂涎の作品が翻訳されて驚喜ですが、ゴダール監督の名作映画の原作でその映画が修復されて公開されるという事で、今回初の翻訳になった様でそういうトピックスがなければ絶対に翻訳されなかったと思われますが、どういう理由でも翻訳されたのが嬉しいです(ジョージ・V・ヒギンズの「ジャッキー・コーガン」とか。

話しは、こういうクライム・ノベルを数多く読んだかもしれない人(私も多分)には類型的に思えるであろうと考えられるし(ファム・ファタール、強奪、破滅の要素等)、実際そうですが、ふとしたはずみで転落したキャラクターが破滅に向けてつき進んでしまう展開にはスリルとサスペンスがあり、自分もひょっとして・・・と思わせる迫真性もあり、読んでいて緊迫感のある作品でした。読んだ時期(2022年くらい)が世界的に一大凶事に見舞わられている時期でもあるので、自分も破滅するかもと思いながら読むと作中のキャラに感情移入してしまいます。

ホワイトの作品は「逃走と死と」と「ある死刑囚のファイル」以外はこれしか翻訳がないらしいですが、前記2作とも住んでいるエリアの図書館に昔あったので、読んだ記憶がありますが(今あるかは不明)、また読んでみようと思いました(ゴダール監督の映画も観たくなりました)。

どういう理由でもこういう風に過去のクライム・ノベルやハードボイルドの埋もれた傑作が紹介されるのは喜ばしい限りです。もっと出ると更に嬉しいです(多分ないであろうけど)。解説もかなり色々と映画や小説に関して詳しく記されており、読み応えがあります。

ゴダール監督の傑作映画の幻の原作、クライム・ノベル・マニア驚喜の翻訳作品。是非ご一読を。
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4102401911
No.1:
(5pt)

不毛な愛の物語

家庭と社会に疲れた中年男性と、底の知れない17歳との逃避行

裏切られ逃げられ瀕死の目に遭わされても、彼女の内面を問う事は無い
なぜなら彼にはもう帰る場所など無いから

男の目線から語られる本書は、まさに原題の通り「妄執」の物語

単なるノワールでは無く、ゴダールの映画ともまた違う
アメリカの一面を描き出している傑作

なぜ今まで翻訳されなかったのか不思議
気狂いピエロ (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:気狂いピエロ (新潮文庫)より
4102401911

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